その6
男女平等参画社会の実現をめざし、
職場、地域からの均等待遇と男女平等を推進します。
【取り組みの総括と課題】
【第3次男女平等参画推進計画】
連合北海道は、第19回年次大会(2006年10月)において、連合北海道「第3次男女平等参画推進計画」(期間=2006年11月〜2012年10月)を策定、提案し、この計画が着実に実施され男女平等参画が確実に促進されることを前提に、事実上、最終計画であると位置づけ確認しました。
そして、社会のあらゆる分野における男女平等の実現のため、採用から退職まで男女間の均等待遇と、男女の人権が尊重され、すべての分野での対等なパートナーとして参画できる労働組合の組織づくりに取り組むこととしました。
男女平等参画推進委員会での協議を踏まえ、具体的な取り組みを行う必要があります。
【連合北海道男女平等参画アンケ−ト】
平成19年度労働組合基礎調査結果によると、連合北海道の女性組合員数は、89,448人(組合員総数の33.70%)で、その比重は年々増大しています。しかし、産別の執行機関に占める女性参画人数は、三役ではわずか1.78%、執行委員では7.49%地協においては、三役・執行委員総数の2.80%、また、大会など決議機関への参画では、産別の大会代議員に占める女性の割合は10.15%、地協では6.80%に止まっています。アンケートの結果から見れば、女性の参画は進んでいません。(【別記】08年度第7回「男女平等参画」アンケート」を参照)
こうした実態の改善に取り組むため、男女平等参画アンケートの実施、男性のための「男女平等講座」の開催など男女平等を推進する活動に努めてきました。
【パートタイム労働者等の均等待遇】
わが国では、女性労働者が雇用労働者に占める割合は、44.2%となっています。(H19年就業構造基本調査 5年ごとの調査)しかし、増加しているのは、パートタイム労働者等の非正社員労働者です。男性の80%が正社員労働者であるのに女性は45%にすぎません。職場では、依然として、制度や慣行、意識として男女間格差・差別が続いているというのが現状です。男女平等社会は、企業や社会にとっても必ず実現しなければならない最重点課題であり、本来、労働組合がその規範となる役割を果たせずに大きく立ち後れているのが現状です。産別間に格差はあるものの、こうした認識に基づき、男女の雇用平等、仕事と生活の両立、パートタイム労働者等の均等待遇の確立に向けて取り組み強化が求められます。
【真の男女雇用平等法めざして】
男女雇用機会均等法は、2006年6月の改正により、男女双方への性差別の禁止、間接差別の限定的な禁止(@身長、体重又は体力を要件A総合職の募集・採用時の全国転勤要件B昇進時の転居の伴う転勤経験要件)、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止、セクシュアルハラスメント防止の事業者への措置義務化などが明記されましたが、連合が求めている「男女雇用平等法」としては不十分であり、改正法附則による5年後の見直しを待たず、早期に見直しを求めていく必要があります。
【女性委員会活動】
女性委員会は、女性の社会的地位の向上、男女平等参画の実現に向けた女性活動の充実・拡大に向け政策制度(男女共同参画社会基本法の定着改善など)の取り組み、産別・地協・地区連合における女性組織の確立に取り組んできました。
女性組織確立の現状について、産別で女性委員会・女性部が設置されているのは、10産別、青年女性委員会・青年女性部が13産別で計23産別(昨年と同様)となっています。一方、地協においては、女性委員会が3地協(昨年2地協)、青年女性委員会が3地協(昨年1地協)と昨年の調査より前進しています。
「推進計画」では、「女性組織発足の第一段階として、地協所在地の地区連合において、女性委員会の設置に努力する」とされており、推進計画の目標は、当面、地協か地協所在地の地区連合のいずれかに女性委員会を設置することとしています。
しかし、13地協中、当該の地区連合も含めて、女性委員会・青年女性委員会のいずれも未設置となっているのは、4地域組織あり、これらの地域では、「推進計画」の達成に一層の努力が求められます。 |
【別記】08年度第7回「男女平等参画」アンケートから
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大 会・総 会 |
執行委員会 |
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出席代議員数 |
うち女性 |
率 |
執行委員数 |
うち女性 |
率 |
産 別
(第6回)
(第5回) |
2,108 |
214 |
10.15 |
374 |
28 |
7.49 |
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(9.62)
(8.03) |
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(6.63)
(5.59) |
地 協
(第6回)
(第5回) |
794 |
54 |
6.80 |
143 |
4 |
2.80 |
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(6.50)
(6.49) |
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(1.75)
(2.50) |
連合北海道
(第6回)
(第5回) |
194 |
11 |
5.67 |
21 |
2 |
9.52 |
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(6.25)
(6.56) |
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(14.29)
(14.29) |
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(注)アンケートには、51産別のうち34産別、そして、13地協から回答を得たが、必ずしも同一ではないため、厳格な比較とはいえないが、傾向を示すものとして判断できる。
【重点課題】
1.実質的な男女雇用平等の実現
(1)男女雇用機会均等法については、改正法附則による5年後の見直しを待たず、法の理念に「仕事と生活の調和」を盛り込むこと、事業主へのポジティブ・アクションの義務化、間接差別の限定でなく例示的に示すこと、政府から独立した差別救済機関を都道府県に設置することなど、男女雇用機会均等法の早期見直しを引き続き求めていくこととします。
なお、改正法について学習会等を実施しながら職場への周知徹底を行います。
(2)2008年4月に施行された改正パートタイム労働法は、一部、非正規から正規採用に改善が見られたものの、その他については努力義務に終始し、連合の要求している改正案には程遠い法案となりました。こうした経過を踏まえ、以下のとおり取り組むとともに3年後の見直しにむけては、改正法施行に伴う実態把握や「均等待遇のあり方」の整理などにも取り組んでいきます。
@ 09春季生活闘争では、男女間の賃金格差を重点に取り組みます。
A 6月に男女平等月間を設け、啓発・キャンペーンを展開します。
B パート・派遣・契約労働者のうち女性が約70%であることを踏まえ、均等待遇実現に取り組み「男女雇用機会均等法、パートタイム労働法等の集会」を開催します。
2.男女平等参画推進委員会の活性化と『第3次推進計画』の推進
(1)08年度に実施した、「第7回男女平等参画アンケート」の結果をもとに、連合北海道「男女平等参画推進委員会」を強化・活性化をはかるとともに、産別、地域労働運動における男女平等、組織運営の改善、組合員の意識啓発などについてジェンダー平等の視点で引き続き改革を進めます。
また、連合北海道「第3次男女平等参画推進計画」(2006年〜2012年)を推進します。
(2)男女平等参画推進委員会による推進事例の交流や提示、学習会などに取り組みます。
【継続課題】
1.男女がともに担う労働組合をめざし、女性参画の積極的推進
(1)2008年度実施の第7回男女平等参画アンケートの結果から導き出された実態を厳しく受け止め、構成産別、地協・地区連合における女性の参画(執行機関、大会、総会など)を積極的に進めます。
具体的には、次の点を柱に、引き続き、連合北海道、産別、地協・地区連合が一体となって取り組むこととします。
@ 大会、総会への女性代議員の参画の拡大(産別、地協)については、代議員数に女性代議員数の目標を設定して大会等を告示します。
A 地協は最低1名の女性執行委員を配置し、女性役員ゼロ地協をなくします。すでに女性役員が配置されている場合は、複数配置を目指すなど女性役員を拡大します。
B 地協における女性委員会の設置については、地域実情に十分配慮することを前提に、未設置の地協(4地協)は、地協所在地の地区連合に設置することも含めて女性活動組織の設置を目指し、女性活動組織ゼロを解消します。
C 第8回男女平等参画アンケート調査を実施します。また、調査項目について検討します。
D 6月の男女平等月間に男性リーダー養成講座として、「男性のための男女平等講座」を開催します。
2.男女平等参画社会推進のための政策・制度要求並びにその推進
(1)男女共同参画基本法に基づいて、内閣府が2007年12月に施行した「第2次男女共同参画基本計画」を積極的に推進します。また、基本法で努力義務となっている市町村での条例・計画策定を進めるとともに改正育児・介護休業法(2005年4月施行)を普及促進します。
(2)審議会等政策決定過程への女性参画を推進します。
(3)道政、市町村に対する、男女平等参画推進に関わる「要求と提言」活動を進めます。
3.女性委員会活動の充実・拡大
(1)男女平等参画の重要度が高まるなか、仕事中心の生活を見直し、バランスのとれた生活づくりが従来に増して重要な課題です。また、男女間格差をなくすための積極的な取り組み(ポジティブ・アクション)についても女性労働者を中心に増加するパート、派遣、契約労働者の均等待遇確保も大きな課題と認識し、女性の人権が尊重され、安心して働き続けられるよう運動の拡大、強化が必要なことから各産別、地区地域組織との連携を深める活動を進めます。
@ 地協、地区連合における女性組織が抱える課題解決を目的にした「意見交換会」、各組織との交流を目的に「はたらく女性の集会」等を通じ、ネットワークの拡大、活動の相互交流、情報提供につながる活動を進めます。
A 活動の交流、情報の交換、コミュニケーションのツールとして情報紙の発行を行います。
B 「連合北海道男女平等参画推進委員会」とともに、連合北海道「第3次男女平等参画推進計画」を積極的に推進します。
C 女性リーダー養成講座等、育成を目的とした研修会への参加要請を進めます。
D 国際会議、国際交流の機会に積極的に参加をすすめ、国際連帯活動を進めます。
E 「3.8国際女性デー」を街頭宣伝を含め積極的に取り組みます。