道主催プルサーマルシンポジウムにおける北海道電力の「やらせ」メール問題についての事務局長談話

1.北海道電力(株)は8月26日、2008年10月に道と泊発電所周辺4か町村が開催した「プルサーマル計画に関する公開シンポジウム」において、シンポジウムに参加して賛成の意見を述べるよう促すメールを社員に送っていたことを認め、記者会見の席で謝罪した。
このような行為は、泊発電所3号機のプルサーマル計画に関し、道や岩宇4か町村が地元自治体の責任において、公正な理解や判断のための材料を道民や地域住民に提供するというシンポジウムの趣旨を歪めるものであり、極めて残念であり遺憾である。

2.プルサーマル計画と核燃料サイクル計画について連合北海道は、2007年から2008年にかけて行われたエネルギー・環境政策委員会における論議に際して、予断を持たずに、推進・慎重双方の見解や知見を踏まえて報告をまとめ、その上で道の最終的な判断を注視してきた経過がある。
賛成意見を促すメールが問題となったシンポジウムは、道が翌年、泊3号機のプルサーマル計画受け入れを判断する際の根拠の一つとされている。行政が住民の意思を正しく推し量ることが出来ずに判断したとなれば、その合理性が問われることになる。今回の問題で北海道電力は、プルサーマル計画に関する道知事の判断を容認した道民の信頼を損なうことになり、知事が北海道電力に対して「今後慎重かつ詳細な調査を早急に実施するよう求める」とするのは当然である。

3.連合北海道は、プルサーマル計画の是非にかかわらず、原子力発電所が道民の理解に基づき稼働しうる基本条件は、「安全確保を大前提に情報公開、環境監視、防災対策を強化する」ことであると考えており、事業者に対してはそれを履行する誠実な姿勢と的確な行動を求めてきた。
東京電力福島第一原子力発電所の事故は、国の原子力規制行政や発電事業者の安全対策について大きく見直しを迫るものである。北海道電力も含めて、まさに襟を正すことから始めなければ、道民や地元自治体の理解と協力を得ることは難しい。
今後、北海道電力には、泊3号機のプルサーマル計画をはじめ、定期点検中の1号機・2号機の再稼働など原子力発電に関する道民の不安や疑問に真摯に応え、不信の解消と信頼回復に全力をあげる必要がある。また、道においても、新エネルギーや自然エネルギーなど多様なエネルギーの普及を期待する道民・利用者の声を受け止め、積極的な施策を講ずるよう要望する。

以 上