在沖縄米海兵隊の矢臼別移転実弾演習反対全道総決起集会の開催

 沖縄米軍実弾演習北海道移転反対対策本部(連合北海道・道農民連盟)は、1月25日から2月4日の間、自衛隊矢臼別演習場で在沖縄米海兵隊による移転実弾演習が強行される予定であることを受け、1月21日、釧路市において「移転実弾演習反対全道総決起集会」を約350名の参加のもと開催した。

第1部では連合沖縄砂川安弘事務局長より「本土復帰50年ー沖縄の“いま”について」と題し、日米地位協定によりもたらされる基地被害や訓練等の押しつけなどの問題について講演をいただいた。
砂川事務局長は「日米地位協定は日本国憲法の上。米軍関係者が暴行や事故を起こしても基地の中に入れば起訴されず被疑者の引き渡しもない。本土復帰から50年が経過しても今なお、米国の占領体制から抜けていない」と指摘。また普天間基地の代替としての辺野古について「活断層が2つある上に軟弱地盤であり毎日地盤沈下を起こす。税金から支払われる約1兆円の工事費は無駄なお金」と訴え、「アメリカが好き勝手やっても、口出し、手出しをできない根拠・口実として、日本政府によって日米地位協定が使われている。日本国民が真剣になって日本の政治を変えていこうとしない限り変えていくことはできない。」と激しく語った。

 引き続き行われた総決起集会で、主催者を代表し挨拶にたった連合北海道杉山会長は、「沖縄の負担が本当に軽減されるのであれば、移転訓練の受け入れもやむを得ない。しかし、移転訓練の名を借りた米軍の軍事訓練・演習の全国への拡大、固定化であれば絶対に認めるわけにはいかない」とし、「その観点から、実施されれば今回で20回目となるこの実弾演習は断固反対。中止すべき。」と訴えた。また移転訓練の規模拡大や夜間訓練の追加、更に昨年の日米共同訓練でのオスプレイ使用、合わせて昨年12月の防衛三文書の中で北方領土交渉を「精力的に行っていく」としてきた現行戦略の記述削除について述べ、「元島民、さらに我々連合の早期領土返還を求める思いを踏みにじるもの」と北方領土返還の観点からも移転訓練を厳しく批判。軍備拡大より外交努力の強化を求めた上で、沖縄の本当の負担軽減について「米軍基地の整理・縮小。日米地位協定の抜本的改定について、さらに強く求めていくことを全体で誓い合おう」と参加者に呼びかけた。

 連帯挨拶では連合本部森啓記連帯活動局長と篠田奈保子立憲民主党第7区総支部代表が挨拶にたち、森連帯活動局長は「地域住民の不安を変り立て、生活に被害をもたらすような訓練は決して行ってはならない。政府は国民の漠たる不安に乗じて軍事増強を進めようとしているが、まず、その必要性と妥当性について国会審議や国民の説明を行うべきである。在日米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の抜本的見直しにむけた運動を全国で推進していく。」と述べた。
経過報告では連合北海道皆川道民運動局長が、訓練の中止や反対を求める産別・地域の打電行動や、移転反対対策本部による北海道や北海道防衛局、在札幌米国総領事館に対しての要請・申し入れ行動についてを報告するとともに、連合北海道は本部・連合沖縄と連帯し断固闘うとの決意を述べた。

 集会はアピール案が全体の拍手で採択されたのち、最後に連合釧根地協淺野会長による「団結がんばろう」によって閉会、終了後、参加者は市内をデモ行進し、米軍の実弾移転演習反対・不平等な日米地位協定の改訂などを市民にアピールし理解を求めた。