ハイ・タク最賃の新設を求める特別決議(案)
 
 ハイ・タク労働者がおかれている厳しい状況は、2002年2月のタクシー規制緩和から2年半を経過してますます深刻化しており、「タクシーでは生活できない」というハイ・タク労働者の訴えは年を追うごとに高まっている。
 一方、規制緩和を契機とした無秩序な増車や新規参入、さらには運賃値下げ競争が勃発し、台当たり運送収入の低下を招いている。その結果、長時間労働や低賃金を余儀なくされるハイ・タク労働者は、生活と健康の危機に瀕し、そして安全な運行が脅かされている。このような規制緩和の弊害は、健全なハイ・タク産業の発展という観点からして、労働者のみならず利用者や経営者にとっても、決して望ましいことではない。
 
 私たちは、公正な事業者間競争が実現され、ハイ・タク労働者の賃金・労働条件が適正に確保されるためには、新たな社会的規制が必要であると考える。
 それは、ハイ・タク産業における法定産業別最低賃金制度を新設し、二種免許を有するプロのドライバーにふさわしい賃金の最低基準を設定することである。すなわち、労働者に一方的な犠牲を強いるやり方で企業利益のみを追求するのではなく、台当たりの運送収入が上がるよう需給調整を行い、賃金・労働条件の改善によって安全運行の確保と良質なサービスの提供が可能となるシステムを構築することである。
 
 連合北海道加盟のハイ・タク労組や未加盟・中立組合の仲間らも結集した北海道ハイタク最賃協議会が、1998年に結成されてから足かけ6年目の今年、いよいよハイ・タク最賃新設の入り口に立つことができた。連合の仲間の協力により集められたハイ・タク最賃を求める合意決議と署名は、道内24,000名のドライバーのうち11,000名余りに達し、新設の申し出要件である3分の1を大きくクリアできた。
 そして、10月22日には北海道最低賃金審議会において、ハイ・タク最賃の新設にかかる調査・審議が諮問された。産別最賃不要論に立つ経営側は、すでにハイ・タク最賃新設に反対の意思を示している。しかし私たちは、市場万能主義ではなく、不当に低額な賃金を排除し公正競争を求める立場から、ハイ・タク最賃の新設は時代の要請であると考える。
 本日、私たちは連合北海道第17回年次大会の名をもって、ハイ・タク最賃新設に向け全力をあげて取り組む。
 以上決議する。
 
2004年10月29日       
日本労働組合総連合会北海道連合会
第17回年次大会