「2012年度(平成24年度)北海道予算案についての事務局長談話」
1.高橋はるみ知事は17日、2012年度道予算案を発表した。2012年度予算案の一般会計総額は、過去10年で最も少なく、前年度より2%減の2兆7,410億円である。職員給与の削減を継続しても収支不足を解消できず、6年連続の「赤字予算」が編成された。
歳入面では、厳しい景気を反映して個人道民税や法人2税が減少する一方、年少扶養控除の廃止等や地方消費税の増加により、道税収入はほぼ前年並みを確保したものの、国の経済対策に係る基金が減少したことで、歳入全体としては2011年度比で546億円減少した。歳出面では、道債償還費が7,070億円にのぼるほか、保健福祉関係が過去最高の3,131億円(前年度比239億円増)に達した。対して、一般施策事業費は前年度より641億円減の5,111億円であり、道民生活や産業に関わる施策の実行にとっては厳しい状況が続いている。
2.少子・高齢化と人口減少が進む北海道において、若者をはじめ女性や高齢者の就労と活躍の場が求められる。とくに若年者雇用では、ジョブカフェの機能を抜本的に拡充し、地域の関係者との連携を強めて、若年未就職者の就労に結びつける「パーソナルサポート体制」にまで高める必要がある。また、雇用交付金事業が終了した後の雇用対策の具体化も課題である。さらに、女性の社会参加という面で、男女平等参画計画を策定している道内市町村は38(21.2%)と全国最下位であり、極めて立ち後れている。
地域医療の面でも、必要医師数実態調査(H23)では1,075人が足りないとされ、地域の医師不足は引き続き深刻である。地域医療再生基金事業の実効が上がるよう、自治体との連携をより強める必要がある。
3.今後の道政運営の指標として、雇用創出や産業振興、省エネ・新エネや環境産業、高齢者保健福祉などの分野で2012年度から次期計画がスタートする。
2012年度予算では、「地域の視点を反映した政策の推進」が掲げられ、振興局を「地域づくりの拠点」として地域課題に取り組む姿勢を示している。これ自体は評価できるが、課題は、市町村や住民、事業者など地域の関係者と協働・連携する仕組みを機能させ、予算や計画に基づく諸施策を地域・現場段階においていかに展開するかである。そのためにも、振興局の役割と機能を強化する視点に立った道政運営が求められる。
また、道財政の窮状を改善し地方財政確立のため、引き続き道は地方交付税の充実・確保を求める取り組みを強めるとともに、連合北海道としても政府・与党へ働きかけていく。
4.北海道はいま、震災からの復旧、エネルギー・環境政策の転換、TPPへの対応、社会保障と税の一体改革など、北海道の将来を左右する課題に直面しており、いずれも地域と一体となった産業政策と雇用政策の取り組みを通じて乗り越えていかなければならない。
連合北海道は、道民の安全と安心を支え、地域で暮らし続けることができる道政運営を求め、職場と地域から2012春季生活闘争や政策提言活動による取り組みを強めていく。
以 上