平成23年度北海道最低賃金改正に関する談話
事務局長 村田 仁
北海道地方最低賃金審議会は、8月10日午後、平成23年北海道の最低賃金を現行の691円から14円引き上げ、705円に改正することとした。
最低賃金法が改正された平成20年に、最低賃金と生活保護との乖離を5年以内で解消するとの公労使三者の確認に基づいて、毎年、引き上げに向けた審議を重ねてきた。
しかし、今年度は平成22年度生活保護水準の見直しに伴い、乖離額が26円から31円となったことや、東日本大震災の影響などもあり、2年で解消すべきか、3年ですべきか、審議会で激しいやりとりとなった。
労働側は、生活保護水準との乖離を早期に解消するよう求めつつ、これまでの合意であった残り2年での解消は最低条件であるとの姿勢を堅持してきた。
また、なお残される額についてもこれまでの経緯をふまえ、残り1年での乖離解消に最大限努めるよう主張した。
しかし、震災での経済への影響、中央最低審議会での公益委員見解のなどを考慮することも必要とし、14円の引き上げで結審された。
北海道の賃金構造は今回の最低賃金14円引き上げに伴い、影響率が10%超、パートに至っては26.7%と試算されているとおり、パートなど非正規で働く多くの人が最低賃金に張り付いている。
非正規やパートで働く人の中には、主たる生計を担っている人が多いことや、将来を担う若年者が多く含まれてことなどから、最低賃金が生活保護費より下回る逆転現象の早期解消と、改正された最低賃金の履行確保は大きな課題となる。
最低賃金の大幅引き上げに向けて、今後も全力を挙げることとする。
以 上