第16回定期大会(2003.11.27〜28) 資料

運動方針

 はじめに 情勢と課題
 組織拡大・強化と地域活動の強化
 総合生活・雇用労働条件改善の取り組み
 政策・制度要求の取り組みについて
 国民・道民運動の取り組み
 広報・文化活動・メーデーの充実
 女性運動に関する取り組み
 政策実現に向けた政治活動の強化
 労働者自主福祉運動の取り組み
 国際連帯の取り組み

第20回参議院選挙闘争方針(案)
第43回衆議院総選挙闘争のまとめ(案)

大会宣言(案)
第20回参議院選挙の必勝と政権交代を求める決議(案)
安心と信頼の年金制度の実現を求める決議(案)
イラクへの自衛隊派遣に反対する決議(案)



T.はじめに 情勢と課題

1.世界の情勢

@ 経済の「グローバル化」は相互依存を促し、国際協調の比重を高めますが、米国の「一国主義・単独行動主義」は、地球温暖化や軍備管理など様々な問題で多国間協調に背を向けています。特に9.11以降、「ネオコン(新保守主義)」の台頭とともに、テロ撲滅を旗印にした力の政策は、中東情勢を悪化させています。
A しかし世界全体としては、3極化が着実に進み、その1極になるアジアの統合に向かう動きは静かに進んでいます。6月にタイで開催された国際会議「アジア協力対話」では、日本銀行を含むアジア各国の中央銀行が「アジア債権基金」を新設することを決めました。これは米国中心で動いてきたアジアの経済枠組みが、アジア内の回転にシフトすることに繋がり、その中心では経済発展著しい中国が指導的役割を果たしていくことになることを予感させます。
B 米・欧の対立は、大量破壊兵器への懸念を理由とするイラクへの軍事介入に反対するヨーロッパを「古いヨーロッパ」と批判した米国が、EUの政治統合にも注文をつけ、NATOと同様な米国を含む方向を求めています。一方EU側は「EUが米国に従属することを求めるもの」と反発し、米・欧のこうした対立は当分続くと見られていますが、この米国の要求にいち早く応じたのが日本・小泉首相で、自衛隊の米軍支援を恒常的にシステム化することをめざすなど、政治的従属を高めようとしていると言わざるを得ません。
C 北朝鮮の核兵器開発問題が表面化していることにより、米・露を含む6カ国協議が開始され、東アジアに軍事緊張をもたらす北朝鮮の核開発を阻止する動きが始まっています。この協議の成否は、朝鮮戦争以来関係の深い会議のホスト国「中国」ですが、とりあえず六カ国会議は継続されることで合意し、北朝鮮の孤立化と尖鋭化を防ぐこととなりました。日本は「日本人拉致問題」を二国間協議として会議とは切り離し、今後日朝協議を再開することとしました。

2.国内の情勢と課題 

@ 資産デフレから物価デフレ、賃金デフレと悪化する一方の泥沼不況のもとで、誰もが意識してきた「総中流時代」が崩れつつあります。所得格差の拡大は、「中流の2分化」ではなく大半が下落する方向にあり、総人件費の抑制路線が今後「所得デフレ」を招くことが懸念され、際限のないデフレに突入したとの見方もあります。
 雇用情勢は一向に改善されないばかりか、その実態は深刻さを増しています。5%台に高止まったままの失業率、非自発的失業者は増え続け、失業の長期化が進行しています。リストラの直撃を受けた中高年者の再就職の道は狭く閉ざされ、一方で2ケタを突破した若年者の失業率は社会問題化しつつあり、不安定雇用への代替が急激に拡大しています。
 勤労者の実収入は2002年まで5年連続で減少を続け、税・社会保険料・医療費の窓口負担のアップなど、さまざまな負担増が勤労国民の生活危機に追い打ちをかけています。さらに、いざという時や老後に安心をもたらすべき社会保障制度の、度重なる給付の削減・見直しの論議が将来不安をかき立て、一層消費不振の悪循環に拍車をかけています。
A 失業と生活の危機、将来への不安は、殺伐とした風潮を生み出し、社会のひずみを増幅させています。自己破産者の増大、1日100人を超す自殺者、少年犯罪や凶悪犯の増加などさまざまな社会問題が噴出しつつある一方で、強者はますます強く、弱者は押しのけられるという市場万能主義、競争至上主義は、社会の至るところで不公正・不平等を拡大させています。日本の財政の所得再分配機能は、先進6か国中最下位となるなど、社会階層の固定化が進み、「努力より生まれがものをいう社会」が底流で進行しています。
 このような深刻な危機に対して、本来明日へのビジョンを示しリーダーシップを発揮しなければならない政治が、今混迷を深め、機能不全に陥っています。小泉政権が発足して2年、「構造改革なくして景気回復なし」どころか、カケ声倒れの改革と、明らかな経済失政によってデフレは一層進行し、その結果は国民に痛みとがまんを押し付けるものばかりとなっています。国・地方あわせて670兆円にものぼる膨大な国債残高、一向に改善しない不良債権と金融システムなど、小泉構造改革はむしろ危機を増大させています。
B 戦後半世紀余り、歴史的転換期のなかで日本の政治・経済・社会システムが変革を迫られていることは紛れもない事実であり、その意味で「構造改革」は必要です。
 しかし、問題はその中味と方向であり、小泉構造改革の延長線上にこの閉塞状況を打破する展望は生まれません。その本質は、つまるところ優勝劣敗、弱肉強食のアメリカ流の市場万能主義、競争第一主義の貫徹で、新自由主義に基づく構造改革によって駆り立てられる競争社会の未来に、人々は不安と恐怖を感じています。子どもの世代が自分たちの世代よりも不幸になると考えている人は、日本では70%にも達しています。
 われわれ連合運動がめざすべきは、小泉構造改革とは異なります。かといって旧態依然の既得権益に固執する勢力に与するものでもなく、もう一つの改革の道−−それは「21世紀連合ビジョン」で提起した「労働を中心とした福祉型社会」です。
C 「労働を中心とした福祉型社会」とは、「すべての人に働く場を保障し、公正な賃金、労働時間、均等待遇など社会的基準が張りめぐらされ、労災や失業、疾病や老後などいざというときに生活を保障するセーフティネットが組み込まれ、男女が対等な構成員として活躍できる機会を確保され、ともに責任を担うことのできる社会」であり、それは同時に、自然環境と調和する循環型社会、市民参加の地方分権型社会をめざす道でもあります。
 21世紀のめざすべき社会を「安心、安全、安定」をキーワードに、社会システムの改革に取り組み、ビジョンの実現をめざさなければなりません。そのため政権の交代を求める運動を強化し、その実現のための政治改革に取り組む必要があります。

3.道内の情勢と課題

@ 道内の状況は昨年をさらに上回って悪化しているといえます。完全失業率は一時8.1%を記録し、4〜6月期の失業率も6.2%、18万人と依然高水準にあり、有効求人倍率も0.50と、相変わらず全国平均値を下まわっています。経済動向も、個人消費の低調が続き、6月の大型小売店販売が−7.6%と12ヶ月連続で前年水準を下回り、百貨店(−9.2%)は16ヶ月連続となっています。新車登録台数は小型車を中心に4.2%伸び、新設住宅着工も対前年比9.2%(1〜3月期)伸びてはいますが、企業の現状判断では「横ばい4割、悪化している6割」で、回復も再来年以降と考えているところが多くなっています。消費者物価指数も、対前年比で下落傾向が続いています。今年4月には13件の大型倒産が相次ぎ、日本経済全体が、外需に支えられて若干の「実感なき成長」となっていることに比べても、道内経済の見通しに明るいものはないのが現状といわねばなりません。農業も、低温の影響や台風10号の被害などで相当の打撃を受ける模様であり、価格低迷とともに農業の継続が危ぶまれることになるかもしれません。
A 2003春闘は、中央の結果で、加重平均5,063円 1.63%(昨年対比−284円、率−0.09%)となっており、総じて昨年を下回ったと結果となっています。全体の傾向としては、賃金抑制や雇用調整などにより総人件費の削減で短期利益を確保しようとする動きが強まりましたが、一方、業績の確保できた企業においても一時金への成果配分が傾向として強まっていることから、今後の賃金交渉のあり方について議論が必要になってきています。
 道内は、平均賃上げ方式による地場組合の回答・妥結結果は、加重平均3,762円、1.56%となり昨年より229円、0.10%ほど前年実績を下回る結果で、昨年に比べ落ち込みは小幅になりました。大半が企業業績の悪化による低額回答で決着し、とくに労働条件切り下げの逆提案や賃金制度の変更提案を受けることも目立ち、厳しい結果となりました。
 春闘の改革は、「上げ幅」を指標とする賃金交渉パターンの限界が一層明確になったことや、業績配分が一時金にシフトする状況の下で、相場形成・波及効果の発揮ができにくくなることから、急ぎ検討されなければなりません。一方、連合北海道の役割は、地場中小の闘いを支え、春闘を含め労働組合活動全般のサポート機能を強めることにあり、ますます果たすべき役割は拡大しています。
B この20年間(横路道政・堀道政)道政与党に関わって、勤労道民の生活と雇用・労働環境の向上に役割を果たしてきた労働団体として、北海道知事選挙では候補者確定の遅れを挽回することができず、道政を「中央依存・直結」の保守道政に再び回帰させてしまったことは痛恨の極みであり、道政奪還に向けて運動の再構築を目指さなければなりません。
 一方、政令指定都市である「道都札幌」で上田市長が誕生したことは、185万札幌の勤労市民の立場に立った市政改革を実現するにとどまらず、北海道全体の勤労道民に与える影響は大きなものとなります。
 しかし一方で、道政の債務が5兆円を超える状況の「財政再建」をはじめ、道内自治体がきわめて厳しい自治体財政に直面する現実のもとで、また、市町村合併問題が煮詰まろうとする政治的日程のもとで、道政が「中央直結か住民自治か」どちらのスタンスであるかは、道民生活に直接関わる政策の選択基準であり、同時に連合北海道としても、今後の政策制度要求をはじめ様々な運動分野で直に向き合うことになることは必至で、より勤労道民の立場に立った運動のあり方を検討し、実践するための意思統一が必要です。

4.セイフティーネットの再構築にむけた労働運動の再生と自己改革

(運動課題1 社会保障制度の改革と確立)
@ 生活の危機を突破し、安心して暮らせる社会をつくるためまず取り組むべきは「雇用問題の解決」であることは言うまでもありません。連合は労働組合の存在意義をかけ、「これ以上失業者を増やさない。働きたい人に職場を」スローガンに、総力戦で雇用問題に取り組む必要があります。失業の恐怖ではなく、安心して誇りを持って仕事に打ち込める職場を作っていくことこそ、日本経済の復活につながる近道であり、その意味で、長期安定雇用システムは中核として維持されるべきであり、輸出を中心に好調な企業が増えているにもかかわらず、いまだ横行する安易なリストラ、雇用軽視の風潮には断固としてハドメをかけなければなりません。
A 公正で新しいワークルールづくりも緊急の課題です。構造改革の名の下に、労働の流動化と規制緩和の大合唱が、不安定雇用の増大につながっています。また、不払い残業や、労働法規無視の目に余る職場の労働実態が広がっています。透明で公正なワークルールを確立し、パート等非典型労働者の処遇改善と、均等待遇の実現に「パート・有期労働法」の制定を含め、総掛かりで取り組必要があります。
 われわれが求める21世紀のワークルールは、日本人全体の生き方・働き方を、もっとゆとりあるバランスのとれたものに変えていくことにあります。性別や年齢、雇用形態を越えて多様で柔軟な働き方が保障され、労働時間の一層の短縮と、働きに見合った公正な処遇制度によって、仕事と家庭の両立を可能とする社会。そしてそれは働く意思と能力のあるすべての人が就労し、税・社会保険料を負担することによって超高齢社会を支えていく日本型ワークシェアリングの道でもあります。
B 将来不安の解消にむけて取り組むべきもう一つの柱は、安心の「社会保障制度の再構築」です。本格的な高齢社会が現実になりつつあるからこそ、その場しのぎの対応ではなく、社会保障の原点に立って、将来にわたり持続可能な年金・医療・介護・保育・障害者福祉などの制度を総合的に再構築すべきです。
 “小さな政府”論と経済活力の視点から、社会保障の負担面ばかりを強調し、際限ない福祉の切り下げを意図することは明らかに間違っています。「成長」でなく「成熟」が目標とされる時代の福祉は、社会の安定・安全・統合・持続のための不可欠の基盤であり、同時にそれは、地域の安定した雇用機会を創造することにもつながります。
 福祉にカネをかけることが国を滅ばすのではありません。必要なカネを公平な方法で国民からキチンと集め、必要なところにキチンと給付するという努力こそが必要です。税制と社会保障をセットとした総合的・抜本的な改革をめざさなければならなりません。同時に地方分権の流れのなかで、一人一人の負担と給付、参加と支え合いが地域のなかで実感できる仕組みを再構築していくことも重要です。2004年度は年金制度の改革時期を迎えます。年金制度に対する揺るぎない信頼を得るためには、「負担は上げて給付は下げる」の繰り返しであってはなりません。将来のビジョンを示し老後生活の収入の主柱と位置づけられる給付水準を示す必要があります。連合は、医療制度・介護制度・育児制度など02年10月に決定した「21世紀社会保障ビジョン」の実現にむけ、具体的取り組みを提起します。

(運動課題2 連合運動の再生と自己改革)
@ 労働組合(運動)も現在、危機的な状況にあります。結成以来、連合全体の組織人員は100万人も減少しましたが、この量的課題と併せ、質的課題にも直面しています。有識者による連合「評価委員会」の報告では、外部から見た連合運動について「時代の先頭を走っている存在ではなく、時代のしんがりについているイメージ」「労働組合役員と職場の組合員との線が細くなっている」「カウンターパワーとしての組合が機能不全に陥っている」「労働運動が国民の共感を呼ぶ運動になっているのか」など、率直なきびしい指摘と同時に、「いまこそ労働組合頑張るべき」との視点からさまざまな提言がだされています。われわれは、これを厳粛かつ真塾に受け止め、開かれた魅力ある組織へと改革・再生していかねばなりません。そのため、評価委員会の提起に対して取り組むべき課題には直ちに着手して、責任を果たしていく必要があります。
A 労働組合の運動を再生するには、今一度原点に立ち戻り、第一線の職場や地域の運動の強化が必要です。働く人たちの気持ちや要望をしっかり受け止め、一人ひとりが参加する運動を作りあげなければなりません。そのためすべての組合が足下の組織の強化に取り組むとともに、顔の見える連合運動として、地域組織の強化・充実にむけ資源を重点配分する。また、労働組合の活性化をめざし、女性ならびに青年のより積極的な参画を進めるとともに、運動・活動スタイルの自己革新に努める必要があります。
B 労働組合組織率は、その国の労働運動の力のバロメーターといわれています。今のまま放置すれば、全体の組織率も20%を割り込むことは必至であり、連合はすべての働く者のパートナーとして、さまざまな雇用形態で働く仲間たちを含め、大きく運動の輪を広げていく必要があります。具体的には「組合づくり・第2次アクションプラン21」で、構成組織−単組−地方連合会−連合の各役割を明確にするなかで組織拡大に全力をあげなければなりません。まさに組織の強化・拡大は、連合労働運動全体の最重点課題であり、運動全体の基軸に据えて総力あげて取り組みます。
C 社会の不公正、不条理に怒りを結集し、それをただしていく運動は、社会運動として労働組合の役割です。それにはたくましい行動力と実行力が求められます。職場レベルでのルール無視、いじめや不当な男女差別・解雇、退職強要、長時間労働の押し付けなど明らかな法違反や社会通念上排除されるべき問題が多く発生していますし、企業不祥事や人権侵害・差別問題も発生しています。連合は社会のオピニオン・リーダーの意識を高め、このような不条理に対しては毅然として立ち向かう行動を起こす必要があります。また、人権・平和など国民的運動にも行動の輪を広げ、広く市民団体・NPOと連携しながら、積極的に取り組むべきです。
D 企業別組合は、これまで労働条件向上や労使関係の構築、.産業の発展に大きな役割を発揮してきましたが、産業構造の大転換や労働の流動化、企業内福祉の見直し、雇用形態の多様化による非典型労働者の増大など、これまでのようなフルタイマー中心で、ユニオンショップ制に守られた企業労働組合運動のなかに閉じこもっていたのでは、解決しない課題がますます増えています。また昨今の雇用問題や企業不祥事への対応等について、労働組合のチェック機能や労使の対等性について厳しく指摘されています。
 企業別組合の長所を生かしつつ、組織と運動の弱点を克服していくことが労働運動再生のカギを握っていると言えます。企業内での実効ある労使協議制の確立とさらなる拡充、非典型労働者の運動への参加など、企業内の課題を克服しつつより社会的な広がりを持つ運動を進め、さらに産業別の組織・運動の強化に取り組み、地域にも積極的に打ってでる運動を進める必要があります。それには組合リーダーと組織全体の意識改革がなによりも重要であり、労働運動全体の課題として取り組むため、具体的な運動や行動を設定するなかで「力合わせ」「心合わせ」に取り組んでいきます。

(運動課題3 政権奪取にむけた態勢の構築)
@ 小泉政権が発足し、2年余を経過しましたが、小泉首相が打ち出した「聖域なき構造改革」は進展せず、日本の経済は相変わらずの厳しい状況にあり、雇用不安は解消されず、失業率は高止まりしていますし、第156回通常国会では、有事関連3法案やイラク復興支援法などが成立しましたが、焦点であった労働法制改正で、連合が労基法の解雇ルールについては抜本修正をさせましたが、全体として労働法制改悪の動きが残念ながら進みました。
 小泉政権のこの2年間は、「構造改革」を期待する国民の声を裏切る2年間であったといわなければなりません。不良債権問題、雇用・労働環境の改善、社会保障の安定、国家財政の改革など、どれをとっても国民と地方にしわ寄せが一方的に押しつけられました。それ以上に、「新ガイドライン」以降、日米の軍事的一体化が進む中で、2001年の9.11からは「テロ対策」を旗印に、加速度を高めて政治的一体化を進めようとしています。

A 連合の政治活動の目的は、勤労者の生活と労働に関わる政策の実現にあり、政策の実現はその内容に理解を示し、協力してくれる政党・政治家の存在にかかっています。連合北海道は、連合の政治方針に沿って、「目的と政策・要求の一致」する政党・政治家との関係を強化し、その政治活動と選挙運動を支援することを原則に各級の様々な選挙に関わってきました。
 衆議院選挙は、この政治活動を押し進め、連合の政策を実現する絶好の機会で、特にこの衆議院選挙は、21世紀初頭の日本政治を左右する大事な選挙戦であり、自公保連立政権に代わって、「労働を中心とした福祉型社会」を実行する、勤労者・生活者のための政権を実現する機会です。
 衆議院選挙により小泉政権に代わる新しい政権をつくり、景気・雇用を回復させ、日本経済を再生させて、安心・安定・公正な国民生活を実現しなければなりません。また、働く者の視点から労働法制や労働基本権を、連合の立場に立って実現させる政治家の当選を勝ち取らなければなりません。
 解散がなくても来年6月末には衆議院議員の任期が切れ、来年7月には第20回参議院選挙が行われることは明らかです。民主党は10月はじめには自由党の合併を行い、是が非でも「政権交代」を実現するため、いま全国で小選挙区の候補調整を本格化させています。
 連合北海道、および連合北海道政治センターは、従来から築いてきた「民主党・連合北海道・農民連盟」の三軸を中心とした臨戦態勢を固め、政権交代を実現させる必勝態勢を確立しなければなりません。

U 組織拡大・強化と地域活動の強化

1.最優先課題としての組織拡大の取り組み

(1) 組織拡大の取り組みの基本
 @ 労働組合組織率は、その国の労働運動のバロメーターといわれてますが、わが国の組織率は1975年以降、長期低落傾向に歯止めがかからず、2002年では全国20.2%、北海道においてはついに20%台を割り込み18.9%という、まさに深刻な組織率となっています。
A 組織率の低下は、労働運動に深刻な危機をもたらしています。この状況を反転していくために、今年度も組織拡大の取り組みを最重要課題に据え、連合北海道、構成産別、地協・地区連合総ぐるみの取り組みを展開していくこととします。
B これまでにも連合北海道は、連合本部が提起(2001年9月)した「組合づくり・アクションプラン21」に基づく連合北海道の同プラン(2001年10月〜2003年9月)をスタート、実践してきました。
  この2年間における実績は、とりわけ厳しい雇用・経済環境の続く逆風にもかかわらず、産別・地協・地区連合は果敢な取り組みを進め、拡大目標16,273人に対して5,230人の仲間を迎え入れることとなり、達成率32%台と従来に比して大きな成果を挙げました。
C しかし、厳しい雇用・経済情勢の中にあっては、2003年の連合北海道の組合員数は前年より1万人減員するなど、結成以来約5万人弱の仲間を失い、組織減少に大きく歯止めを掛けるにいたっておりません。現在の組織状況は、加盟56産別と直加盟組合合わせて組織人員は約280,000人となっています。
D 組織拡大は「結果」であり「実践がすべて」であると厳しく受け止めをしつつ、この2年間の評価と反省に立ち、「組合づくり・アクションプラン21」の実践・達成に向け、向こう2年間の組織化重点分野対策を実践していくこととします。

(2) 組織化重点分野対策
@ 「アクションプラン21」における取り組みによって新規組織化31組合、地区連合直加盟組合の産別加盟及び地域ユニオンへの結集35組合、1514人など、集中行動の展開や労働相談への対応、日常活動の積み上げによって着実に取り組み成果を挙げています。
A 今年度も引き続き「アクションプラン21」の16,273人を拡大目標に掲げ、「アクションプラン21」第2次計画(03年10月〜05年9月)を策定し、その達成に向けて取り組み強化を図っていきます。尚、第2次計画における連合北海道の具体的な目標数字については、12月を目途にまとめることといたします。
B 特に、労働法制の改正により、今後益々拡大傾向が進むパートタイム、契約・派遣・請負など非典型労働者の組織化は、労働組合の責任、役割として取り組む必要があり、そのために規約改正など組合員範囲の見直し、拡大に向けた検討が急がれています。
  併せて、地場・中小企業、関連企業などで働く仲間の雇用確保、労働条件維持・向上に資するためにも、積極的に組織化に取り組んでいきます。
C 産別は、組織化方針を確立した上で、次の対策を具体化して取り組みます。a)複数の組合結成に向けて取り組み、そのために関連企業未組織、未加盟組織の存在ゼロを目標に掲げて取り組む。b)同じ企業で働くパート・契約社員など非典型労働者と併せて管理職等の組織化のために組合員資格、範囲の見直しによる拡大に取り組む。c)日常オルグ活動による組織内組織率の向上促進。
D 地協・地区連合についても、具体的計画を作成して取り組みます。a)直加盟組合の産別加盟を促進し、産別加盟が困難な組合はすべて地域ユニオンに加盟。b)未組織企業、職場の新規加盟による拡大。c)パート労働組合の結成や個人加盟による地域ユニオンの組織拡大・強化。d)労働相談からの組織化。
E 連合北海道は、連合本部加盟で連合北海道未加盟の産別の扱いについては、連合本部とともに連携を図りながら、訪問オルグや情報交換など環境整備に努力を続けていますが、産別本部方針とのかねあいから進んでいないのが現状です。今後も引き続き北海道段階における接触を続けつつ、連合本部との連携を図り取り組んでいきます。
F また、北海道の基幹産業である農業・林業・水産業の労働組合についても、連合北海道・地協・地区連合の重点分野と位置づけ取り組んでいきます。合わせて、連合北海道は連合本部との連携のもとに、連合未加盟・未組織の組織化対象業種(マスコミ、建設、食品、銀行、証券、商社などを視野)のターゲット組織を絞り込み、取り組んでいきます。
G 官公労組織の組織化対策は、a)他の団体からの移籍加盟による組合員の加入対策。b)「組合未加入職員」加盟の拡大。等に取り組んでいきます。

(3) 労働相談、自主福祉運動による組織化
@ フリーダイヤルによる労働相談は、厳しい雇用・景気動向が反映して急激に増加しており、この1年間(02〜03年)の相談件数は2,725件に昇っています。
A 依然、相談全体の7割以上は札幌圏に集中していますが、相談件数に比例して新規組織化についても、札幌圏を中心に組合結成されています。
とりわけ、組織化に向けて大きな役割を果たしたのは、2001年2月に設置し、その間、相談員の補強や体制強化を図ってきた「さっぽろ労働相談センター」によるとところが大きいのです。
B 今後も、引き続き財政支援や相談体制の強化を図りながら、労働相談からの新規組織化に取り組んでいきます。また、フリーダイヤルの宣伝活動を日常活動として取り組み、個人的組織的な労働相談に取り組んでいきます。
C また、労働者自主福祉運動からの組織拡大も視野に入れ、労金、全労済、住宅生協、医療生協の各事業団体と協力しながら、中小・パート労働者、未組織労働者に対する「轟ローン」「スクラム共済」「住宅購入・リフォーム」「健康診断」をはじめとする商品やサービスを提供し、「働く仲間一人ひとりがお互いに生活を守り、助け合う」共済組合運動を通じながら、新規組織化、連合北海道加盟の取り組みをすすめます。

(4) 重点業種・産業対策等の強化
@ 組織拡大の重点業種・産業対策として、今日まで農業関連団体、医療・福祉関連労働組合との連携、合わせてハイ・タク組合加盟対策として産業別最低賃金の新設に向けた取り組みを進めてきました。
A 医療・福祉関連の産別結成は、日赤病院・済生会病院・北海道協会病院の各労組によって昨年11月に結成大会が開かれ、産別名「保健医療福祉労働組合協議会」(略称:ヘルスケア労協、組織人員6,500人)を結成し、連合加盟も第39回中央委員会(2002年11月9日)で承認を得ています。
連合北海道加盟に向けては、北海道協会病院労組と折衝を重ねていますが、特に組合所在の地協・地区連合と日常における連携を図りながら、政策課題の実現に向けた取り組みを進めていきます。
B また、農業関係労働組合(農団労)との関係についても、地協・地区連合段階において政策活動をベースに連携共闘の取り組みを進めてきており、少しずつ環境整備も進み、具体的協議の中から連合への結集に期待が寄せられています。
C ハイ・タク産業に働く労働者の組織拡大も、喫緊の課題です。とりわけ、規制緩和による増車や低運賃競争の広がりは、ハイ・タク労働者の賃金や労働条件低下に直接ハネ返り、厳しい対応が迫られています。
  ハイ・タク労働者の賃金をはじめとする労働条件の維持・向上に向けた取り組みとして、産業別最低賃金の新設に取り組んできました。
  公正競争ケースによる新設は申し出要件にある適用労働者の1/3の合意・決議・署名や労働組合の多数派形成が欠かせません。ハイ・タク労働者の最賃新設は、いかに組織率を高め、適用労働者の1/3の合意・署名を確保するかにかかっています。
  ハイ・タク労働者の労働条件の維持・向上は、産別最賃制度の新設と組織拡大は表裏一体の取り組みとして進めていきます。

(5) 「地方アドバイザー」「さっぽろ労働相談センター」の強化
@ 「地方アドバイザー」は連合組織拡大方針のもと、1998年から渡島・胆振・釧路の3地協を中心に配置し、途中、札幌圏対策として「さっぽろ労働相談センター」の設置もあり、補強配置を行ってきました。
A 労働相談からの組織化は、相談の集中している主に札幌圏で実績を上げていますが、更なる人的配置も含め体制強化が必要と考えられます。
  相談員、アドバイザー、オルガナイザーは一体的なものとし、組織化アドバイス、労働相談への対応、地域ユニオン支援など任務と役割は変わりませんが、人材育成の視点を持ちつつ労働相談からの組織化、産別帯同支援オルグ、未組織オルグなどオルガナイザーとしての役割へ比率を高めていきます。
B そのために、組織拡大を担う人材育成、オルガナイザーのレベルアップ、更には次代を担う若年・女性も含めて養成を図るために、実践・養成研修会の開催を行っていきます。

(6) パートタイム労働者の組織化対策
@ 日本のパートタイム労働者は、サービス分野を中心に高度経済成長時代から増え続け、雇用者の4人に一人がパートタイム労働者となっており、全国では1,200万人を越え、道内においても約238万人と増え続けています。
A 最近は、「正社員」から「パートへの置き換え」が進んでいますが、その一方で、同じ仕事をしている正社員に比べ極端に低い労働条件となっています。「パートだから仕方がない」「パート労働者は正社員とは違う」ということではなく、パート労働者も同じ職場に働く労働者・仲間であるという意識のもとに均等待遇を求める取り組みが必要です。
B パート労働者の組織率は全国でも2.3%(28万人)、道内では0.9%と低い組織率となっています。そのために、労働条件は改善されないまま推移しており、労使交渉を行ってきている組織労働者と未組織労働者の労働条件の格差は広がっています。
  最低限の労働条件を守るためにも、パート労働者の労働組合への加入、組織化が不可欠にあります。
C 高失業率が続く雇用状況の中で、時間給で働くパート労働者の労働条件全般にわたって改善されないまま放置されると、雇用労働者全体の労働条件にも影響が出てくるのは明らかでありますし、結果として労働組合の役割を果たしえないことにもなります。
D 産別・企業別組合においては、自らの会社に働くパート労働者、更には関連会社、グループ企業を含む「パートタイム労働者の組織化」の取り組みを重要課題として進めていきます。
E そのために産別・単組においては、急ぐ課題の整理として、a)組合員の範囲の見直し(規約、労働協約の改訂等)、b)既存組合への加入が困難な場合は、パート労働者のみの組合結成や地域ユニオンへの加盟促進、c)労働条件、均等待遇の改善等について各々の組合の要求に織り込む、d)パート労働者との話し合いの場、交流の場を設ける、e)パート労働者の人員、労働条件等の調査の実施、等々産別・単組、地協・地区連合と連携の上進めていきます。

(7) 地域ユニオンの活動強化
@ 地域ユニオンは、一昨年をもって全14地協に結成され、新規加盟もこの4年間で着実に拡大し、現在80組合、1,955名となっています。
  地域ユニオンは、いずれは全て産別に移行を図っていくこととし、連合加盟の基本だけで律しきれない組織の受け皿として過渡的、補完的な組織として結成されました。しかし、諸般の事情とりわけ財政事情、いわゆる組合費を低く設定していることや産別支部、地協・地区連合専従者配置や役員不足、日常における指導・連携、世話役活動等の難しいこともあり、産別移行がスムーズに進んでいない現状にあります。
A 連合の組織方針は、「産別結集」が基本であります。しかし、現実問題として産別移行がどうしても困難な場合、引き続き地域ユニオンへの結集を進めていますが、ただ地域ユニオン結集で終ることなく、地域ユニオンに加盟する組合員の労働条件や権利を確保していく運動、更に地域ユニオン自らが自立した運動の展開ができる具体的指導、組合費水準問題も含めて検討していくこととします。
  地域ユニオンにおける自立が、産別移行につながるものであり、産別としても、そういう立場での対応・指導が求められています。
B 高止まりを続ける失業率、賃金抑制をはじめとする労働条件の切り下げは、今や官民を問わず全ての勤労者に降りかかっています。勤労者を取り巻く環境が厳しい今こそ、労働組合の必要性重要性を強く認識した取り組みが必要であり、労働組合の出番であります。
C 職場より地域に近い場所で労働組合の入り口を数多く用意すること。それはまさに、団体でも個人でも加盟できる「地域ユニオン」は勤労者の「駆け込み寺」的存在であり、地域ユニオンに対する期待は、今後更に大きいものとなっていくものであります。
D より地域に顔の見える連合運動を追求していくために、地域ユニオン活動を強化していくことが、勤労者の「駆け込み寺」の役割を果たし、組織拡大の取り組みに結びついていくのです。
改めて地域ユニオンの活動強化を図っていきます。

(8) 組織拡大促進体制の強化
@ 2001年から産別の組織拡大に係わる財政支援措置として「新規組織拡大交付金」(150円×拡大人員×6ヵ月)を交付してきました。この交付金措置制度によって実績を裏付けるものではありませんが、各々の産別の拡大促進の一助として受け入れられていると認識しています。
A 連合北海道として引き続き「新規組織拡大交付金」を措置し、更なる組織拡大に向けた取り組みを積み上げていくこととします。
B 地方アドバイザーとさっぽろ労働センターについては、これからの人的配置を含めて具体的に展開していくためには体制強化を図り、活動範囲を広げていくためには一定程度の財源も必要です。連合本部では、2001年より予算総額の20%を組織拡大関係に充てています。
連合北海道は連合本部並みの措置は取れないまでも、一定程度の増額に向けた検討が必要な時期にあると考えます。
C 財政面をも考慮しつつ、人的配置については、一定期間を定め、集中的に組織拡大を進めていく専門オルガナイザーを札幌圏対策として組織部に配置し、また地域においても半日、隔日専従配置も含め検討していくこととします。
D 連合北海道は連合本部とも連携し、連合未加盟・未組織の組織化対象業種(マスコミ、建設、食品、銀行、証券、商社など)のターゲットを絞り込み取り組んでいきます。(その他各々の産別がターゲットにしている組織も含む。)
そのための専門会議として「組織拡大専門会議(仮称)」を配置し(構成メンバーは、産別担当者)、組織拡大進捗状況や情報交換を踏まえて戦略・戦術を練り、必要に応じ業種間の情報交換のため産別部門連絡会との連携や、産別担当三役、連合三役も対応していくこととします。

2.構成産別、地協・地区連合との連携強化

(1) 産別統合と地域運動の強化
 @ ここ数年、産別の再編・統合が急ピッチで進んでいます。2002年9月に自治労と全競労の統合が行われ、現在、全国一般との統合に向かって検討中であります。また、同月には「UIゼンセン同盟」(ゼンセン同盟、CSG連合、繊維生活労連)が結成され、同10月には「JEC連合」(化学リーグ21、石油労連、新化学、全国セメントの統合、化学総連、甘味労協はブリッジ加盟)、同11月に「フード連合」(食品連合、食品労協)が結成されています。そして、03年9月には、「基幹労連」(鉄鋼労連、造船重機労連、非鉄連合)が結成されています。
A また、私鉄総連、運輸労連、交通労連、全自交労連は2004年の組織統一(JTF労連)を目指して協議を進めています。
B 産別統合に伴い、スケールメリットを生かした活動強化に寄せる期待は大きいものの、逆に職場、地域末端まで及ぶ活動の展開には一工夫もふた工夫も必要であります。産別、地協・地区連合においては、従来にもまして連携強化を図り、会議における意見交換や意志統一には充分時間を掛けて、協議を進めていく心がけが必要であります。地域段階においても、政策課題についての学習の場を設けるなどして、共通認識を図っていく必要もあります。

(2) 産業別部門連絡会の機能強化
@ 連合本部では、産別部門連絡会の機能について、将来的には連合の組織運営の基本とすることを目指して、向こう2年間で条件整備を進めています。そのために、a)春季生活闘争での情報交換、共闘づくり、b)産業政策の確立と実現、c)未加盟・未組織の連合加盟の促進を図るため、その役割と機能の強化を部門連絡会に結集する構成組織が主体となって図っていく、としています。
A 北海道段階においては、これまで同様、春季生活闘争段階における情報交換や共闘態勢、組織拡大の取り組み、産業政策・安全衛生活動など共通する課題の情報・意見交換などを進めていきます。
B 主体的活動を進めている「官公部門連絡会」「金属・機械部門連絡会」は、活動範囲も広がり機能強化が図られています。また、交運労協の活動を通じ幅広い政策活動を行っている「交通・運輸部門」については、連合北海道の部門連絡会としての機能が図られるよう、一歩前進した検討を進めていきます。
C そのほかの部門、「資源・化学・エネルギー部門」「流通・食品・建設・一般部門」「情報・サービス・金融・保険部門」についても、主体的活動運営について検討していかなければなりませんが、部門によっては、労働条件、産業政策について共通とならない課題もあり、一部編成替えや統合も含めて検討していきます。
また、共通課題に対する認識の一致などが図られるよう、部門別での学習会等の開催も計画いたします。

(3) 地域運動の強化
 @ 地域運動を一層強化していくために、地協・地区連合組織の再編・強化については、組織財政特別委員会の答申を踏まえ、地協・地区連合毎に意見交換会を実施し、地域の実情把握に努め、日常活動の指導を強めていきます。
A 地域における連合運動をより存在感のある、顔の見えるものとし、地域からも廣く共感が持たれ、社会的影響力の拡大を図っていくための活動強化が求められています。その活動主軸は、a)組織拡大の取り組み、b)地場中小組合への指導・支援と合わせて、地域(地区)ユニオンの活動強化、c)一地区一要求運動の前進、d)地域における社会参加活動、e)政治活動等の推進です。
B これらの活動を日常的に進めていくためには、地協・地区連合の体制強化が今求められており、とりわけ専従配置も無い中での活動で各地区連合とも相当苦慮しているのが現状です。
C 地域運動の将来展望を見据えるときに、人材・財政確保問題も含め深刻化してきており、地域連合運動を支える人材の確保・育成について若手リーダー、女性組合員の参加促進に努めていかなければなりません。
D 当面、急ぎ実現可能な対策として、役員専従者の配置は無理にしても、退職者連合やOBの協力を得て、隔日勤務や時間勤務など工夫を凝らした人的配置を行い、1ヵ週に何日かは地区連合事務所が開かれ、世話役活動や地域ユニオンでの組織化、地域の駆け込み寺的役割、労働相談体制を確立することが重要であります。
E そのことが、まさに地域に根ざした顔の見える連合運動そのものであることから、地協・地区連合と具体的検討を行い、いくつかの地区連合での実現を目指していきます。

(4) 組織の日常活動の強化
@ 組織率の低下と同時に、労働運動の危機が叫ばれているもう一方の側面として、「労働組合の職場における空洞化」ともいえる現象によって、「労働組合の求心力が無くなってきている」とか「ノンユニオニズム(労働組合否定・無用論)の風潮が広がりつつ」もあります。
  こうした傾向に抗した強力な組織体制の強化が求められています。
A 労働組合活動の原点は、職場生産点にあります。今一度、この原点に立ち返り、職場で組合員の悩み、意見を聞き、解決していく地道な日常不断の活動が求められているのです。
B 合わせて、ライフスタイルも働き方や考え方も様々変わってきています。まさに今、新しい手法による日常活動もまた求められています。
  組織の日常活動強化を図っていくことが、組織拡大にも繋がっていきます。そのために以下の活動課題を具体化した取り組みを進めていきます。
 a)地域における産別・単組のバックアップ体制(定期的あるいは1年に1〜2回の集中職場訪問の取り組み)、b)地域における相互交流の場の積極的提起(レク・スポーツ、健康講座、悩み事相談等々)、c)地域ごとの共同行動課題の設定(不払い残業・過重労働撲滅運動など)、d)組合日常活動実践講座−労働組合活動の何でも相談(地域ユニオン・若年執行部役員の職場執行部の悩みや連合運動に対する意見を聞く場)。

3.青年・女性・高齢退職者組織の強化

(1) 青年活動の活性化
@ 労働組合の活性化は、女性ならびに青年の組合活動への参画にかかっていると言われています。若い人たちの積極的な参画に向けては、古い運動・活動スタイルからの自己革新が必要といわれています。
A 連合運動将来を担う青年活動を積極的に指導・支援していくこととし、a)青年組合員が連合運動へ参加するための環境整備に努めます。b)青年活動を通じて労働組合活動や連合運動の活性化・発展を図っていくために、担当部との定期的意見交換に努めます。c)次代を担うリーダーの育成のための学習会や交流会、ネットワークづくり(地区青年委員会結成)に努力していきます。d)社会活動、国際連帯活動にも積極的な参加に向けて努力していきます。
B また、地域においても青年活動を進めていくために産別、地協・地区連合協力のもと、地協段階での意見交換、仲間同士の交流の場を設けていきます。

(2) 女性委員会の結成と促進
 @ 連合北海道は、労働組合活動のあらゆる分野に女性組合員の参画を促進しています。
  とりわけ、今後の連合運動の強化、活性化のためにも女性労働者の課題集約と女性リーダー育成の場となる女性委員会組織を産別、地協・地区連合段階に設置していくことが急務であるとの認識で、1991年以降取り組んできました。しかし、産別においては13組織、地協・地区連合では5地域の女性委員会の設置にとどまっています。
A 今後も「男女平等参画推進計画」に基づき、産別、地協・地区連合における「女性委員会設置」に向けて努力し、参画推進計画の実効に努めていきますが、特に地区連合段階においては、全地区連合に設置は現実に不可能であり、地協や比較的規模の大きい主要市町の地区連合へ設置の努力をしていきます。

(3) 高齢退職者連合への支援
 @ 高齢退職者連合は結成以来、連合運動に積極的に自らの運動と地域社会に貢献する活動に取り組んできています。
連合北海道運動最大の特徴である縦の産別組織と横の地域組織の機能を、高齢退職者連合においても発揮させていくために、地区組織の結成にも積極的に取り組み、現在まで25地区に活動拠点を立ち上げ、連合運動へ地域段階においてもバックアップを受けています。
A 今年度も8地区結成に向けて努力していくこととしており、産別、地協・地区連合も協力していきます。
B 少子高齢化社会が進む中で、とりわけ地域・地区連合運動における組合員OBと現役組合員との連携は、現役組合員が減少の一途をたどっている状況の中、今後、益々重要になってきています。
C 退職者連合の活動強化、組織拡大のための支援を引き続き行い、地域運動へ支援や協力についても引き続き要請していくこととします。また、定期的に三役との意見交換の場を設けていきます。
D 例年開催している「人生匠の集い」は、構成産別の支援・協力により継続実施します。また、高齢者が安心して暮らせる福祉のマチ作りなどの政策活動を、「一地区一要求」にリンクさせた取り組みとしていきます。
E 更に、厚生労働省は2004年の制度改正に向けた「年金改革の骨格」を明らかにしています。この年金改革に対し、連合本部は基礎年金の国庫負担引き上げや安心と信頼の年金改革の実現に向けて、国民・住民へのアピール活動を全国的に展開していくこととしており、退職者連合とも連携して取り組みを進めていきます。

4.男女平等参画社会

 @ 連合は、2001年から組織人員に占める女性組合員割合に基づいて、女性役員を選出することを目標とした「第2次男女平等参画推進計画」を決定しました。
  連合北海道は、この第2次計画を基本に2002年1月、連合北海道「男女平等参画推進委員会」を設置し、参画推進計画の取り組みを産別・地協・地区連合において進め、この間、進捗状況の把握のため3回のアンケート調査を実施し、それぞれの組織において徐々にですが、女性参画が拡大してきています。
A 参画推進計画(2001年11月〜2006年10月)の1期目である今日まで、産別・地協・地区連合でのアンケートでの実態調査および進捗状況を把握しながら進めてきました。2期目である今年2003年から2004年には、目標実現に向けて計画の実効が上がるような具体的な取り組みを女性委員会と連携し進めます。

V 総合生活・雇用労働条件改善の取り組み

1.2004春季生活闘争

@ 2004春季生活闘争は、連合本部の基本構想を踏まえ、連合北海道の基本構想を第15回定期大会で決定して、12月中には闘争委員会を設置して進めていきます。
A ここ数年の春季生活闘争をめぐる変化と交渉環境の厳しさは一時的なものではなく、連合本部においても中・長期的な春季生活闘争のあり方について論議し、「改革」への取り組みを進めてきています。
その改革の基本的な考え方として、『総合生活改善に向けた中期的目標を設定し、景気回復・雇用を柱とした政策要求実現、賃金については、中小・地場組合やパート労働者などの「底上げ」に全力をあげるとともに、不払い残業撲滅などの社会的運動を進める。そして春季生活闘争は、総合生活改善闘争におけるメリハリのある共闘と位置づけ、賃金等労働条件の改善結果を未組織労働者に波及させる取り組みとして毎年構築する。』と整理され、春季生活闘争は労働組合運動そのものの活性化に向けた取り組みに結びつけていかなければなりません。
B 春季生活闘争の役割や意義が失われたものではなく、中小・地場組合をしっかり支え支援をし、ひいては地場相場を形成し地域の未組織、中小・パート労働者への波及機能を発揮していくことが、連合北海道や産別、地協・地区連合に課された役割でもあります。
C 2004春季生活闘争においても、雇用・経済情勢の厳しい中での闘いになると考えます。
そうした情勢下にあっても、連合北海道は地場・中小組合の闘いを産別と地域が一体となって支える地域共闘を通じて、未組織・パート労働者にも波及する運動を一層強めていきます。特に、地域段階における賃金の要求目標については、これまで同様、賃上げの具体的な要求目標水準を掲げて道内地場・中小組合の交渉を支えていきます。
D 今後とも、春季生活闘争を推進する視点を絶えず職場と地域に置き、新たな課題に挑戦していきます。


2.中小・パートの雇用、労働対策の推進

(1) 雇用対策の強化
 @ 雇用情勢は一向に改善されないばかりか、益々深刻化しています。産業再編の波は中小企業を直撃し、そこに働く労働者の労働条件は大企業と比べて依然、格差が存在していますし、突然のリストラ解雇という事態も後を絶ちません。
  中小企業労働者の労働条件向上と雇用確保に向けた環境整備のためには、経営基盤強化に向けた対策も必要です。
A 連合本部が国に求めている、a)取引関係の改善(無理な発注や単価値引きなどの是正)、b)官公需発注や入札制度の改善・適正労働条件の設定、c)産業基盤強化と中小企業ネットワークの再構築、d)地域雇用の視点に立った空洞化対策の強化、等の実現に向けて道段階の取り組みを推進していきます。
B 雇用確保のためには、働く者の雇用を維持していくという立場で、労使協議の強化を図っていくことが大切です。また、国の支援制度の活用や会社更生法、民事再生法等による再建が増えてきており、労働組合として的確に対応していくための実践的学習も必要となっています。
C 中小企業の活力の維持・強化を図り、労働条件の格差是正を実現するためにも、中小企業の経営基盤強化策として、資金確保の拡充・強化などの対策を国・道に求めていきます。

(2) 均等待遇の実現とワークシェアリングの推進
@ 経済の高度成長が期待できない危機的な雇用情勢のもとで、一人あたりの労働時間短縮で仕事を分かち合い、雇用の維持・創出を図るワークシェアリングの考え方も重要になってきています。
A そのための前提条件として、就業形態によって処遇や権利の差別、典型・非典型、正規・非正規といった区分けのない均等待遇が大切であります。
また、不払い残業や恒常的な時間外労働が広く存在している現状にもあり、それを無くすることがワークシェアリングへの第一歩でもあります。
B 北海道においても、道の「ワークシェアリング研究会」の場で議論を進めておりますが、引き続き良質な雇用の創出を求め、「働く側の選択肢拡大」「仕事と家庭の両立」を念頭に、政労使の社会合意の推進に努めていきます。

(3) 公正なワークルールの確立
 @ 公正で新しいワークルールづくりも緊急の課題であります。
  雇用確保と創出が叫ばれる一方で、企業の安易なリストラ、退職強要がまかり通っています。これを許さないためにも、各単組においては、ワークルールの確立に向けた労働協約の締結と見直し整備の取り組みを強化していく必要があります。
A また、労働基準法、労働者派遣法が改正されました。規制緩和という名のもと、経営側の使い勝手のよい法律に改正となったのです。
  労働者保護に欠け、パートや派遣といった不安定雇用の一層の拡大に繋がり、労働条件の更なる低下という不安があります。
B 連合本部では、パートタイム労働者及び有期契約労働者の均等待遇確保を目的とした「パート・有期契約労働法」の制定に向けて、民主党等と連携して来年の通常国会での提出を目指し、成立を図るとして全国行動を予定しています。
連合北海道としても、相談活動等のキャンペーンやパート集会、春季生活闘争の中でも方針化して取り組みを進めていきます。

(4) ミニマム運動の促進
@ 労働条件の改善に向けての取り組みは、春季生活闘争結果に見られるように、益々厳しい状況にあります。地域ミニマム運動は8年間積み上げてきていますがここ数年間低調にあり、取り巻く環境が厳しい情勢の今こそ、ミニマム運動の更なる発展に向けた取り組みが必要です。
A 定昇制度もない賃金制度も整備されていない組合においては、ミニマムの設定が年齢別最低賃金、企業内最低賃金の協定の取り組みにもつながり、法定最低賃金の引き上げにも寄与する取り組みとなります。
B 「地域ミニマム運動」への参加組合の拡大に向け、学習会や意見交換会の場を設けて進めていきます。

(5) 労働時間の短縮
 @ 総労働時間1,800時間を目標に時短の取り組みを進めてきておりますが、全国の総労働時間で1,837時間、北海道段階で1,810時間(共に2002年度)と、減少傾向にあるとはいえ、未だ目標達成にいたっておりません。
 A 今後も、不払い残業撲滅をはじめとする時間外労働の削減、有給休暇取得の促進等により、総労働時間1,800時間達成を目指します。

(6) 労働者福祉の充実
 @ 中小企業と大企業との間には、依然、雇用・労働条件・福利厚生面で大きな格差があり、拡大されています。その要因としては、資金力、事務能力に加え、事業主の労働福祉に対する認識の低さが考えられます。
 A 連合北海道は、中小・パート労働者の労働福祉の充実を求め、「中小企業勤労者福祉サービスセンター」や「パートタイム労働者退職金共済制度」への加入促進に、引き続き取り組みます。


3.労働安全衛生対策の強化

(1) 「北海道における中小職場の安全・衛生改善5カ年計画」の取り組み
 @ 職場は、非常事態とも云える状況が続いています。2002年の北海道における労働災害による死亡者数は5年連続全国一、休業4日以上の労働災害も依然として多発しています。
A 健康診断の結果は有所見率が50%に達するかの状況にあります。また、長時間労働・過重労働による働く者の「心と体」の健康障害も深刻な状況にあります。
B 厚生労働省は、2003年4月から第10次労働災害防止計画をスタートさせ、「労災ゼロから危険ゼロ」をめざす取り組みを開始しました。北海道の現状は、まず、「労災死亡者数全国一からの脱却」が最優先課題です。
C 北海道勤労者安全衛生センター(略称 安全衛生センター)発行の「労働組合のマネジメントシステム入門」と「はたらく人のメンタルヘルス」が連合本部台でのテキストとして採用されるなど、連合北海道と各産別、地協が一体となった安全衛生活動は全国的にも高く評価されています。しかし、現実は労働災害死亡者数ワーストワン状態が続いており、より一層の取り組み強化が求められています。
D 今年度は安全衛生改善5カ年計画を軸に次の諸点を重点に取り組みを展開していきます。
a)組合のチェック機能を発揮し長時間労働・過重労働を一掃し、働く者の「心と体」の健康対策を強化します。b)「5カ年計画」について、連合安全衛生対策委員会で確認した今後の取り組み指針に基づき、引き続き運動を展開し「労災ゼロをめざす」取り組みを強化します。また、職場や地域単位の学習・研修活動、職場点検活動や生活習慣病予防対策の取り組みなど積極的に進めます。c)安全衛生問題に関する産別単位の労使セミナー・懇談会などの積極的に開催していきます。
E 組合の取り組みと同時に、安全衛生問題の「使用者責任」を明確にした使用者側の積極的姿勢を確立するために、労使協議の場や安全衛生委員会などの活用、さらには安全衛生問題に関する産別単位の労使セミナー・懇談会などの取り組みも強化していきます。

(2) 専門家の智恵を活かしたネットワークの充実を
@ 安全衛生活動は職場における現状を踏まえた取り組みが重要です。「命と健康」を自覚した組合員1人ひとりの自主的・参加型の取り組みが不可欠です。連合本部は、21世紀のめざすべき社会のキーワードは「安心、安全、安定」であるとしています。
A 連合北海道は、労働安全衛生対策委員会を軸に安全衛生センターと連携し、働く者の「安全=命と健康」を守るネットワークの確立に向け引き続き取り組みを強化していきます。
B また、各産業別部門連絡会活動と連携し、より現場に密着した取り組みを展開します。a)昨年度、安全衛生センターが、労働安全衛生管理マネジメントシステムの導入の取り組みを強 化するための「入門編テキスト」を労働科学研究所の協力により作成しました。今年度はこの参加型の活動を定着させていくために、「実践連続講座」を安全衛生センターや労働科学研究所と連携し開催します。b)職場におけるストレス・メンタルヘルス対策は緊急課題となっています。今年度も地域産業保健センターや日本産業カウンセラー協会など関係団体と連携し、職場におけるメンタルヘルス活動の充実を目指します。なお、安全衛生センターが日本産業カウンセラー協会の協力で開設した無料電話相談活動が有効に機能するよう宣伝・活用について協力していきます。c)じん肺やアスベスト問題、交通労働災害対策、生活習慣病の予防や環境衛生問題も緊急課題となっていることからこれらの問題についての啓発活動や調査・研究など安全衛生センターと共同で取り組みをすすめます。

(3) セーフティネットワーク集会や産別・地域セミナーの開催
@ 今年度も連合本部の「労働安全衛生対策活動計画」に基づき、全道セーフティネットワーク集会(第9回)を開催します。また、全道規模の研修会、交流集会などを開催し、専門家の知識・智恵を吸収する機会を設定します。とくに地域セミナーの開催にあたっては、地域産業保健センターや労基署とも連携し、地協・地区連合の加盟産別・単組・労災防止指導員をはじめ地場の企業や中小組合にも呼びかけるなど幅広い取り組みにしていきます。
A なお、労災防止指導員活動については、加盟組合の協力による「現場でのパトロールトレーニング方式」を定着させ、指導員の実践的レベルアップにも力を入れていきます。


4 労働基本権確保の取り組み

(1) 公務員の労働基本権確立
 @ 昨年来より、公務員の労働基本権確立と透明で民主的な公務員制度改革を目指す闘いを、本年の第156回通常国会が最大の山場と想定し、連合本部と連合官公部門連絡会を中心に進めてまいりましたが、全国1千万人署名、全国統一キャンペーン等の諸行動や民主・社民・自由3党との連携など国会内外での取り組みに加え、「大綱」の見直しと労働基本権の保障についてILOの2度にわたる政府への勧告などにより、閣議決定を断念させ、国会への法案提出を阻止することができました。
A しかし、今後闘いは本格的な議論展開へと新たな局面に移行され、来年1月からの通常国会が決戦の場と考え、ILO勧告の受け入れ、政労協議による開かれた議論の保障を強く政府に求め、公務員の労働基本権確立と透明で民主的な公務員制度改革の実現を目指して、「連合北海道公務員制度改革対策委員会」の取り組みを強化します。
B また、8月に出された人事院勧告は2年連続のマイナス勧告となり、一時金も含めた年間賃金は過去最大の引き下げとなり、来春季生活闘争に与える影響は非常に大きなものと言え、デフレスパイラルを一層加速させるものです。
C 連合北海道は連合北海道官公部門連絡会とともに、公務員労働者の生活防衛と労働基本権の確立に取り組みます。

(2) 労使対等の原則の確立
 @ 憲法28条で保障された団結権、団体交渉権、団体行動権は、労働組合法第1条で「労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させる…」と始まり、三権を規定しています。しかし、雇用環境が悪化するなかで「一方的な解雇・雇い止め」問題が多発しています。また、長期間にわたる過重労働による自殺等の労働災害や後を絶たない不払い残業問題など深刻な状況下にあり、労働組合の職場おけるチエック機能・団体交渉機能が問われています。さらには、組合結成時の不当労働行為事件も後を絶ちません。
A 連合北海道は、不当労働行為等の組織介入に対し、当該産別・地域と連携し、たたかいます。
  また、地場中小や地域ユニオン傘下組合を対象にした団体交渉や職場活動など日常活動の基本について、学習会等の開催について検討していきます。

(3) 顧問弁護団との連携
 「連合・何でも労働相談」件数は増加の一途をたどり、個別紛争問題への対応も多く、引き続き顧問弁護団との連携をはかり、早期の問題解決に努めていきます。また、顧問弁護団による講演・学習会を開催について検討していきます。

(4) 地方労働委員会の活用
@ 今後も不当労働行為に対しては、当該産別・地域と連携し、労使関係の正常、安定化にむけて毅然たる態度で対応しています。
  また、地方労働委員会による「個別労使紛争の解決システム」は年間あっせん件数が30件台、解決率80%と全国的に見ても件数、解決率ともにトップレベルにあり注目されています。今後も未組織労働者に対する公労使三者構成による社会的公平性を確保できる使い勝手の良い制度として地域社会に定着できるようにしていきます。
A 労働相談を頻繁に受ける連合北海道、地協・地区連合の担当者は地方労働委員会の活用による個別的労使紛争の解決を求めるか否かを判断していかなければなりませんが、相談者に対し助言・指導が、的確にできるように担当者講習会や学習会を開催していきます。

(5) 「労問研」の活動充実
  連合北海道と地労委労働委員とで構成される「連合北海道労使関係問題研究会」は、1996年に発足し、連合運動と地労委活動の連携強化に取り組んできました。とくに2年前からは、より職場に密着した活動の一環として当面する緊急課題を中心にした「連合労問研資料」を発行し、産別・地域に配布しています。また、委員の自己研さんのために必携図書の購読活動にも取り組んでいます。今後も産別・地域の権利闘争の前進のための諸行動に取り組みます。

(6) 労働委員会制度改革関連の取り組み
@ 半世紀を超えた労働委員会制度は、今、変革の時を迎えています。夏には厚生労働省の研究会報告が出されました。この秋には司法制度改革推進本部答申もあります。来年の国会には、司法制度改革及び労組法の改正提案も予定されています。
A 連合北海道は、本部方針を踏まえ、今後も労働委員会制度を、労使対等な立場を前提とした自主的な労使関係形成を基本に、簡易・迅速・廉価および公正で、労働者が活用しやすく、かつ負担のより少ない労働委員会制度にするために積極的に発言し、問題提起をしていきます。


5.季節・建設労働対策の取り組み

(1) 冬期雇用援護制度の存続・延長
 @ 季節労働者の通年雇用化を図り、冬期に仕事に就けない労働者の生活を守る上で重要な役割を果たしている冬期雇用援護制度は、3年間の時限措置となっており、現制度も本年度で期限切れとなることから、連合北海道は当該産別の道季労、全建総連とともに制度の存続・延長を求める行動を展開してきました。
A 今回の冬期雇用援護制度の存続に対して厚生労働省は、これまでと違い「廃止を含めて検討」することを今春明らかにし、以来、その考えを基本に省内検討を進めてきました。
B これに対し連合北海道は、冬期雇用援護制度が北海道の最重点課題の一つであることから道に対し、道が先頭に立った「オール北海道」の体制構築と知事のリーダーシップの発揮による制度存続の運動の展開を求めました。
  また、厚労省に対しても、道季労、全建総連とともに大臣要請をはじめとする数次にわたる中央行動を展開したところであります。
C しかし厚労省は「廃止も含めた検討」に固執し、なおかつこれまでの改正時とは異なり、当該組合との意見交換をすることもなく検討を進めることに終始しました。
  その結果、厚労省は、制度の3年間の延長は決めたものの、その内容はa.対象年齢の限定、b.冬期技能講習の適用除外の設置等々、制度の根幹を破棄するものであり、事実上の制度廃止、季節労働者の切り捨てを行うものといえます。
D 厚労省の考えは雇用対策のみを強調し、冬期雇用援護制度が誕生した背景や果たしてきた役割−冬期間やむなく仕事を失う者への失業対策−を否定しており、労働者の雇用と生活を守るべき厚労省としての行政責任を放棄しております。
E 今後は、冬期間に就労できない季節労働者が切り捨てられることなく制度が活用されるよう、冬期雇用援護制度の実施要領の改善や、季節労働者対策の充実・抜本的改善を求める闘いを構築し、厚労省に対しねばり強く働きかけていく。
F また、オール北海道として諸団体の協力による存続運動において、最高責任者としてのリーダーシップ、指導力に欠け、季節労働者切り捨てに繋がる制度見直し案を容認した知事の責任は重く、われわれは道に対し通年雇用化促進に向けた施策の完全履行強く求めていきます。
G 厚労省及び道に対する諸行動については、連合北海道国会議員団会議、道議会議員団会議と充分協議連携し、進めていくこととします。

(2) 雇用・労働条件の改善
@ 長年求めてきた「建設業退職金共済制度」は、今年度より道が建退共の共済証紙貼付確認の制度を始め、市町村においても新たに確認制度を設置する市町村も増えつつあります。
A しかし、道内市町村の多くで未だ建退共手帳の有無、共済証紙貼付等の確認の制度が設けられていないことから、今後、全市町村において確認制度が設置されるよう自治体要求を続けていきます。
B 「重層下請構造」となっている建設産業に従事している末端の現場労働者は、賃金・労働条件で多くの問題を抱えており、「建設現場で働く労働者に、生活していくのに充分な賃金と労働条件を確保すること」が、あらゆる取り組みの大きな目標となっております。
C この目標実現に向け、昨年より道をはじめに全市町村での「公契約条例」制定に向けた取り組みを始めており、正当な賃金の確保、安心して働けるルールづくりのため、引き続き「公契約条例」の制定を求める取り組みを行います。


6.最低賃金闘争の取り組み

(1) 地域別最低賃金
@ 本年の北海道地域別最低賃金は、最賃審議会において労働側全委員の反対に対し、使用者側・公益委員の賛成多数により、昨年に引き続き「引き上げゼロ、時間額637円」で決着しました。
A 全国的にも引き上げが実施される県は5県にとどまり、引き上げ額も全て1円と非常に厳しい結果となっております。
B 賃金情勢が年々厳しさを増している状況とはいえ、2年連続で最賃の引き上げを実現できなかったことを率直に反省し、社会的セーフティネットワークとして機能させていくためにも、水準に改定に取り組んでいきます。
C 具体的な取り組みとしては、2004春季生活闘争において企業内最低賃金協定化などを進め、低賃金労働者の格差改善による社会的に波及する運動を構築していきます。

(2) 産業別最低賃金
@ 地域別最低賃金の「引き上げゼロ」を受け、北海道産業別最賃4業種(鉄鋼・造船・電機・食品)の審議も労働側に厳しい状況で開始されました。
A 昨年に比べ産業別最賃の必要性については、早い時期に「有」で全員一致を見ることができましたが、引き上げの実質的な審議では、使用者側委員が据え置きを主張するのに対し、労働者側委員は、昨年の審議結果「据え置き」に至った経過を踏まえ、引き上げを強硬に求めることで意志統一を図り、審議に臨みました。
B 結果、鉄鋼・電機・食品の3業種で1円の引き上げとなりましたが、残念ながら造船が据え置かれることなりました。
C 北海道の産業別最賃の次期改正に向けて、連合北海道及び当該産別は、産業別最賃の必要性について企業側の理解を求める努力を日常的に行い、産業別最賃の発展拡大に努めていきます。
D また、産業別最賃においても企業内最賃の取り組みを強化し、現行の産業別最賃の底上げを図るとともに、新たな産業別最賃の設定に連動させていく取り組みといたします。
E 新設を目指している「ハイヤー・タクシー業種」においては、本年、全自交労連、交通労連が中心となり、ハイ・タク産業別最賃新設に向けて合意決議・署名集約の取り組みを実施しましたが、残念ながら申し出要件を満たす状況にはいたりませんでした。
F 今後も引き続き、ハイ・タク産業別最賃の新設に向け、全自交労連並びに交通労連の主体的な取り組みを基本に、連合北海道、ハイ・タク産業の未加盟組合が一体となった取り組みを進めます。

W.政策・制度要求の取り組みについて

1.雇用創出とセーフティーネットの確立

(1)総務省の労働力調査結果(8月29日)では、本年7月の全国の完全失業者数は、  342万人、完全失業率は5.3%と依然として5%台半ば、350万人前後の雇用  ・失業状況が続いています。
   また、同調査による2003年4〜6月期の道内の完全失業者数は前年同期より2  万人増加し18万人、完全失業率は6.2%(前年同期5.6%)と、この時期とし  ては統計史上最悪を記録しており、1999年の年平均完全失業率4.9から5.5
  (2000年)、5.9(2001年)、6.0(2002年)と上昇の一途をたど  っており、改善の兆しはありません。
   一方、本道のハローワークにおける求人と求職者の割合を示す有効求人倍率は、昨  年10月より10ヶ月間、前年同月を上回る状況が続いていますが、その水準は7月  においても、0.42倍と極めて厳しい状況にあります。
   また、新規求人数に占めるパートタイム求人数の割合(常用)は、1997年度の  19.0%から昨年度(2002年度)の28.5%と約3割を占める状態となって  おり、さらに離職者のうち事業主都合による離職者は2002年度で46,189人  と17.7%を占めています。
   さらに、新規高卒者の職業紹介状況では、本年7月末現在で求職生徒11,598  人に対し、求人数は道内外含めて3,486人、求人倍率は0.30倍と年々、右肩下  がりの状況にあります。
   このような中、本道の勤労者世帯の可処分所得は4年連続減少しており、1998  年462,267円が2002年428,420円と雇用不安、生活不安が増大して  います。(総務省 家計調査)

(2)こうした雇用状況、収入状況は、この先についても現行政策をとり続ける限り、明  確な改善は期待できません。
   日本経済の先行きは、個人消費、設備投資、外需(輸出)の動向にかかっています  が、個人消費と設備投資は、物価と資産価格の下落が続くデフレ圧力と金融機関にお  ける不良債権問題などの影響を受け、回復の条件は依然として弱く、また不透明であ  り、とりわけ、本道をはじめとする地方の地域経済と中小企業は、長期不況と財政削  減の影響が強く現れています。
   この間、小泉内閣は「改革なくして成長なし」として、勤労国民に失業と生活不安  の「痛み」を押しつけながら、規制改革と財政再建の「構造改革」を推し進めてきま  した。
   しかし、こうした2年以上にわたる財政再建最優先、歳出削減の弱肉強食路線の下  で、不況により経済が一層低迷し、失業率がさらに悪化し、そして政府の財政赤字拡  大を招いているのが実態です。
   戦後最悪水準の失業率、失業の長期化、また常用労働者の減とパート・派遣労働者  など非典型労働者の増、賃金の減少などの雇用の不安と労働条件の不安定化、悪化が  進行している要因は、不況の長期化とグローバル化による競争激化の中で、企業が人  件費の圧縮と雇用流動化の動きを強めていることが影響していますが、同時に、政府  が積極的な雇用対策をとらず、雇用流動化政策を進めていることも大きく影響してい  ます。
   失業者の増大に対し、単に臨時的な公的雇用増や賃金助成など部分的な雇用対策に  とどまっており、失業を減らす積極策は発動されず、他方で有期契約の期間延長や派  遣労働の規制緩和など雇用の流動化を推し進めています。
   加えて、雇用保険財政の悪化に対しては、季節労働者の冬期援護制度の改悪や雇用  保険法の改悪などにみられるように、給付額や給付日数の切り下げ、保険料引き上げ  の財政収支優先、セーフティネットの軽視の対策に終始しています。

(3)「2年間で5万人の雇用創出」「一村一雇用事業」などの雇用政策を打ち出し、本  年4月にスタートした高橋道政は、第2回定例道議会に関連予算を計上するとともに、  現在、堀道政が2002年3月に策定した5年間で10万人の雇用創出を目指した「北  海道雇用創出プラン」を見直す「改訂案」の策定に取り組んでいます。
   見直し内容は、さらに悪化する本道の雇用失業情勢を踏まえて、本年度と2004  年度を緊急雇用対策実施期間と位置づけ、前プランより各年度3,000人増の2.  5万人の新規雇用の創出を目指すこととしています。
   しかし、これを達成する政策については、「一村一雇用事業」と「新規学卒者など  若年層の雇用対策」が前プランに補強された内容にとどまっています。
   また、「一村一雇用事業」の新規政策も一市町村ひとつに限定するなど、「雇用問  題は最重要政策課題」と道民に約束しておきながら、内容は伴っていないと言わざる  を得ません。
   本道の固有の建設労働者を中心とした冬期失業者の政府の「冬期雇用援護制度の存  続・延長」については、わたし達の要請を受け、高橋知事も道としての独自の主体的  施策を表明し、国に制度の継続を求めるなど取り組みました。
   しかし、結果は小泉政府与党の一部道選出国会議員や建設業団体の政治的思惑や中  小零細企業で働く季節労働者の実態を無視した声により、これまで取り組んできた「オ  ール北海道」の陣形が崩れ、「65歳以上の冬期雇用援護制度からの除外」や「冬期  間仕事のない季節労働者の切り捨て」という改悪の概算要求内容となりました。
   将に、本道の地域や道民の声を結集し、中央政府に対し、政党の枠を超えて道民の  代表者として指導力を発揮することがすることが求められた政策課題でしたが、不十  分さを指摘せざるを得ません。

(4)以上のような雇用・失業情勢および中央政府や道の姿勢や政策の現状・課題を踏ま  えて、全国的な課題について連合本部の提起する「120万人以上の雇用創出と不良  債権処理集中期間における雇用就業対策、雇用創出等を強化し、失業率3%台への引  き下げ」を目指し、デフレ解消策と景気回復を最優先とする政策転換の国民運動を積  極的に本道で展開します。
   また、道政に対しては、@雇用の増大・創出を最重点においた歳出構造の転換、A  年齢、職種、地域などの雇用のミスマッチの解消、B失業者の生活対策、C地域金融  の円滑化等を中心に実効性ある雇用プランの推進を求めていくこととします。
   また、経済団体や企業に対しては、@雇用維持や失業なき労働移動の確保、A緊急  対応型ワークシェアリングに関する協議や導入、B本年5月に設立した「北海道」地  域労使就職支援機構 による事業の共同推進に取り組むこととします。

(5)具体的には、以下のように取り組みます。

  @ 全産別・地協で構成する「連合北海道緊急雇用対策本部」を大会後速やかに開催   し、年末から2004年春季生活闘争の前段で取り組む「雇用闘争方針」を決定、   産別・地協・地区連合が一体となり「雇用安定協定の締結」や「道や市町村に対す   る雇用対策統一要求」の実現に総力で取り組みます。

  A 加盟産別組合の要請に基づき、民事再生法や倒産企業の再建や離職者の再就職対   策について、資金調達対策、自治体の支援、ハローワークへの要請、労使就職支援   機構の活用など積極的なバックアップに取り組みます。

  B 雇用制度、職業訓練、失業者の生活保障に係わる学習会の開催や離職者に対する   アンケート調査活動、地域雇用創出の取り組みに対する調査団の派遣、地域関係者   との意見交換会の実施などに取り組み、政策要求に反映させます。

  C とりわけ、道の雇用政策要求実現に向け、1月下旬を最大の山場に設定し、知事   交渉、総決起集会の開催、署名運動や市町村議会決議運動などの道民運動を展開し   ます。

  D 政策の策定、道民運動の展開に際しては、民主党北海道や連合北海道国会議員団   会議、道議会議員団会議と連携し、取り組むこととします。


2.社会保障制度の再構築の取り組み

(1)他の先進諸国と比べることができないスピードで、我が国は急速に少子・高齢化が  進展しています。
   しかし、これに対する政府の対応は、給付の削減と保険料の度重なる引き上げに示  される通り、抜本改革先送り、小手先の改革に終始しており、勤労国民の将来不安を  助長しています。

(2)雇用不安や勤労者世帯の5年連続の所得減少が続いているなかでの年金・医療を中  心とした社会保障制度への不信・不安の高まりは、将来不安をかき立て、一層消費不  振の悪循環に拍車をかけています。

(3)社会保障の基本的役割は、あらゆる人に暮らしの「安心」を保障することにありま  す。この「安心」が保障されてこそ国民は意欲を持ち、社会は活力を高めます。私た  ちは危機に直面する社会保障を再構築するため、@全ての住民を対象とする「普遍主  義」、A「必要」と「選択」にもとづく「利用と契約」、B負担者と受給者の「参加  と責任分担」、C世代間・世代内の助け合い「社会連帯」の4つの基本理念に基づき、  公共投資から福祉・社会保障分野への財政の資源配分の変更などを図り、制度の改革  を求めていきます。

(4)とりわけ、2004年度の年金制度の改革については、年金制度に対する揺るぎな  い信頼を再構築させるため、将来のビジョンを示し、老後生活の収入の主柱とさせる  給付水準の確立を図る連合本部の要求に基づき、学習会、討論集会、署名運動、地方  議会決議採択運動を産別、地協、地区連合が一体となり総力で展開します。

(5)医療・医療保険制度については、@診療報酬制度、薬価基準制度などの医療保険制  度の抜本改革、A老人保険制度の抜本改革と「退職者健康保険制度」の創設、B医療  機関の機能分担の明確化、相互連携強化など医療提供体制の改革、C医療情報の公開  と患者の権利確立などを目指して取り組みます。

(6)僻地・離島などにおける医療サービス提供体制を整備するためには、医師、看護師、  技師等の医療従事者の確保が不可欠です。
   このため、医療従事者の処遇と労働条件の改善、医局講座制の解消、研修医の生活  基盤と質の高い臨床研修、僻地医療支援機構の充実強化を求めていきます。

(7)また、介護サービスの拡充と質の向上、子どもが生きいきと育つための児童福祉・  子育て支援、バリアフリー、ノーマライゼーションの社会整備の推進と措置制度から  脱却する利用制度(支援費支給制度)の確立などに取り組みます。


3.環境・エネルギー政策の取り組み

(1)大量生産・大量消費・大量廃棄の現在の経済社会システムは、多様かつ大量の廃棄  物を排出しています。
   こうした問題を解決していくためには、従来からのライフスタイルを見直し、循環  型社会の構築に向けた社会全体の改革が必要です。
   また、地球温暖化問題は、全世界で早急に取り組むべき課題です。

(2)このため、連合北海道は、本道の地域エネルギー政策の基本方策を省エネルギーと  新エネルギー導入の促進におき、@民生、運輸、産業部門における省エネルギーの推  進、A太陽光、風力、バイオマス、燃料電池、コジェネレーション、クリーンエネル  ギー自動車等の研究開発、導入促進を求めることとします。

   原子力発電については、脱原発を目指すとともに、既存の原発については安全管理  ・防災体制の強化と情報開示の徹底を引き続き求め、原子力防災訓練への調査団を派  遣し、改善を図ります。

(3)また、幌延の「深地層研究センター」については、本年7月11日に着工となりま  した。
   引き続き、監視会議を設置し、放射性廃棄物の持ち込みや最終処分場とならないよ  う、協定や条例の遵守を求め、チェックすることとします。

(4)以上のような課題やエネルギーと環境問題に係わる政策課題の検討・立案を図るた  め、「連合北海道エネルギー・環境委員会」のもとで活動に取り組むこととします。


4.地方分権改革の取り組み

(1)地方分権の推進により、国と自治体(都道府県・市町村)の関係は、「上下・主従」  から「対等・協力」関係となり、各自治体は「地域のことは地域で決める」「住民に  身近なことは、住民自身が参画し、その責任において決める」という「地域主権社会」  の創造の時代に入りました。

(2)しかし、その道はまだ半ばであり、とりわけ、地方への税源委譲を含む税財政改革、  国から都道府県、都道府県から市町村への権限委譲、住民自治の原理・原則の確立や  地方議会改革など残された多くの課題に取り組み、安心で活力ある地域社会とコミュ  ニティを築き上げることが問われています。

(3)このため、昨年の第3回定例道議会で制定された北海道行政基本条例をさらに発展  させ、北海道の自治の基本原理と原則を定める「北海道自治基本条例」の制定を図る  ため、道議会改革や一層の情報公開、共有の仕組みと参加の拡充を求めていきます。   また、地協、地区連合においては、全市町村における自治基本条例の制定を目指し、  行政運営の基本原理と原則に係わる個別条例の制定を求める運動を強化することとし  ます。

(4)また、国に対しては、先に経済・財政諮問会議が示した税財源の委譲案は中途半端  であり、補助金・負担金の一括交付金化や国の税源の地方への移譲を求めていきます。
   北海道における道州制の先行展開については、本道は地理的には道州の形態にあり、
  他県との合併を要しない条件下にあり、国からの大幅な権限と財源の委譲により、新  たな広域自治体として役割が高まることが期待されます。
   しかし、小泉首相が検討を提起する道州制は中央省庁の全体の役割の見直しが欠落  しており、本道への財源縮小を意図したものであるなどの本質を見極め、民主党北海  道と連携し、道州制のあり方や道庁・支庁改革、市町村合併問題との関連を踏まえつ  つ、検討に取り組むこととします。

(5)市町村合併特例法の期限が迫っている中、本道においても今後の市町村のあり方に  ついての検討・論議が行われ、続々と任意協議会が設置されています。
   連合北海道としては、@合併については、各市町村の自主性・主体性、住民の合意  によって結論を得るべきであり、国や道による強制には反対、A広域連合制度や合併  できない自治体への道による補完・支援の検討・実施を求めていきます。
   また、法定協議会が設置されている地域においては、地区連合の参加を図り、意見  反映に努めることとします。


5.道および国への政策要求活動について

(1)私たちは、これまで毎年、道や国の予算編成に対応して、勤労道民の立場に立脚し  た「政策要求と提言」を掲げ、連合北海道国会議員団や同道議会議員団会議の協力と  連携を図り、政策の実現を図る取り組みを実施してきました。

(2)2004年度の道の予算編成に対しても、政策委員会での検討・調整を踏まえて、  10月末まで「要求と提言」を取りまとめ、11月の要求書提出と交渉を開始し、1  月末決着を目指して取り組むこととします。
   「要求と提言」の策定に際しては、雇用問題を中心とした「安心と活力を生み出す  地域づくり」と「地域政府としての道の実現」を柱に全般的課題を提起することとし  ます。
   「政策要求」の実現に向けては、大衆運動・道民運動を配置し、政策化、予算化を  図ることとします。

(3)北海道に係わる国の2005年度の予算編成に対しては、5月より政策委員会の論  議を行い、7月の中央省庁交渉や予算確定期(12月)における大臣交渉を配置し、  政策実現に取り組むこととします。                                   
X.国民・道民運動の取り組み

1. 平和を守り、軍縮・核兵器廃絶を求める取り組み
(1)「有事法制」制定後の取り組み
@ 本年6月6日、国の安全保障政策にかかる、いわゆる有事関連3法案が、戦後初めて野党の賛成を得て成立しました。私たちは、緊急事態に対処する法制度は基本的に必要としながらも、第154国会で提案のままでは不充分といわざるを得ない法案であり、「わが国憲法の枠外」、「集団的自衛権の行使となる」となる場合には、断固成立阻止の方針で取り組んできました。
A 法案成立の過程での与党と民主党との修正協議で、憲法の基本的人権規定を最大限に尊重することや国会の議決で防衛出動などの対処措置を終了できることなどが法制に盛り込むことができましたが、まだまだ不充分な点もあるとして、構成組織が抱える問題点の解決に向けての課題整理に努めてきました。
B 特に国民の生命、財産に大きくかかわる国民保護法制は、次期通常国会で議論されることになっており、今後の周辺事態の際などの米軍支援に関する法整備も集団的自衛権の行使とのかかわりなど重大な問題を含んでいることから、私たちは、これまでも「集団的自衛権の行使」には、明確に反対しており、また、指定公共機関に働く多くの仲間もいるため、当該構成産別と連携して、国民の納得がいく議論を求める運動の取り組みを強化していきます。
C 有事法制が制定されたとはいえ、三法の発動される事態を回避する努力を国に求めていきます。併せて、国連を中心とした国際協調を追求しながら、積極的な平和外交などを政府にゆだねるだけでなく、日常不断に全道各地で世界の恒久平和を求めて行動していきます。
D 連合北海道として、次期通常国会の山場に向けては、学習会・大衆行動などの取り組みを追及していきます。

(2)イラク特措法などに対する取り組み
@ 米英両国は、国連をないがしろにしたなかで、大量破壊兵器の廃棄を「大儀」としてイラク戦争に踏み切りました。私たちは、イラク戦争に際して、国連を中心とする中で平和的解決を求めることとともに「武力でテロは無くならない」ことを各種集会で訴えてきました。
A 現在イラクにおいて、米国から多国籍軍の要請が各国になされていますが、戦争の「大儀」の説明責任を果たしていないこととバクダットの国連事務所に対するテロなどが相続き、協力体制にありません。
B 小泉内閣は米国からの要請を最優先として、国会を延長してまで、イラク特措法を野党協議を拒否して強引に成立させたものの、非戦闘区域などの調査すらできない状況にあります。
C 私たち連合は、国際的な紛争の平和的解決のために国連が主体的に実施するものであっても、憲法の枠内、集団的自衛権の不行使、国連中心主義を原則として非軍事・非武装の三原則二方針に基づいての実施を求めています。
D 政府が調査に行ったとしても戦闘区域と非戦闘区域の区別など難しい問題で、軍服を着ないで、水対策などイラクが真に求める支援策を検討すべきと判断します。
E 自衛隊が戦闘に巻き込まれる危険性と集団的自衛権の行使につながる海外派兵に反対するとともに、このことを理由としての、自衛隊の海外派兵には絶対反対の姿勢で取り組むとともに、連合中央にも働きかけていきます。

(3)在日米軍基地の縮小と地位協定見直しを求める取り組み
@ 平和と地域の暮らしを守るために、米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の見直しが必要なっています。特に沖縄にとって、米軍・米兵の事件や事故が相次ぐなど基地の影響が深刻であり、日米安保体制を基調としながらも、地位協定の見直しが強く求められており、県を上げての取り組みとなっています。
A 連合本部は、地位協定の見直しについて、米軍基地のある関係地方連合を含め対策会議を設置して、方針を提起することとしています。連合北海道としても対策会議に参加すると共に地位協定の持つ問題点についての学習会を通じて、沖縄の願いや地位協定についての共通認識の徹底を図ります。
B 本道の矢臼別演習場では、在沖米海兵隊による移転実弾演習が実施されており、移転演習にあたって防衛施設庁と自治体が交わした沖縄で実施された演習と「同質・同僚」との約束に違反した、沖縄では実施していない夜間演習や人員・弾薬量の増大など演習規模の拡大・固定化がはかられています。連合北海道として、この約束違反を厳しく追及すると共に、政府の姿勢・政策の転換を求めて、来年度も全道集会を開催しています。

(4)軍縮・非核三原則堅持、核兵器廃絶を求める取り組み
@ 私たちは、これまでいかなる国の核兵器開発や武装にも反対を基本に取り組んできました。米国のブッシュ政権は、地域での核兵器使用を「先制攻撃」を基本に「通常兵器」として、「使う核」への転換を宣言しました。米国が核戦略を大きく転換したことで、NPTの空洞化や包括的核実験禁止条約(CTBT)の死文化の動きが国際世論のごとく叫ばれていますが、私たちは、こうした流れを許せません。核兵器の廃絶のために、あらゆる国の核実験に反対する取り組みを強化しています。臨界前核実験に対しては、領事館に対して、中止を求めるとともに、実施されたときには、抗議の集会を取り組みます。
A 昨年10月国連に日本政府が提出した「核兵器の全面的廃絶への道程」と題する核兵器廃絶を求める決議案が、賛成136カ国、反対2カ国(米・印)棄権13カ国で圧倒的に採決されたことからも明らかのように、核兵器の廃絶は国際的な願いであり、NPTやCTBTの強化により二度とヒロシマ・ナガサキを造らせない努力を求めていきます。いかなる対立と紛争も武力ではなく、国際協調による対話を以って解決されることこそが重要であり、国連における慎重な討論と国連決議が尊重されることを求めていきます。
B 北朝鮮は、核兵器を密かに開発していることを明らかにした。これは、明確なNPT違反であり、94年の核兵器開発の凍結を約束した米朝枠組みの合意や92年の朝鮮半島の南北非核化共同宣言の約束を反古にするものである。国際的約束を平気で破る国家を国際社会は許さない。北東アジアの非核化のためにも、北朝鮮の核開発の反対と中止を訴えつづけていきます。
C 非核3原則の法制化を粘り強く求めるとともに、市町村の合併により、非核自治体宣言をしている自治体が減ることの無いよう取り組みを強めます。また、核搭載の疑問のある軍艦及び軍用機の民間港や空港の利用反対を従前どおり取り組んでいきます。

(5) 連合平和行動などに積極的な取り組みを
@ 沖縄・広島・長崎及び根室と続く連合平和行動は、「平和・人権・環境」を主要なテーマに職場と地域を軸に取り組みを強化しながら、参加者だけの運動でなく、それぞれの場で運動の意義などの確認をしてきています。今後も職場や地域で平和を広げる運度とするとともに、これら行動に積極的に参加します。
A 7月から8月を平和運動強化月間と位置付けて、全道各地で平和学集会やパネル展・黙祷運動など創意工夫を凝らした運動を展開していきました。今後も様々な平和行動を追求するとともに、連合中央が提起する「平和行進」について、原水禁と核禁会議にも呼びかけて実施する方向で検討していきます。
B 連合平和行動や矢臼別移転演習反対集会などの大衆行動に対して、道民運動推進会議の開催してきました。連合運動を主体的に担っていくを言う見地からも、積極的に取り組んでいきます。
C 連合運動の強化発展に向けて、平和運動課題の整理に努めていきます。また、市民団体やNPO・NGO等との積極的な交流と働きかけにより幅広の運動展開ができるように取り組みを強めていきます。

2.北方領土返還運動
@ 私たちは、今日まで一貫して北方領土(歯舞群島・色丹島・国後島・択捉島の四島)はわが国固有の領度であり、この北方四島の返還を実現して平和条約を結び、日ロ両国の間に真の安定した友好関係を築くことを基本に、北方領土返還運動に取り組んできました。
A 北方領土返還運動をめぐっては、「20世紀中に領土問題を解決し、日ロ平和条約を結ぶ」とのクラスノヤルスクでの日ロ首脳の合意が実現しなかった。そればかりか、一部政治家と外務省官僚の日ロ支援事業を利権とし、食い物にしたことから、わが国の返還運動が大きく後退してしまった。
国民の要求は「四島一括返還」が原則である。ところが、一部外務官僚は、国民合意も得ずに二島(色丹、歯舞)返還をねらい「二島先行返還と残り二島(国後、択捉)の帰属問題の並行協議」を返還交渉で打ち出し、ロシア側に間違ったメッセージを送ってしまった。私たちは、北方領土を抱える連合として、日ロ交渉は、あせらず、粘り強く四島一括返還の原則に立ち返り行うことを政府に求めて行くとともに、一貫した外交姿勢や基本方針を全国民の認識とするよう働きかけていきます。
B 返還運動は、政府の交渉を支援するうえでも草の根の交流が重要であるとの判断により、サハリン州連合との定期交流やビザなし相互交流など北方領土に住むロシア国民との交流を従来以上に積極的にすすめてきました。とりわけ、今年度は6名が参加したビザ無し交流について、来年度から北海道連合枠(2名)が設けられることもあり、北方領土返還運動の意義について、連合全体の学習を深めるとともに、ビザなし交流に積極的に参加していきます。
C 返還運動は、キャンペーンや啓蒙活動通じての国内世論づくりが重要であり、北連協(北方領土返還要求運動連絡協議会)をはじめ、北方領土復帰期成同盟など様々な返還運動団体との連携を強めてきましたが、今後も引き続き連携を強化していきます。また、返還要求署名行動などにも積極的にかかわっていきます。

3.次代を担う教育課題の取り組み
@ わが国の教育をめぐる環境と状況は、学校崩壊・不登校・イジメなどさらに深刻化してきています。このことは、教育を社会全体の問題として私たち自身が考えずに学校の問題としていたことを反省しなくてはなりません。私たちが職業観も含めて自ら学校だけでなく社会全体にコミットしていかなければならない。連合教育改革12の提言を道民各層に訴えていきます。
A しかし一方で、青少年の奉仕活動の検討や愛国心の強制など自立や個性を否定し、画一化と統制による教育制度改悪の動きが強まっています。教育現場の荒廃の元凶が教育基本法にあるとして、基本法の改悪が次期通常国会に上程される状況にあります。私たちは、これまで民主的教育の基本を謳いあげている崇高な理念に対し、拙速な改悪は許されないとの視点で、基本法改悪反対を取り組んできました。今後も取り組みを強めるとともに、国会の山場前には、全道各地で教育基本法に対するシンポ・抗議集会の開催などの取り組みを通じて、基本法改悪反対の議論を深めていきます。
B 連合北海道はこの間、「教育基本法の改悪反対」「義務教育費国庫負担制度の堅持」「私学助成の強化」「30人以下学級の実現」などに取り組んできました。これまでどおり、これら要求の実現に向けて集会・議会決議運動・署名などに取り組むこととします。

4.人権擁護、共生の社会づくり
@ 人種、民族、宗教、肌の色、性別、年齢、疾病、障がい、門地、性的指向などによる人権の侵害はいまだに続いています。これら人権侵害の撲滅に向けて、連合「政策・制度要求と提言」での人権政策(国内人権救済機関の設置、ILO111条約の批准要求、差別禁止法の制定要求など)の実現を目指した取り組みをすすめます。
A 飢餓と貧困が最大の人権侵害であるという視点に立って、アジア・アフリカの開発途上国の人々を救うとともに、世界の人口・食糧問題をあわせて考える運動として取り組んできた「アジア・アフリカ救援米運動」については、本年も例年と同様に北海道農民連盟の協力を得ながら取り組みをすすめて行きます。
なお、昨年凍結した北朝鮮への援助については、当面解除する方向にありません。
B 障がい者を取り巻く環境は、大変厳しさを増しており、社会参加に多くの課題と問題点を残しています。連合北海道として、これまで以上の連携と支援体制の整備に向けて努力していくとともに国際障害者人権条約の制定やノーマライゼーションの社会づくり、バリア・フリーの実現に今後とも取り組むこととします。
C 昨年9月17日の日朝首脳会談において北朝鮮の金正日総書記は日本人拉致を認め、謝罪を行った。この北朝鮮による日本人拉致事件は、重大なる人権侵害であり、わが国の主権を侵害した国家犯罪でもある。
しかし、北朝鮮のその後の対応は到底誠意あるものではない。政府は、毅然たる態度で問題の解決をはかるべきであり、拉致問題の解決無くして国交正常化は無いとの決意と働きかけをもとめていきます。また、在日朝鮮人や朝鮮人学生に対するイジメなどの問題については、人権擁護の立場に立って許さないことと合わせ、取り組んでいきます。

5.環境問題と循環型社会の実現を求める取り組み
@ 地球温暖化や砂漠化、大気汚染と酸性雨問題、増えつづける廃棄物や環境ホルモン(内分泌かく乱物質)など、環境問題極めて多岐にわたっています。これらは、人口の都市集中や市場経済優先の産業活動、第一次産業の衰退などによって年々深刻化しています。そして、環境の悪化がさらに自然の生態系と循環を通じて、土壌や森林、水を汚染し、農林漁業の生産にも影響を与えています。こうした地球規模あるいは国・地域レベルでの環境の悪化が深刻になる中で、これまでの「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の経済社会から脱却し、「循環型社会」への転換が叫ばれています。連合は、循環型社会の実現に向けて、政策要求と提言を通じて、産業界や国に対して「環境に与える付加をより小さいものにするための生産、流通、販売、回収、処理、そして必要な費用負担」を求めてきています。
A 連合エコライフ21運動は、組合員一人ひとりとその家族が、これまでのライフスタイルを見直し、国民全体への理解と行動を拡げていく運動として始まり、来年で6年目を迎えます。環境にやさしい10の生活の実践と地域運動としての理解を求めるために全力をあげて取り組みます。また、森林の保全のために、持続可能な林業経営に向けて、道や各自治体に道産材の普及と林業活性化を求めていきます。また、林業活性化議員連盟との連携を強めると共に、間伐材を使ったクラフトなどの斡旋活動を取り組みます。健全な水循環を確立するために、水を公共財として位置付けた「水基本法」の制定と使い捨てから有効利用のシステムの確立に努めます。
B 食の安全性の追及は、生産現場から食卓まで責任ある体制の整備に努めると共に、食料基地としての北海道の未来に確信の持てる農業を目指し、北海道農民連盟との連携を強めていきます。また、北海道農業を守るためにも、道産作物の地場消費が重要であり、「地産地消」運動を積極的に取り組みます。食とみどり、水を守る道民の会の事務局を積極的に担うと共に、WTOや政府要求をはじめ、大衆行動や署名及び地域街宣など多彩な取り組みを積極的に取り組みます。
C 環境問題に積極的に取り組んだ05年愛・地球博を目前に控え、連合環境フォラームが愛知県で開催が予定されています。これに積極的に参加していきます。連合の森については、道民の森を中心に検討してきましたが、多くの課題もあり、場所を含めて再検討することとして、連合組合員と環境との深まりをもてるような環境事業のあり方すすめていきます。
D 私たちは仕事に追われて、降りかえることが無い生活を送ってきたことに反省して、少し立ち止まって自分を見つめ返すことの重要さが叫ばれています。「スローライフ」運動を積極的に支持するとともに、エコツーリズムや農村体験など心にゆとりを取り戻す運動を取り組みます。また、年休などの制度利用を積極的に取り組みます。

6.暮らしの安全助け合い
@ 連合発足当時からの労働組合の原則ともいうべき、「友愛」と「連帯」との基本でもあります「連合愛のカンパ」を11月から12月にかけて、積極的に取り組むとともに、すべての産別に理解と協力を求めていきます。今年度は、連合本部に台風10号の関係で連合北海道から申請しました。
A コンサドーレなど道民運動として取り組んだ支援活動について、継続的に取り組むとします。また、日本ハム北海道に対しても支援のあり方などについて、検討していきます。
B 地協地区連合では独自に高齢者に対して福祉除雪など様々な地域支援ボランティア行動がなされています。連合が地域で顔が見えるようにまた連合に対する理解を得る意味でも積極的に支援を検討していきます。連合の組織内には多くの職種と様々なノウハウを持つ組合員がいます。自然災害時などに対して、連合のスケールメリットを考慮した助け合いのシステム作りを検討していきます。
C 様々な市民団体やNGO・NPO対する連帯活動を強めると共に、連帯のあり方については、執行委員会で確認して支援行動など提起していきます。
D 署名活動についても、連合としてのかかわり方を含め、執行委員会で確認して、タテ及びヨコなど取り組み方法を提起していきます。

Y.広報・文化活動・メーデーの充実

1. 広報活動の活発化
@ 地域に顔の見える連合運動造りにとって、広報活動は重要な指名を持っています。組合員に読まれ、愛される機関紙として、「MONTHLYれんごう」の定期発行体制の確保と充実により、日常運動の周知と各産別・地協・地区連合の活動紹介など情報宣伝に努めていきます。
また、[MONTHLYれんごう]の地区版やカベ新聞を発行するなどして、組織内はもとより、未組織や地域住民への情報宣伝活動を強化していきます。
産別・地協・地区連合を対象とした機関紙コンクールの実施を目指すとともに、広報担当者のレベル向上に向けて研修交流会を開催します。
A ホームページを通じて、連合運動の取り組みや春季生活闘争などの重要闘争時の情勢及び結果と平和月間などの情報発信に特色あるページと日々の更新に勤めてきました。
今後は、地協の情報をリンクさせるなど、連合北海道情報のネット化をすすめ、デジタル情報の積極的な開示と、双方向の広報手段として充実させることとします。
B 春闘情報や政策調査部情報など緊急かつ行動要請などの課題のあるものについて、ファックスによる情報提供に対応するため、各地協地区連合のファクス通信網の整備と強化を図っていきます。
B キャンペーンとして、連合中央が提起する年金制度改革に向けて、11月を統一行動月間に指定するとともに、広報・標語・川柳の募集、政党や関係閣僚らに対し、組合員からの[Eメール投稿]の呼びかけと大衆運動と結合して、学習会、シンポなど各地協で道民集会やパレードなど多彩な行動を取り組みます。

2.文化活動の取り組み
 労文協の主催する[全道勤労者総合文化祭][文学散歩]などの文化活動を推進してきました。また、障がい者関連団体や国際交流団体が開催する文化事業についても支援してきました。
 今後も、勤労者の文化活動について、組合員ニーズに応える活動のあり方など調査・検討をすすめるとともに北海道労文協の日常活動や各種行事を積極的に支援します。

3.第75回全道メーデーの取り組み
@ 第74回メーデーは、道内195会場で約20万人が集い盛会に開催されました。
今年の中央大会の開催日程は統一自治体選挙の関係で5月1日に変更されましたが、来年の開催日程は、4月28日となっています。第74回全道メーデーについては、従来通りの5月1日開催としました。
また、各地区では全道メーデー実行委員会の方針に基づき、各地区実行委員会を組織して、勤労者・市民が参加する創意工夫を凝らした中で取り組まれました。
A 第75回全道メーデーについては5月1日に開催することとして、内容については、全道メーデー実行委員会などで協議していくこととします。
B 第76回全道メーデー以降の実施日、あり方については、組織委員会での検討を立ち上げることとし、課題点・課題点の洗い出しや構成組織ヒアリングを経て、来年9月開催の地方委員会で大方の成案を得て、2004年9月の執行委員会で決定できるように組織的論議をすすめる。
C メーデーを国民の祝日とするよう、本部と連携して世論喚起などの活動に取り組みます。
D メーデータオルについて、組合員から図案を募集してメーデーへの理解と参加の取り組みを強めます。

Z.女性運動に関する取り組み

 1.女性の組織・運動への参画推進
(1) 女性活動の充実・拡大について
@ 改正雇用機会均等法、改正労働基準法、改正育児・介護休業法、男女共同参画社会
基本法などにより、女性の職域拡大や男女労働者がともに家族的責任を担う体制など、政策上の男女平等は進みつつあります。しかし、自民党議員を中心とした各県議会や市町村議会での時代に逆行する発言があり、男女共同参画社会基本法の趣旨に反した提案が行われるなど、全国的に反動的な動きが広まっています。
  また、賃金の男女間格差は一般労働者で2000年に比べて2001年には広がる傾向がみられ、非典型労働者の増加に伴い、性別のみならず雇用形態や年齢、学歴等による格差も拡大しています。
  A このように厳しい情勢の中で、女性の人権が尊重され、安心して働き続けられるようにこれまでの運動を一層拡大・強化することが必要です。そのためには、具体的に運動を推進するための女性組織の必要性や運動のあり方を基本組織の理解を得ながら積極的に推進します。また、各産別との連携を深める取り組みや地区組織の結成に向けて積極的に取り組みます
B 地協、地区連合の役員の参加によって開催した2回目の「女性セミナー」では、新
たに女性委員会を設置した上川地協の報告を受け、課題や方向性について話し合いました。課題としては財政的な問題もあり、身近なところで女性が交流や学習できる機会を設けてほしいとの要望が出されました。また、「均等法集会」では労働基準法改悪の内容とねらいについて学習し、構造的に進められる差別と分断攻撃に対抗していくことを確認しました。国際労働財団国際交流女性チームには水谷女性委員会副委員長を派遣し、シンガポールにおける労働事情を学習してきました。これらの成果や課題をもとに具体的には次の取り組みを行います。
ア、地協、地区連合における女性組織の結成や女性がかかえる課題解決を目的に、「女性セミナー」を開催し地協、地区連合との連携を強めます。
イ、均等待遇や労働条件改善に向けた学習の場として「均等法集会」を開催します。
ウ、各組織の交流の場として「第14回はたらく女性の集会」を開催します。
エ、活動の交流、情報の交換、学習を深めるために情報紙の発行を行います。
オ、「連合北海道男女平等推進委員会」に参加し、『男女平等参画推進計画』を積極的に推進します。
カ、産別の交流を深めるため、レクリェーション行事を行います。
キ、女性の人権と地球の平和について積極的な学習活動をすすめます。
ク、国際会議、国際交流の機会に積極的に参加をすすめ、国際連帯活動を強化します。
ケ、「3.8国際女性デー」の取り組みに積極的に参加・参画します。
コ、女性の社会参加を推進する民主的な組織・団体との連携をすすめます。
(2)女性組織の確立に向けた取り組み
ア 女性組織のない構成組織に女性活動担当者や窓口の配置をすすめ、地域ユニオンか
らの参加体制について検討します。必要に応じ「委員会」「構成組織・地域組織女性代表者会議」を開催し、幅広く女性の声を運動に反映させる機会を作ります。
イ 連合北海道女性委員会幹事会の出席状況が悪いことから、日程や運営方法について
検討を行うとともに、産別との連携を強めて役員・幹事の活動支援体制の充実に取り組みます。また、活動の一層の充実と活動方針の具体化に努めます。
ウ 地区協議会、地区連合における女性組織の設置をすすめます。運動の交流や課題を確認する中から各地域協議会に1カ所以上の設置をめざします。
エ 連合本部男女平等局主催の各種会議、集会に参加し、連携を取りながら学習や交流
を深め、積極的に意見反映を行います。

2.女性に関する政策の充実について
(1) 社会制度における男女平等の確保
@ 固定的な男女の役割分担を前提とした様々な制度・慣行が間接的に男女差別の要
因となっており、これらに関わる政策・制度の見直しや改正が必要です。各種法制度は徐々に整備されつつありますが、意識や慣行は改善されるどころか逆行している面もみられます。男女の人権が平等に尊重され、公平な社会の実現のため、あらゆる政策及び計画をジェンダーフリー(社会的、文化的につくられた性差からの解放)の視点を組み入れて改善していくことが重要です。夫婦別姓の選択や性に中立な年金制度などの課題は、女性が「独立した個人」として社会的身分を確立する条件として不可欠なものです。社会的論議や意識を高揚し、民法改正に向けて取り組みます。
A 世帯単位を中心とした税制や年金、社会保障制度などのあり方を個人単位に改める
議論をすすめます。
B 地域や学校における男女平等教育の充実に向けて取り組みます。
C 森元首相をはじめとした自民党議員の女性に対する問題発言などが、社会的に容認される傾向に危機感を持ち、女性の人権を守る取り組みをすすめます。DV防止法の見直しに向け、関係団体と連携して取り組みます。
  D「男女共同参画社会基本法」の成立を受け、地方自治体における「男女平等条例」
  の制定や関係機関に対し意識啓発に取り組むようするよう働きかけます。
(2) 雇用における男女の均等な機会と待遇の確保
  @ わが国の雇用における男女格差や女性の労働条件は、先進諸国の中でも劣悪な状況です。改正雇用機会均等法、改正労働基準法、改正育児・介護休業法に関する学習や遵守させる取り組みとともに、労働者派遣法、パート労働法などの学習を行ない、改善を求めていきます。
@ 健全な職場環境を守るため、セクシュアル・ハラスメント防止の取り組みを推進します。
A 母性保護の充実にむけ「連合の母性保護に関する労働協約指針」に基づいて労働協
約締結に取り組みます。

[.政策実現に向けた政治活動の強化

1.政治センターの活動強化

(1)政治意識の高揚に向けた学習・研修活動の推進
 連合の政治に関する運動は「社会的公正を確保し、労働を中心とした福祉社会をめざす」政治の実現のため活動を進めています。
 また、連合の政治活動は、@連合の掲げる政策を国会及び地方議会の中で、法案や条例の制定などを通じて実現させること、A長期にわたる自民党中心の政権から勤労者・生活者を基盤とする政権への交代を可能にする政治勢力を拡大させることにあります。
 そのため、構成産別の政治活動を連合に一元化することを目的に設置した「政治センター」の日常的活動をより一層積極的に推進し、組合員の政治意識を高める学習・研修活動や情報提供などを定例化します。

(2)政策推進資金カンパの実施
 明年の参議院選挙を勝利し、民主党の躍進を通じて連合運動の重要政策課題の実現をはかるため、組合員一人千円の政策推進資金カンパを拠出することとします。
 また、政策推進分担金も含め、納入率向上に努力し、政策推進活動に必要な資金の確保に努めます。

(3)政党との関わり
 連合北海道は、連合の政治方針に沿い、政権交代を可能にする政治体制の構築をめざし、比較第2党・野党第1党の民主党を基軸として、政治政策の実現に努めてきました。
 今後も、民主党が政権を担うに足る政党として、広範な勤労者、市民、納税者の立場に立った、民主的でリベラルな理念と政策、政治姿勢を確立し、成長・発展することを期待し、政治活動への協力、政策協議、選挙支援と協力を行うこととします。
 特に、民主党と自由党との合併は、連合が求める社会実現のために期待を持って受け止め、新民主党が当面する国政選挙で勝利を勝ち取るよう、総力を挙げることとします。

2.連合北海道推薦議員との連携強化

(1)連合北海道国会・道議会議員団会議との連携
 連合北海道の国会議員団会議・道議会議員団会議は、これまで毎年、道や国の予算編成に係わる「政策・制度の要求と提言」の実現に大きな役割を果たしてきています。
 今後とも議員団会議との定期的な懇談会、学習会などを行い、一層の連携と政策課題の実現に努力していくこととします。
 特に、道議会議員団会議では、保守道政となったことに鑑み、道議会での会派意思統一を十分に促すため、議員団会議幹事会の機能を強化し、また、政策立案・調査機能を強化して、勤労者に関わる政策制度実現を促進します。

(2)札幌市長との連携
 連合が推薦し、前代未聞の「再選挙」で当選した上田文雄札幌市長の政治姿勢は、市民参加を原則に、情報公開や行政改革に意欲を持っており、勤労者政策の実現にも大きな期待を持つことができます。
 また、保守道政のもとでは、政令指定都市である道都札幌の動向は、道政全体に大きく影響することから、札幌地区連合と連携して、札幌市長との定期懇談を実施し、勤労者政策への理解と実現に努めることとします。
 また、再選挙を含む今回の選挙の教訓を、今後の政治政策推進活動に生かすため、民主党と連携し、市民活動との連携など、幅広い層との活動のあり方について調査研究することとします。

(3)市町村議員との連携
 連合がめざす政権を担いうる新しい政治勢力の結集には、政治への市民参加を促進し、市民に信頼される政治の確立など、地方における市町村議員との連携も重要となっています。連合北海道の地協・地区連合は、組織内候補のみならず、多くの市町村議員候補を推薦して、地域全体の政策課題実現と政治勢力の結集に努めていますが、連合運動への理解と協力を一層進めるため、学習会や懇談会を企画し、各級議員との交流を進めます。

3.次期総選挙及び参議院選挙の闘い

 予想される衆議院解散総選挙と、明年7月の第20回参議院選挙を一体の闘いと位置づけ、新しい民主党を中心とする政権によって勤労国民の期待する政策を実現させるため、連合北海道組織の総力を挙げることとします。
 なお、具体的な闘争方針は別号議案として提案します。

\.労働者自主福祉運動の取り組み

1. 労働者自主福祉運動の一層の強化

 連合北海道は、連合結成10周年を契機に、組合員の暮らしと生活の改善運動、「働く仲間一人ひとりが互いの生活を守り・助け合う」共済組合運動の再構築にむけて、低金利の「轟きローンの利用拡大」、多重債務の防止にむけた「マイプラン・ポケットカードの保有拡大」、地域の地場中小組合と連帯する「連合スクラム共済の加入拡大」、住まいのサポート・住宅生協の利用拡大などに取り組み、労働者自主福祉運動の強化・組合員の生活改善に着実な成果を上げています。
 しかし、今日のデフレ経済不況の下で、賃金の抑制・カットなどの不況・雇用対策が相次ぎ、勤労者の生活は収入減・可処分所得減から、過去に借りたカード・ローンの不払いが増加し、住宅などローンを返済できない自己破産が昨年度一年間で22万件を超えるなど、勤労者生活を取り巻く経済環境に改善の兆しが見えない状況が続いております。
 こうした状況から我々は、勤労者の不安解消・生活と雇用を重視した政策転換を求める一方で、自らの生活防衛の一貫として、生活の無理・無駄をなくす、賢い生活者・消費者運動、労働者自主福祉運動の取り組みをより強化していく必要があります。

(1)「ろうきん運動」の推進・強化
@ 「轟きローン」・「マイプランポケットカード」利用拡大運動の推進
 「轟きローン」の利用拡大運動は、自動車の購入・更新時に他金融機関など高金利の自動車ローン利用者を低金利のろうきん「轟きローン」に切り替える運動として2001年9月から取り組み、他県の労金では新規融資額が前年実績割れが続く中で、北海道労金では2年続けて前年実績を上回る成果を上げてきております。
 しかし、この運動に一服感が見られることから、今一度、車の更新・購入者のアンケート調査・リストアップ等に併せた組合員への周知活動の取り組みを強化していく必要があります。
 また、「マイプランポケットカード」の保有運動は、従来、「借金の奨励」とうけとめられがちであったカードローンの利活用を、「高金利カードからの切り替え」、「小口の生活資金ニーズへの対応」、「ろうきんカードローンを上手に使い生活防衛」など、組合員の生活改善運動の第二弾として、昨年から本格的に取り組んできました。この運動においても、毎年カードローン残高が10億円程度減になっていた傾向に前年度において歯止めをかけ、組合員の生活を改善させる運動に結び着いています。
 構成産別は、ろうきん各支店エリアの会員組織毎に設定された「轟きローン」利用拡大目標、「マイプランポケットカード」保有拡大目標の達成にむけて、単組・支部・分会でのアンケート調査・リストアップ作業の取り組み指導など、日常における組合員への世話役・職場活動の強化を図っていくこととします。 

A 多重債務問題に対する運動の推進
 近年、デフレ経済不況の下で多重債務者は200万とも300万ともいわれ増加傾向にあり、自己破産に至らないまでも予備軍が激増している実態にあります。
 また、急増する自殺者やホームレスの多くは借金によるものと考えられ、090金融、押し貸し、スピード金融、紹介屋、買取り屋、チケット金融など、様々な手口で出資法の上限金利をはるかに超える高金利で貸し付ける「ヤミ金融」が胎動し、金融トラブルでの横領や殺人事件まで発生しています。
 こうした事態から組合員が多重債務に陥らないための「防衛運動」と、陥った際の「救済運動」を並行して取り組んでいくこととします。
具体的には、連合北海道と労働金庫が協働して組合員の多重債務・防衛運動として、どの金融機関よりも低金利の「マイプランポケットカード」の保有拡大運動をさらに強化していくこととします。同時に、組合員が万一多重債務に陥った際の相談活動・救済運動として、労働金庫は新たな融資商品の提供と、営業店の対応・相談機能の充実、札幌圏では「お客様相談室」の設置と専任相談員の配置など、体制確立を図ってきています。
 なお、労働金庫の新たな負債整理融資制度は、構成産別・単組と労働金庫との協定に基づき本制度が活用できるものとなっており、各構成産別は、単組にその主旨を指導徹底し、協定書締結の推進を図り、その精神を生かした真に実効ある取り組みをすすめていくこととします。

(2)全労済運動の推進・拡大
@ 労働者共済運動の推進強化
 勤労者・生活者を取り巻く環境もなかなか好転するには到らず、所得の低迷や高い失業率は、家計に深刻な打撃を与えています。
 一方で、社会保障という「公助」の面においても厳しさを増し、「自助」と「共助」の役割が一層求められる時代になってきており、「相互扶助」を基本理念としている全労済・労働者共済運動の推進強化がますます重要になってきているといえます。
全労済は、組合員の生涯にわたる「暮らしの保障」をテーマに、組合員の家計負担の軽減とライフスタイルに応じた生活保障設計見直し運動を進めています。
 連合北海道は、「ムリ」、「ムダ」のない生活保障設計の見直し運動を「第二の賃上げ活動」と位置付けて取り組みを進めてきております。しかし、これまでの活動では十分な提案に至っていないことから、労福協・全労済とタイアップして、構成産別・単組における共済商品の説明会・共済運動の研修会・生活保障設計見直しセミナーなどの取り組みを推進していくこととします。

A 連合スクラム共済の加入・拡大運動の推進
 連合スクラム共済は、働く仲間の生活を守り・助け合う労働者福祉運動の一環として、2001年に制度を見直し、全労済・労福協の協力を得て「推進プロジェクト」を設置して、構成産別・単組、連合地協・地区連合のおける加入・拡大運動の推進に取り組んできました。
 2002年度の新規加入促進の取り組み状況は、自治労が加盟単組単位の加入促進をはかる方針をたて幕別町職、八雲町職、森町職が新規に加入、北教組は支部単位に組織的加入に取り組み根室支部、帯広支部が新規に加入、全逓は組織人員の100%加入をめざし未加入者の加入を促進、運輸労連においては全日通の未加入支部であった室蘭支部、函館支部が加入さらに産別加盟組合の加入促進を要請、JR連合は未加入組合員の全員加入の方針、全自交では釧路で2単組、帯広で1単組が新たに加入、地域ユニオンは石狩、釧路、渡島でそれぞれ1組織が加入、など、全道で14組織が新たに加入し着実に拡大を図ってきております。しかし、加入者総数は57,433人と22.1%の加入率にとどまっています。
 今年度は、これをさらに拡大すべく、構成産別・単組、地協・地区連合、そしてブロック労福協との連携でブロック毎に連合スクラム共済の拡大目標をたて、加入促進の運動に取り組んでいきます。

(3)住宅生協運動の推進強化
@ 「住まいのサポーター」運動の推進強化
 住宅生協運動では、勤労者の住宅ニーズに応える住宅生協の経営安定・健全化にむけ、職場・地域から受注活動のサポートに取り組んできました。昨年度においては、構成産別をはじめ連合地協推進委員会の受注活動でのフォローアップにより、連合組合員からの注文住宅・リフォームなどの受注で大きな成果を上げています。
 今年度も引き続き、住宅生協を連合組合員の「住まいのサポーター」として位置付け、構成産別・単組、連合地協・地区連合がさらの支援体制を強化していくこととします。

A 職場・地域におけるサポート活動の強化
 具体的には、住宅生協が営業活動の中心においてる札幌圏での受注体制の強化にむけて各構成産別・単組での「職場推進委員会」の設置をはじめ、組合員の住宅アンケートの実施、持ち家・リフォームなどの情報提供に積極的に取り組んでいくこととします。
 また、地域におけるサポート体制は、上川、渡島、後志、胆振、空知、宗谷、留萌、釧根の各地協では、既に確立している「推進委員会」での受注活動の強化を図るとともに、網走、日高、檜山においてもブロック労福協の活動と連携し、地域における住宅生協運動の推進・強化に努めていくこととします。

(4) 医療生協運動の推進
@定期健康診断の利用拡大
医療生協・札幌緑愛病院は、地域住民や近隣職場の組合員の「かかりつけ病院」としての一般診療拡大や政管健保生活習慣健診の利用拡大、定期健康診断・保健予防活動にも取り組んでいます。
特に近年では、保健・医療・福祉に関する相談活動や、団体・事業所との連携による定期健診、生活習慣病(成人病)健診、各種ドック健診、すこやか健診にも取り組んでおり、近隣職場を中心に受診者の拡大を要請していきます。

A労働安全衛生・職業病対策の活動
また、札幌緑愛病院は、開院以来の使命である職場の安全衛生対策の推進、労災・職業病の予防・治療活動に取り組んでいます。
 安全衛生センター・札幌緑愛病院との連携で職場の安全衛生対策、労災・職業病対策の充実・強化に取り組みます。

2. 新労福協運動の強化にむけて

(1)ブロック労福協の運動強化
 労福協は、2002年5月に新しい時代に対応した労働者自主福祉運動の想像と発展をめざし、労働福祉活動推進本部と組織統合をしました。本年5月の第39回定期総会には地域組織の機構改革を進め14のブロック労福協の設立を全体で確認し、連合北海道・労働福祉事業団体と新労福協との連携のもと職場・地域が一体となって勤労者の生活改善と福祉の向上、事業団体の健全経営を追求していくこととしました。
 連合北海道の各地協は、地域の勤労者福祉活動センターであるブロック労福協の中心的な役割を果たし、地域福祉運動の継続課題である職場推進委員会の整備と未設置職場の対策を強化していくこととします。
 また、未組織労働者や契約・パート労働者、NPO等との連携・組織拡大を展望しつつ、職場・地域における労福協運動の着実な前進を図っていくこととします。

(2)各事業団体・事業方針の全道展開
 労働福祉事業団体は、勤労者のゆとり・安心の生涯生活づくりと事業の健全経営を車の両輪として、各種商品、サービスの提供を行っています。
 各事業団体毎の重点商品を特定し、その利用拡大運動を労福協とタイアップして取り組んでいきます。
 具体的な取り組み商品としては、
○ 労働金庫〜「轟きローン」・「マイプラン・ポケットカード」の利用拡大
○ 全労済〜「連合スクラム共済」・「こくみん共済」の加入拡大
○ 住宅生協〜「注文住宅」・「リフォーム」の利用拡大
○ 医療生協〜「各種健診への受診者拡大

 以上、各事業団体が掲げる年間事業計画の推進にむけて、構成産別・単組(タテ)と連合地協・地区連合(ヨコ)の活動を噛み合わせ、全道展開で運動を進めていきます。

] 国際連帯の取り組み

1.定期交流・海外視察の活動

@ 国際交流については、ロシアサハリン州との交流の強化に努めました。
 ロシア連邦のサハリン州連合との交流では、8月28日から代表団を派遣し、両国の状況と労働者に関わる状況の突き合わせを含めた定期交流を行いました。
 中国とは、SARS感染問題などがあって交流を取り止めました。

A 04年度は、日本と北海道の労働運動の活性化や、海外の労働事情・政治状況の把握を主眼に、ロシアサハリン州との定期交流を継続するとともに、経済発展著しい中国の実情把握のため、視察団を企画します。
 また、東アジアの緊張緩和・平和維持の観点から、朝鮮半島両国の勤労者交流についても企画調整します。

 また、連合本部の海外視察、ILO海外労働事情視察などに取り組み、その他、青年・女性交流や雇用・社会制度に関する海外事情の把握をすすめる視察も適時に企画して実施します。

2. 国際交流諸団体との連携

@ 北海道日ロ協会、日中友好道民運動連絡会議などの民間交流団体へ支援・協力を行うとともに、北海道対文協の活動に協力してきました。また、在札幌外国領事館の諸行事にも参加してきました。

A これらの海外交流民間団体の活動は、「共産圏」であったことなどの理由で、今日まで主体的に労働組合が組織と財政を担ってきましたが、海外渡航開放や手続き緩和などにより、活動のあり方・目的が変わってきていることから、事業への参加や協力は継続しつつも、組織的・財政的な自立を求め、負担の軽減に向かうような「あり方検討」を促します。
 また、今後の国際連帯活動と定期交流のあり方について、産別との協議・調整をはかるため、検討機関を設置します。

第20回参議院選挙闘争方針(案)
(第11回政治センター幹事会03/09/24確認)
1.はじめに

 連合本部は9月11日の第26回中央執行委員会において、予想される衆議院解散総選挙と、明年7月の第20回参議院選挙を一体の闘いと位置づけ、新しい民主党を中心とする政権によって勤労国民の期待する政策を実現させるため、700万組織の総力を挙げる参議院選挙の対応方針を決定しました。(別紙参照)

 連合北海道は、この連合本部方針を受け、今秋にも予想される総選挙の必勝態勢の構築とともに、第20回参議院選挙を名実ともに一元化し、連合北海道と民主党北海道・北海道農民連盟の3軸体制の連携を強めるとともに、北海道選挙区推薦候補の必勝体制の確立と比例区選挙での議席拡大に向けて、構成産別、地協・地区連合が一体となった取り組みを強力に進めることとします。

2.選挙戦の基本的な考え方

 前回の第19回参議院選挙では、小泉旋風が吹き荒れる中、北海道選挙区では自民党候補に30万票の差をつけられる結果となりました。また、比例区選挙では、「非拘束名簿式」の初めての選挙となり、とまどいの中で比例候補者個人氏名の記入運動を行いましたが、徹底することができず、組織内候補の当選は6名にとどまり3名が惜敗する結果となりました。道内でも、個人名記載投票は18万ほどにとどまり、組織数にも達しなかったことは大きな反省点として、戦略と戦術の両面から見直す必要を痛感させました。
 これらの反省と総括にたって、連合北海道は、今次参議院選挙に対し、以下の基本的な考えにより体制構築をはかります。
 @ 選挙区選挙は戦いの主戦場であり、連合北海道の推薦候補者の必勝を目指す。
 A 比例区選挙は、組織内候補者の完勝と民主党の議席の拡大をめざす。
 B そのため構成組織と地域組織が一体となり選挙戦に取り組む。
 C 組合員とその家族をはじめ国民各層の積極的な政治参加を求める。
 なお、野党共闘については、中央情勢、選挙情勢の推移を見ながら慎重に対応していくこととします。

3.具体的な対応方針

(1)北海道選挙区候補者の推薦について

 北海道選挙区は、民主党公認の「峰崎 直樹」氏(現2)を推薦し、その当選に向けて、全構成産別・地協・地区連合が一体となって闘うこととします。

(2)比例区選挙の対応について

 比例区選挙において連合本部は、構成組織を中心に民主党支援者拡大運動を展開する方針を決定しており、比例区の民主党票獲得を組織的にバックアップするとともに主戦場である選挙区の闘いを支えて、相乗効果を引き出すための取り組みを進めます。

(3)政策実現カンパの実施について

 今次の国政選挙に関わって、連合の政策・制度の実現をめざすため、「政策推進カンパ」として、組合員一人、1,000円を拠出することとします。

4.選挙体制の確立

 参議院選挙の具体的な展開にあたっては、全構成産別・地協・地区連合が一体となって取り組み、連合北海道の総合力を発揮する体制づくりが必要であります。
 このため、衆議院選挙対策本部を継続し、効果的・効率的な取り組みをおこなうこととします。
 また、地協・地区連合は、これに準じた体制を確立していくこととします。
 民主党北海道とは、合同選対本部を設置し、推薦候補者の必勝と民主党支援者の拡大に向けて連携を強める体制をつくっていきます。


第43回衆議院総選挙闘争のまとめ(案)

1.選挙をめぐる情勢

 小泉政権が発足してからの2年余。小泉首相が打ち出した「聖域なき構造改革」は進展せず、日本の経済は相変わらずの厳しい状況にあり、雇用不安は解消されず、失業率は高止まりしています。今年の第156回通常国会は、有事関連3法案やイラク復興支援法など重要法案が成立し、また、焦点であった労働法制改正で、連合が労基法の解雇ルールを抜本修正させましたが、全体として労働法制改悪の動きが残念ながら進みました。
 その一方、このような中で、自民党は自衛隊のイラク派遣、年金制度改革、新年度予算編成はじめ、明年の参議院選挙を視野に、小泉人気のもとでの総選挙をもくろみ、派閥間や族議員の利害を内包しながらも、小泉総裁再選と「選挙対策内閣」を誕生させ、解散・総選挙への流れが必至の情勢となりました。
 それらの政治の急激な変化に対し、民主党は、「政権交代」の実現を最大の目的に、自由党との合併を行い、204人の国会議員を抱えて2大政党制の確立と政権交代を闘いの中心に据え、全国で小選挙区の候補調整を本格化させました。
 北海道でも、「比例単独は認めない」という民主党の方針に沿って、道内12選挙区の全てに民主党候補を立てる作業を進めましたが、その作業の中で、2区・4区・12区には、いわゆる「国替え」を行わざるを得ないことになり、超短期の闘いとなりました。また、11区では、社民党の公認候補を民主党が推薦し、選挙区と比例で異なる政党の運動を行うという困難な闘いとなりました。

 連合は、この第43回衆議院総選挙を、21世紀初頭の日本政治を左右する大事な選挙戦であり、自公保連立政権に代わって、「労働を中心とした福祉型社会」を実現する、勤労者・生活者のための政権を実現する機会ととらえて闘いの準備を始めました。
 闘争態勢の確立のため、10月の解散・総選挙に向かって、7月17日の連合中央執行委員会において「衆議院選挙の対応方針」を確認し、民主党との政策協定や産別・地域の体制確立を求めました。
 連合北海道、および連合北海道政治センターは、この連合方針に沿って、道内では、従来からの三軸を中心とした合同選対を設置して臨戦態勢を固め、先だって行われる北海道8区補選とともに、政権交代実現の必勝態勢を確立することとしました。
 連合北海道は、9月29日の第29回地方委員会において、11区を含む12の全ての選挙区で候補推薦を行い、産別・地域、組合員・家族・OB一体となったまさに総力戦を展開しました。

2.闘いの結果

 10月28日に公示された第43回衆議院総選挙は、全道12選挙区と比例8の20の議席を巡り、民主党15名(比例単独4名含む)、自民党15名(比例単独3名)、公明党2名(比例単独のみ)、社民2(選挙区1、比例単独1)、共産13名(比例単独1名)など、51名が立候補して闘われました。
 選挙の争点は、弱肉強食の小泉流改革路線と、イラク派遣などの危険な諸政策を許すのか否か。そして「マニフェスト(政権政策)」が、選挙法の改正を経て、国政選挙でははじめて導入され、それまでの「スローガン公約」から、実行可能な内容と時間、財源の明確化が求められる、政策論争が特徴となりました。
 民主党は、自由党との合併による選挙区調整がほぼ成功するとともに、合併によるすそ野の拡大や幅広い各層の結集という印象に、国民の好意的な思いを獲得し、マニフェストという新しい要素への興味・関心が高まるとともに、政権交代・2大政党への理解と期待が集まりました。
 一方、自民党には、「郵政民営化」をめぐる党内対立など、政・官・業と派閥の枠組みを脱しきれない旧態依然の姿勢や、弱者切り捨て、アメリカ追随のみにこだわる外交路線に国民の失望が明らかになりました。
 また、自民党は選挙対策として、若手の安倍晋三幹事長の起用や、民主党と自由党の合併大会に道路公団総裁の罷免をぶつけるなど、あらゆる手を使って有利に選挙戦を導こうとしました。さらに、政権与党の公明党との大幅な選挙協力を進め、この選挙協力がなければ、単独過半数の確保は到底できなかったという分析もあります。
 選挙の結果は、目標を200議席において、一気に政権交代を目指した民主党が、野党の過去最多議席を超える177議席に残念ながらとどまる結果となりました。しかし、比例では自民党を超える2,200万を獲得し、比例第1党となりました。
 北海道でも、民主党が大健闘し、20議席のうち過半数を超えて、選挙区に立った新人3名を含む全員が当選する快挙で11議席(小選挙区7、比例4)を獲得、比例でも115万を超えました。
 一方、自民党は、選挙後の追加公認や無所属の加入で単独過半数は確保したものの、解散前の議席確保はできませんでした。北海道でも、自民党は解散前を1減らす8、公明党は1の現状維持となりました。
 このほか、2大政党の闘いの陰で、社民党は保有議席を三分の一に、また、共産党・保守新党は半減し、その結果、保守新党は自民党に吸収されました。
 
3.まとめと今後の対応

 今回の総選挙の特徴は、まず、「マニフェスト(政権政策)」を中心とした闘いであったことがあげられます。「マニフェスト選挙」は「契約による検証可能な選挙」といわれ、そのなかには「苦い薬の入った公約」も含まれることで、現状認識と具体的な対処政策を示し、その政策を国民が選択することになります。従来言われてきた「苦い薬の入った公約は不利」の常識を覆し、選挙後もその実行度を検証可能なことから、有権者の信頼は高まるものと見込まれています。
 その意味で、マニフェストをつくった側(政党)も、それを支持した側(有権者)も、同じ責任があると考えられ、より緊張感の高い選択が求められます。
 しかし今回の選挙を省みると、政党の説明不足と、有権者の関心がまだまだ不十分な面もあり、試行錯誤の途中との感は否めません。双方の努力を結びつけるような選挙運動が求められるものと言えます。

 もう一つの特徴は、「2大政党・2極化」の姿が具体的になったことにあります。解散前は衆参合わせて自民党が363、民主党が204であった議席数が、選挙後は自民党356、民主党246と、両党で総議席727の83%を占めています。さらに、民・自の差110は、明年の参議院選挙など国政選挙の度に縮小や逆転が可能であるという意味で、「政権交代」が具体的になってきました。
 しかしそれを実現するためには、民主党を支える地方議員の拡大、各種の業界団体やNPO・NGOをはじめとする各層との連携強化など、日常の党活動を飛躍的に拡充する必要があり、選挙区で勝ち抜くための課題を克服する努力と体制が求められます。また、支持団体の主軸として、連合・連合北海道にも、組合員の関心と結集を高める政治教育や、日常の地域共同体への活動参加、職場周辺における影響力の拡大など、選挙戦略の抜本的転換が必要です。

 最後に、2003年は、4月の統一自治体選挙に始まり、札幌市長再選挙、そしてこの第43回衆議院総選挙と、大きな選挙闘争が連続したにもかかわらず、連合北海道の方針と推薦候補に、産別・地域の積極的なご協力をいただき、それが今回の大きな勝利に結実したことは間違いありません。深く感謝申し上げます。
 しかしこの勝利のあとには、「政権交代」を射程距離においた、この成果と勢力を維持・拡大するために、民主党北海道・北海道農民連盟との3軸体制をさらに強固にすることはもちろん、それぞれの団体が体制と活動を強めなければなりません。

 いうまでもなく、この衆議院選挙は明年の第20回参議院選挙につながる重要な闘いでした。そして、選挙の結果をふまえるならば、次の参議院選挙は、民主党が改選議席の過半数を制する闘いにならねばなりません。8名の産別出身比例候補と北海道選挙区「峰崎 直樹」参議院議員の再選・比例道内1位完勝は当然のこととして、民主党候補全員の完勝を実現する体制の構築をはかることが急務です。
 そのために、「第20回参議院選挙闘争方針」に沿う体制の確立を急ぐとともに、以下の諸点について、政治センターの活動を強化することとします。

@ 時局の話題と民主党マニフェストを題材とする、連合北海道政治センターの政治学習・研修会を定例化させる。
A 地域・産別は同様の政治研修会を企画し、組合員の政治意識レベルのアップに努める。
B 市町村議員を含む、各級議員団の活動を強め、政策調査・立案機能をたかめる。また、議員活動の検証を行う。
C 民主党北海道と協議し、全ての地域に民主党の拠点を設置する活動に取り組む。また、空白区である11区の民主党候補者を早急に決めるよう促す。
 
大 会 宣 言 (案)

 北海道の労働運動が、心を一つにした結成から13年。
「平和、幸せ、道ひらく」を掲げて踏み出した道のりに待ち受けていたのは、バブル経済崩壊から続く長く重苦しい低迷の時代であった。
 とどまるところを知らない企業のコスト削減競争とリストラ、相次ぐ倒産・廃業、市場万能主義を信奉する政府の「構造改革」は、勤労者・国民に痛みを強いるのみで、「明日」への道を示さない。私たちの職場も、暮らしの安心と安全を支えるしくみも、大きく揺らいでいる。
 私たちが追い求めてきた「ゆとり・豊かさ・社会的公正」は、むしろ遠のきつつある。

 その勤労者・国民の「明日」への不安と怒りが、民主党に大きな勝利をもたらした。
 北海道でも、国民に示した「マニフェスト(政権政策)」を通じて、多くの国民の「支持」を得て、選挙区の11名全員が当選する、歴史的結果となった。しかし同時に、この結果は、今後の日本の社会に対する「責任」をともなうものであり、それは民主党のみならず、われわれ連合北海道にも課されると自覚しなければならない。

 10月に開催された連合第7回定期大会では、連合の評価委員会が下した、「『働くこと』という原点から労働組合の本質を問い直し、働く者すべてのよりどころになれ」との提言に沿う、新たな2年間の運動方針が決定され、私たちは、この2日間、その方針に基づいて、北海道での連合運動の具体的取り組みを真摯に議論し、これを着実に実行していくことを、全員の総意で確認した。

 私たちは、みずからの内なる壁を突き破り、「より弱い立場にある人々とともに」という運動の原点に立ち、最優先の課題として、雇用と生活を守ること、そして、組織拡大に全力を尽くさなければならない。
 その実践を通して、働き方・暮らし方を見つめ直し、パート労働者の均等待遇を実現し、男女平等参画を推進していく。中小労働運動を強化し、NPOや市民との連携を深め、国民運動の前進をリードしていく。
 私たちは、「これ以上失業者を増やさない。働きたい人に職場を」を掲げて、持てる力を結集して雇用問題を解決していく。年金改革、ワークルールの確立、公務員制度改革をはじめ、国民の「安心・安定・安全」のための政策を実現していく。

 そして、いまここに、新たな「政権選択」を問う政治状況のもと、連合の目指す「労働を中心とした福祉型社会」の実現、「笑顔で安心して暮らせる日本」の実現に向かって、困難ではあるが明るい光を目指した運動に全力を挙げることを誓う。
 
 助け合い、わかち合うという心こそが労働運動の源泉だ。
 職場から、地域から、「連帯」を再生しよう。

組合が変わる、社会を変える
こころざし高く、ふところ深く
新たなる運動方針を道しるべに、力強く前進しよう。

2003年11月28日            
 連合北海道 第16回定期大会 

第20回参議院選挙の必勝と政権交代を求める決議(案)

 小泉首相が率いる「自公」政権は、「聖域なき構造改革」路線の名のもと、国民に痛みを押し付け、雇用と生活不安を悪化させたのみならず、イラクへの自衛隊派遣に固執して、国民の命をいたずらに危険にさらそうとしている。

 この11月9日に民主党が大きく躍進した衆議院選挙は、政権公約(マニフェスト)という政策により国民に政権選択を求めるものであったが、選択肢を示した新しい民主党への期待は高かったものの、勤労者・生活者のための政策を実行する政権の誕生には至らなかった。
 しかし、衆参合わせて国会議員の34%を占める「勤労者・生活者」の民主党が、政策による「政権選択」を求める選挙の第1段階を実行し、成功した成果は大きい。

 いまこそ自公政権に代わる新しい日本の政治をつくり、景気・雇用を回復させ、生活の将来不安を解消させて明るい日本を再生しなければならない。
 そのため、来年7月に予定される参議院選挙は、21世紀初頭の日本政治を左右する重要な闘いであり、連合北海道は、推薦候補者「峰崎直樹」参議院議員の必勝をめざして闘う。
 また、民主党から比例代表選挙に出馬する組織内8候補をはじめ、民主党候補全員の必勝をめざす。

 連合北海道は、来る第20回参議院議員選挙を、新しい民主党を中心とする政権と、マニフェスト実現への道筋における重要な闘いと位置付け、30万組合員の総力を結集して最後まで闘い抜き、選挙戦に勝利することを誓う。

 以上、決議する。
2003年11月28日
連合北海道 第16回定期大会

安心と信頼の年金制度の実現を求める決議(案)
         
 「将来、年金はもらえないのではないか。」若い世代が当然のように思うほど、公的年金への不信は募っている。事実、国民年金の未納者は年々増え続けて、いまでは約4割の人が保険料を払っていない。長期化する景気低迷もあり、ここ北海道でも未納率は37%に達している。もはや、年金制度は本当に「崩壊の危機」にあり、信頼回復のための改革実施は、一刻の猶予もない。

 2004年は5年に一度の年金改革の年である。厚生労働省は、次期制度改革に
向けて「年金制度改正案」を公表した。短時間労働者の時間要件の緩和による厚生年金への適用拡大、次世代・子育て支援策、遺族年金の見直しなど連合の主張も一部取り入れられているものの、国民年金の空洞化の抜本対策としての税方式化などについては、「長期的な議論」とされ、国庫負担2分の1への引き上げ時期も確定されていない。「給付と負担」については、厚生年金保険料を20%まで引き上げ、逆に、給付水準は、現行の所得代替率59%を最大で50%まで大幅に引き下げるというものである。これでは、国民の年金制度への不信・不安感を一層高め、安心と信頼の改革案とは到底言えない。

 政府は、この厚生労働省案をもとに、経済財政諮問会議などでの論議を経て、年金改正案を決定し、来年の通常国会に関連法案を提出する予定である。しかし、今回の厚生労働省案は、国庫負担の1/2への引き上げ時期が不明確な中で、保険料凍結を解除して毎年引き上げ、給付水準は、中小企業労働者等の低い年金や既裁定者も含めて一律に引き下げる等、景気動向や国民の生活実感に逆行する内容となっている。現在、「空洞化」が進行し、国民年金制度が崩壊に瀕しているなかで、「保険料固定方式」を導入しても、抜本改革とはならない。連合は、「空洞化」解消のため、基礎年金を税方式に転換すれば、現行の給付水準を維持しても、厚生年金の将来保険料は、15%程度で十分維持可能であると提案してきた。

 公的年金制度は、私たち国民が安心して暮らしを営むための根幹を成す制度であ
る。これ以上の水準引き下げは行わず、将来的に現在の給付水準を守るための方策を、あらゆる手を尽くして講じるべきである。私たち連合北海道は、安心して老後を暮らせる年金制度を実現するため、職場・地域から国民運動のうねりを巻き起こし、国民的な論議のもとで、安心と信頼の年金改革を実現する。
 
 以上、決議する。
2003年11月28日
連合北海道 第16回定期大会

イラクへの自衛隊派遣に反対する決議(案)

 イラクの大量破壊兵器の保有を理由に、本年3月開始された米・英によるイラク攻撃は、5月のブッシュ大統領による戦争終結宣言以降も戦闘状態が続いている。

 こうしたなか、盲信的に米国に追随する小泉首相は、与党のみの賛成で成立したイラク復興支援法にもとづき、イラクの戦後復興に寄与すると称して米国主導の占領との戦争状態にあるイラクにわが国の自衛隊を派遣しようとしている。
 しかし、現段階における自衛隊の派遣は、イラク特措法の掲げる趣旨、目的にも反するものであり、また、わが国の何らの利益にもつながらない、イラク・中東の平和と安定の寄与しないものになることは明白であり、反対である。

 もとより、米英のイラクへの攻撃は、フセイン独裁政権が生物・化学・核兵器などの大量破壊兵器を保有しているとし、自衛のための先制攻撃として開始されたものである。
 しかし、国際社会は、当時から大量破壊兵器の査察の継続徹底を求めてきたところであり、これに耳を貸さずに武力攻撃に踏みきった米英の戦争は、国連安保理の決議を経ない国連憲章を踏みにじる無法な戦争である。
 現に、大量破壊兵器は発見されていない。

 こうした結果、今日ではイラクはアメリカの戦後政策の失敗も重なり、アメリカ主導の占領をめぐる緊張はイラク全土で高まっており、国連安保理決議によるしかるべき信任がない限り、イラク占領に軍を派遣する国は、全てアメリカが主導する占領の延長とみなされる状況にある。

 いま、わが国や国際社会が果たさなければならないことは、復興プロセス全体において国連が中心的役割を果たす体制を作り上げ、イラク国民への主権の返還、米英占領軍の撤退のタイムテーブルを明確にすることである。
 よって、われわれは、上記のことを政府に強く求めるとともに、自衛隊のイラクの派遣に強く反対するものである。
 以上、決議する。

2003年11月28日
連合北海道 第16回定期大会