2006.03.10
自民党・北海道道州制特区推進法案(試案)に反対し、道に要請

(第49号) 2006年3月8日(水)
政策調査情報 連合北海道 総合政策局
自民党・北海道道州制特区推進法案(試案)に対する対道要請を実施
 3月6日、連合北海道の「自民党・北海道道州制特区推進法案(試案)」に反対する緊急対策委員会は、道に対し要請行動を行い、試案の問題点を指摘するとともに、今後の道の対応について質し意見交換を行った。道の対応は山本副知事。
 要請書の内容は以下の通りで、後日、文書により回答を受けることとした。
 
●要請書
 
自民党・北海道道州制特区推進法案(試案)に対する要請について
  日頃の道民の福祉と暮らしの向上に向けた施策の推進に心から敬意を表します。さて、自民党は昨年10月、自民党政務調査会の北海道道州制検討小委員会の中間報告で「特区実現のための推進法を次期国会で制定する」ことが明記されました。そして、自民党道州制推進議員連盟は、2月1日の総会において、北海道道州制特区推進法案(仮称)の試案をまとめました。これにより、内閣府を中心に法案作成に向けた政府・与党内の調整が本格化していますが、国会への法案提出期限は3月中旬頃とされています。
 道は、この試案について、「道の提案に一定程度配慮されている」として前向きに評価する「道の考え方」をまとめました。この考え方では、「道が国に提案した権限移譲項目と合致するものが多い」、「公共事業の補助率かさ上げなどの北海道特例の見直し問題についても、多くの関係者の利害に影響。経過措置への配慮が必要。」としていることを評価しています。しかし、試案が道への権限移譲項目に「国土形成計画法に基づく広域地方計画の策定」を明記していることから、北海道開発法に基づく現在の特例も廃止されるのではないかという懸念や「分権改革の推進」、「財源移譲」等々が不明確なため、全面的に修正案を提出せざるを得なかったと推察されます。
連合北海道は、この試案は、@「道州制特区推進」に名を借りた国の行政リストラ(地方支分局の廃止・縮小)を北海道で先行実施するものであり、「道州制」という分権国家を展望した地方分権改革とは全くかけ離れたものである。A国の地方支分局が担っている事務事業を道に移譲し、合わせて国の行政体制の合理化をはかることが「道州制特区」の推進と位置付けており、地方分権改革としての「道州制」のイメージを極めて歪曲し、行政リストラの推進という観点のみに限定したものである。B市町村合併の推進を提案しており、北海道で進まなかった合併について、市町村の自主的な自治を無視し、道に強権的に合併を推進させることは問題である。道も国の意向を受け、合併構想を作成し、市町村に勧告する準備をすすめており、道の「合併が基礎自治体の充実・強化を図る最も有効な手段」という姿勢は極めて問題であり早急に改めるべきである。C各界からの懸念事項に対する説明や「事務事業の移譲による特例措置」により道民生活への影響が不透明であり、さらに道民の合意形成の手続方法もない拙速な案。と受け止めざるを得ません。よって、この試案に反対であり、今通常国会に法案として提出されないことを求めます。
 地方制度調査会は、2月28日に道州制に関する答申をまとめました。地方分権と行政の効率化に道州制導入が「適当」と結論づけていますが、導入の時期や手続きは明記されておらず、さらに「国と地方の役割分担のあり方」、「権限移譲」、「地域の自立に必要な税源をどう確保するのか」等々の論点は先送りされており、実現への道筋までは描けていません。論点となっている課題の整理は道州制導入のための基本課題であることを認識し、道庁、開発局などの国の出先機関、市町村、経済団体も含めてじっくりと議論を深めていく必要があります。
 道に対しては、下記の事項について要請しますので、文書で明確な回答をお願いします。
1.連合北海道は、上述した4項目の見解にたって試案には反対です。この見解に対する道の考え方を明らかにすること。
 2.道として、試案に対して評価し、合わせて修正意見を提出しています。単なる表面的な字句修正だけで問題が解決するものではなく、試案に対する誤った評価を抜本的に見直し、道民に明らかにすること。

3.道は、問題の多い試案に基づく「北海道道州制特区推進法案」が今通常国会に提案されることがないように国をはじめ関係機関と対応すること。
以上