パートでも社会保険に加入できるか
一定の要件を満たす場合には加入が義務づけられる

 
健康保険、厚生年金保険は、常時5人以上が従事する個人事業所(飲食業、サービス業、農業、漁業などを除く)とすべての法人事業所は強制適用である(健康保険法第13条、厚生年金保険法第6条・第9条)。パートについても、所定労働時間・月の労働日数がその事業所で同種の義務を行う一般労働者のおおむね4分の3以上であれば、加入が義務づけられる。また、40歳以上は介護保険への強制加入となり、その保険料が、健康保険料に加えて、徴収される。
 

加入:
4分の3要件

 

パートについては、その事業所と常用的雇用関係にあるか否かにより個別的に判断されるが、1日又は1週の所定労働時間及び1か月の労働日数がその事業所で同種の事務を行う一般労働者の概ね4分の3以上である場合には、加入が義務づけられる。
ただし、(1)日々雇い入れられる者で1か月を超えない範囲で使用される者、(2)2か月以内の期間を定めて使用される者(所定の期間を超えて使用されるに至った場合はその日から被保険者となる)、(3)季節的業務(4か月以内)に使用される者、(4)臨時的事業(博覧会等)使用され、6月を超えない者などは適用除外となっている。
上記適用除外された者については、法第69条の7被保険者(日雇特例被保険者)となり、被保険者手帳の交付を受ける。就労する日毎に事業主に提出し、健康保険印紙をはってもらうことが必要。

 

加入の手続きをしない

 
加入資格があるのに、会社で手続きをしない事は、5日以内の手続きを義務づけた法律違反である。社会保険事務所で状況を説明し改善を求める。
 

任意適用事業

 
法人でない常時5人未満の事業所と、人数に関係なく下記の業種の任意適用事業所では、労働者の2分の1以上の加入希望によって加入することができる。
任意適用事業所=(1)農林・水産・畜産、(2)理美容・クリーニング、(3)映画・演劇・興業、(4)旅館・飲食・接客・娯楽、(5)弁護士・公認会計士
 

被扶養者:
収入要件

 
年収が130万円(60歳以上の者または障害者については180万円)未満である場合には、被扶養者に該当するものとされている。
 

パートの適用関係

 
強制適用事業所では4分の3要件を満たしている場合は収入要件は問わずに被保険者となる。従って4分の3要件を満たしてなければ収入要件以上の収入がある場合でも、被保険者とはならない。また被扶養者ともならない(この場合には、国民健康保険、国民年金に加入することになる)。
 

パートの社会保険の適用関係

 

 

  収入要件(被扶養者の該当・不該当)
年収 130万円以上:不該当 年収 130万円未満:該当
4分の3
要件
4分の3
以上
健康保険
厚生年金(+国民年金2号)
4分の3
未満
国民健康保険
国民年金(1号)
扶養者が厚生年金の被保険者のときは上に同じ
扶養者が国民年金の被保険者のときは左に同じ
 

被保険者区分表

 
  第1号被保険者 第2号被保険者 第3号被保険者
対象者

(1)

自営業や農業、自由業の人とその配偶者
(2) 学生など
厚生年金や共済組合に加入しているサラリーマン・OL 第2号被保険者に扶養されている20歳以上の60歳未満の配偶者
加入手続き 市区町村の保険年金課または出張所に届け出が必要です 個人による届け出は不要です 配偶者の勤務する事業所への
保険料

(1)

個人で毎月納めます
(2) 口座振替ができます
賃金から直接引かれます 第2号被保険者加入の年金制度が負担。個人負担なし
 

傷病手当金の給付期間

 
休業4日目より1年6月まで。
 

介護保険について

 
40歳以上の人は原則として、介護保険の被保険者となり、保険料は健康保険料に加えて納付されることになる。したがって、健康保険の被保険者になっている人は直接には、介護保険の保険料を納付することはない。

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