2024平和行動 in 沖縄「北海道代表団」を派遣
凄惨な沖縄戦の終結から79年を迎えるなか、「慰霊の日」と定められた6月23日に合わせ2024平和行動in沖縄が実施されました。
連合北海道は21日から25日の5日間、沖縄が直面している問題を学習し、今後の平和運動をさらに進めていくため13名の北海道代表団を派遣しました。
北海道独自行動として、22日に伊江島の平和フィールドワークを行いました。
伊江島観光バスの山城克己代表が自らバスのハンドルを握り戦前・戦中・戦後の「沖縄の縮図」と言われる伊江島を案内していただきました。
山城代表は「伊江島を見れば、沖縄の基地・観光・農業など、沖縄の構造がわかる」と、芳魂之塔や、ニャティヤ洞(千人洞)被爆慰霊碑など、限られた時間のなかで10ヶ所近くの場所を教えていただきました。
また「戦後は銃剣とブルドーザーで家は次々と破壊され土地を奪われた。生きるすべを失った住民は、ついに乞食になることを決意し『乞食行進』を本島で始めた。この闘いが沖縄の『島ぐるみ闘争』の原点となった。島民の力で1970年に米軍基地の41%が開放されたが、今なお35%が米軍用地で占められている。」と述べ、「平和運動は宗教・政治などにとらわれることなく、戦争は絶対にダメという純粋な気持ちで取り組んでほしい。」とフィールドワークを締めました。
翌23日午前は、希望者で沖縄県平和記念資料館を訪問し、体験者の残した言葉や壮絶な映像等を通して、反戦への気持ちを新たにしました。午後からは連合本部主催の2024平和オキナワ集会へ参加しました。第一部では沖縄国際大学前泊博盛教授より「再考・日米地位協定」と題し基調講演をいただきました。
講演では、経済軽視の日米安保共依存、対米共依存、軍事共依存、対中強硬論の危険性に触れつつ、日米地位協定の問題を解決するためには、軍を派遣している国の論理にもとづく現在の「旗国法原理」ではなく、軍を受け入れている国の法に従う「領域主権論」としていくことが必要であると指摘しました。さらに、日米地位協定の改定に向けては、国民やメディアによる「無視・無関心の壁」、実態を知らないなど「8つの壁」を乗り越えなければならないとした上で、参加者に対して傍観者ではなく主体者となって平和を訴えて欲しいと述べられました。
第二部の式典で主催者挨拶に立った連合本部清水秀行事務局長は、今日に至るまで沖縄県の過重な米軍基地負担が続いていること、米軍基地があるがゆえに起こる事件・事故などについてふれ、「沖縄に偏った基地の実態や日米地位協定の問題を含めて地域住民の皆様との十分な意思疎通を図りながら国や自治体が説明責任を果たすことが極めて重要である」と強調しました。
また、国の代執行による辺野古改良工事について「連合は政府に対して国民全体の問題として徹底した議論を重ねると共に地域の思いに心を寄せる、そして諸外国との外交交渉を強く求めて行く」と述べました。
最終日の24日は、フィールドワークとして瀬嵩の浜(辺野古、在日米海兵隊・キャンプシュワブ)・道の駅かでな(在日米空軍・嘉手納飛行場)・チビチリガマ・嘉数高台(中部戦跡、在日米海兵隊・普天間飛行場)嘉手納・普天間基地などを見学し、全国の米軍基地の70%以上が集中している現実を目の当たりにしました。
参加者は今回の行動で得たものを、今後の産別・地域での運動に生かし、連合北海道としても、戦争がもたらした惨劇と実相を忘れることなく、更に「米軍基地の整理・縮小」「日米地位協定の抜本改定」を求め平和運動を推進していきます。