新年のごあいさつ

2001年1月5日 連合北海道 新年交礼会より

日本労働組合総連合会北海道連合会

会長 笠井 正行

 新年明けましておめでとうございます。

 皆さんにおかれましては、2001年、21世紀の幕開けという記念すべき新春を、
健やかに迎えられましたことを、心からお慶び申し上げます。
 また、本日は年明け早々の大変ご多忙中のところ、菅野参議院副議長、堀知事をはじめ各界から、かくも多数のご出席をいただき、厚くお礼申し上げます。

 さて、戦争と殺戮、破壊と収奪、そして、強者の論理こそが善であるという20世紀の幕は閉じ、21世紀という新世紀の幕が切って落とされました。
 21世紀は、「平和、人権、環境の世紀」、「再建と再生、互助・共生・協働の時代」と云われています。
 このことは、単に人や物の形あるもの、目に見える物、一国や民族だけでなく、国境を越えた全人類を対象に、生きとし生ける物すべての尊厳をも思いやる、地球規模での互助・共生であり、共に思いやる心の論理の時代であります。
 しかし、今日の現実社会を見ると、殺戮と破壊、人間性の否定、社会不安、政治腐敗と閉塞状況は一向に改善されず、20世紀の負の遺産、とりわけ失われた10年と云われた中での諸課題を背負いながら、21世紀への命題に立ち向かう責任の重大さを思うとき、あらためて身の引き締まる思いを実感させられるところです。

 しかし、私たちはいかなる困難があろうとも、これらの課題から目をそらすことも、逃げることも、誰かに委ねることもできません。
 そして、旧来の発想や価値観、手法では解決の糸口を見つけることができないことも、また事実であります。
 日本の政治の現状をいくら憂いてみても、不満を並べても、何の解決にもなりません。
 地場の中小零細、自営業者も、農林水産業者も見捨てられ、切り捨てられようとしており、高齢者や身体にハンディキャップを持つ人たちは邪魔者扱いされ、将来への不安を持つすべての人たちへの安心の担保である医療、福祉、年金を無駄金としか見ない現実の政治をどうするのか。
 国際社会からますます孤立し、時代に逆行する政治反動の動き等々、どれ一つとっても、今の政権の政治手法と産業・経済、労働福祉などの諸政策のもとでは、解決の糸口すら見いだせず、期待もできません。
 であるなら、残された道は、これらの現実を憂う私たち自らの力で現状を変え、解決する以外にありません。

 私たち連合北海道は21世紀の初頭に当たり、私たちがその先頭にたって頑張る決意を新たにしているところです。
 そして、そのために私たち連合北海道は、2001年を「労働組合新生元年」と位置づけ、「労働組合運動の原点である額に汗して働く者こそが社会の主人公であり、働く権利を守り、回復することこそが人間の尊厳を守ることである。そして、一人は皆のため、皆は一人のために」という労働組合の原点に立ち返るところから再出発する所存であります。

 このことをしっかり踏まえ、当面する4つの課題と1つのお願いを申し上げたいと思います。

 まず第1に、今次春闘では賃金、時短、雇用を三位一体としてとらえ、雇用拡大と不安定雇用労働者の賃金・労働条件の改善なくして、自らの賃金も権利も雇用も守りきれないことをしっかり踏まえ、今春闘の闘いを組織していくこと。

 第2に、そのためにも、6000万労働者のうち1000万人が非正規雇用労働者、いわゆる臨時、パート、契約、派遣の労働者であり、全労働者の5人に1人しか労働組合に組織されていない現実を直視し、労働者の政治的影響力拡大には、組織拡大こそが至上命題であること。そのために、連合北海道は組織の総力を挙げて取り組みます。

 そして第3には、この決意と組織力を持って、今日の政治と社会を変える原動力とすることです。
 今年7月には、参議院選挙があります。政治転換の絶好のチャンスであり、何がなんでも勝たなければなりません。
 選挙区における小川勝也氏の圧勝、比例区では連合組織内9候補をはじめ、民主党候補の全員当選で、与野党逆転と政権交代の足がかりを築かなければなりません。
 皆さんの絶大なご協力を心からお願いすると共に、民主党こそが信を託すに値すると云われるように、しっかりと頑張ってもらいたいと思います。

 そして4つ目の課題は、限りない可能性を秘めた北の大地北海道を570万道民の知恵と力で、全国に誇れる自立した北海道を実現すること。そのためには、明治以来の中央依存、中央押しつけとお願い型の行政と経済からの脱皮が必要です。
 21世紀は分権の時代であり、自立の時代です。今こそ、堀知事を先頭に、そして、各自治体も業界も、さらに私どもも力を合わせて、創意と自力で北海道づくりに挑戦することを訴えたいと思います。

 これ以降は、お願いであります。
 あのバブル崩壊と拓銀破綻の中で、失意のどん底にあった道民に夢と希望を乗せて飛び立った「エア・ドゥ」が今、存亡の危機にあると云われております。
 昨年末からの堀知事はじめ経済界の並々ならぬ努力で飛び続けていますが、問題はこれからだと思います。
 あの「コンサドーレ」や「エア・ドゥ」が与えてくれた夢と希望、そして、道民と道内への経済効果と北海道発のベンチャーへの影響を考えると、なんとしても飛び続けなければなりません。
 熱しやすく冷めやすい道産子気質だとか、しょせん巨象に立ち向かっても、などと揶揄されないためにも、「真の道民の翼」とするため、私ども連合北海道は各労働組合・組合員・家族にその意義を訴え、搭乗率アップの実効をあげるため、可能最大限の取り組みを行うこととしています。

 この機会に、関係者の皆さんにご協力を心からお願いすると共に、本日は道経協の武井会長をはじめ経営者団体の皆さんも来られており、一緒に力を合わせれば、鬼に金棒。
このことは重い課題ですが、その思いは一致するものと考えますので、よろしくお願いいたします。

 最後に、連合北海道は、勤労者と道民に信頼され、頼りにされる組織となるため、そして、2001年を希望に満ちた輝かしい21世紀への第一歩とするため、共に頑張ることを申し上げ、皆さんのご健勝とご多幸を祈念し、年頭の挨拶といたします。
 ありがとうございました。


●21世紀への提言 (経済・社会・政治・アジア・ロシア・朝鮮半島、ほか)
●小川勝也の「熱い等身大」