自衛隊のイラク「多国籍軍」参加に反対し、
即時撤退を求める決議(案)
 
 戦争の大義は完全に崩壊した。
 「イラクにいかなる大量破壊兵器も存在しなかった」と、米国議会にパウエル米国務長官は証言し、大量破壊兵器を捜索していた米国調査団は最終報告書を提出した。
 アナン国連事務総長はイラク戦争は国連憲章違反との考えをあらためて示し、米国のマスコミは米国議会の開戦決議採択に向けた大統領府による情報操作を報じ始めた。
 日本に支持を求めた米国が、自らその存在を否定した。
 
 小泉首相は乱暴な論理まで持ち出して大量破壊兵器の存在を肯定し、イラク戦争を支持し続けてきた。
 また、小泉内閣は国会にも諮ることなく、与党からの疑問・批判さえをも押し切り、多国籍軍への自衛隊参加を強行した。さらにイラク駐留を一年間延長することさえ表明した。
 首相は私たちに説明する義務がある。国民の反対を押しきり、憲法を大きく踏み外してまでイラクへの自衛隊派遣を強行した根拠を、今、明らかにしなければならない。
 
 NGOの「イラク・ボディ・カウント」は、イラク開戦から、占領軍が「多国籍軍」と名を変え、「治安維持・解放・民主化」として反占領抵抗勢力の一掃作戦を強化する現在までに、1万5000人を超える市民が殺されたと発表した。 
 暴力・殺戮、憎しみ・悲しみの連鎖を断ち切らなければならない。イラク国民の多くは「軍隊」の撤退を望んでいる。祖国復興は、たとえ長期・困難であっても、国際的な「協力」を借りながらも、価値観や文化を共有する国民一人一人が主体的に取り組むべきものであり、武力をもって指導・強制されて行うものではない。
 
 私たちは、自衛隊の多国籍軍参加に反対し、イラク国民の意志を踏みにじる多国籍軍のイラクからの即時撤退を強く求めるものである。
 以上決議する
2004年10月29日     
日本労働組合総連合会北海道連合会
第17回年次大会