2003.10・11合併




2004春闘・参議院選挙勝利に向け組織の総力を
第16回定期大会開く


 連合北海道第16回定期大会が11月27・28日の2日間、札幌市・ホテルライフォートにおいて、代議員・特別代議員・傍聴約320名の出席のもと開催されました。
 大会では、2003年度の活動経過・会計報告と2004・5年度の運動方針、2004春季生活闘争方針などを承認・決定しました。さらに、来年の参議院選挙に向けては、連合北海道推薦の北海道選挙区峰崎直樹参議院議員、比例区の連合組織内8候補をはじめ民主党候補全員の勝利に向け、組織の総力をあげて取り組んでいくことを確認しました。
 また、役員改選では2期4年にわたり会長を務められた笠井正行氏が勇退し、新たに渡部俊弘会長が選出されました。

 大会冒頭、主催者を代表して笠井会長は、最初に、@統一自治体選挙に始まり総選挙で終了した選挙闘争、A小泉政権の構造改革路線の実情と本質、Bイラクへの自衛隊派遣問題の3点について所信を表明。さらに、労働組合と連合運動の果たすべき役割と使命として、@労働者の深刻な今日的状況に対する労働組合と組織労働者の課題、A政治活動の強化、B組織の強化と拡大をあげ、「働く者にとって厳しい状況下であるがゆえに、今日ほど労働組合の必要性と果たすべき役割が期待されていることはないとの確信を持ち合い、さらなる前進をお互いに誓い合いたい」と訴えました。
 続いて、来賓として連合中央の林誠子副事務局長から、連合評価委員からの提言、年金制度改革問題への対応、04春季生活闘争の取り組みなど、連合本部の見解と取り組みについて報告がありました。
 経過報告・運動方針については、8名の代議員・特別代議員から発言があり、活発な議論を経て、提案どおり承認・決定されました。
 明年の参議院選挙での連合北海道推薦の峰崎直樹参議院議員は、小泉政権の弱者切り捨ての経済政策とイラクへの自衛隊派遣にみられる米国一辺倒の外交政策を批判し、「民主党政権実現のため全力で取り組んでいきたい。皆さんの特段のご支援をお願いしたい」との決意を述べました。さらに、大会には先の衆議院選挙で見事当選を果たした議員の方々も出席し、それぞれから選挙戦における支援に対する感謝と、今後全力で活動していく旨の決意表明がありました。
 役員の改選では、新会長に渡部俊弘氏(電力総連)が選任され、会長代行に大場博之氏(自治労)、副会長に藤井和則氏(電力総連)が新任されました。事務局長には峯後樹雄(情報労連)が再任されました。さらに、新たに副事務局長には、佐藤富夫氏(自治労)、執行委員には小桧山秀昭氏(自治労)、半澤典子氏(北教組)、黒瀬千秋氏(情報労連)、宮崎渉氏(自治労)が選出されました。また、会長の笠井正行氏(自治労)、副事務局長の田中宏佳氏(電力総連)、執行委員の山田剛氏(自治労)、特別執行委員の折戸良治氏(電力総連)、斉藤志保氏(北教組)、山形千都子氏(自治労)が今大会をもって勇退されました。
 最後に、大会宣言と4本の決議を採択した後、渡部新会長による団結ガンバローで、大会を締めくくりました。

 2004〜5年度 連合北海道役員体制 

新任あいさつ(要旨)  会長  渡 部 俊 弘
 現在、我が国は政治、経済、社会、全ての分野において「戦後最大の危機」にある。
 一方、中坊公平氏を座長とする「連合評価委員会」は、連合運動が「量と質、両面において危機的な状況にあり、このままでは連合運動の社会的存在意義はますます希薄になる」との懸念を示している。量というのは「組織率の大幅な低下」、質というのは連合運動が今日、「時代の先頭に立つ集団と認知されず、強力な運動もできない」状態にあることを指している。その状態を打破するためには、私たちが求めるべき社会の姿を描き、実現する理念や具体策を中央、地方、そして組織の内外を通じて論じ切ってこそ、連合運動における「量と質、両面からの危機」に対する脱出の道筋が見えるものと考え、地方のレベルから議論の充実に取り組んでいきたい。
 次に、当面する主要課題への対応について述べたい。
 まず第1優先課題は、雇用と組織化の課題である。雇用問題については、連合北海道の組織の総力をあげて、北海道知事をはじめ、道内各地における雇用に影響力を持つ、多くの方々と党派を超えて連携し、冬期雇用援護制度問題への対処を含めて、一人でも多くの雇用を獲得するために精一杯取り組むとともに、組織化においても構成組織の全面的な支援のもとに、パートなどの未組織労働者に対する支援活動を通じて具体的な成果を求めていきたい。
 2つには年金問題への対応である。負担増と保障内容の劣化だけを押しつけ、制度全体が信頼を損なう方向となる改悪が進んでいる。広く道民の意志を結集した年金改悪阻止に向けた行動を強化していく。
 3つには、政治課題への対応である。先の衆議院議員選挙において、二大政党への流れが明確になったと判断する。したがって、明年の参議院議員選挙は政権交代実現に向けた明確な布石を打つための選挙にしなければならない。連合組織内8候補の完勝はもとより信田参議の再選、さらには北海道選挙区における峰崎参議の完勝を期す闘いの構図づくりについて、民主党との十分な連携のもとに取り組んでいきたい。

退任あいさつ(要旨)  前会長  笠 井 正 行
 1999年の就任以来、この4年間を振り返ると、9.11の同時多発テロを一つの契機として、21世紀は新たな破壊と戦争・殺りくの時代に大きく傾斜しようとしている。また、労働運動そして日本の政治・経済全ての面においてこれまでに経験したことのない厳しい状況に立たされている。この厳しい次代を担っていく新執行体制のもと連合組織が一丸となって、新たな連合運動の幕開けを是非つくっていただきたい。

質疑応答(要旨)

【質 疑】(質問・意見)

斉藤代議員(全造船機械)
○楢崎製作所の民事再生法申請による再建等について
畑中代議員(道季労)
○冬期雇用援護制度改善の取り組みについて
杉谷代議員(自治労)
◯組織拡大の取り組みについて
○市町村合併問題について
○地域医療確保に向けた取り組みについて
半澤代議員(北教組)
◯義務教育国庫負担法改悪問題について
◯公務員制度改革問題について
◯泊原発問題について
◯自衛隊のイラク派兵と平和の問題について
◯教育基本法の改悪問題について
酒井代議員(JR総連)
○反弾圧闘争の取り組みについて(協力要請のみ)
高倉代議員(全開発)
○春季生活闘争の再構築について
○地方分権と道州制問題について
多賀特別代議員(宗谷地協)
○幌延町深地層研究センター周辺自治体における電源3法交付金問題について
工藤特別代議員(北海道地域ユニオン)
○パート労働者の組織化について

【答 弁】

執行部
◯楢崎製作所の民事再生法申請による再建等について
 北海道は製造部門の企業・会社が極めて少なく脆弱であるということも含めて、なんとしても存続させたいという思いで取り組みを進めてきた。これからも同様の課題がおこる可能性があると考えており、、その際には、当該地協・地区連合、あるいは多くの産別の支援をいただき対応していきたい。
 今回このような結果を出せたのは、そこに労働組合が存在し、機能したからこそであると考える。組織拡大強化は連合運動の最大の命題であるが、この好事例をしっかりと踏まえ対応していきたい。

○冬期雇用援護制度改善の取り組みについて
 この制度の改正については、厚生労働省は内容を変更する気持ちは全くないが、連合北海道は来年1月末からの通常国会における予算審議も含めて、最後まで全力で対応していきたい。とりわけ、道に対しては、厚生労働省案で切り捨てられる労働者をどうするのかという課題も含めて提起すると同時に、冬期失業を控えて、高橋知事が打ち出している公共事業の3割削減という建設投資の大幅な削減に、さらに直面する建設労働者を中心とする季節労働者の課題をどうするかについて具体的に求めていきたい。もう建設業のみで雇用を確保する状況ではなく、異業種への転換に向けた職業講習制度の活用などを含めて、しっかりと対応していきたい。

◯組織拡大の取り組みについて
 連合北海道に求められているのは、全ての働く者のパートナーとして、様々な雇用形態で働く仲間を広く結集して運動の輪を広げていくことであり、各産別には関連企業の組織化、同じ企業で働くパートや契約社員など非典型労働者の組織化などの取り組みをお願いしたい。次に、組織化後の不当労働行為の問題であるが、労働者、労働組合に対する不当な介入、差別を許さない立場で地労委の場、地域共闘の中でも取り組みを行っており、今後もより日常的な活動を強化していきたい。また、地域ユニオン傘下の組合や産別未加盟組合を中心に労働組合としての役割、日常的活動のあり方等について学習会、実践講座の地域での開催を検討していきたい。

○市町村合併問題について
 人口要件の要件化には反対との立場で、今後とも市町村議会決議の要請運動を継続するとともに、国会議員団とも連携して取り組みを進めていく。また、法定協議会に連合北海道の代表を派遣する課題についても積極的に取り組み、合併によって自治が後退しない仕組みづくり、まちづくり、あるいは地域のスタンダードの確立の課題について、勤労者の立場から提起をしていきたい。

○地域医療確保に向けた取り組みについて
 北海道の医師数は、人口比ではほぼ全国水重に達しているが、その大部分が都市部に所在している状況にある。
 連合北海道は、道民がいつでも、誰でも、どこでも安心して受けることができる医療提供体制の確立に向けて、医局講座制を廃止して、教育・研究・輪唱を分離することや研修医が研修に専念できる賃金・労働条件の確保、病院と診療所の機能分担や連携強化、医師派遣の窓口の一本化などについて道や国に対して取り組みを強化していきたい。

◯義務教育国庫負担法改悪問題について
 義務教育の中身が全国・各地域において、違いが出てくることは、決して許してはならないことである。とりわけ、明年度の予算の確定時期において、文部科学省が義務教育費の色々な分野で予算をカットしようとの動きがある。連合北海道としてもこの問題ついて、地方分権との絡みについても踏まえつつ、連合本部・関係産別とも連携を取りつつ、対応していきたい。

◯公務員制度改革問題について
 公務員制度改革問題は、来年1月の156回通常国会が最大のヤマ場であることは間違いがない。しかし、一昨年政府が出している改革大綱の全面撤回という基本論だけで押し切って行くことは困難な局面に来て折り、連合本部の対策委員会は新公務員法研究会を設置して政府案に対する対案を作る作業に着手していくこととしており、来年1月には骨格を固め3月には対案をまとめることにしている。さらに、連合本部は並行して院内外の取り組みを強めていくことから、北海道段階でも対策委員会で取り組み強化を図っていきたい。

◯泊原発問題について
 連合北海道は、泊原発2号機事故について、道や北海道電力に対し、事故原因の究明・再発防止策・事故情報の迅速な伝達について申し入れを行っている。迅速な情報提供の課題については、引き続き道に対し要請を行っていきたい。
 原子力防災訓練に関しては、事故が発生しても適切な避難・退避ができるようにな防災訓練の拡充について求めていきたい。

◯自衛隊のイラク派兵と平和の問題について
 イラクへの自衛隊派遣については、非戦闘地域への派遣とはいっても、現地の人たちは軍隊の派遣と捉えることは明かであり、自衛隊がそこに行った瞬間に戦闘地域になることが十分に想定される。また、戦争が終結しイラク国民による復興作業が始まっている状況を前提としたイラク特措法にも違反するものである。連合北海道は、このように極めて問題の多いイラクへの自衛隊の派遣に断固反対し、今後とも各種取り組みを行きたい。

◯教育基本法の改悪問題について
 政府は教育の荒廃の原因が教育基本法にあるとの考えのもと、その見直しをはかっているが、連合北海道はこのような政府の姿勢に反対してきた。来年6月の通常国会がヤマ場といわれているが、ここに向けて全道各地で集会等、改悪反対の取り組みを行っていきたい。

○春季生活闘争の再構築について
 春闘改革あるいは再構築などと言われ、全体が厳しい春闘情勢の中で、連合北海道は、発足以来続けてきた地場集中決戦方式による成果が着実に上がってきている。さらに厳しさが増す2004春闘において、この地場集中決戦方式を前進させる取り組みが必要である。いわゆる、地場・中小組合の闘いをどう全体で支えていくのかについて、産別・地域が何をできるのかについて地域共闘の中で議論し、地域共闘として連帯感の持てる闘いとしたい。

○地方分権と道州制問題について
 地方分権と道州制問題については、先に結論ありきではなく、どうあるべきかという議論・プロセスを重要視して結論を出していきたい。民主党北海道とも連携をはかりながら、この分権の推進と、道州制の課題について、関係産別、学者など有識者も含めたプロジェクトチームを早急に立ち上げ、内容の精査を含めて連合北海道としてしっかりとした意見提言ができるような取り組みを行っていきたい。

○幌延町深地層研究センター周辺自治体における電源3法交付金問題について
 北海道経済産業局が核持ち込み条例の制定は交付金の趣旨にそわないと述べ、近隣自治体が条例を制定すると交付金を受けられないと受け止めている問題について、北海道経済産業局に対し事実関係を明らかにするよう求めている。もし、明確な説明がなされない場合は、深地層研究センターの容認方針を見直すこともあり得るという毅然たる態度で対応ししていく。

その他、大会宣言・決議等はこちら


イラクへの自衛隊派遣反対し、各種取り組みを展開

 連合北海道と民主党北海道は、12月3日、イラクへの自衛隊派遣に関する「合同対策本部」を設置するとともに、同日の18時からは、札幌市において民主党と共催で「イラクへの自衛隊派遣に反対する全道集会」を開催しました。
 その後4日に、全道集会で採択された民主党北海道と連合北海道との「共同行動アピール」に基づき知事要請をかわきりに、9日には民主党・道民連合議員会、フロンティア議員会、公明党議員団に対し道議会での意見書採択の取り組み要請を行いました。同日9日には自衛隊イラク派遣計画が閣議決定されたことから、総理大臣、外務大臣、防衛庁長官根自民党、公明党に対し、産別・地協・地区連合による合議の打電行動を実施しました。また、地域においても、集会の開催、自治体首長への要請・申し入れ、市町村議会における意見書採択運動などに取り組んでいるところです。
 今後、実施要項策定と航空自衛隊派遣への抗議打電行動、地協・地区連合での学習会、民主党と協働による地域街頭宣伝、署名活動などを実施していきます。また、陸上自衛隊の派遣が予定されている1月下旬から2月上旬の時期に札幌において合同対策本部が中心となり、政党、市民団体を含めた各種団体に広く呼び掛け、「陸上自衛隊派遣派遣に反対する全道集会」を開催していきます。

 イラクへの自衛隊派遣に反対する全道集会 
 12月3日18時から札幌市・中島公園において開催された「イラクへの自衛隊派遣に反対する全道集会」は、厳しい寒さの中、組合員をはじめとする約2000人が参加しました。
 集会では、イラクで殺害された外交官に黙祷をささげた後、連合北海道渡部会長は「戦闘状況にあるイラクへの自衛隊派遣は、戦闘の終結という派遣の前提条件にも反したものである。国連を中心とした支援の枠組みが構築されるまでは、自衛隊を派遣すべきではない。道民の力で派遣を阻止しよう」と訴えました。その後、「一大道民運動の展開」「政府に対し政府調査団の報告内容の公開を求める」「知事に派遣反対の意思表明を求める」など6項目の共同行動アピールと「イラクへの自衛隊派遣に反対する集会決議」を採択。
 この後、中島公園から大通公園までデモ行進し、「イラクへの自衛隊派遣反対」の力強いシュプレヒコールを繰り返しながら、市民に派遣反対を訴えました。

 道知事へのイラクへの自衛隊派遣に関する申し入れ 
 「合同対策本部」は、12月4日、道知事に対しイラクへの自衛隊派遣に対する対応について申し入れを行いました。
 高橋知事に代わって対応した山本副知事は「知事も、自衛隊員の生命の安全、派遣隊員の家族の不安を抱いており、安全面の確保を最優先に、派遣には慎重に対応するよう求めている」と述べました。
 これに対し、合同対策本部は、「われわれが求めているのは、あくまでも、イラクへの派遣対象となっている“北部方面隊”を抱える北海道の知事として、自衛隊派遣に反対する断固とした決意を固め、中止を求める道民運動の先頭に立って行動することである」とし、知事の派遣反対への積極的な姿勢を強く求めました。

2004年度「道政に関する政策・制度要求と提言」
道知事に最重要政策課題について要請


 渡部会長以下執行部は、12月18日に高橋はるみ北海道知事に対し、2004年度の道予算編成にあたって連合北海道としての「2004年度道政に関する政策・制度要求と提言」を行いました。
 要請では、第1に深刻な雇用・失業問題とセィフティネットの確立、季節労働者の冬期援護制度の課題、第2に介護保険制度・地域医療サービス提供体制・福祉など道民生活の課題、第3に地方分権の推進と分権自治システムの構築、道政改革の課題の3点の重点課題について適切な対応を求めました。あわせて、幌延問題・エネルギー政策などこれまで道民合意で確立してきた政策方針の堅持や平和の課題をはじめ、道民の暮らしに深く関わる課題についての提言も行いました。
 今後、道側からの全項目への回答をもとに課題を絞り込み各部交渉を行うとともに、予算確定のヤマ場における重点事項の申し入れなどに取り組んでいきます。

電源三法交付金問題で、経済産業局から釈明の回答

 「核持ち込み拒否」条例の制定を検討していた幌延深地層研究センターの近隣7町村に対し、北海道経済産業局の担当者が条例が制定された場合、電源三法交付金が交付されないなど、「制定阻止の圧力ともとれる説明」を行ったことに対し、同局では「誤解されるような発言があった」と認めました。
 連合北海道は、幌延深地層研究センターが20年に及ぶ紛争を経てまとまれてきた施設計画であり、この経過や合意を無視し、住民自治に対する介入は断じて容認できないとの立場から、12月12日に経済産業局に対し質問書を提出しました。15日に、「一部の自治体に対し条例と交付金の関係について混乱を招いたことは、本意とするところではなく誠に遺憾」との釈明の回答がありました。
 連合北海道としては、この間の幌延深地層研究施設設置に関わる道民合意を遵守することを経済産業局に求め、再び今回のような混乱を生じさせないよう、「幌延監視連絡会」等の取り組み、中央要請行動など今後も対応していきます。