その8
平和と軍縮、人権、食、環境など、
共感を呼ぶ国民・道民運動の推進
 
 
1.核兵器廃絶・平和・軍縮の取り組み
(1)核兵器廃絶への取り組み
@ 核兵器の廃絶については、連合北海道・原水禁北海道・北海道核禁会議の3団体一致している方針であり、国是である非核三原則を今後とも堅持する取り組みを進めます。
A あらゆる国の核実験および臨界前核実験に反対し、実施された時には抗議の取り組みを実施します。
B 道内の各市町村における非核平和都市宣言採択については、未採択の自治体に採択を働きかけることとし、市町村合併した場合には新たな採択が必要となることから、非核自治体宣言を決議する自治体が減少することのないよう取り組みを求めていきます。
C 2010年核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた1,000万人署名活動・議会採択などのキャンペーンに統一行動として取り組んでいきます。
D 「平和行動 in 広島・長崎」での平和行動については、中央3団体(連合・原水禁・核禁会議)の統一大会開催を踏まえ、連合本部に対して統一行事の継続・拡大などを求めるとともに、北海道統一団としての参加結果をもとに、原水禁北海道・北海道核禁会議と協議し、募集の完全一本化の統一団参加方法を検討していきます。
 
(2)軍縮への取り組み
@ 北海道の矢臼別演習場を含む国内5箇所で分散実施されている在沖縄米軍の実弾移転演習および米軍再編に伴う在日米軍の再編に関する在沖縄海兵隊の一部本土分散移転は、沖縄の基地負担軽減のためとされています。
  しかし、「在日米軍の整理・縮小」に結びつくものではなく、むしろ「危険の地方分散・拡大・固定化」となっていることから引き続き関係政党や市民団体と連携して反対する取り組みを行ないます。
A 沖縄に代表される米軍基地負担軽減の妨げともなっている「日米地位協定」の抜本的な改定に向け、連合本部の改定案をもとに取り組みを求めていきます。
B 在日米軍再編問題に関わる沖縄県嘉手納基地におけるF15戦闘機訓練の千歳基地への訓練移転問題については、引き続き「F15戦闘機訓練千歳基地移転問題対策会議」で協議し、反対の立場で具体的に取り組みを行います。
C 1997年の新ガイドライン以降、「友好・親善」との名目で頻繁に訪れる核搭載疑惑のある軍艦の寄港及び軍用機の空港の利用に対し、地元と連携し反対行動に取り組んでいきます。
D 新テロ対策特別措置法の延長(2010年1月15日)には引き続き反対していきます。連合北海道は、国連を中心とする国際社会がテロの根絶をめざす闘いの中で、日本の果たすべき役割については、軍事以外の活動を最重視して取り組むべきものと考えています。今後の対応については、情報公開・文民統制・憲法との整合性を基本に考えて取り組んでいきます。
 
(3)平和への取り組み
@ 「平和行動 in沖縄」に積極的に参加するとともに、独自企画による「沖縄地上戦」「米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の抜本見直し」などの現地学習会を開催し、戦争の悲惨さを風化させない取り組みを行ないます。
A 独立行政法人「北方領土問題対策協会」(略称:北対協)主催の「ビザなし交流」は、当該の地方連合会として北方領土返還運動の意義など、学習を深めるため参加する方向で検討し、「平和行動 in根室」についても積極的に参加します。
B 12月8日(開戦日)、8月15日(敗戦日)については、「平和憲法擁護と戦争体験の風化防止に努め、平和行事として取り組む」ため、市民団体と連携協議しながら参加・企画の方途を組織・財政特別委員会において検討します。
C 「全道戦没者遺族大会」への知事出席については、宗教的色彩が強いことは明白であり、憲法が定める政教分離の原則に反する疑いが極めて高いことから、知事出席に反対要請・打電行動などの取り組みを進めるとともに、「遺族会」と「遺族」を区別し「北海道戦没者追悼式(例年9月 道立総合体育センターで開催)」での知事感謝状の贈呈など、政治と宗教との関係がない場所での表彰を求めていきます。
 
 
2.憲法への取り組み
(1) 日本国憲法の三大原則「平和主義」「主権在民」「基本的人権の尊重」を基本姿勢として、取り組みを進めます。国の基本政策に関する課題については、「国の基本政策に関する連合の見解(案)」の取り扱いに基づき、現行政治方針(1999年の第6回大会と2003年の第8回大会で決定)に沿って取り組むこととします。
(2) 憲法論議については、2003年7月開催の第19回国の基本政策検討作業委員会(中間報告)において「憲法制定時に想定しえなかった問題については個別法制化していく」こととなっていることからこの基本方針で対応していきます。
(3) 憲法改正に必要な手続きである、国民投票に関して規定する国民投票法などについての学習を開催いたします。
 
 
3.ゆたかな教育をめざす取り組み
(1) 経済協力開発機構(OECD)が発表した教育分野における国際比較において、日本は2006年国内総生産(GDP)に占める教育費の公財政支出割合が3.3%(平均4.9%)と28か国中下から2番目となっており、今後の政府動向を注視しながら教育格差是正、教育予算の拡充に取り組んでいきます。
(2) 「日の丸・君が代」については、「義務化・強制」には反対との立場であり、1999年の連合北海道組織・財政特別委員会第2回全体会議では、「今後、日の丸・君が代の教育や官公庁・自治体職場での強制が予想されます。それに対する、反対運動、教職員、自治体職員等の処分に対する連合の対応について検討する必要がある」としています。今後も、論議を重ねながら具体的取り組みを行う必要があり、教育現場に混乱を持ち込むような強制に対して歯止めをかける取り組みを行ないます。
(3) 「連合北海道 教育を考える対策委員会」を定期的に開催し、子どもを取り巻く環境、教職員の職場実態、法令・省令・制度について学習し、教育課題を社会全体の課題としてとらえて、各産別間の相互理解が図られるよう取り組んでいきます。
(4) 道教委の「新たな高校教育に関する指針」については、高校の統廃合・再編を一層加速させるとともに、差別・選別を進め、高校間格差を拡大させることになることから再考を求める取り組みを行ないます。
(5) 「私学助成の増額」「義務教育費国庫負担制度の2分の1に復元」「30人以下学級の実現」などの実現に向け、署名・集会・議会採択運動などに取り組みます。
 
 
4.食の安心・安全、環境問題と循環型社会の実現を求める取り組み
(1)食の安心への取り組み
@ WTO農業交渉・日豪EPA(経済連携協定)交渉および東南アジア諸国連合(ASEAN)との自由貿易協定(FTA)については、本道の農業・農村をはじめ地域経済や雇用に影響を与えないよう「食・みどり・水を守る道民の会」とも連携を図り、産別および連合以外の諸団体にも積極的に働きかけて取り組んでいきます。
A 食料・森林・水資源や環境問題等、生活に係わる諸問題について取り組む「食・みどり・水を守る道民の会」へ全産別の参加を呼びかけるとともに、消費者団体やNPOにも参加を呼びかけ、生産者と消費者を結びつける体制に取り組みます。
B 地域における「労・農・市民組織」の現状把握と課題を整理し、未設置の地域においては設立を働きかけ、「食・みどり・水を守る道民の会」と地域の運動が連動することが出来るよう、体制を整備し取り組みを強化します。
C 食料自給率の向上および持続可能な本道農業・農村を築いていくため、消費者と生産者との信頼関係の構築と「食」・「環境」・「人」・「地域」といった多面的な視点からも活動に取り組みます。
D 食料基地としての北海道の未来に確信の持てる農業を目指し、北海道農民連盟との連携を強めていきます。また、北海道農業・漁業を守るためにも、道産作物の地場消費が重要であり、「地産地消」運動を積極的に取り組みます。
 
(2)食の安全への取り組み
@ 生産現場から食卓まで責任ある体制の整備を求め、食の安全・安心を追及します。BSE対策については、検査基準の緩和を認めず、全頭検査の堅持など対策の徹底を求めていきます。また、米国産牛肉については、日本と同様の検査体制を求め、安全が確保されない輸入や月齢基準の緩和について反対します。
A 遺伝子組み換え作物は、消費者・生産者の多くが、種子汚染や環境への影響に対して強い不安感を抱いており、道の「遺伝子組み換え作物の栽培に関する条例」に基づく厳格な管理と十分な情報公開を求めるとともに、遺伝子組み換え食品の表示について消費者が十分にわかりやすいものとなるよう改善を求めていきます。
B 産地や製造日、賞味期限などの偽装表示が相次ぎ発覚し、食の安全・安心に対する信頼が揺らいでおり、品質管理の徹底と偽装を許さない管理体制を求めていきます。
 
(3)環境問題と循環型社会の実現への取り組み
@ 水利用のあり方と自然環境の保全、健全な水循環を確立するために、水を公共財として位置付けた「水基本法」(仮称)の制定に努めます。
A 環境保全のために、持続可能な林業経営に向けて、道や各自治体に道産材の普及と林業活性化を求めていきます。また、林業活性化議員連盟との連携を強めると共に、間伐材を使ったクラフトの普及などに取り組みます。
B 「植樹祭」については、2004年の台風18号による倒木被害跡地である「支笏湖周辺の国有林内」において、2005年より実施しています。今後も「連合の森」づくりのための植樹等、環境との深まりをもてる取り組みとして進めていきます。
C 温暖化や砂漠化、大気汚染と酸性雨問題、増え続ける廃棄物や環境ホルモン(内分泌かく乱物質)など、環境問題は極めて多岐にわたっています。
  連合エコライフ21運動による、「環境にやさしい10の生活+αの実践」と地域運動としての理解を求める取り組みを進めます。
D 循環型社会の形成に向けて、発生抑制(リデュース)・再使用(リユース)・再利用(リサイクル)の「3R」の実施に向けて家庭・職場・地域で取り組みます。
 
 
5.アイヌ政策への取り組み
(1) 国連において先住民族の権利宣言を2年前に採択し、その後、アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議を昨年6月の国会において全会一致で採択されました。また、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が今年7月に報告書を提出したことを受けて内閣官房にアイヌ民族政策を統括する機関を設置し、生活実態調査などに取り組むこととしています。
(2) 北海道にも多くのアイヌの人々が居住しており、アイヌ民族の歴史・文化・生活を学ぶ講演会を開催いたします。
 
 
6.人権・共生の社会づくり、社会連帯への取り組み 
(1)人権・共生の社会づくりへの取り組み
@ DPI北海道ブロック会議【MEMO】と連携し、障がい者差別禁止法・障がい者権利条約の批准に向けた国内法の整備やノーマライゼーションの社会づくり、バリア・フリーの実現、および障がい当事者主体の「障害者自立支援法」改正などの取り組みを進めます。
A 北朝鮮による日本人拉致事件は、重大なる人権侵害であり、わが国の主権を侵害した国家犯罪です。政府は、毅然たる態度で問題の解決をはかるべきであり、拉致問題の解決無くして国交正常化は無いとの決意と働きかけを求めていきます。また、在日朝鮮人や朝鮮人学生に対するイジメなどの問題については、人権擁護の立場で立ち取り組んでいきます。
 
【MEMO】
DPI北海道ブロック会議/DPIは、Disabled Peoples International(障害者インターナショナル)の略
 1981年、国際障害者年を機に身体、知的、精神など、障害の種別を超えて自らの声をもって活動する障害当事者団体として設立されました。4年に一度、世界会議を開催しており、日本では2002年10月に札幌で第6回DPI世界会議札幌大会が初めて開催されました。「DPI北海道ブロック会議」は、この札幌大会を契機に、DPI日本会議初の地方組織として、札幌大会が行なわれた1年後の2003年10月に発足しました。
 
(2)社会連帯への取り組み
@ 様々な市民団体やNPOとの連携のあり方については、執行委員会で確認して諸活動を展開してまいります。
A 連合発足当時からの労働組合の原則ともいうべき、「友愛」と「連帯」の基本でもある「連合愛のカンパ」は産別タテで取り組んでおり、連合北海道としては、直加盟組織に対し、積極的に取り組みを働きかけます。また、難病による緊急・渡航手術などの人道カンパ、また台風・地震などによる自然災害カンパについては、産別・地域の支援要請、連合本部の動向を踏まえ執行委員会で確認して取り組むこととします。
B 「連合北海道ボランティア・サポートセンター」は、2009年度で4年目を迎えており、より充実した講座・実践を積み重ねるとともに、既受講者へのフォローアップ研修を実施します。今後は、既受講者による自主運営、地協への講座の拡大、社会貢献活動について検討していきます。
C 2008年5月からペットボトルのキャップを回収するエコキャップ運動を開始し、広く浸透しつつあります。今後も売却益で世界の子どもにワクチンを届け、子どもたちの命を救う運動に取り組みます。
D 飢餓と貧困への支援として実施されてきた「アジア・アフリカ支援米運動」は、飢餓と貧困が最大の人権侵害・人間への脅威であるという視点に立ち今後とも取り組んでいきます。また、支援米を送るだけではなく、根本的な飢餓と貧困の解消に向け、植林や灌漑施設の整備や農業教育など将来への支援のためにアジア・アフリカ地域で活動するNGOとの連携を図り、根本的な飢餓・貧困等の解消に向けた活動を支援する取り組みを実施します。
 
 
7.全道メーデーの開催
@ 第81回全道メーデーについては、引き続き5月1日に開催することとし、内容については全道メーデー実行委員会などで協議していくこととします。今後の全道メーデーのあり方・実施日・具体的内容については、道民運動推進委員会で検討します。
A メーデータオルの組合員からの図案募集の周知徹底をはかり、全道メーデーへの理解と参加の取り組みを強めます。
B メーデーを国民の祝日とするよう、本部と連携して世論喚起などの活動に取り組みます。