雇用の維持拡大と格差・貧困社会解消に向けた特別決議(案)
 
 連合9月に公表した「失業者の暮らしと就職活動に関するアンケート調査結果」によると、失業者は非正規労働者だけではなく正社員が過半数を占めており、その生活や就職活動の実情は大変厳しいことが明らかになった。特に雇用問題は依然深刻であり、道内直近の完全失業率は5.4%、有効求人倍率は0.34倍、特に今秋から来春にかけての新規学卒者の就職内定率が低水準に推移しているなど予断を許さない状況となっている。
 一方で、不安定な雇用状況は労働者の非正規化を高め、「貧困率世界第2位」と評される格差社会を生み出してきている。道内においても雇用環境の悪化に加えて、道民所得は全国36位、生活保護費と地域最低賃金の乖離額36円が依然として解消されず、生活の厳しさが数字上でも明らかとなっている。
 
 連合北海道は、このような厳しい雇用・経済状況の中で、「効率と競争最優先の社会から公正と連帯の社会へと大きく舵を切るべき」との連合方針のもと、@構成産別や地域組織とともに、行政各機関や経営者団体等への働きかけや現地視察を含めた実態調査 A「北海道雇用創出推進会議」「北海道経済戦略会議」等々の場をフルに活用した新たな政策の提言 B政権交代を目指した政治闘争の構築など、全力で雇用安定と雇用創出の実現に向けた取組みを進めてきた。
 厳しい状況が故に、行政・経営者・労働組合は@雇用の維持拡大A労使の協力と協議B成果の公正な分配を柱とした「生産性三原則」の意義を今こそ共有化するとともに、すべての働く者が安心して働き続けられるための社会環境を整備しなければならない。
 こうした取組みの着実な積み重ねこそが、この危機を乗り越えていく力となり、「ディーセントワーク」と「労働を中心とした福祉型社会」の実現に向けた大きな推進力となると確信する。
 
 日本経済の牽引役として大きな可能性をもつ北海道は、道民の英知を結集して、景気浮揚・雇用拡大に向けたグランドデザインを描き、その政策実現に向けて一歩一歩取り組みを進めることが求められる。
 格差・貧困の解消、安心して働き暮らせる北海道を再生させるために、連合北海道を構成する産別・地域組織が全力を挙げて取り組みを展開することを誓い合おう。
 
 以上、ここに決議する。
 
2009年10月28日
連合北海道第22回定期大会