労働基準法、労働者派遣法の改悪に反対する決議(案)
失業情勢が一向に改善の兆しを見せず、非典型雇用の拡大や不払い残業の増加が進んでいるなかで、政府は今国会に労働基準法、労働者派遣法の見直しを行おうとしている。
しかし、その内容は、いま進んでいる不安定雇用や長時間労働の拡大に結びつく規制緩和を促進しようとするもので、とくに、解雇ルールについては、解雇自由が前面に出され、裁判での立証責任が使用者にあるという現状が、変更されてしまう危険性がある。
私たちは、このような不安定雇用の拡大につながる労働法制改悪に断固反対する。そして、解雇規制をはじめ派遣労働や有期契約労働者の雇用・労働条件の確保のための労働者保護に関する公正労働基準の強化を求め、次の通り政府案の抜本修正を要求する。
1.解雇自由が全面に出た条文案を抜本修正し、解雇制限を明確にするとともに、裁判等での立証責任が使用者にあることを明確にさせること。
2.有期契約労働については、@正社員との労働条件の均等待遇、A一定期間を経過した場合の「退職の自由」の保証、B一定期間継続して雇用した場合に「期間の定めのない」契約とする「みなし雇用」など、労働者保護措置を法律で明確化すること。
3.企画業務型裁量労働制の対象事業所の無限定な拡大がなされぬよう、適切な措置を講ずること。
4.派遣労働が臨時的・一時的な業務に限定するとともに、一定期間を超えた場合の「みなし雇用」の義務づけや労働条件の均等待遇などを明記すること。
5.安易な対象業務拡大や上限期間の延長は行わず、@短期契約の更新繰り返しを制限するなど派遣労働者の雇用安定化措置、A人員整理後の派遣受け入れの制限などの安易な派遣への切り替えを防止する措置を法律で明確にすること。
以上、決議する。
2003年5月1日
第74回全道メーデー