北海道地域最低賃金の大幅な改善を求める決議
 
 
 いまわが国では、ワーキングプアといわれるように、働いても生活できない労働者層が増えている。それは、正社員から非正社員へと雇用が移り、有期や短時間の労働が増えていることが原因だ。
 政府は、格差社会を改善するため、「成長力底上げ戦略推進円卓会議」において、最低賃金制度による賃金の底上げをめざし「従来の考え方の単なる延長線上ではない」ことの政労使合意をつくり、昨年度の改定では全国平均で14円、北海道で10円の引き上げが行われた。
 また、最低賃金法を改正し、地域最低賃金を「任意的設定」から「必要的設定」に位置づけを強めるとともに、「労働者が健康的で文化的な最低限度の生活を営むことができる」水準を求めることとなった。さらに、全国で頻発している最低賃金法違反に対し、不払いに係る罰則額の上限を50万円に引き上げた。
 しかし、昨年度の大幅な地域最低賃金引き上げであっても、全国平均で673円、北海道では654円と、法定労働時間働いても全国平均で月額116,967円、北海道では月額113,665円と、「健康で文化的な生活」の水準にはほど遠いレベルでしかない。
 地域最低賃金の大幅な引き上げにより、地域の賃金レベルを上げることは緊急の課題である。特に北海道のように非正社員比率が4割になり、最低賃金に張り付く低賃金地域においては、地域の経済の維持と税収の確保はもちろん、社会保障の制度維持の観点からも重要な課題である。
 よって、今年度の地域最低賃金の改定に当たっては、連合の目標である1,000円に引き上げ、経済的に自立可能な地域最低賃金への改定を強く求める。
 
 以上決議する。
 
2008年5月1日
第79回全道メーデー大会