経済団体へ賃金改善などを要請
 
 連合北海道は19日、北海道経営者協会をはじめとする道内経済6団体(他、北海道経済連合会、北海道商工会議所連合会、北海道商工会連合会、北海道経済同友会、北海道中小企業団体中央会)に対し、6項目20点に及ぶ「勤労者の労働条件に関する」要請を行った。
 冒頭、佐藤事務局長は「一部回復していると言われるが実感できない。中央では前年を上まわる賃上げ結果が出されている。今後、北海道においても交渉が本格化するが、北海道においてもなんとしても昨年を上まわる結果を出したい。より良い方向へ導くように経営側も尽力を」と申し入れるとともに、松浦組織労働局長が賃金要求についてはできるだけ3月内に決着できるよう指導を求めた他、正規雇用の拡大と安定、若年労働者の雇用対策の強化やパート労働者の均等待遇の実現など、細部にわたって説明し、理解を求めた。
 要請に対し経済団体側は、「北海道の産業構造からして、なかなか賃上げできる企業は少ないのではないか。雇用の維持が最優先」との賃上げ抑制の考えを示した。
 さらに、非正社員の正社員化を求めたのに対し、「安易な雇用調整をしているわけではないが、働く側の選択肢もある」としながらも、非正社員の増加について「雇用の二極化は由々しい事態。景気が回復すれば改善されるのではないか」と述べるにとどまった。最賃問題については、「最賃と生活保護基準は別物であり、企業が守れる水準にすべき」との考えを示した他、ホワイトカラーイグゼンプションについては年収基準は別として、「働き方の選択肢が広がる。個人の受託要件を厳しくすれば良いのではないか」と容認の考えを明らかにした。
 また、16日に衆議院の厚生労働委員会で季節労働者の短期特例一時金の削減が盛り込まれた雇用保険法改正案が採択されたが、経済団体側は「季節労働者が存在することは否定できない。削減は一大事である」との認識を示したものの、具体的な対策については言及しなかった。この件については連合北海道は19日に「採決は残念。今後、本会議の等において現状維持が図られるよう切に望む」との渡部会長コメントを発出している他、当該産別と通年雇用化への取り組みを継続している。
 最後に佐藤事務局長が「非正社員が増えている。同じ仕事をして条件が低いことに不満が広がっている」と重ねて指摘するとともに、「道内の優秀な人材が流失している。労使が協働してなんとかしなければならない」と呼びかけた。
以 上 
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