その5
地域労働運動の確立のために、
  地協・地区組織の強化と財政の充実をはかります。
 
取り組みの総括と課題
【地域組織の現状】
 地協・地区組織は、地域における連合労働運動のセンターとして、連合北海道の活動提起に基づく地域活動に取り組み、地域における連合の顔として、産別への働きかけや、地場中小・季節労働者の相談役、未組織労働者などからの労働相談、地域住民としての組合員・市民の生活上に関する課題の解決、住みやすい地域社会を創造する政策提言など、地域社会の問題についても積極的に取り組んできました。
 連合北海道の組織活動としては、定例の地協事務局長会議や地協会長・事務局長会議などを通じて、執行委員会で決まった運動課題を速やかに地域で取り組む体勢をつくり、春季生活闘争の討論集会、課題毎の学習会など、全体運動への参加と地域の特色ある運動の両方を促進するため、特に情勢認識の共有化に力点を置いて取り組んできました。
 今後も情報をより迅速に豊富に伝え、一方で地域の様々な意見を反映した北海道の労働運動の構築をはかるため、地協活動への参加をさらに広めることが必要です。
 
【地域組織の課題】
 しかし、地区連合の多くが公務員産別で支えられていることや、民間産別の統廃合・組織人員の減少などにより、地区連合財政の逼迫や人材の確保など、運動を左右する重大な問題を抱えています。地域労働運動の継続と発展、さらに地域最大のNGOとして存在感を増すために、活動領域や運動のあり方を今後も見直すとともに、地域の体制を強化する方策について、組織財政特別委員会など連合北海道全体で新たな議論をしていく必要があります。
 連合本部の「モデル地協」などの方針に積極的に取り組み、地協・地区組織の強化と財政の充実、地域労働運動の改革をすすめる必要があります。
 
【季節労働者に関する取り組み】
 季節労働者問題は地域の大きな課題です。全道で11万余の季節労働者は公共事業の急激な削減によって、今働く機会を失いつつあります。また、政府の「行政改革」の一環として雇用保険から短期特例一時金制度を廃止しようという動きもあり、北海道の雇用問題では最大の課題となっています。連合北海道は冬期雇用援護制度の廃止にともなう道季労の組織維持についてプロジェクトを設置し、第6回執行委員会で今後の対応方針を決定しました。「季節労働者支援センター」に深く関わり、地域の季節労働者(道季労地区本部)に組織維持と政策制度闘争を中心とする道季労運動を連携させて継続的に取り組む必要があります。
 
 
[重点課題]
1.地域労働運動の活性化に向けた改革
 地協・地区連合における機関会議・運営会議の構成や開催頻度、取り組むべき課題など、活性化のための見直しや改革に向け、「地区連合活動マニュアル(93年第5回定期大会付属資料)」を全面的に改定し、運動体制の確立とノウハウの継承をはかることとします。
 また、1年ごとの役員交代を解消し、次代を担う地区運動活動家を育成・確保するため、労働運動の基礎学習活動の体制を構築し、青年・女性活動への参画の促進や、構成産別・単組の責任分担・協力体制の確立に取り組みます。
 
2.地場中小の対策ノウハウの継承体制について調査検討します
 地場単組の日常活動や交渉指導は、各地区連合で連合北海道結成前の人材が引き継がれてきました。大会の開催、春季生活闘争の要求・交渉・妥結、労働協約の内容や交渉など、労働組合の結成から活動の安定まで親身に携わることが必要であり、また、役員の交代により一から始めることもあります。そのような指導ノウハウを継承する体制について、調査と検討をはじめます。
 
3.季節建設労働者の通年雇用化と生活対策の強化
 短期特例一時金の50日と冬期雇用援護制度の復活を求める政策運動を継続するとともに、短期の冬期就労の確保など冬期の生活確保を実現する対策を政府に強く求めます。また、「通年雇用促進支援事業」を実効あるものとするため、指導員等の人材確保や訓練事業の向上を図ります。
 
 
[継続課題]
1.地協・地区連合の基盤整備
 連合本部の全国300地協体制をガイドラインとして、道内12地協を目安に、当面は、渡島地協と檜山地協の統合に取り組みます。
 市町村合併に伴う地区組織の統合・再編については、地協の議論を尊重し、一自治体一地区連合を基本に、組織・財政・運営を一元化していきますが、統合された町村にはできるだけ支部を設置し、継続的に地域の日常活動における連携強化がはかられるよう求めます。
 
2.地協財政の確立と交付金の再整備
 地協財政については、これまで同様に連合北海道からの交付金と地区連合拠出金を基本にしますが、地協・地区連合財政の強化には、地域活動資金(地区連合会費)の納入率向上が大きな課題となっており、地区連合結成当初の全体的な目標である組織人員の70%納入に向けて、構成産別・単組の一層の協力を求めていきます。
 
3.労働相談体制の整備と窓口の設置
 増加の一途をたどる労働相談に対して、よりきめ細やかなサービスを提供するため、連合北海道非正規労働センターと連携して、相談と交渉が一体的にできる人員の育成確保や資質向上、相談に役立つデータベースの開設を検討します。
 春(春闘期)と秋(9月頃)の集中相談を引き続き設定し、集中的な宣伝・周知活動に取り組みます。
 
4.ブロック単位の総対話活動
 連合に結集する各級役員を中心に地域ブロック単位の総対話集会を開催し、連合運動・労働組合を取りまく問題・課題について情報と認識の共有化をはかります。