2024年第3回定例道議会に向けた民主・道民連合政策審議会との政策協議及び北海道結志会との意見交換を実施
【連合北海道・政策情報No.12(2024年9月5日)】
2024年9月3日(火)、連合北海道は民主・道民連合政策審議会との政策協議及び、翌4日(水)には、北海道結志会との意見交換を実施し、第3回定例道議会に向けて連合北海道の政策に関わる経過報告をはじめ、連合北海道「2025年度政府予算に対する要求と提言」及び「道政に対する要求と提言」、2024年度北海道地域最低賃金、ラピダスの北海道進出に係る北海道に対する要請書、自治体への実態調査の中間報告などについて協議した。
冒頭、連合北海道の荒木副事務局長は「日頃より連合北海道へのご理解・ご協力に感謝している。2024年度の北海道の最低賃金は8月5日の北海道地方最低賃金審議会において、中央最低賃金審議会が示した目安どおり50円引き上げ、現行の960円から1,010円に改定することで結審した。過去最大の引き上げ額となったものの、時給1,010円で1日8時間・月20日働いたとしても月収約16万円・年間でも200万円を切ることとなり、労働者の生活の安定にはほど遠い。連合北海道は8月2日、道政に対する『要求と提言』の提出と併せて『ラピダスの北海道進出に係る北海道への要請』を行った。今回初めてラピダスに特化した要請を行ったこともありマスコミが殺到し、ラピダスへの関心の高さを感じた。8月には宮崎・日向灘で発生した震度6弱の地震を機に、南海トラフ地震の緊迫化が影響し、現在、米売り場は空のスペースが目立つという問題も生じている。長期化する物価高対策に加えて米問題なども含めて生活者の厳しい状況を情報共有し議論を深めていきたい」と挨拶した。
続いて、中川浩利・民主・道民連合議員会政策審議会長は「10月改定の最低賃金が1,000円台まで上がったものの、引き上げ額ではワーキングプアの問題は解決できない。同時に、給与を支払う中小事業所の持続可能性の観点といった両面をみていく必要がある。ラピダス進出についてはプラス効果を期待する一方で、道内全体に効果が波及するような施策が重要となる。その他、医療・福祉など様々な課題や、米などの物価高も含めて議論していきたい。加えて、第3回定例道議会においては議会答弁のやり取りや、議会の進め方そのものについても触れていきたい」などと述べた。
次に、連合北海道の永田総合政策局長より、経過報告として、①連合北海道「地域福祉・社会保障研究会」医療部会の開催報告をしたほか、②北海道総合開発委員会や北海道高齢者保健福祉施策検討協議会、北海道医療勤務環境改善支援センター運営協議会への参加・意見反映、③幌延深地層研究関連などについて説明した。その後、議題として、①2025年度政府予算に対する「要求と提言」中央要請行動について、②道政に対する「要求と提言」及び「ラピダスの北海道進出に係る北海道への要請」、③2024年度北海道最低賃金について、④自治体への実態調査の取り組みについて提起し、民主・道民連合政策審議会との意見交換を行った。
意見交換の場では、小泉真志道議が「十勝管内では訪問介護事業所が減少しているが、連合北海道として考える改善方策・提案はあるか」との質疑があった。これに対し、永田総合政策局長は「道内の訪問介護事業所は昨年9月時点で、道内43市町村で77ヵ所減少している。これでは地域包括ケアシステムの深化・推進に逆行するおそれもあることから、連合北海道としては、国や道に対して、訪問介護の基本報酬の改善を図ると同時に、基本報酬の引き下げによる減収分を担保する補助金を導入することや介護報酬上2人訪問加算が算定できない場合においても安全確保・離職防止のためその費用を補助することを求めている」などと答弁した。木場淳道議からは「米不足については、報道等の影響から備蓄する消費者が増加傾向にあることから消費者教育が重要となる。新米の値上げについては、長引く物価高で生活者にとって厳しい状況に拍車がかかる一方で、農業従事者の収益が上がり農業従事者の暮らしが守られるといった観点も考えていかなければならない」と指摘した。
翌日4日に開催した北海道結志会との意見交換では、冒頭、荒木副事務局長が挨拶した後、北海道結志会の白川祥二・政策審議会長は「米の品薄問題については、農水省など国が米の流通を確認すべきである。長期に渡る物価高騰に加えて、今年の新米の値段が上がる見込みであるが、日本の米の価格はこの50年間変わっていないことから、合理的かつ適正な価格帯について論議していくべき」と挨拶した。
次に、永田総合政策局長が連合北海道の政策に関わる経過報告・提起議題について説明後、意見交換を実施した。
池本柳次道議は「カスハラに関する道条例については、現在、パブリックコメントに向けた準備を進めている。第4回定例道議会で条例制定の予定である」と述べ、それに対して永田総合政策局長は「カスハラ道条例を早期に制定するよう、連合北海道の『道政に対する要求と提言』に記載している。道条例に制定により、道が住民による迷惑行為防止に関する啓発ポスターを作成し、道内各市町村に掲示するよう働きかけるなどの内容を盛り込んでいただきたい」と呼びかけた。白川祥二・政策審議会長は「ラピダスの北海道進出は道内経済効果の期待が高まる一方で、地元の中小零細企業など地域雇用へのダメージがどの程度生じるかを着目しなければならない。ラピダス誘致に伴う人材流出の課題など企業格差が広がらないよう、道が主体となって道内企業と協議する場を設置すべき」と指摘。石川さわ子道議は、連合北海道が実施する「幌延深地層研究監視連絡会」の開催頻度を質問するなど、活発な意見交換が行われた。その上で、池本柳次道議は「原子力発電所から発生する放射性廃棄物の最終処分に向けた議論については、国は電力関連会社などへの企業任せにせず、国が率先して安全基準を示し、国民の合意と理解を得るべき」と異議を唱えた。
以上