人間らしい仕事と生活の実現に向けた特別決議(案)
 
 
 昨年秋から続く経済危機は、世界中で深刻な雇用不安をもたらした。また、市場原理優先のグローバル化の中で、「労働の尊厳」の破壊、貧困層の増加、格差拡大、不安定雇用の増大等が進み、労働者から「人間らしい仕事と生活」を奪っている。
 
 日本においても雇用失業情勢は深刻度を増している。7月には過去最悪の失業率5.7%を記録し、8月の完全失業者数は361万人と10カ月連続で増加した。全雇用の3割以上を占める非正規労働者が最もその影響を受けており、働いていても生活保護水準以下の生活を強いられる若者も多い。他方、正規雇用を中心に、多くの労働者が長時間労働に身をすり減らし、健康も家庭生活も犠牲にする働き方を余儀なくされている。
 
 こうした状況から脱却し、公正で持続可能な新しいグローバル化を実現して働きがいのある人間らしい仕事を創出するため、国際労働組合総連合(ITUC)は、ディーセントワークの確立を柱に掲げた世界一斉行動の実施を呼びかけた。本日のこの集会は、この国際的な行動と連携して開催したものである。
 
 今、ディーセントで安心な働き方や雇用が保障される社会の実現は、世界全体にとって喫緊かつ中心的な課題である。
 本年6月のILO総会において、世界経済危機を克服するため、「グローバル・ジョブズ・パクト(仕事に関する世界協定)」が世界の政府・労働者・使用者によって採択された。また、米国ではオバマ政権が誕生し、労働者を最重視する政策を進めている。
日本も、国民の力で政権交代を果たした。流れは確実に変わりつつある。
 今こそ、新しい政権のもとで、正規雇用の拡大、非正規労働者の待遇改善、積極的な就労支援、「働く貧困層」の解消、均等待遇の実現、雇用・就労形態による格差是正、社会的セーフティネットの整備・拡充などに取り組み、すべての働く者にディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)が保障される社会を実現しよう。
 
 
2009年10月28日 
連合北海道第22回定期大会