第45回衆議院選挙のまとめ(案)
1.選挙情勢の特徴と結果
(1) 選挙情勢−政権選択を問う総選挙
@ 第45回衆議院選挙は、7月21日解散、8月18日公示、30日投開票の日程で、解散から40日間におよぶ長丁場で行われた。民主党を中心とする政権に交代させるのか、それとも自公政権を続けるのか、有権者の選択が最大の焦点に、戦後政治の大きな転換点となる総選挙であった。
A 昨年9月に総選挙の顔として首相に就任した麻生首相は、「総選挙は私の判断で行う」と言い続け、結局、ほとんど任期満了選挙に近い追い込まれ解散となった。しかも、自公与党は直前に行われた7月12日の東京都議会選挙で敗北、民主党に都議会第一党を奪われるなど、「チェンジ志向」が確実に広まっている中で行われた。民主党は「国民生活が第一」、暮らしのための政治の実現、そのため、政権交代を掲げて闘った。自民党は一年間の経済対策の実績を強調して政権選択よりも政策選択を主張、「日本を守る−責任力」をスローガンとした。
B 衆議院の解散以降、21世紀臨調はじめ7つの民間団体による、マニフェストの検証大会や、党首討論が行われたのも今回の選挙の特徴でもあった。しかし、次第に政権選択による政権交代が最大の焦点に、55年体制以降、初めて国民・有権者の投票によって政権与党と首相を交代させるという選挙になった。
(2)連合の基本姿勢と連合北海道の対応
@ 連合は、小泉構造改革でつくられた格差・二極化の拡大、ワークルールの破壊、不安と不信が蔓延する社会の是正にむけて、2006年10月以降「STOP!THE格差社会」キャンペーンに取り組んできた。この間、民主党とは「ともに生きる社会をめざす」宣言を結び、格差是正に向けた政策の実現を課題として取り組んだ2007年参議院選挙では与野党逆転を果たしてきた。
そして、今回のキャンペーンでは、総選挙での政権交代を最終目標として「今こそ、政治と政策の転換を!」をメイン・スローガンに、「ワークルールの実現」「180万人の雇用創出」「就労・生活支援などのセーフテイネットの整備」など重点政策を掲げ、闘いを進めてきた。
A 連合北海道においても、「STOP!THE格差社会」キャンペーン活動をすべての労働者の視点にたった社会運動として取り組んできた。全国に先駆けて「非正規労働センター」の開設、反貧困全道キャラバン行動、地域住民の生活に直結する医師不足の解消やへき地医療の問題、不採算地区病院や救急医療病院・診療所の問題、原油の暴騰による道民生活・経済・産業危機突破集会や要請行動、派遣切り−生活困窮者の再就職支援−さっぽろ駆け込み寺の開設、緊急雇用対策の現地調査・要請行動など、労働者、地域住民はもとより、消費者団体や経済・商工団体とも連携し、地域に根ざした顔の見える運動を展開してきた。
そうした地道な活動を繰り返しながら、連合結成以来の大きな目標である「労働を中心とした福祉型社会」の実現をめざして、「政権交代で日本が変わる!」を合い言葉に、衆議院選挙に組織の総力をあげて取り組んできた。
(3)選挙結果について
@ 民主党は全国の小選挙区で3,347万票(47.43%)余りを獲得して221議席(前107、元43、新36)、比例代表は2,984万票(42.41%)余りで87議席(比例復活43人、前5、元2、新36)、(比例単独44人前1、元7、新36)で単独過半数を上回る308議席に大躍進して政権交代を実現した。
A 北海道においても、民主党は12の小選挙区で192万票(57.68%)余りを獲得11議席(1区−横路孝弘、2区−三井辨雄、3区−荒井聰、4区−鉢呂吉雄、5区−小林千代美、6区−佐々木隆博、8区−逢坂誠二、9区−鳩山由紀夫、10区−小平忠正、11区−石川知裕、12区−松木謙公)、比例代表は134.8万票(40.55%)余りで4議席(比例復活 7区−仲野博子)、(比例単独 山崎摩耶、工藤仁美、山岡達丸)を獲得、小選挙区と比例代表あわせて15議席となり、改選前から4議席増となった。また、民主党との選挙協力で支援した新党大地が比例代表で1議席(鈴木宗男)を確保し、政権交代を求めて闘った野党勢力が圧勝した。
他方、自民党は小選挙区で1議席と比例復活で2議席、公明党は比例代表で1議席となり、全国的にも大幅に議席を減らし自公政権に終止符を打った。
2.連合北海道の取り組み経過について
(1)2007年11月「衆議院選挙の対応方針(その1)」決定以降の経過
@ 連合北海道は、連合本部の衆議院選挙にむけた対応方針をふまえ、第20回定期大会(2007年10月30日〜31日)において、次期衆議院選挙にむけて「解散総選挙に勝利し、政権交代をめざす」ことを決議した。この大会決議に基づいて、同年11月の第25回政治センター幹事会で「衆議院選挙への対応方針(その1)」を決定し、選対委員会の設置、民主党公認候補者の連合推薦手続きを開始した。
取り組みの基本は、民主党を基軸とする勢力が過半数を獲得し、自公政権からの政権交代を実現をめざして、
○ 小選挙区選挙は、民主党を基軸として取り組む
○ 比例代表選挙は、民主党の得票拡大による議席増をめざす
○ 野党の選挙協力については、政党間協議を尊重しつつ、慎重に対応を検討していく
以上、三点の基本方針を確認して、産別、地協・地区連合が一体となった選挙運動を展開することとした。
A また、民主党北海道、連合北海道、北海道農民政治力会議で「衆議院選挙対策合同選対本部」を設置し、北海道政策の策定、地域政策課題の調査、政策懇談会、ブロックオルグの実施、街宣行動、署名活動など、道民世論の形成・結集に努めていくこととした。
B その後、2008年6月の第38回地方委員会において、政局次第では秋の陣もあり得ることを想定しながら「衆議院選挙への対応方針(その2)」を決定した。本格的な闘争体制の確立、推薦候補者の周知活動、機関紙号外の発行、支持者獲得カードの配布、国会報告会・街宣行動など、選挙の準備体制に入ることとした。
C 7月30日には民主党小沢代表が全国行脚のスタートとして第26回政治センター幹事会に出席、国会情勢と民主党政策について意見交換を行った。小沢代表は、9月11日に開催した道民生活・経済・産業危機突破1万人集会にも出席、今こそ政権交代が必要であることを力強く訴えていただいた。
(2) 2008年9月「衆議院選挙の対応方針(その3)」以降の取り組み経過
@ 福田首相が洞爺湖サミット後の8月に内閣改造、その2日後に突然の首相辞任、総選挙の顔として麻生総裁を選出。臨時国会での冒頭解散、10月末投票を想定して、9月に開催した第39回地方委員会冒頭に連合推薦候補者の決意表明をいただき、改めて取り組みの基本方針を確認「衆議院選挙への対応方針(その3)」を決定した。
しかし、10月末の麻生総理の記者会見で「政局より景気対策が優先」と解散先送りとなったが、当面、準備体制を継続していくこととした。
A この間、民主党は、北海道から政権交代をめざし、野党間の選挙協力の協議を重ねてきた。11月7日には小沢代表が来道して、ローカル政党である新党大地と選挙協力を締結した。同時に、民主党と新党大地の選挙協力をサポートする形で、連合高木会長も同席「連合と新党大地の連携の強化についての協定」を締結した。
連合北海道は11月14日に緊急政治センター幹事会を開催、連合と「目的と政策・要求の一致」する政治勢力を最大限に結集をはかり、政権交代を実現していくという大儀をもって、共に力を合わせていく協定書の内容を確認した。
B また、12月には地方分権・行政改革をめぐる意見交換会を民主党国会議員団と行い、国の出先機関の扱い問題を組織論や行財政改革を優先することのないよう、国と地方のあり方をしっかり議論していくべきと意見反映を行ってきた。
(3) 2009年3月「衆議院選挙への対応方針(その4)」以降の経過
@ 1月5日に開会した第171通常国会では、政府提出の第2次補正予算案、2009年度予算案と関連予算案が審議された。しかし、新たな雇用創出や産業構造転換など、基本的な政策理念は全く無く、定額給付金に2兆円も投ずるなど、単なるバラマキに過ぎないものであった。それに加え、酩酊会見で辞任した財務大臣の進退劇などもあり、国民の支持を得ていない麻生政権の早期退陣と、すみやかに民意を問う解散・総選挙を求める声が次第に高まっていった。
A 連合北海道は、いずれにしても、臨戦態勢に切り替える用意をしつつ、2009春季生活闘争の取り組みと並行して組織態勢を強化していくこととした。
しかし、麻生内閣は、新年度予算成立後の4月27日に、総選挙を前にして、ひたすら規模にこだわった矛盾点の多い過去最大規模の新たな経済危機対策の補正予算を提出、補正予算関連法案や重要法案の成立を理由に会期を延長、解散の引き延ばしをはかった。
5月1日の第80回全道メーデーでは、早期解散と政権交代を求めて特別決議を採択、民主党小沢代表はじめ政党代表を招いて、国民生活を守れない麻生政権の早期退陣を世論に訴えた。
B この間、民主党は西松建設献金問題での小沢代表の辞任、鳩山代表の就任という代表の交代が行われた。
連合北海道は、鳩山代表による新体制のもとで、政権交代への求心力を回復しつつあるが、西松建設献金問題をめぐる道民世論の影響を注視しつつ、衆議院の任期満了を3ヶ月後に控えていることから、6月9日の第41回地方委員会で「衆議院選挙への対応方針(その5)」を決定、以降、直ちに総選挙に向けた臨戦態勢に切り替えていくこととした。
C 6月27日には道内の産業・経済・雇用・地域社会の再生にむけて「鳩山代表を励ます集い」を開催、7月9日には「明日に希望の持てる日本に再生していくために」をテーマに、連合高木会長のタウンミーテイングを開催し、ともに幅広い道民の参加を得て、各界・各層がお互いの立場を尊重しつつ、歴史の転換点に知恵と力を結集すべきであると訴えてきた。
D 「れんごうMONTHLY」の号外を改めて発行、連合本部発行の投票推進キャンペーン器材、政治活動マニュアル・政治研修会議事録の配布、民主党マニフェストの学習会など、組合員の総選挙への結集と選挙活動のコンプライアンスの徹底を促した。
E 麻生総理がイタリアで開催されたサミットから帰国した記者会見で8月18日公示、30日投票を表明した。連合北海道は7月22日の第9回執行委員会では、改めて、この間の経過と情勢、基本方針に基づく総選挙闘争の推進について「衆議院選挙への対応方針(その6)」を決定した。非正規労働者の代表として北海道ブロック比例代表選挙名簿に登載された工藤仁美さん(連合北海道地域ユニオン−札幌パートユニオン事務局長)の組織推薦を提起し、政権交代をかけた闘争体制に入ることとした。
3.選挙のまとめと今後の取り組み課題
(1) 今回の選挙の特徴と選挙結果
@ 道内における投票率を見ると、2000年が65.50%、2003年62.97%、であったが、2005年に71.05%となり、今回は73.65%と前回を上回るとともに、この2回の選挙は政権選択選挙として国民の関心を高めた結果といえる。道内の投票者数は、前回2005年の329.6万人を上回り339.2万人となった。
A 期日前投票は、全国で1,398万人と前回に比べ1.56倍の大幅増となった。道内においても、有権者の14%にあたる65万人で、前回衆院選の1.4倍にのぼり、国政選挙では過去最高となった。従来の不在者投票に比べ投票手続きが簡素化されたことや産別、地協・地区連合でも棄権防止・投票促進の取り組みの効果があったと見られる。この傾向は今後も高まることを予想した対応・対策が必要である。
B これまでの10年間の道内における比例代表の政党別得票を比較すると、民主党は着実に110万票を超える支持を得ており、今回は政権交代への期待を背に135万票余りの支持を得た。自民党は2005年の小泉郵政解散の選挙で94万票、今回はそれを下回る84万票余りと、道内においては長期的にみて民主党への支持が高まっている。
C 小選挙区の政党別得票の比較では、前回は民主145万票で8議席、自民は143万票4議席となったが、得票率では民主44.86%対自民44.36%とその差は0.5%、得票差は1.6万票であった。民主と自民の投票率は51対49と拮抗したが、獲得議席比では67対33、ダブルスコアとなっている。
今回は民主192万票で11議席、自民が120万票で僅か1議席、得票差は72万票とついた。得票率は民主57.68%対自民36.24%で、差は21.44%である。民主と自民の投票率は62対38だが、獲得議席比は92対8と、民主の圧倒となった。
D この2回の選挙を見る限り、全国的には1選挙区あたり2万〜2万5千票の差が大きな議席の差となっている。全国的な議席獲得数の上では、前回は自民が296議席を獲得して大勝、今回は民主が308議席と逆転している結果から、小選挙区制度の選挙では、今後もこうした結果が起こりうることを想定する必要がある。
(2) STOP!THE格差社会キャンペーンの取り組み
@ 2006年秋以降、地道にSTOP!THE格差社会キャンペーンの取り組みを行ってきたが、2007年夏の第21回参議院選挙での与野党逆転、そして、今回の歴史的な政権交代に結びついたものと考える。
A 地方分権・行財政改革のもとで地方切り捨て・地方自治体財政の悪化、倫理無き市場原理主義の横行で働くルールの崩壊、労働の尊厳も失われ、医療・介護・福祉の分野まで弱者切り捨ての政治に、地域住民とともに地域医療の確立にむけた取り組みや反貧困キャラバン、道民生活・経済・産業危機突破にむけた取り組み、緊急雇用対策の取り組みなど、今こそ、政治と政策の転換が必要であると訴えてきた。そのことが有権者の政治への関心を高め、投票率の向上となり、政権交代を実現させる原動力となったものといえる。
今後ともナショナルセンター・ローカルセンター連合北海道の使命として、地域課題を政策に訴え、地域に根ざした顔の見える連合運動に邁進していかなければならない。
(3) 有権者の政治意識の動向
@ 2005年の選挙で小泉首相は「郵政民営化」は改革の本丸と言いながら、規制緩和と官業から民営化による「小さな政府」を標榜し、市場原理主義による日本経済の再生のシナリオを公約して国民の多くの支持を集めて大勝した。その後、改革路線は安倍首相、福田首相で徐々に修正が行われた。
しかも福田首相は内閣改造後に突然の辞任、自民党総裁選で選ばれた麻生首相の下で臨時国会冒頭に解散が行われるものと誰もが思っていた。しかし、麻生首相は「未曾有の経済危機」を理由に経済対策を優先し解散を引き延ばしてきた。それは国民の解散の期待への裏切りでもあった。
A そればかりか「自分は郵政民営化にはそもそも反対であった」と表明、小泉改革路線そのものが否定されるに至った。
そして国民の多くは官僚政治の復活を感じとった。さらに、前回の選挙で小泉改革を支持した結果、格差の拡大、地方の地域崩壊、非正規労働者の拡大という深刻な社会問題を生み出したことに国民が気づいていった。
B こうした麻生首相への不支持の拡大とともに、自民党政治への不満が、「政権交代」を求める国民・有権者の意思は日を追うごとに明確となった。国民の怒りが政権交代への期待となって、民主党マニフェストへ高い関心を集め、期日前投票・投票日の投票行動となって現れたものといえる。
(4)自民党による労働組合攻撃
@ 選挙戦では、ここ数回の国政選挙と同様、自民党による連合・労働組合攻撃が行われてきた。「職員団体の活動に対する国家公務員を含む規律の確保」の総務省事務次官通達にまでに至った、所謂「ヤミ専従」問題。選挙期間中の自民党による民主党の政策批判とともに、支援団体である労働組合攻撃が執拗に行われた。
A 連合選対本部は、まじめな政策批判については反論の資料を発信したが、いわゆる労働組合攻撃については、関知することなく、正々堂々と連合の政策を訴えることで、毅然とした姿勢を貫いてきた。
4.今回の選挙を振り返り、今後の課題について
(1) 衆議院選挙の結果と今後の課題
@ 今回の衆議院選挙で、連合結成以来の大きな目標であった「政権交代」を実現することができた。しかし、民主党を支援してきた連合も国民・有権者も、今回の政権交代が単に自民党から民主党に交代することのみを求めたのではない。官僚主導の中央集権から地方主体の分権社会への転換、格差を是正し、安心して暮らせる公正な社会をつくっていく政治を国民の手に取り戻すためにある。
A 官僚主導の自公政治に終止符を打ち、透明で公正な政治システムとして定着、発展させ、日本の政治を政権交代を可能とする政治体制へと転換することを求めた。そして政策の基調は、労働者、生活者を中心におく政権の実現というところにある。こうした政治体制への転換の実現は、今後の新政権ばかりか、連合にとっても課題であるといえる。
労働者と国民を代表する社会の公器たる連合は、これまで主張してきたことが国民から付託されたという重みを自覚して、民主党とより一層の連携を深めつつ、国民合意形成に基づく社会改革、まじめに働く者が報われる社会の実現に、労働運動の立場からの役割を、これまで以上に果たしていかなければならない。
(2) 政策実現のとりくみ課題
@ 2005年の第44回衆議院選挙で小泉改革を支持した国民・有権者は、今度は民主党を中心とする野党勢力に政権を委ねた形になった。このことは連合の政治方針である「政権交代のある政治体制」の実現に大きく前進したことを意味する。その意味で新政権の発足の一翼を担った連合の責任は大きいことを自覚しなければならない。
連合は選挙にあたって、民主党と政策協定を締結して取り組んだ。今後、連合は自らの政策を深めるとともに、民主党との一層の連携で、その実現にむけた努力が求められる。同時に、世論喚起をはかり、国民的合意形成に努めつつ、透明性をもって、政権ならびに政権与党との政策協議に臨むことが寛容である。
A 政権交代が行われたからといって、連合が掲げる政策がすぐに実現するわけではない。今後、充分な政策協議を通じて合意づくりに努めていかなければならない。
そのため、第一に推薦・友好議員で構成する連合北海道国会議員団会議との有効な信頼関係を築いていく必要がある。第二に連合や北海道が抱える政策課題を実現するため、政権与党の地方組織である民主党北海道との政策協議や道議会・地方議会との連携で国会対策の強化が求められる。第三には新政権にとって、2010年の参議院選挙で与野党逆転を許せば、政局は再び混迷する。新政権の安定・定着にむけて参議院選挙の取り組み強化が求められる。
(3) これからの選挙戦略の課題
@ 今回の選挙で民主党は北海道から政権交代の流れをつくるため、ローカル政党である新党大地と選挙協力を行ってきた。小選挙区では国民新党の支持母体である比例代表で新党大地を推す郵政研の大きな支援を受けた。一方で、比例代表では民主か自民の二大政党の政権選択に少数政党の埋没感から、民主基軸の基本方針を堅持しつつ、選挙戦略として民主党と新党大地の選挙協力をサポートしてきた。
民主党は小選挙区で自民党の3強といわれてきた牙城を崩し、11勝と圧勝したものの惜しくも完勝を逃した。しかし、比例代表では民主党が4議席、新党大地が1議席を確保し、衆院選の道内20議席で、両党あわせて16議席を占める歴史的圧勝を果たした。
A しかしながら、今回の取り組みをふまえて、政党間での選挙協力と支援組織の連携、選挙区間での対応のバラツキ、政党と地域組織の強化や地方議員の課題、情報収集や選挙戦術、連合・労働組合におけるサポートのあり方など、課題も多く指摘される。
今後、来年の参議院選挙、さらには2011年の統一地方選挙の道政奪還にむけた知事選・道議選を取り組むにあたって、選挙協力のあり方について検討が求められる。
(4) 政治活動強化の課題
@政治活動を強化するためには、それを担うリーダーの育成が欠かせない。特に選挙活動のコンプライアンスの徹底を基本に、選挙ルール・公選法の学習活動など、構成産別、地協・地区連合のリーダーを中心に繰り返しの研修が必要である。
A また、連合推薦の国会議員・地方議員との日常活動における連携など、職場・地域での政治活動の強化にむけた課題、選挙戦で大きな組織力を発揮してきた支持者獲得運動では産別間で温度差が見られる課題など、今後、改善・克服すべき課題も多い。
以 上
第45回衆議院選挙結果
【小選挙区】
|
政党名 |
候補者名 |
得票数 |
|
政党名 |
候補者名 |
得票数 |
1
区
|
民主党 |
横路 孝弘 |
183,216 |
7
区 |
民主党 |
仲野 博子 |
99,236 |
自民党 |
長谷川 岳 |
124,343 |
自民党 |
伊東 良孝 |
100,150 |
共産党 |
松井 秀明 |
25,803 |
幸福実現党 |
金成 幸子 |
2,131 |
幸福実現党 |
高元 和枝 |
4,083 |
8
区
|
民主党 |
逢坂 誠二 |
171,114 |
2
区
|
民主党 |
三井 辨雄 |
165,267 |
自民党 |
福島啓史郎 |
58,046 |
自民党 |
吉川 貴盛 |
93,870 |
無所属 |
佐藤 健治 |
40,090 |
共産党 |
岡 千陽 |
27,580 |
幸福実現党 |
西野 晃 |
4,075 |
社民党 |
本田 由美 |
14,311 |
9
区
|
民主党 |
鳩山由紀夫 |
201,461 |
幸福実現党 |
山本 志美 |
3,782 |
自民党 |
川畑 悟 |
79,116 |
3
区 |
民主党 |
荒井 聰 |
186,081 |
共産党 |
佐藤 昭子 |
20,286 |
自民党 |
石崎 岳 |
112,844 |
幸福実現党 |
里村 英一 |
2,735 |
幸福実現党 |
森山 佳則 |
6,723 |
10
区 |
民主党 |
小平 忠正 |
159,473 |
4
区 |
民主党 |
鉢呂 吉雄 |
149,697 |
自民党 |
飯島 夕雁 |
89,287 |
自民党 |
宮本 融 |
75,029 |
幸福実現党 |
大林 誠 |
6,114 |
幸福実現党 |
鶴見 俊蔵 |
3,923 |
11
区 |
民主党 |
石川 知裕 |
118,655 |
5
区 |
民主党 |
小林千代美 |
182,952 |
自民党 |
中川 昭一 |
89,818 |
自民党 |
町村 信孝 |
151,448 |
共産党 |
渡辺 紫 |
11,140 |
幸福実現党 |
畑野 泰紀 |
5,380 |
12
区 |
民主党 |
松木 謙公 |
127,166 |
6
区
|
民主党 |
佐々木隆博 |
175,879 |
自民党 |
武部 勤 |
112,690 |
自民党 |
今津 寛 |
119,964 |
幸福実現党 |
笠松 長麿 |
2,763 |
共産党 |
荻生 和敏 |
17,884 |
|
幸福実現党 |
武田 慎一 |
3,554 |
【比例区】
政党名 |
得票数 |
議席数 |
備考 |
民主党 |
1,348,318 |
4 |
仲野 博子・山崎 摩耶・山岡 達丸・工藤 仁美 |
自民党 |
805,895 |
2 |
武部 勤・町村 信孝 |
新党大地 |
433,122 |
1 |
鈴木 宗男 |
公明党 |
354,886 |
1 |
稲津 久 |
共産党 |
341,345 |
― |
|
社民党 |
113,562 |
― |
|
幸福実現党 |
20,276 |
― |
|
新党本質 |
7,399 |
― |
|