メーデー宣言(案)
 
 私たちは本日、第80回全道メーデー大会を迎えた。
 今日、労働者を取り巻く状況は厳しい。
 世界的な金融・経済危機は日本経済に大きな打撃を与えており、昨年来の非正規で働く仲間に対する「派遣切り」、解雇、雇い止めの影響は深刻化し、今や非正規・正規を問わず多くの労働者の生活と雇用環境を悪化させた。その原因は、外需経済への依存・競争至上主義などを重んじてきた経営側の対応にほかならない。
 一方、北海道の雇用情勢は、有効求人倍率が全国の約半分となっており、2007年7月から毎月連続して前年を下回っている。また、経済情勢については、不況型倒産が増加し、すべての業種において業況判断指数はマイナス予想になっており、道内の景気回復見通しに暗さを残し、労働者の雇用不安や生活不安は増大している。
 政府は一刻も早く180万人以上の雇用創出をはじめ、国民・労働者のセーフティネット強化に係る政策を実現すべきである。北海道においては、北海道雇用創出基本計画に基づき10万人の雇用創出と維持・安定に向けたスピード感と実効性ある施策を実施すべきである。
 私たち自らも、苦境に立たされている労働者のため、「雇用と就労・自立支援カンパ」活動を推進し、連帯の輪を広げていく。
 
 これからの日本には、安定した雇用システムや安心できる社会保障の仕組み、内需主導型の経済システムの再構築、そしてぬくもりと思いやりのある社会の実現が求められている。
 
 しかし、政治と政策の転換なしには公正と連帯を重んじる社会の展望は開けない。国民の信任を受けていない現政権は、速やかに国会を解散し、国民の信を問うべきである。
 そして私たちは、次期総選挙で推薦候補者の全員必勝を期し、政権交代を勝ち取り働く者の政策を実現していく。
 
 一方、世界は平和と安全を脅かす情勢が続いている。イラン・北朝鮮等の核開発や安保理決議に違反した4月5日の発射問題、不安定なイラク・アフガニスタン情勢、さらには北朝鮮拉致事件やビルマなどの人権弾圧も重大な課題である。
 私たちは、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現、人権侵害救済のため、訴え、行動していく。
 メーデーは国際連帯の日である。私たちは、「国際労働組合総連合」(ITUC)と連携し、世界の貧困や飢餓、環境破壊や人権侵害、紛争やテロをなくすため、また、「ディーセントワーク」(働きがいのある人間らしい仕事)の実現のために闘っていく。
 今こそ、すべての働く者の連帯と、NPO・NGOとの連携で「平和・人権・労働・環境・共生」に取り組み、労働を中心とする福祉型社会と自由で平和な世界を実現することを宣言する。
 
 労働者の使い捨てを許さない、公正と連帯の社会実現をめざす 第80回メーデー 万歳!
 
  2009年5月1日
  第80回全道メーデー大会