日米共同訓練の規模拡大と急増に関する事務局長談話
2023年9月15日
日本労働組合総連合会北海道連合会
事務局長 藤盛 敏弘
北海道内では、9月14日から陸上自衛隊と米陸軍による共同訓練(オリエント・シールド)が始まった。9月26日からは在日米軍再編に伴う千歳基地への移転訓練として航空自衛隊と米空軍による共同訓練が行われ、10月14日からは陸上自衛隊と米海兵隊による共同訓練(レゾリュート・ドラゴン)が行われることとされている。
連合北海道は、自衛隊と米軍の日米共同訓練が、内容・規模・回数ともに年々拡大することに対し強く反対する。
1955年、自衛隊は米海軍と機雷を除去する最初の日米共同訓練を行い、以降、冷戦終結後はロシアなど米国以外の国、さらに多国間でも信頼醸成やテロなど共通の課題に取り組むため共同訓練を行ってきた。
しかし近年、自衛隊と米軍の日米共同訓練がより実戦に近く大規模化している。昨年度の道内での共同訓練は過去10年で最多の4回を数え、さらに参加人数も数千人規模が常態化している。
北方領土に隣接する北海道で拡大する日米共同訓練は、隣国ロシアを刺激し、「領土問題の解決」という私たちの悲願を大きく後退させている。
1997年、在沖縄米海兵隊の移転実弾演習に対し、サハリン州知事から北海道知事に「北方領土に隣接する米軍演習は軍事的脅威」との親書が送られた。
その後、当時沿岸警備隊しか駐留していなかった北方領土には「軍事的脅威」を理由に、択捉島の空港が軍民共用となり、択捉島・国後島にはミサイル基地を配備した。現在も日米共同訓練に対抗した大規模な軍事演習「ボストーク」を北方領土でおこなうなど、軍事拠点化・防衛拠点化をすすめている。
軍事演習の応酬は、いたずらに地域の軍事的緊張を高める。平和は武力ではなく、対話による平和外交でしかつくり出すことはできない。
連合北海道は、平和と軍縮、さらに領土問題の解決を求める立場から、日米共同訓練の規模拡大と急増を容認出来ない。強く反対するものである。
以上