連合北海道
2006春季生活闘争 闘争方針
2005年12月16日 第1回拡大闘争委員会
はじめに
2006春季生活闘争における最大の情勢の特徴は、企業業績の回復と家計の苦しさが好対照であり、その中で、経済社会の二極化、地方の二極化が鮮明になっていることである。
北海道はその中で、有効求人倍率や失業率をみても、未だ本格的な経済回復ではない。
しかし、今次闘争では、「生活防衛から生活向上へ」「下支えから底上げへ」と取り組みの基調を変え、連合北海道、産別、単組がそれぞれの役割を踏まえた闘争を組み立て、組合員の生活向上に寄与する景気回復を本物にするための努力を続ける。
また、社会の改革勢力として、労働者全体の生活向上と不安の解消をめざし、労働基本権(団結、団体交渉、団体行動)を背景とする「春闘」にこだわる。
T.情勢と課題
1.安定成長には企業部門から家計部門への所得移転が不可欠である。
(1)景気は回復を続けており、2005年度は実質2%台(名目1%台)の経済成長が見込まれ、失業率は全国が4%台前半、北海道は5%前半で改善基調にはある。消費者物価は、ゼロ近傍で推移しているものの、2006年春以降プラスに転じるとの見方が強まっている。ただ、北海道では灯油などエネルギーの高騰がどのように影響するか懸念されている。
(2)企業業績はばらつきがあるものの、4年連続の増益見通しにある。依然として人件費抑制傾向が続いており、所得の二極化も拡大している。デフレ経済から脱却し、安定成長に至るカギは、家計所得の増にある。マクロ的には、中期的なマクロの生産性向上に見合った賃金改善が必要である。
(3)生活面においては、勤労者世帯の我慢が続いている。2004年の可処分所得は、ピークである97年と比べて1割以上低下しており、家計は、苦しいやり繰りを余儀なくされている。低所得層ほど落ち込みが大きく、深刻である。また、貯蓄ゼロ世帯が約4世帯に1世帯に達するなど、ストック面の二極化も進んでいる。
(4)また、年金保険料や定率減税の半減などの負担増が既に決まっており(年収500万円世帯で約0.7%の負担増)、さらなる負担増・給付減も懸念される。生活の維持・改善のためには、可処分所得の維持・向上が不可欠であることの主張を強めなければならない。
2.雇用形態間、規模間などの所得格差拡大に対抗する運動を強める必要がある。
(1)雇用形態間、規模間などの所得格差拡大が進んでいる。賃金闘争では、賃金水準の底上げを重視する必要がある。
(2)格差拡大の背景には、デフレ経済のもとで人件費や取引価格の引き下げ圧力が強まったことがある。全体で積極的な賃金改善を行い、デフレ経済からの脱却を確実なものとすることが、格差是正を積極的に進めるうえでも必要なことである。また、取引関係問題への関与も重要な課題である。労働組合は、公正な取引関係の実現や企業の社会的責任を重視した企業行動を求めていく必要がある。
3.人口減少社会をみすえ、働き方の改善をはかる必要がある。
(1)労働の負荷が高まるなかで、長時間労働者が増えている。また、パート・有期契約・派遣・請負等労働者は、雇用や働き方について不安・不満が大きい。仕事と生活の調和がはかれる、働く側の立場に立った働き方の改善が必要である。
(2)低所得者が増え、とりわけ若年労働者の就業形態の不安定化が、スキルや定着率の低下、社会保障制度の空洞化など、将来の経済・社会を支える不安要因となっている。
(3)中長期的に「みんなで働く社会」をめざし、男性長時間労働者をスタンダードとする企業社会を変えていかなければならない。
U.2006春季生活闘争の基本的な枠組み
1.マクロの分配のあり方と春季生活闘争の役割
(1)春季生活闘争の役割の一つは、生活の維持・向上をめざし、社会的な分配のあり方に関与することである。
連合は、「マクロ的には労働側に1%以上の成果配分がなされるべき」との認識のもとに2006春季生活闘争を組織し、未組織を含む全雇用労働者を視野に入れ、特に中小やパート等労働者など、所得が低い層を重視し全体の底上げをはかることとしている。
(2)生活の質を向上させるためには労働時間の課題も重要である。不払い残業撲滅は当然として、総実労働時間短縮に向けた取り組みも強める必要がある。
2.2006春季生活闘争の基本スタンスと枠組み
(1)デフレ経済から脱却し、労働を中心とする福祉型社会への展望をきりひらくために、@成果配分と所得増、A均等待遇、B増税阻止、C働き方の改善と不安の解消を大きな柱として、労働者全体の生活向上をめざしていく。
(2)政策制度と通年的な取り組み、時限共闘の課題を明確にするとともに、連合北海道と産別の役割分担を踏まえ、以下の枠組みをつくる。
連合北海道は、道内におけるマクロの視点に立った基本的な考え方を社会的メッセージとして発信していく。具体的要求基準は、産別が責任をもって設定する。
産別、地協は、中小・地場組合の交渉を支援し、共闘の相乗効果を高める。
政策制度 = 最重点課題を中心とした政策実現活動
通年的な取り組み = 雇用の安定。不払い残業の撲滅とワークルール確立
取引関係の改善。賃金制度や労働協約の整備など。
時限共闘 = 「すべての組合が取り組む課題」による共闘
3.賃金の相場形成・波及メカニズムの構築
(1)個別賃金の絶対水準を重視した相場形成と波及メカニズムの構築をめざしていく。
(2)その一つとして、すべての労働者が、最低限、単身で生活できる賃金水準を上回ることができるよう、連合リビングウェイジや最低賃金の運動を強化する。
(3)賃金水準の相場形成と波及は、段階的な取り組みが必要である。まず、各組合が自らの賃金実態を調査し、各種労働条件調査などを通じ、個別賃金水準のデータの情報開示を行う必要がある。定昇込み一人平均賃上げ方式による賃金改定であっても、自らの賃金の社会的位置を確認して要求・交渉を行う。
(4)交渉結果について、賃金改善分等も集約し、情報開示をさらに進める。
V.具体的な課題
1.政策・制度の要求と実現に向けた取り組み
(1)基本的考え方
「社会保障制度」をはじめとする各種抜本改革がいっこうに進展しないことを背景とする国民の将来不安を解消するとともに、公正な社会の実現をめざす。
(2)重点政策課題
@サラリーマン大増税阻止
定率減税の全廃を含むサラリーマン大増税に対して、これまでに確認された方針に基づき、断固阻止する。
A 社会保障制度の一体的改革の実現
基礎年金の税方式化や年金「一元化」、医療制度改革、パート等の社会保険適用など、社会保障制度の一体的改革をはかる。特に、医療制度改革については、これ以上の自己負担引き上げを阻止し、診療報酬の「包括化」促進、「退職者健康保険制度」の創設、政管健保の公法人化、等の実現をはかる。
B 子育て支援の拡充
子育てのための経済的支援策の拡充、安全性確保を目的とした妊娠・出産の健康保険適用、次世代法にもとづく一般事業主行動計画の進捗状況点検や300人以下事業所への策定指導などによる実効性確保、等の実現をはかる。
C パート労働者等の均等待遇法制化と男女雇用平等法制定
全国フォーラム「なくせ ! 男女差別、つくろう ! 男女雇用平等法」(10月発足)による取り組みや、議員立法による「パート労働者等の均等待遇」の法案提出を政党に働きかけ、間接差別禁止などを盛り込んだ「男女雇用平等法」の法制化をめざす。
D 労働基本権の確立と民主的で透明な公務員制度改革の実現公務員の労働基本権保障をはじめとする ILO勧告の早期実現、労使協議にもとづいた公正・中立・透明な人事処遇制度の確立を通じて、国民が信頼できる行政と公務員制度を構築する。
E 財政再建と北海道における公共サービスの確保を主眼として、2006年度道予算編成に向けた政策提言に取り組む。また、季節労働者の冬期雇用援護制度の存続・改善を求めて、道民総掛かりの運動に取り組む。
F ハイタク最賃の新設とタクシー産業における再規制を求める政策転換の運動に取り組む。道内の全ての自治体で、公契約条例が制定されるよう、自治体交渉を強める。
2.賃金の課題
(1)基本的考え方
@ 賃金カーブ維持分を確保したうえで、ベースアップや時給引き上げ、賃金カーブの是正、低賃金層の底上げ等によって、積極的な「賃金改善」に取り組む。
A 月例賃金の改善を最優先し、年間収入の維持・向上をめざす。
B 産別は、産業内格差圧縮、産業間格差是正なども考慮し、具体的要求基準を設定する。
<賃金改善の参考目標値>
○ 35歳勤続17年労働者 所定内賃金 310,000円以上
○ 30歳勤続12年労働者 所定内賃金 266,000円以上
○ 18歳初任給 161,000円以上
(2)中小・地場組合の賃金改善
@ 単組は、自らの賃金実態を把握し、賃金カーブ維持分を獲得する。さらに、社会水準や生計費等との比較、時系列での分析などを行い、賃金改善に取り組む。また、地域ミニマム運動への参加とその活用をはかる。
A 産別・地協は、中小・地場共闘を通じて中小・地場組合の取り組みを支援する。
B 中小組合の要求目安
・ 格差是正のための水準目標値(全国) 35歳所定内賃金 233,000円以上
・ 道内の上げ幅の目安については、以下の通りとする。
賃金カーブの算定が可能な組合
「賃金カーブの確保」とカーブ維持分の労使確認十賃金改善分2,000円以上
賃金カーブの算定が困難な組合
賃金カーブの確保相当分4,500円(目安)+賃金改善分2,000円以上
定昇込み 6,500円以上
環境が整っている組合の格差是正要求
格差是正分として、上記に上乗せする。
(3)男女間の労働条件格差の是正
@ 男女賃金分布の偏りなどの賃金実態を把握し、「仕事の与え方」「配置、昇進・昇格の基準」など、制度や慣行を含め、格差の要因を明確にし、改善すべき問題点について労使交渉の課題とする。
A 賃金制度上の格差がなくても、結果として男女賃金分布の偏りがある場合など、間接差別の是正に向け、昇進・昇格基準の明確化や、賃金制度や人事評価制度の公正・透明な運用、コース別雇用管理の適正化などに努める。
B 生活関連手当の支給における「世帯主」の支給要件をなくす。
(4) 一時金の取り組み
年間収入の維持・向上を念頭に取り組む。具体的目安は、産業別部門連絡会や各産別で設定する。
3.パート労働者等の待遇改善
(1)パートの組織化を全力で進めるとともに、「パート共闘会議」を設置し、雇用形態間の格差拡大の流れに歯止めをかけ、均等待遇実現への道をきりひらく。
パート共闘会議には、「中小パート労働対策委員会(森副会長 委員長)」を春闘期間のみ名称変更し、以下の6項目のいずれかについて要求して集約する産別がエントリーする。
パート共闘会議では、相互に情報交換や支援活動を行い、連合北海道は逐次それを発信する。格差是正に向けた具体的な目安の設定や闘いの進め方は、パート共闘会議で検討する。
(2)同じ職場で働くパート・有期契約・派遣・請負等労働者の待遇改善(休暇制度や一時金支給など)のために、単組は、未組織やパート等の全ての労働者を意識した交渉を進める。産別は最大限それを支援する。
(3)派遣労働や業務請負を活用する場合、必ず労使協議を行い、法令遵守を徹底する。また、派遣・請負元の企業に違法行為などがある場合、CSR(Corporate Social Responsibility 企業の社会的責任)の観点から経営側に姿勢を正し、公正な労働条件や働く場の確保を求める。
4.最低賃金の課題
すべての労働者が、最低限の生活ができる賃金水準を実現すべく、社会的な水準規制を行う。
(1)企業内最低賃金の取り組み
すべての組合で企業内最賃の協定化とその引き上げを行い、法定最賃引き上げに結びつける。
○ 全従業員対象の企業内最賃の目標水準 時間額840円以上
単身最低生計費 146,000円÷法定労働時間174時間=840円
146,000円÷年間1800時間(月150時間)=970円
高卒初任給 161,000円÷法定労働時間174時間=930円
(2)法定最低賃金の課題
@ 最低賃金対策会議、全国会議を適宜開催し、最賃部会の動きに対応し、産別最賃の継承・発展と地域別最低賃金の機能強化を推進する。
A 組織労働者の賃金改定結果を踏まえ、法定最賃の引き上げを行う。
<参考:現在の最低規制水準と連合リビングウェイジ>
パート含む企業内最賃(2005登録組合平均:763円)
法定産別最賃 (2004年度全国平均:758円)
法定地域別最賃(2005年度全国平均:668円)
5.労働時間、働き方、ワークルール確立の課題
法令や労働協約を守り、現状の働き方を改善する取り組みを通じて、働く側の選択肢が保障され仕事と生活の調和がはかれる公正な働き方の実現をめざす。
(1)ワークルールの確立
@ 職場点検活動等を通じ、パート・有期契約・派遣・請負等労働者のワークルール、安全衛生(アスベスト対策含む)、労働時間管理など、労働安全衛生法等改正等直近の法改正への対応を含め、法令と労働協約の遵守を徹底する。
A 事前協議体制の確立や労働協約・人事条項の整備、雇用安定の労使確認等によって、これ以上職場から失業者を出さない取り組みを徹底する。
(2)雇用の安定と確保
@高年齢者雇用安定法の改正に対応するとともに、希望する者全員が65歳までの就労が可能となる制度の実現をはかる。
A 産別は、企業組織再編への対応などを含め、単組の合理化対策をしっかりと支援・指導する。また、企業のカベを越えた職業能力開発の場の整備や再就職支援活動などに取り組む。
(3)労働時間管理の徹底と不払い残業撲滅
@ 悪質な企業の告発も視野に入れて、不払い残業撲滅についての社会的運動を展開する。
A すべての組合は、出退勤時間管理の徹底を進め、労働時間の把握方法について労使協議を行う。確認内容については、協定化(団体交渉議事録、覚え書き、確認メモ等も含む)をはかるとともに、その適正な運用がなされるよう取り組む。
(4)総実労働時間1800時間の実現
@ 年間総労働時間1800時間の実現に向け、年次有給休暇の取得率向上や恒常的な時間外労働の削減、所定労働時間の短縮などに取り組む。また、労働時間等設定改善法への対応をはかる。
A 時間外労働抑制のために時間外割増率引き上げに取り組む。引き続き、時間外50%、休日100%への到達をめざし、以下の目標を設定する。
○ 中期目標 時間外35%以上 休日 50%以上
○ 到達目標 時間外30%以上 休日 40%以上
B 各組合の三六協定における特別条項の運用状況について点検を行い、延長を必要とする「特別な事情」や「特別延長手続き」の明確化とその適正運用の取り組みを進める。
(5)仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)
@ 育児や介護などで男女労働者がともに家庭責任を担い、健康で安心した暮らしが営めるよう環境を整備する。各組合は、職場の課題と要望を的確に把握し、育児・介護における「短時間勤務制度」「不利益取り扱い禁止措置」「休業中の経済支援制度」の導入などの協約化をはかる。
A 構成組織は、次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画の内容と実施状況を点検し、結果の集約を行う。300人以下企業に対しても、行動計画の作成と実行を促していく。
B ワーク・ライフバランスの確立とワークシェアリングの推進に向け、産業・業種別の労使会議や、地域における自治体と、労使による社会合意の取り組みを進める。
(6)男女平等の働き方の実現
@ 妊娠・出産を理由とする不利益取り扱いがないか点検し、問題があれば改善する。
A 男性の育児休業取得促進に向けた職場環境の整備、セクシュアル・ハラスメントの防止対策を点検し、取り組みを徹底する。
B 女性の活躍推進状況診断表((財)21世紀職業財団)などを利用して、企業にポジティブアクションの取り組み状況の点検と、ポジティブ・アクション実行計画の策定を求める。
6.取引関係の改善と公契約に関わる運動
(1)取引関係の改善
@ 中小企業等の労働条件の改善には、公正な取引関係の確立が不可欠である。
また、下請け・グループ企業レベルまで視野において、経営実態等の把握や経営目標・施策等の共通理解をはかることは、経営基盤の強化としても重要な課題である。産別・単組は、連携して、個別企業のカベを越えた労使話し合いの場の設置に取り組み、取引関係の改善に結びつけていく。
A 法令遵守などを取引基準とするなど、CSR(企業の社会的責任)の取り組みや行政の認定制度(貨物輸送の安全性優良事業所制度等)などを、全体の運動に広げる。
(2)公契約における公正労働条件確保の運動
@ 公契約の入札企業における労働条件の確保をはかるため、国や地方自治体に入札する企業の法令遵守の徹底を求める。
A 委託先における労働者の公正労働を確保するため、公契約に際して最低でも連合リビングウェイジ(生活保障水準)を上回る労働条件を義務づける条例化への取り組みに挑戦する。
W.闘いの進め方
1.効果的な相場波及の取り組み
@ 地場中小の自主交渉を促進し、早期解決をめざす。また、効果的な波及が行われるよう地場集中決戦方式に取り組む。
A ミニマム運動課題などを中心に節目節目で情報集約と発信を行う。産別は主要組合の平均的・標準的な賃金カーブ維持分や定期昇給相当分と賃金改善分を公開し、相互理解をはかる。
2.闘争機関の設置
@ 連合北海道 春季生活闘争本部を設置し、闘争委員会(執行委員会)、拡大闘争委員会(産別・地協)、さらにパート共闘会議など各種委員会の設置、産業別部門連絡会の活発化を図ることとする。
3.要求書の提出と回答ゾーンの設定
@ 要求書は、原則、2月末まで、遅くとも3月末までに提出する。
A 回答ゾーンの設定や具体的な日程配置は、1月の第2回闘争委員会で決定する。
B 地場中小やパート共闘会議の具体的な闘争の進め方は、当面の方針で明きらかにしていく。
4.通年的取り組みの強化
@ 中小・地場組合を念頭に1〜2月を職場点検活動期間と位置づける。
産別は、組織的な点検を進めるため必要な体制・計画づくりを行う。また、中小・地場組合の点検活動を支援するための器材の準備や相談活動を行う。
A 中小組合の取り組み支援や取引関係の改善などをテーマにした集会を開催し、参考事例の紹介や経験交流などを企画する。また、行政や経営者団体への要請活動も検討する。
B 集中期間を設けながら、不払い残業撲滅運動を継続的に行う。
5.官公労働者の取り組み
労働基本権の回復が棚上げにされたまま、国・地方を問わず、公務員の人件費総額の削減などが進められようとしている。労働基本権制約の代償措置である人事院・人事委員会勧告制度の根幹に関わる課題について、労働組合を無視して議論することは許さない。連合北海道官公部門連絡会と必要な取り組みを行う。
6.政策・制度要求実現の取り組み
当面の方針で別途提起する。
7.闘争開始にあたって
(1) 06春季生活闘争は、総じて、いままでにない良好な環境の中で闘われる。それ故に、それぞれの産別・単組・地域組織(連合北海道も含む)の姿勢と力量が結果に大きく影響するともいえるのではないか。腹を据えて闘う必要がある。
(2) 05春季生活闘争の総括の中で、@地場共闘における連合北海道・産別・地協の役割と連携の強化、A中小・パート労働者の賃金底上げと労働条件の改善を、今後の課題とした。
そのうち、地場集中決戦方式による中小・地場共闘は、11年前の取り組み当初の頃とは明らかに経済・社会環境が激変し、支払い能力論や、雇用確保優先の傾向が強まったことで、設定したゾーン内に集中的に解決をはかって相場を形成・波及させるという、地場集中決戦方式の相乗効果が薄れ、「4月内総決着」という目標をなかなか実現できなかったという反省がある。
特に長期化している地場中小の春闘にあたって、賃金要求はまず、職場の賃金実態を把握することから始まるもので、勤続や年齢、性別、職種等を考慮して不合理な賃金格差はないか、年齢ポイントで同業他社あるいは地域相場との比較を行うことであり、その上で求めるべき賃金水準を決定し、賃金制度の整備も含めて要求化することであること。そのような作業を可能とするためには、連合北海道が取り組む「地域ミニマム運動・賃金実態調査」への参加が極めて効果的であることを強く指導しなければならない。
(3) また、道内の企業規模別の労働組合組織率(民間)は、300人未満では約2.26%、100人未満では約0.85%に過ぎない。道内の100人未満規模の事業所数は99%、従業者数では80%を占めており、そのような職場の圧倒的多数に労働組合が存在しない。また、パートやアルバイト・臨時などの非正社員は約74万人を数え、パートタイム労働者の組合員数は約3万人弱なので、4%程度の組織率にとどまっている。
そして殆どの職場には労働組合がなく、使用者によって一方的に定められた就業規則ないしは個別の労働契約によって労働条件が決定されている。
春季生活闘争の取り組みを通じて、このような中小・未組織、あるいは臨時・パート等の非正社員の賃金・労働条件の底上げをはかることは、今後ますます重要性を増してくる。 連合北海道が05春季生活闘争で取り組んだ、有期契約労働者の雇用安定協定の締結運動などは、この行動で目に見える成果が得られたわけではないが、職場と地域を巻き込みながら今後も継続していく課題である。
X.当面の日程
12月16日 闘争本部の設置 「闘争方針(案)」の提起
06年2月21日 北海道ブロック討論集会 (連合高木会長・古賀事務局長)
3月10日 全道総決起集会(札幌市 厚生年金会館)
以 上 |
|