2009年11月27日
連合北海道第22回定期大会会長挨拶
連合北海道第22回定期大会開催にあたり、連合北海道第10期執行部を代表してご挨拶を申し上げます。
全道各地からご参集をいただきました大会構成員の皆さん、たいへんご苦労さまです。
この2年間、連合北海道に結集をいただき、諸課題の運動展開について献身的に取り組まれた各産別、地協・地区連合の皆さんに心から感謝を申し上げます。
また 高齢・退職者団体連合、北海道農民連盟、民主党北海道をはじめとする多くの皆さんからご支援・ご指導賜りましたことに感謝を申し上げます。
そして 本日はたいへんご多忙な中、民主党北海道・佐野法充幹事長、高橋はるみ北海道知事、上田文雄札幌市長をはじめ、多くの来賓の方々にかけつけていただいております。大会構成員全体の拍手で感謝の意を表したいと存じます。
また 多くのマスコミの皆さんも取材に見えておりますが、合わせて感謝を申し上げます。
具体的な内容に触れる前に、お悔やみとお見舞いを申し上げなければなりません。
本年6月に連合北海道副会長・北教組委員長の住友肇さん、4月に連合石狩地協・札幌地区連合事務局長の伊藤正義さんが逝去されました。お二方のこれまでのご功績を偲び、心からご冥福をお祈りしたいと存じます
また 会長代行・JP労組前委員長の松本容司さんは今年に入り体調を崩され、現在病気療養中でございます。心からお見舞いを申し上げます。
そして それぞれの方は、『志』道半ばでのことで心残りがあったと思います。私たちは、その分の意志を引き継ぎ、次なるたたかいを進めなければならないと思います。
さて 本定期大会ですが、第10期2年間のたたかいを総括し、次へのたたかいの方向・方針を確認いただきますが、年が明けますと結成20年を迎える節目の大会でもあります。
議案のなかでも触れておりますが、『力と政策』を掲げ、先輩諸氏が多くの困難を乗り越え、そして、今日の連合北海道に至っていることは、あらためて申しあげるまでもないことだと思います。
そして、政策実現に向けての政治闘争、その延長線での政権交代を大きな目標としての労働戦線の統一であったと思いますが、その節目の年に、はからずも、本年8月の第45回総選挙において、現憲法下で首相候補を立てて争う選挙戦では初めて、民主党の圧勝という結果により、政権交代を実現いたしました。
その熱も冷めやらぬうちの定期大会開催でもあります。
しかし、政治日程があったとはいえ、議案内容・議案の事前送付、予備提案のあり様等々、準備不足や手続きの不十分さなど多々あろうかと存じますが、是非、皆さんの討論等で補強いただき定期大会を成功させていただきますよう、まず、冒頭にお願い申し上げます。
さて 具体的な総括・課題については、別途、報告・提案をいたしますが、私からは、連合北海道の運動課題について、3点ほど問題意識を申し述べたいと存じます。
まず第1点は、雇用に関わる課題です。
雇用不安が深刻化した、昨年末、連合北海道は大会決議に基づき、『総合雇用対策本部』を設置し種々の取り組みを進めてまいりました。
具体的には、行政や経済団体等に対する緊急の申し入れや要請行動、労働相談をはじめ、雇用の現地調査、求職者のサポートのさっぽろ駆け込み寺の開設等々であります。
しかし、道内の雇用情勢は、昨年秋以降の全国的な景気後退の影響を受け、さらに一段と厳しさを増している状況にあり、北海道労働局の8月末の雇用失業情勢によれば、4月以降『道内の雇用情勢は、一段と厳しい情勢にある』状況で、有効求人倍率も0.34倍(前年同月比▲0.11倍)、月間有効求人数も34カ月連続で前年同月を下回っており、今日にも9月末の数値が公表されますが、依然として(有効求人倍率)0.4倍を下回る厳しい状況が続いている状況であります。
また 連合総研の『第17回勤労者短観』(4月)によれば、今後1年くらいの間に失業する不安を23.5%の者が感じており、前回調査(11月)の23.8%と同水準ですが、前年同月調査と比べての5.3%上昇は過去最大であり、特に、男性非正規社員、中小企業勤務者、労働組合未加入などで失業不安が大きい傾向にあります。
こうした状況下で、先週、10月23日に道が主宰する北海道雇用創出推進会議(今年3回目)が開催されました。会議では道・国・経済団体などの経済雇用対策の取り組み状況等について、報告・議論が行われ、この日は、『雇用創出の実現に向けた合意(案)』が提案され、会議構成員6者(北海道・北海道教育委員会・北海道労働局・北海道経済産業局・北海道経営者協会・連合北海道)が一致協力して取り組むことを確認したところであります。
また、政府・与党にあっては、9月に3党連立政権合意の中で、『雇用対策の強化』を謳っておりましたが、10月16日に政府に「緊急雇用対策本部」を設置し、10月23日には、@「機動的」対応A「貧困・困窮者、新卒者支援」最優先B「雇用創造」の3点を基本視点とする「緊急雇用対策」を実施する旨を決定いたしました。基本視点は、鳩山総理の指示によるもので、「年末・年始を視野に入れて」とのことですから、『年越し派遣村』や『駆け込み寺』のような事態が生じないよう、速効性とその後の本格的な対策を講ぜられるよう、要請したいと思います。
なお この「緊急雇用対策」では、非正規労働者対策に関連して、厚労省副大臣から民主党北海道を通じて、北海道季節労働者対策の具体的な施策を求められましたので、急なことではありましたが、関係機関の協力をいただき、4点にわたりとりまとめ要請したところであります。
雇用問題については、喫緊の重要課題として、引き続き関係機関・団体等とも連携・協議など対応してまいりたいと思います。合わせて、産別の皆さんの情報提供等のご協力もお願いしたいと思います。
また 雇用のセーフティネットの確立など、制度・政策要求も引き続き取り組んでまいりたいと思います。
次に 組織拡大について申し上げます。
昨年6月30日現在、道内の推定組織率は一昨年比マイナス0.5%の17.6%と、18%を割り込んだのはご承知のことと思います。毎年12月中旬に速報値が公表されますが、今年は、労働組合数で数ポイント減少し、組合員数では若干増えているようです。
この間、組合づくり・第4次アクションプラン21で2007年10月から2009年9月末までの4期2年間で、15,352人(うちパート12,296人)の拡大を果たしました。この間の各産別・地域の皆さんの努力に、心から敬意を表したいと存じます。
さて 私は、2年前、会長就任の挨拶で『・・・すべての働く者に信頼され頼りがいのある労働組合として、社会的影響力を高める連合運動の構築を・・・』ということを申し上げました。
この2年間を通じ、非正規労働者の組織化、労働相談や雇用・労働条件の改善、STOP!THE 格差社会・反貧困の取り組みなど、全ての労働者の視点に立って社会運動として、また 地域に根ざした顔の見える労働運動という点では、地域医療の問題や石油・物価高騰問題など、具体的に展開してまいりました。
具体的な運動などを通じては、今までのたたかいの歴史もあり、その存在感・影響力は示せてきたとは思います。
しかし、連合北海道の推定組織率は、前述の数字から推計すると13%弱(12.8%)に過ぎず、組織人員の減少は労働組合と労働運動の社会的影響力を低下させることにつながりかねません。
連合北海道は、次期執行体制において、一部、組織関係の体制の見直しと専従役員を補強・増員して組織拡大・対策の機能強化を図る予定ですが、あらためて全組織をあげて組織拡大に取り組むという決意を申し上げたいと思います。
各産別、地方・地区組織の皆さんのご協力をお願いしたいと思います。
なお、連合第11回定期大会においても、方針で『尊厳ある労働(ディーセントワーク)の実現、ワークルールの確立に向け、組織拡大を通じた集団的労使関係の再構築を最重点課題で取り組む』こととし、そのため、連合組織をあげて組織拡大・組合づくりを進めるために「組合づくり・アクションプラン21(2010〜2011)」を作成し、取り組むことを確認していることを付言しておきたいと思います。
3点目に、政治課題について申し上げます。先ほど触れましたが、先の総選挙の結果、民主党を中心とする連立政権・鳩山内閣が実現いたしました。
「総括」については、後ほど提案させていただきますが、この間、私たちは、雇用・労働問題に止まらず、地域課題・道民生活課題なども、政治を意識しながら取り組みを進めてまいりました。それぞれの取り組みを含めて、皆さんには、このたたかいで、職場・地域で本当にご奮闘いただきました。あらためて感謝とお礼を申し上げたいと思います。
総選挙に関わって、1点申し上げます。去る10月15日に札幌地区連合山本会長が、公職選挙法違反容疑で逮捕されました。私どもとしては、この間、政治闘争の推進にあたっては、コンプライアンスなど十分留意するよう努めていたところであり、事実であれば、極めて残念なことで、ことの推移を見守りたいと思います。
さて 新政権への国民の期待度は、政策決定等での政治主導などの手法の目新しさも相俟って、直近の支持率や先日の神奈川・静岡の参議院補選の結果にも表れていると思います。民主党がマニフェストで掲げた『国民の生活が第一』『暮らしのための政治を』を着実に、見えるかたちでの実現されるよう私たちの立場からも申し上げたいと思います。
さて 連合は選挙にあたって、民主党との政策協定を締結いたしましたが、政権交代がなされたからといって、連合の掲げる政策がすぐに実現が叶うわけではないことは申し上げるまでもないことだと思います。
マニフェストの具体的な展開にあたっても、過日『個別政権公約に産別の異議続出』との新聞報道がなされたように、産業や業種別、さらには地域事情などにより利害や評価・意見の相違が生じることは当然ありうることだと思います。
私どもとしては、地方組織のできうる範疇で、政策・制度要求議論の過程で、組織内部での問題意識の共有化を図る努力と自らの政策形成能力をさらに高める努力もしなければならないと思います。この点につきましては、従前にもまして各産別のご協力もお願い申し上げます。
なお 民主党北海道との関係は、政権与党となったことを念頭に、より緊密に、しかし、贔屓の引き倒しにならぬよう、程良い距離感で、選挙協力のみならず、特に、政策協議など一層の連携を強めてまいりたいと思います。
そういう状況を踏まえての政治闘争は、来年行われる第22回参議院選挙は、「政権交代」後の「安定政権」確立に向けてのたたかいとして進めることとなります。
比例代表選挙は、連合主要産別がそれぞれ候補を擁立してたたかいますが、連合としては、今回初めて産別候補予定者10名全員が民主党公認ということになりました。連合北海道としては、こうした状況なども考慮して選挙区と一体化した取り組みを進めたいと思います。
なお 北海道選挙区は、民主党北海道と連携し複数擁立の枠組みを含め、候補者の推薦作業を急ぎ、あらためて次の機関会議において闘争体制を確立してまいりたいと思います。
また 第17回統一地方選挙も、今回、合わせて方針提起をさせていただきますが、連続してのたたかいになります。引き続き、組合員・家族をはじめ多くの皆さんのご協力をお願い申し上げたいと思います。
以上、他にも主要な課題はございますが、時間の制約もあり意を尽くした内容とは言い難いと思いますが、お汲み取りをいただきますようお願いを申し上げ、挨拶といたします。ご静聴ありがとうございました。