衆議院解散・総選挙にあたっての談話
事務局長 出村 良平
1.野田首相は16日午後の衆議院本会議で、衆議院を解散し、直後の臨時閣議で総選挙の日程を「12月4日公示-16日投開票」とすることを決定した。
今回の総選挙は、2009年8月30日の総選挙で政権交代が実現して以来、約3年4ヶ月ぶりの総選挙となる。今回の総選挙は、民主党を中心とする政権を維持・継続するのか否かを争う一大政治決戦である。
2.今回の総選挙は、2009年に誕生した民主党政権のこれまでの実績が問われる選挙となる。民主党政権は、小泉構造改革によって推し進められた格差社会を転換すべく生活者重視地域重視の政策の実現に向け努力を積み重ねてきた。子ども手当の創設や高校授業料の実質無料化は、家計の負担軽減と中退者の減少、復学者の増加をもたらした。地方交付税や診療・介護報酬の増額は、疲弊している自治体や医療・介護の現場に改善のきざしをもたらしてきている。労働派遣法や労働契約法の改正は、規制緩和一辺倒の政策に労働者保護の観点から一定の規制をかけることができた。地域別最低賃金も北海道においては、この2年で28円の引き上げを実現することができた。そして、将来的な脱原発社会の実現に向けたエネルギー政策の転換を「エネルギー・環境戦略」として打ち出すことができた。このように政権交代で実現した成果は決して小さいものではない。成果は成果として冷静に受け止める必要がある。
3.しかし、成果を語ることだけで民主党政権の信頼を回復することは難しい。民主党政権への期待が大きかっただけに落胆や失望が大きく、一部に政治不信を生み出している。民主党政権は、政権与党としての経験不足やガバナンスを欠いた党運営等に対する様々な批判を真摯に受け止める必要がある。税収見通しの甘さ等マニフェストの不十分性を反省しなければならない。できなかった課題こそ冷静な検証が必要である。マニフェストの検証作業を丁寧に行い、改めて生活者の目線に立ったマニフェストを作り上げ、選挙戦で信を問うことが必要である。
4.連合は、9月21日開催の第12回中央執行委員会で民主党を主軸として来るべく国政選挙に取り組むことを確認した。さらに、11月15日には希望と安心の社会実現に向けて共に全力で取り組む「2012共同宣言」を発表し、「働くことを軸とする安心社会」実現に向けた8項目の政策協定の締結も行った。連合北海道においても10月25日開催の第25回定期大会に於いて、民主党を主軸として来るべく国政選挙をたたかうことを確認し、連合北海道推薦候補全員の必勝を誓いあった。
5.繰り返しになるが、今回の総選挙は、民主党を中心とする政権を維持・継続するのか否かを争う選挙である。格差と貧困、弱肉強食の社会をもたらした自民党政治に逆戻りさせてはならない。さらに、安倍自民党は、集団的自衛権の行使や憲法改正を平然と主張し始め、タカ派路線を露わにしてきている。日本維新の会は、太陽の党が合流し、弱肉強食の新自由主義路線をますます強めてきている。生活者重視の政策を掲げる民主党との政策の違いは、明らかである。民主党政権に幻滅することは、結果として自民党政治の復権や日本維新の会に代表される第3極の台頭を許すことである。我々有権者の選択のあり方も問われている。
連合北海道は、「働くことを軸とする安心社会」の実現のため、民主党が中心の政権運営を引き続き強く求める。そのために、連合北海道推薦候補予定者全員の勝利に向けて組織の総力を挙げて選挙戦を闘い抜くことを決意する。