その2
春季生活闘争を推進し、総合的生活改善と
安心・公正のワークルール確立を目指します。
 
【取り組みの総括と課題】
 
【重点課題】
1.春季生活闘争の強化
 08春季生活闘争については、連合本部の基本構想と闘争方針を踏まえ、12月に闘争方針を確立して闘争委員会を設置し、全道的な討論集会の開催など、積極的に取り組みを進めます。
 闘争にあたっては、@格差の是正、A集中決戦方式、B中小・地場・パートの重点化、C労働分配を重視、D企業内最賃協定の締結・改善の促進、E地域最賃運動の盛り上げを中心に据え、道内における社会的波及の向上を目指します。
 地場中小の集中決戦への結集を高めるため「地場中小単組代表者会議」を開催します。
 
2.地域最賃の大幅引き上げの世論形成と企業内最低賃金協定の締結促進・公契約条例の促進
 春季生活闘争の重点目標として、パート労働者等を含めた企業内最低賃金の創設や改善に取り組み、成果を地域最賃、産別最賃に反映させます。
 特に地域最賃は、最賃法の改正により生活保護費との逆転の解消を今年度の目標にして、勤労者全体の運動を目指した道民運動の構築をはかります。
 
3.季節建設労働者の通年雇用化と生活対策の強化
 北海道の雇用労働者の5%に当たる12.6万の季節労働者と連帯し、短期の冬期就労の確保など冬期の生活確保を実現する対策を政府に強く求めます。また、「通年雇用促進支援事業」に関与し、指導員等の人材確保や訓練事業の向上を図ります。
 一方、一時金の削減等による生活レベルの低下を補う位置づけで、自治体の短期就労確保事業の取り組みと拡大を求めます。
 北海道季節労働組合は「冬期雇用援護制度」を活用して組織化を進めてきましたが、制度が廃止されたことで、別な手段の組織化を求めなければなりません。今後は地区連合と連携して、短期就労などを通じた組織化により、季節・建設労働者の雇用や労働条件の確保と生活の向上を目指す労働組合として、維持存続できるよう、あらゆる取り組みをすすめていきます。
 また、国が行う「通年雇用促進支援事業」に積極的に関わり、連合北海道推薦の支援員等の連絡調整会議を開催し、情報や状況の正確な把握に努めます。
 
4.メンタルヘルス問題の解決と労働安全衛生対策の強化
 労働安全衛生法が改正され、本格的な労使の責任ある自主的活動、リスクアセスメント・マネジメントシステムの時代に入りました。労働環境の変化を労働者保護の視点から労働組合や連合などがチェックし、対応していく必要があり、連合北海道と北海道安全衛生センターは「職場の安全・衛生対策、健康増進、労災・職業病、環境保全対策等の調査、研究と予防対策の活動」を基本として、「働く者の安全と健康第一」に考え、産別・地区の安全衛生運動を指導実践します。
 特にメンタルヘルス問題の解決に向けて、北海道安全衛生センターや緑愛病院職業病センターと連携し、職場の理解の促進と対応の適切化をすすめる学習会や宣伝物の充実に努めます。
 
 
【継続課題】
1.雇用対策の強化
 雇用の確保と質の改善については、国・道などの労働行政と協力する一方で、能力開発などに関する補助金・交付金の制度評価を行い、実効性のある施策の実現に向けた取り組みを強めます。
 若年者対策については、勤労観・職業観教育や労働者の権利教育の実施やジョブカフェ等の維持と活動強化とともに、職業能力向上の機会提供と訓練期間の所得保障を求めます。
 女性雇用対策としては、賃金・労働条件の均等待遇実現など、労使交渉の中心課題にすえるとともに、女性委員会と連携し、男女平等の実現に向けた運動を産別・地域で取り組みを求めます。
 高齢者雇用対策については、改正高年齢法による65歳までの定年延長や希望者全員の再雇用など、職場における関係協約の整備に取り組みます。また、再雇用により理不尽な格差・差別がないよう、実態把握に努めます。
 70歳までの雇用延長については、年金の延長など関連する動きと合わせて判断し、単なる労働市場の不足を補充する延長には反対します。
 
2.健康で働き続けられる労働時間(ワーク・ライフ・バランス)の実現
 年休取得の促進や労基法改正による割増率の引き上げなど、時間外・休日労働の削減を中心に、年間総実労働時間1,800時間の実現、労働時間の短縮を図ります。
 また適正な労働時間管理を更に強め、仕事と生活の調和のとれた働き方(ワーク・ライフ・バランス)の実現を図ります。
 不払い残業撲滅の取り組みを強化し、労働基準行政の厳格な対応を求めます。
 
3.ワークルールの徹底の取り組み
 労働に関する相談件数は依然増加傾向にあります。今後も、悪質な法違反については、労働基準監督行政による指導、監督を求め、必要な体制の拡充を求めます。また、学校教育において「働く者の権利」を知る機会をつくるため、道や道教委に対し、副読本の作成や新卒生徒、学生のための権利教育の講習会の開催などを求めます。
 
4.北海道労働委員会・労働審判制度の有効活用と強化
 集団的労使関係の「北海道労働委員会(道労委)」と、個別的労使関係の「労働審判制度」がそれぞれの利点を生かし、有効性を発揮するよう学習会等を通じて制度への理解促進をはかります。
 北海道労働委員会の定数削減には強く反対し、その役割を後退させないよう道に求めるます。
 また、労働者委員・労働審判員の資質向上と研究支援のため、判例など関係資料の購入と配布に努め、「労使関係問題研究会」の活動強化や定期的な研修会の開催に取り組みます。
 
5.外国人労働者の人権尊重と平等待遇の実現
 「研修生」の名目で外国人労働者は道内でも増加しつつありますが、その実態は不確かで、労働相談された場合は低賃金で劣悪な労働条件である事例や就労資格問題をたてに、強制労働的な取り扱いを受ける事例もあります。
 就労の資格とかかわりなく、道内で就労する外国人労働者の人権尊重と、日本人と同等の平等待遇確保、法律遵守の取り組みを促進します。
 
6.「生涯組合員構想」の具体化議論に参加します
 「生涯組合員」とは、退職者をはじめ中小・地場労働者、パートなど非正規労働者が地域を基盤とする運動に参加する中で、「生涯支援」を目指すものです。連合は2009年の定期大会までに方針化することにしていますが、「団塊の世代」の大量退職に対応する制度・システムや体制、連携などについて、労働福祉団体とも連携しながら調査・検討します。