その11
共助の活動を支える労働者自主福祉運動
の拡大・充実に取り組みます。
【取り組みの総括と課題】
@ 連合北海道は、05年8月の4団体合意(連合・労福協・労金・全労済の勤労者の暮らし全般にかかわるサポート事業の具体化)に基づき、06年11月より道労福協、労金、全労済、住宅生協、医療生協とともに勤労者ライフサポートセンター設置に向けて、「勤労者ライフサポートセンター検討委員会」で検討を続けてきました。その結果、2008年3月24日、「勤労者ライフサポートセンター設置のための基本構想」及び「設置指針」がまとめられ、ライフサポートセンターをモデル的に先行設置することを決定しました。そして、本年10月、キーステーションを道労福協とし、道内4ブロックにサテライト(石狩;札幌、道北;旭川、道南;函館、道東;帯広)を設置し、ワンストップで勤労者の生活全般をサポートする事業の取り組みを開始しました。
A 労働金庫運動では、各産別が共通運動課題の「総合口座一人一冊運動プラスα」や、財形貯蓄やカードローンの賢い利用方法の学習会など、組合員の財産形成や生活改善運動に取り組み、着実な成果を上げています。また、退職金獲得運動では、産別・単組の協力によって目標を大きく上回りました。特に、今年度は、原油が高騰するなか家庭用燃料等の購入のための低利融資制度を創設するとともに「木の城たいせつ」の倒産に対応(労働債権確保)し、生活支援融資を行うなど労金と連携した取り組みを行いました。
引き続き、組合員に対し、融資商品の利用拡大や多重債務問題への対応、生涯取引の推進など、学習・啓蒙活動を強めていきます。
B 全労済運動では、06年5月に再構築した「労済運動推進会議」を軸に3つの重点共済「こくみん・自賠責・終身医療」の加入拡大にむけ、ブロック・産別毎に運動目標を掲げ取り組みました。その結果、自賠責共済は運動目標を達成し大きく躍進しました。しかし、「こくみん共済」「終身医療共済」は目標未達という結果となりましたが、経済環境に鑑みると労済運動推進会議の役割は評価できるものでした。
地域横断型の見舞金制度である「連合スクラム共済」は、06年度で加入者総数が5万人を割り込み、今年度も、減少傾向に歯止めが掛かりませんでした。地域連帯活動の強化、制度の趣旨について理解を広げていく必要があります。加入者ピーク時の「7万人回帰」を掲げ、運動を推進していくこととしました。
C 住宅生協運動では、産別・地協の利用拡大運動の強化もあって、再建3カ年計画の2年目も初年度に続き単年度収支黒字決算が出来ました。いま、住宅建設業界全般が厳しい環境にあります。引き続き、新築・注文住宅をはじめ、マイホームの建て替え・リフォームの顧客獲得にむけた産別、地協のバックアップ体制が必要となっています。
D 医療生協運動では、生協組合員の拡大、出資金が増額しました。また、緑愛病院では「健康管理センター」「職業病センター」「肝臓センター」など新たな事業展開や専門医の配置により入院・外来患者が大幅に増加し「中期経営ビジョン・5カ年計画」が堅調に推進されています。メタボリック外来、睡眠時無呼吸外来が開始され、健康診断の受診など産別・単組の利用拡大を進めていきます。 |
【重点課題】
1.勤労者ライフサポートセンターの具体化
取り組みの総括と課題で記載した通り、「北海道ライフサポートセンター」を道内4ブロックに先行設置しましたが、様々な課題を克服し、「公助」「自助」「共助」の視点にたち、新たな社会連帯活動として、この取り組みを着実に進めます。
当面は、3年間程度のモデル的取り組みを行い、その検証のうえで次なる方向について労福協とともに協議検討します。
道央/札幌市(札幌地区連合)
道南/函館市(渡島地協)
道東/帯広市(十勝地協)
道北/旭川市(上川地協)
2.自主福祉運動の強化
@ 近年、国の「財政再建」を理由に生活のセーフテイネットである年金や医療などの公的福祉が後退し、生活の不安が拡大し、また、無権利な非正規労働者が職場で増え続けています。こうしたことから労働者の相互扶助の原点である労働者自主福祉運動の拡大・充実はますます重要です。
労福協が中心となって主催する、労働者自主福祉運動研究会、青年層を中心とするウエルフエアースクール、退職後の生活設計のための退職準備セミナーなどに積極的な参加を呼び掛けていきます。
A 労金、全労済、住宅生協、医療生協などの運動の推進にむけ、労働福祉対策特別委員会を春と秋の年2回定期的に開催し、産別・地協での具体的な運動推進を図ります。
【継続課題】
1.労働金庫運動の推進
@ 団塊世代の退職者への対応
○退職者専用特別定期預金、年金受取型預金、年金定期、預かり資産商品(国債・投資信託)などを受け皿とする退職金の労金への結集運動の強化
A 生活改善運動の推進
○労金メイン化運動の柱である「総合口座一人一冊運動プラスα」の取り組み
○非正規社員の組合員に対する融資利用の拡大
○若年層に対し、「総合口座一人一冊運動プラスα」、財形加入促進
2.全労済運動の推進
@ 2008年度の重点共済を設定し、北海道労済運動推進会議を軸に運動を推進します。
○こくみん共済(含む「終身医療」) 新規獲得 2,500件
○自賠責共済 新規獲得 1,000件
○火災共済・自然災害共済 新規獲得(火災共済 3,000件 自然災害共済2,500件)
A 連合スクラム共済の制度趣旨である「地域連帯活動の強化」にむけ、組織財政特別委員会の検討結果を踏まえ、「7万人回帰」に取り組みます。取り組みにあたっては、スクラム共済推進会議(仮称)を設置するとともに産別毎の目標を設定します。
B 団塊世代の退職者対策として労福協と連携し、「退職者セミナー」等の開催を産別に働きかけます。
3.住宅生協運動の推進
@ 経営再建3カ年計画の達成に向け、新築・注文住宅、リフォーム、不動産仲介など、住宅生協の安心・安全・信頼の技術と情報を提供し、産別・単組、地協・地区連合における顧客獲得に取り組みます。
A 「住宅生協の家づくりとJSP外断熱工法」、「介護リフォームのすすめ」、「住まいの健康診断」など、「住宅生協を知ってもらう運動」を推進ます。
4.医療生協運動の推進
@ 緑愛病院は昨年4月から職業病センターを開設しました。従来の振動病、じん肺・石綿肺の検診はもとより頚肩腕症候群、VDT症候群、指曲がり症など、様々な職業病疾患の検診・治療やメンタルヘルス対策などを担えるよう充実しました。職業病の指定病院としても利用拡大を推進していきます。
A また、「肝臓センター」をはじめ、近年増加しているメンタルヘルス、睡眠時無呼吸症候群・メタボリック症候群などの病気に対応できる、新たな診療科目と専門医を配置しておりその利用を促進します。
B 産別・単組における定期健診・一般診療の指定病院としての利用拡大に取り組んでいきます。
C 地域医療重視の観点から開設した「緑愛クリニック」(南郷通り6丁目)の利用を促進します。(月・水・木は午後8時まで診療)