米軍横田基地所属のオスプレイ墜落に関する事務局長談話
2023年11月30日
日本労働組合総連合会北海道連合会
事務局長 和田 英浩
11月29日午後、米軍横田基地所属のオスプレイが鹿児島県の屋久島沖に墜落した。乗組員8人のうち1人が死亡、7人が行方不明と報道されている。
連合北海道は日本国内を飛行する全てのオスプレイの飛行・運用停止を求める。
「人命」が第一である。行方不明の乗組員の捜索に全力を尽くし、早期救出が望まれる。しかし、同時に墜落地点は屋久島の東側約1キロであり、地元漁民の漁場で墜落時も操業していた。沖縄・普天間飛行場のオスプレイは日ごろから人口が密集する市街地を飛び交う。いつ「人命」に係わる大惨事が起きても不思議では無い。
国民・住民の人命こそ軽視してはならない。
オスプレイは試験飛行段階から事故を繰り返してきた。運用後も機体を軟着陸させるオートローテーション機能の欠如や駆動システムに深刻な損傷をもたらすクラッチの欠陥が判明している。2016年12月、沖縄・普天間所属機が名護市の沿岸に墜落した。17年8月にはオーストラリア東部海上に普天間所属機が墜落し、3人が死亡した。構造的欠陥がある事故多発機オスプレイは本来、飛んではならない。
また、国内では初めてのオスプレイによる死亡事故だ。主権国家として日本政府の対応が問われる。民間機であれば墜落事故が起きた際、全面的な飛行停止措置と原因究明がなされる。ところが米軍機の場合、重大な事故が発生しても、原因を明らかにしないまま飛行訓練が再開され、日本政府はそれを許してきた。
日本政府は米側に対し、日本国内を飛行する全てのオスプレイの飛行・運用停止を求めるべきだ。国民の生命を守るべき主権国家として当然の義務である。しかし、今回の墜落を宮沢防衛副大臣は「不時着水」と表現し、米側からの説明として「最後の最後までパイロットが頑張ったから」と述べた。危機感が薄すぎる。墜落するパイロットは「最後の最後まで頑張る」。言葉で誤魔化す事は国民を馬鹿にしている。日本の主権・特に「国民の命」に関わる問題であることを認識すべきだ。
あらためて、連合北海道は日本国内を飛行する全てのオスプレイの飛行・運用停止を求めるものである。
以上