2006.05.12
米軍の千歳基地移転問題で知事に要請


 5月12日、米空軍嘉手納基地のF15戦闘機訓練の自衛隊千歳基地への一部移転・分散に対する北海道知事要請が行われた。対応した小町危機対策局長に対し要請書を手交した後、佐藤事務局長より訓練移転反対を国に対して明確に示すよう求めた要請趣旨が説明された。(要請書 別紙
 小町危機対策局長は、「沖縄の負担軽減については、矢臼別での実弾射撃訓練を受け入れていることで、その負担を担っていることから受け入れは難しいとする基本的な考え方に変わりはないが、国防は国の専管事項であるという客観的事実を踏まえると、国が国策として実施するという方針を覆すことは、大変難しい状況にあると考える。国がその責任におF15移転問題で対道要請いて訓練移転を実施するとすれば、地元の意向を十分伺った上で、事故への不安や騒音などによる生活環境への影響が最小限となるよう、道の考え方を国に強く申し上げなければならないと考えている。国の専管事項であっても道として国に申し上げるべきところは、きちんと意見を述べる所存である。いずれにしても、地元の意向が第一と考えており、今後も地元と連携しながら、適切に対応して参りたいと考えている」と回答した。
 佐藤事務局長からの、地元の意向というのは北海道も含まれるのかという問いには、苫小牧市、千歳市、北海道も含まれると回答。また、国防については専管事項というが、国会の中での議論はなされていない。まして、地元への説明は不十分で後回しになっているとの指摘については、「指摘の事項については、遺憾であるという姿勢は変わりはないし、受け入れがたいという姿勢も変わらない」と答えた。渉外知事会で求めている基地の整理縮小や地位協定の見直しという課題についてはまったく進んでいないとの指摘に、「引き続き粘り強く渉外知事会を通じて外務省や防衛庁にぶつけていきたい。各自治体の代表としてぶつけていきたい」と述べた。
 最後に、佐藤事務局長から「アメリカの世界戦略の求めに応ずるだけで、主権国家としての日本の姿勢がはっきりしていない。この国のあり方をどうするのかということが全く不明確である。3兆円とも言われる巨額な費用負担の問題、法律上の問題などの重要な問題があるにもかかわらず、国会での論議もなされていない」と指摘し、道に対し「国民も関心を持って考えるべき重要な問題であるが、道も情報開示につとめ道民に基地問題を提起すべき」と要求し終了した。