その1
組織拡大を積極的に推進するとともに
働く者の連帯をめざす労働組合づくり
 
1.働く者の連帯をめざし、すべての職場に労働組合を
@ 「尊厳ある労働(ディーセントワーク)」の実現、ワークルールの確立に向け、組織拡大を通じた集団的労使関係の構築を連合運動の最重点課題として取り組みます。産別・地協・地区連合と一体となって、パート、有期契約、請負、派遣労働者、中小・地場労働者と連帯し職場での労働組合づくり運動に取り組みます。
A 各産別は組織拡大体制を強化し、同業種未組織企業・未加盟組合の組織化に取り組むとともに、系列・関連会社の労働組合づくりに積極的に取り組みます。さらに、単組の直接雇用非正規労働者の組織化を支援し、組合員範囲の労働協約の改定などを通じて組織拡大に取り組みます。
B 全国では企業規模100人未満で働く民間の労働者が、全雇用者数の半数近い約2,500万人にも昇っています。しかし、その組合員数は27万人・組織率は1.1%にとどまっています。北海道でも企業規模100人未満の組合員数は15,864人にとどまっています。(厚生労働省:平成20年労働組合基礎調査結果)
 現在13地協に約3,100名の地域ユニオン組合員が組織化されていますが、産別・地協と連携し中小・地場の労働者の組織化に取り組みます。特に労働相談が増加していることから地協との連携を図りながら組織化に取り組みます。合わせて、直加盟組合の地域ユニオンへの移行にも取り組みます。
C 第56回中央委員会(2009年12月3日)で確認される「組合づくりアクションプラン(2010〜2011)」の拡大目標に基づき組織拡大に取り組みます。具体的には組織拡大特別委員会で確認し、構成組織・地協・地区連合が一体となって取り組んでいきます。
D 民事再生・倒産・解雇などに対する支援活動を通じながら、労働組合の重要性、連合北海道の社会的役割を発揮します。また、春闘課題や北海道・地域課題、労働者の待遇改善などを訴えながら、通年的なオルグ体制を実施し、未組織企業の組織化や産別結集を図っていきます。
E組織拡大運動推進のため、連合本部が提起する全国キャンペーンを産別・地協・地区連合一体となって取り組みます。
 
2.人材育成と労働者教育の強化について
@ 全国の労働基準監督署への平成20年度の総合労働相談件数は、前年比7.8%増の107万5,021件に上っています。(北海道36,747件)また、連合北海道への相談者数も1,699人(相談項目件数 2,562件)に上っています。
 また、連合総研が2009年4月に実施した「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート」結果は、「労働組合は必要か」の回答状況は「是非必要」23.1%「どちらかといえばあった方がよい」46.3%と7割近くが労働組合の必要性を是とする回答を示し、より一層の組織化・強化拡大の取り組みが重要であることが明らかとなっています。
A 急増する労働相談と労働者の権利の低認知度は相関関係にあり、単なる対処療法、弥縫策では解消できません。働く価値と働く者の権利を知ることは、特に若年層にとって重要であり、中学・高校・大学等などにおいて積極的に取り組む必要があります。
B 連合北海道は2007年10月に設立認可されたNPO法人「職場の権利教育ネットワーク」と連携し、a)就職担当教職員に対する研修 b)就職内定者に対する講習の実施など権利学習、トラブル解決法の理解促進につとめます。
C 組織拡大のオルガナイザーを育成するユニオンスクールについては、NPO法人「職場の権利教育ネットワーク」と連携し、継続実施することとします。参加者には青年委員会・女性委員会からの参加も求め、リーダー育成を図ります。
D 組織拡大行動・オルグ活動について意見交換・連携と情報共有を図るため、産別組織拡大担当者会議を開催します。産別組織拡大担当者・連合北海道オルガナイザーによるオルガナイザー会議も引き続き継続します。
 
 
3.資本系列・関連企業・委託先の組織化について
@ 各企業は競争力を拡大するため、企業合併とあわせてコア部分の業務を分社化するなど会社組織を再編していますが、労働組合の組織化が立ち遅れ、組織率の低下を招いています。
 また、官公庁においては地方財政危機を背景に、公務員の労働条件の引き下げ提案と合わせて事業の民間委託、指定管理者制度【MEMO】の導入を図ってきていますが、この分野でも組織化の取り組みが遅れています。
A こうした現状を踏まえ連合北海道としては、各産別の組織化対象リストに、同一資本系列・連結決算対象企業や、委託先企業等の組織化を最優先とするよう求めるとともに、組織化事例研修会を開催するなど組織拡大を支援します。
 
【MEMO】
指定管理者制度/それまで地方公共団体や外郭団体に限定していた公の施設の管理・運営を、株式会社をはじめとした営利企業・財団法人・NPO法人・市民グループなど法人その他の団体に包括的に代行させることができる(行政処分であり委託ではない)制度。
 「公の施設」にはいわゆるハコモノの施設だけでなく、道路、水道や公園等も含まれるとされており、地方自治法の一部改正で2003年6月13日公布、同年9月2日に施行されました。小泉内閣発足後の日本において急速に進行した「公営組織の法人化・民営化」の一環とみなすことができます。