北海道地域最低賃金の大幅引き上げを求める決議
(案)    
 
 本年の北海道地域最低賃金は、10月19日から654円に10円引き上げられた。
 最低賃金は、ネットカフェ難民、携帯派遣など若年者を中心に「働く貧困層=ワーキング・プア」が増え、社会の2極化が止まらない社会情勢に対し、セイフティーネットの一つとして最も重要である。
 
 今年の審議では、「成長力底上げ戦略推進円卓会議」での合意や、審議会への諮問に当たる大臣コメントなど、政府自身が大幅な引き上げを認めざるを得ないことから、従来の小規模企業の賃金引き上げを参考とした「延長線ではない」議論が強く意識されたが、「少なくとも生活保護費との差は解消されるべき」ことが実現されなかったことは、不十分な結果といわなければならない。
 日本経済は世界経済の中で大きな比重を占め、国際的に高い水準にあるにもかかわらず、現在の最賃の水準では働いても経済的自立ができないことは恥ずべき状況であり、北海道の改定額「654円」では、法定労働時間通りに働いても月に111,972円、年間で1,363,982円にしかならないのである。
 
 北海道最低賃金審議会では、来年に向けた会長見解として、@最賃のあり方を生活保護との整合だけでなく基本的に見直す必要がある、A最賃ぎりぎりの労働者が多い本道の実情は、労使の努力で解決されるべき課題であることを異例にも示した。
 
 いま国会では最賃法改正が議論されている。水準の大幅引き上げが法の趣旨として盛られ、罰金の大幅引き上げによって、少なくとも最賃違反が根絶され、労働者のセイフティーネットとしての最賃が充実されることになる。
 
 連合北海道は、最賃を来年の最重点課題に位置づけ、道民世論の総結集により、北海道経済の回復に寄与するような地域最賃の大幅引き上げを実現するため、産別・地域の総力をあげる。
 以上、決議する。
 
2007年10月31日
  連合北海道第20回定期大会