大 会 宣 言 (案)
日本の社会は、5年あまり続いた自公政権のもとで、格差拡大と二極化が進み、国民負担が増え、将来への不安が広がり、社会荒廃が深刻化した。その政治を継承する安倍内閣が誕生し、「美しい国、日本」を掲げているが、なにゆえに日本の社会がこのように荒れ果ててしまったのかを明らかにしなければ、問題を解決できない。国民が求めているのは、公正な社会であり、不安と不信の日本を、安心と安全の日本に変えることである。
職場では、正社員からパートなど非正規の労働者等への置き換え、請負労働における偽装問題など労働力の質の劣化が広がっている。このように、いきすぎた労働の規制緩和が格差の温床であり、無権利・低賃金と不安定雇用の拡大をもたらしている。これは政治の責任である。
経営者による株主重視主義と短期的利益追求型経営は、総人件費の低下による業績回復と株価の上昇をもたらしたが、資本と労働の分配のバランスは大きく崩れており、このままでは労使関係を危うくする。これは経営側の大きな責任である。
このことは、それに対抗する、連合の役割・運動が問われていることでもある。私たちには、社会的に価値ある労働運動を目指した、自らの改革が求められている。
この厳しい現実を正面から受け止め、組織財政特別委員会第6次答申に沿う運動方針を着実に実行していくこと、特に、組織拡大では、低下する労働組合の組織率に歯止めをかけるため、パート・派遣などの雇用形態に関わりなく全ての労働者を組合員にする取り組みを強力に展開すること、さらに、均等待遇と権利擁護の労働法制の実現、雇用のセイフティネットの強化に取り組むことを確認した。
女性の組合員の比率が増大する中で、労働組合における男女平等参画を拡大すること、仕事と家庭の調和と男女平等の実現も重要な課題である。また、本道の固有の課題である季節労働者の通年雇用化はもとより、サラリーマン大増税の阻止・不公平税制の是正をはじめとする税制改革、社会保障制度の抜本改革、憲法と教育基本法改悪阻止など、当面する課題に全力を尽くしていく。
そして、前政権の負の遺産である格差社会を是正し、真の構造改革を実現するため、私たちは、民主党を中心とした政権交代の実現に向け、2007年政治決戦では統一自治体選挙における道政奪還、参議院選挙の必勝に向け全力で闘うことを本大会で確認した。
格差のない社会、希望を託せる社会づくりをめざして、力強く前進しよう。
2006年10月27日
連合北海道第19回年次大会