くらしの安心と社会的公正を確立する
政策・制度の実現をめざします。
【取り組みの総括と課題】 |
【サラリーマン大増税に反対の取り組み】
小泉内閣は、昨年9月の総選挙では「増税」しないと公約しながら、圧勝となった選挙結果を受け、今年3月末の通常国会では、徹底した歳出削減や所得税の最高税率や法人税率の見直しを行わないまま、サラリーマンに対する定率減税の全廃を可決成立させました。このことにより、今年1月からの定率減税半減に続き、来年1月からは全廃となり倍の増税が強行されることとなります。
連合北海道は、サラリーマンを狙い打ちにする増税路線に反対する立場から、2台の車両により街頭宣伝キャラバン行動を全道各地から実施し、総選挙の争点としても道民世論を喚起してきました。
さらに、連合本部が提起した昨年の11月からの毎月25日朝を中心とする給料日街
宣行動については、札幌各区および各地協の所在地を中心に積極的に展開し、各級民主党議員の協力を得ながら、サラリーマン増税の狙いを訴え、増税反対の世論喚起に努力してきました。札幌では、中央区中心街で「定率減税の廃止や増税の是非」について街角アンケートを実施し、マスコミに大きく報道されました。
政府は、今後、2007年度税制改正に向けて各種控除の縮小・廃止、消費税の税率引き上げなども含めて検討を開始していきます。金持ちの所得税率や利益を上げている法人税率の見直しに手をつけることもなく、サラリーマン・勤労者への増税路線に反対する運動の強化が求められています。
【医療制度の抜本改革の取り組み】
医療制度改革のための関連法案は、今年の通常国会に提出され6月中旬の会期末を迎えたなかで強行成立となりました。この法案は、特に、@高齢者への負担増を強いる各施策、A75歳以上の後期高齢者医療制度の創設、B社会的入院者をなくすとして地域実態を無視した療養病床の大幅な廃止計画等が大きな問題点でした。
連合北海道としては、まず「医療制度改正案の全体像と問題点」について全道4ブロック(札幌・旭川・函館・釧路)で「学習討論集会」を開催し、また、本部学習リーフを活用した産別・職場、地区連合での学習・討論の場を求めてきました。
さらに「法案の撤回・修正」を求めて、各地協での街頭宣伝・チラシ配布行動、小泉
首相宛のハガキ行動、道退職者団体連合との共闘では、5月18日〜19日の2日間にわたって総計500名規模で札幌大通り3・4丁目公園広場で「法案の強行採択に抗議の座り込み行動」や抗議集会を実施してきました。こうした取り組みを通して、多くの一般市民・高齢者が「病院にかかれなくなる」という不安を強く抱いていることも明らかになっています。
【環境・エネルギー政策の活動強化】
○ 昨年10月1日、これまでの核燃料サイクル開発機構と日本原子力研究所が組織統合され、新たに独立行政法人・日本原子力研究開発機構が発足しました。連合北海道は、新法人が道・幌延町との三者による「幌延町における新地層の研究に関する協定書」、及び「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」を遵守するよう、幌延深地層研究センター、道や経済産業省等に求め、当然のことながら歴史的な経過を踏まえ、条例等を尊重していくことが表明されています。
○ 泊原発は、2010年度までにプルサーマル計画(使用済み核燃料の再処理によるプルトニウムを利用したMOX燃料を導入して稼働させる)を実施するための諸検討を進めています。核燃料サイクル計画も青森県六ヶ所村再処理工場が2006年3月からアクティブ試験が開始され、2007年8月から操業開始、MOX燃料工場も2007年4月着工、2012年4月操業という予定です。
こうした状況を受けて、連合北海道は、MOX燃料による原発稼働の安全性の問題、欧米諸国等でも技術やコスト面について検討が進められている核燃料サイクル計画等について、「エネルギ−と地球環境問題」を含め、系統的な学習と検討を深めていきます。
【市町村合併・道財政再建・道州制など地方分権改革の取り組み】
○ 今年3月末の道内の市町村数は、212から180市町村となりました。これまでの合併協議が多数破談しているのにもかかわらず、道は、国の指示を最優先し、新合併法に基づく「合併構想」を作成して強権的に合併協議会の設置勧告を進めようとしています。連合北海道は、市町村の基礎自治体が充実するためには、合併だけでなく「市町村の広域連合」、「道・支庁と市町村による広域連合」など、多様な分権・自治の選択肢こそ提示すべきであると強く求めてきています。
○ 政府が進めた「三位一体改革」については、国と地方の役割分担とそれに応じた税財源委譲が明確化されず、各省庁が地方への税源移譲に抵抗・反対し、そして、地方交付税が削減されて地方の切り捨てが強められるなど、地方分権を進めるのではなく、国の赤字財政対策に利用されたと指摘せざるを得ません。特に、今後の地方交付税制度改革がどのように進むのかが地方自治体にとって焦点となります。
○ 道財政の再建問題は、2006年度から2年間に発生する1,800億円の収支不足を解消するために人件費削減で800億円、事業費の一律削減、行財政改革の推進が課題となっています。しかし、道財政の構造的課題を直視して改革課題を明確にしていかなければ、何回も繰り返してきた再建計画の破綻の道を歩むことになります。
道財政の硬直化の最も大きな要因になっているのは、5兆6千億円に膨れあがっている公債償還費です。この公債償還費は、10年間、毎年4,000億円台が予定されています。国の景気・経済対策に地方財政が財政投資され、負担と協力を強いられてきたことに対する責任と応分負担を明確化し、償還の繰り延べ等について国等への必要な措置を求めなければなりません。あわせて、中・長期的な漸減計画を示すように道及び国に働きかけを強めていく必要があります。
こうした道財政の現状から、連合北海道は、道庁内だけの再建計画・方針策定ではなく、道内の各界・各層代表を加え、財政危機の根本原因と責任の明確化など、積極的な情報提供と緊急措置、中・長期の改革方向を明示していくための検討・議論の場として、「道財政再建問題懇話会」の設置を強く求めました。その結果、名称は「北海道行財政改革推進会議」となり、今年5月に初会合がもたれました。連合北海道としては、会議の位置付けや運営、検討すべき課題等について意見反映を行いましたが、この推進会議が、単に「道の行政財政改革推進に容認を与えるだけの場」とならないよう、連合北海道・道財政問題対策委員会(事務局会議)を機能化して積極的に提言活動を強めます。
○ 道警における不正問題は、道監査委員の確認監査によって4億円にのぼる使途不明金の存在などに対する真相が解明されないのにもかかわらず、高橋知事は「不正問題の解明は終わった」とし、自民・公明の道議会与党会派は、百条委員会の設置を何度も否決し、解明に極めて否定的な態度をとり続けてきました。
今年8月の警察問題を考える道民集会(今年2月にも開催)では、浅野前宮城県知事から「県民に支持され選ばれた知事の義務として不正解明に努力してきた」ことが明言されていますが、高橋知事の姿勢は、道民不在の道警寄りの姿勢であり、不正をチェックする機能として知事の予算監督権の行使、公安委員会における委員の公平な選定システムと機能拡充も課題としなければなりません。
○ 今年1月末に自民党の北海道道州制特区推進法案の試案が出されて以降、同法案の
今通常国会提出に向けた政府・与党内の調整が本格化しました。「権限移譲項目」「北海道特例を含めた財源移譲問題」「国の行政合理化としての地方支分局の廃止」等々を
めぐって道と自民党・内閣府との調整は迷走し、最終的には妥協の産物として地方分権
の理念なき道州制特区推進法が成案化され、5月19日には閣議決定、通常国会に提出
されましたが、一度の審議もなく継続扱いとなっています。連合北海道としては、「あ
るべき道州制の理念とはかけ離れた行革推進法案」との評価とともに、高橋知事が肯定的評価を与えることについても賛同できない旨の意見表明を内外に行いました。今後とも、同法案の廃案を求めていきます。
【郵政民営化をめぐる課題】
郵政民営化関連法案は、総選挙での自民党圧勝をうけ、昨年10月14日、臨時国会・参議院本会議において、「民営化の開始時期を半年延ばして2007年10月とする」との一部修正を行い、可決・成立しました。
日本郵政公社は、民営化前の来年3月までに全国1,048局、道内では445局を対象にした集配局の再編計画を示しました。昨年の国会議論のなかで、小泉首相は「都市部では身近な郵便局がなくなることは出てくるが、過疎地では減らさない」と明言しましが、この再編計画により160の集配特定局が無集配特定局に変わることになります。全国の郵便局単位の収支では地方を中心に9割の郵便局が赤字と言われていますが、三事業一体・全国ネットワークにより現在の郵便局運営がカバーされています。民営化=分社化(日本郵政株式会社)(郵便事業会社)(郵便局会社)(郵便貯金会社)(郵便保険会社)により、小規模局においても職員を所属会社別に分けなければならず、数局単位、地域単位での集約を進めなければならない事態となっております。
連合北海道は、郵政関係労組と連携を強めながら、国民のための郵政事業が維持・発
展し、政府が約束した「全国ネットワークの維持」「社会的・公共的サービスの維持・継続」が守られるよう注視するとともに、各自治体や住民の声が尊重されるように求めていきます。
【道及び国への政策要求活動】
連合北海道は、連合北海道道議会議員団・国会議員団会議の連携と協力をいただきながら、2006年度道予算・2007年度政府予算に対する政策・制度要求の実現をめざす「要求と提言」活動を進めてきました。道に対しては、各部交渉と重点課題については知事(代行)交渉、国に対しては、関係各省交渉を実施してきました。特に、@季節労働者の生活保障と通年雇用化、A地方財政危機のなか、道財政の抜本的再建策、夕
張市の赤字再建団体化など旧産炭地域自治体への財政支援策などが重要な課題であり、さらに継続した取り組み強化が必要です。
なお、次年度への取り組みの中では、各地協・地区連合も当該自治体への「要求と提
言」活動が取り組まれるように努力します。 |
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一、重点課題と進め方
【サラリーマン大増税阻止・定率減税廃止撤回を求める取り組み】
2007年度税制改正に向けて政府税調での協議が開始されますが、サラリーマン・子育て世帯に対して各種控除の縮小・廃止という増税案が具体化されます。また、消費税税率のアップについても具体的に検討されます。
連合北海道は、引き続き、サラリーマンへの大増税を阻止し、定率減税廃止撤回を求めて、組織内での意思確認の取り組みと道民世論を喚起していく街頭宣伝行動をはじめ道民運動を強化していきます。同時に、連合が展開する2007年7月の参議院選挙までの「格差是正」「安心・公正社会の実現」キャンペ−ンと呼応した取り組みとして展開します。
【道への雇用創出の取り組み】
北海道雇用創出基本計画は、昨年7月に策定され、2007年度までの3年間で8万人の雇用創出をめざすとされていますが、残念ながら北海道は、厳しい雇用環境が続いています。
雇用創出にあたって、@公共事業の依存から脱却し、他業種への職種転換を進める、A北海道が誇れる自然環境を大切にした観光業や農林水産業の育成、B若年者への雇用対策として育てる姿勢、C安心して働ける就業環境の整備等の観点を大事にし、数値目標を明示して雇用促進を推進するよう、引き続き求めていきます。
【医療制度の抜本改革の取り組み】
(1)医療制度改革関連法案の可決・成立(今年6月14参議院本会議)より、高齢者の自己負担増、新たな高齢者医療制度の創設、政管健保の公法人化と都道府県単位の財政運営、医師確保のための 医療対策協議会の設置等、広範多岐にわたる新たな施策が、2006年10月から順次実施されることになります。
しかし、その法律の施行にあたっては、具体的な内容の多くが政省令に委ねられており、その数は、健康保険法関連、医療法関連を併 せて440項目にも及び、政府は、この改正法に基づく政省令の公布にあたって、事前にパブリックコメントを実施し、広く国民からの意見聴取を行って実施するとしています。
連合北海道は、連合本部とも連携しながら、連合要求をふまえた積極的な提言活動を強め、意見反映していきます。
(2)現在、道は、2008年からの推進に向け「北海道保健医療福祉計画」の改訂作業を進めようとしています。特に、病院事業に対しては運営形態の見直しを含め今年秋までに策定するとしています。「医師がいない」「過疎化で病院がなくなる」「都市部に病院が集中し、過当競争の中でそこで働く看護師の確保が大変になっている」等々、地域医療を守る観点から策定段階から積極的に政策提言活動を強めていきます。
そのために、連合北海道として連合に結集する自治体病院労組を抱える自治労、全道庁労組、民間医療労組、民間社会福祉施設労組等により「北海道保健医療福祉計画政策提言委員会」(仮称)を設置し、北海道医療、厚生病院・赤十字病院労組等とも連携し、活動を強めていきます。
【新たな「炭鉱技術移転5カ年計画」、エネルギー政策充実のための検討の取り組み】
(1)釧路炭鉱(釧路コールマイン(株))は、「炭鉱技術移転5カ年計画」に基づく受け皿炭鉱として、釧路地域経済・雇用の安定、中国・ベトナム等のアジア諸国の炭鉱労働者の採炭・保安技術等の習得、国内炭の供給に寄与してきました。この事業は今年度で終了予定になっていることから、連合北海道は、北海道石炭対策連絡会議に結集して要請行動等を行ってきました。
今年7月の中央要請行動において経済産業省から、「事業の継続については2007年度予算で確保する」ことが表明されていますが、新たな「炭鉱技術移転5カ年計画」として推進されるよう求めていきます。
また、今年度までとされている、産炭地域臨時措置法失効に伴う財政支援策を中心とする激減緩和措置についても、新たな地域振興策や財政支援策を求めていきます。
(2)経済産業省は、今年5月末に「新・国家エネルギー戦略−2030年までの目標」をまとめ、その概要は、@現在は一次エネルギー供給の約50%が石油依存だが、40%以下に低減。A総発電量に占める原発の比率を現在とほぼ同等の30〜40%程度、 あるいはそれ以上にする。B省エネは過去30年で約37%進んだが、さらに30%改善。C原油輸入量に占める自主開発比率を現在の約15%から40%程度に拡大する、というものです。
連合北海道としては、第1に、消費するエネルギーの半分を石油に依存している体質をどう変えていくべきか、第2に、省エネ先進国を自然エネルギー導入においても積極的に進める、第3に、21世紀のエネルギー供給のなかで原子力をどう位置付けるのか、等について検討が必要と考えています。MOX燃料を活用するプルサーマル計画が2010年に泊原発でも予定されていることなどから、当面の取り組みとしては、「エネルギー・環境政策委員会」をシリ−ズ的に開催し、「エネルギ−と地球環境」「MOX燃料による原発稼働の安全性の問題」「核燃料サイクル計画の問題等」について学習と検討を深めます。
【自治体行政・財政の充実、「道州制特区推進法案」廃案等を求める取り組み】
(1)道は、今年7月31日に現在180の市町村をさらに60に再編する「市町村合併推進構想」を正式決定しました。今後、これに基づく「合併協議会の設置勧告」が市町村の意向を無視して強権的に行われる可能性があります。道州政府をめざすにあたって本庁・支庁制度改革、道から市町村への事務・権限移譲は不可避ですが、こうした課題を実現していくためには市町村の基礎自治体の充実・強化が優先されるべきであり、合併だけでなく広域連合などによる多様な分権・自治の選択肢を提示するよう、また、支庁制度改革・権限移譲についても支庁単位に市町村との協議・連携を強化しながら、道民合意のもとで進められるように求めていきます。
(2)連合北海道は、今年の通常国会に提出され、継続扱いとなっている「道州制特区推進法案」については、地方分権とは全くかけ離れ、道州制の理念もない行革推進法案であり、臨時国会以降の審議が予定されていますが、民主党と連携しながら、あくまで国会での廃案をめざし取り組みを強めていきます。
(3)夕張市赤字財政再建問題や旧産炭地自治体をはじめ厳しい財政実態にある自治体財政の確立のために、連合北海道は、地方財政問題対策委員会を再編・補強して活動を進めます。
当面、夕張市財政再建に向け、「夕張市財政の分析と課題」をふまえ、地方財政確立道民会議・「地方財政対策プロジェクト」と連携しながら支援策を明らかにし、道、国に要望・提言していきます。また、旧産炭地等の地域振興策や厳しい自治体への財政支援策についても同様に取り組みを強めていきます。さらに、地方財政確立道民会議を基 軸に地方財政の充実・強化を求める道民運動を推進します。
二、継続課題と進め方
【国への雇用創出の取り組み】
厚生労働省は、雇用の改善が特に遅れ、急激に拡大し、二極化が進んでいる北海道沖縄など7道県に対し、集中的に雇用対策の助成金を投入できる制度を整備する方針を固め、来年の通常国会に地域雇用開発促進法改正案を提出し、2007年度中に実施する考えです。改正の内容は、@雇用を増やした企業への助成金の増額、AUターン就職の促進、観光振興など、各都道府県が提案した雇用創出案に国が助成する制度の新設、等 を検討するとしており、この改正案が成立し施策が実施されるように求めます。
また、2005年度から実施されている地域提案型雇用創出促進事業(パッケージ事業)については、道内で18地域が選定され、総額9億5千万円の事業が国の委託を受 けて実施され、2006年度は内定分が4地域増え、22地域に拡大していますが、不採択になった地域もあり、各自治体の要望に応えられるように道及び厚生労働省に強く求めていきます。
【年金・介護保険制度の改革の取り組み】
(1)年金制度をはじめとする社会保障制度全般の一体的改革について、今年5月26日に第18回「社会保障の在り方に関する懇談会」(2004年の年金改悪に関連して設置/官房長官が主宰)が開催され、最終報告のとりまとめがされました。
この報告について、連合は、「すべての雇用労働者への雇用保険と社会保険の共通適用などは評価できる。しかし、従来の個別制度見直しの方向を追認した程度であり、当初の目的であった『社会保障制度の一体的改革』にはほど遠く、全く不十分な内容である」、さらに、「『国民皆保険・皆年金体制を維持する』としながら、基礎年金の税方式化ではなく、『共助としての社会保険方式を基本とする』としている」(古賀事務局長談話)としています。
年金制度の次回の改革は、2008年度の予定ですが、国民年金制度の空洞化は進み、早急に基礎年金の税方式化という改革が急がれます。介護保険・医療制度との一体的改革を求めて、取り組みを強めていきます。
(2)介護保険制度は、今年4月から総合的な介護予防システムの確立等の見直し改革に基づく介護事業が開始されています。しかし、問題点として、多くの自治体で保険料がアップしており、地域包括支援センターの設置等については、地方自治体への財源負担増ではなく国が財源確保をしっかり行うように強い意見が出されています。
2005年度の見直し改革では先送りなった「被保険者・受給者の範囲」等について、「介護保険制度の被保険者・受給者範囲に関する有識者会議」において議論が開始され ています。連合は、「被保険者・受給者範囲の問題とは、介護保険制度の在り方である。社会保険であるにも関わらず、何故40〜64歳の第2号被保険者は16特定疾病の人しか利用できないのか。給付と負担を一致させるべきであり、何歳で区切っても同じ問題が発生する。」との立場であり、連合北海道は、ともに構成産別の組織内の論議を深め、有識者会議や厚生労働省等への意見反映に努力し、制度改革をめざします。
【泊原発防災訓練および地域防災体制の充実】
今年は、10月30日に2006年度の泊原発防災訓練が実施されます。連合北海道 として調査団を派遣し、その活動で得た防災訓練の改善課題や住民アンケートの結果を活用しながら、原発の安全運転と4町村の地域原子力防災体制の充実のための課題について、道および関係自治体等に求めていきます。
特に、この間重視してきた、@住民が多数参加する訓練、Aマニュアル依存から自立した防災従事者の訓練等、を重点課題とます。
【道財政再建・道警不正の解明など地方分権改革の取り組み】
(1)道財政の再建問題は、大幅な人件費削減や歳出カットという縮小再生産だけでは、容易に解決出来るものではありません。「道民全体で必要な痛みを共有する」ことは否定しませんが、国の責任も明確にし、弱い人々への福祉はしっかりと維持する「温かい改革」による道財政再建を強く求めていきます。
また、連合北海道は、既に設置されている「北海道行財政改革推進会議」に対して、「各界・各層の代表の参加により、会議では『財政危機の根本原因と責任の明確化』や『積極的な情報提供』が保障され、『意見交換と合意形成への努力』『意見・提言は行 財政改革に活かされる』ことが担保されるべきである。」との立場から、積極的に意見・提言を強め、委員の多数が一致した意見・提言については改革の実行を求めます。
(2)道警不正問題の真相解明の取り組みについては、来春、知事・道議選挙など統一地方選挙が施行されることを踏まえて、「知事の予算監督権の行使」や「公安委員会のチェック機能拡充」等を選挙戦の争点とさせるとともに、百条委員会設置に賛同しなかった自民・公明党の道議等の姿勢を道民が問うことを呼びかけている「道警不正問題を徹底解明し、信頼回復を求める道民の会」(連合北海道も賛同団体)の世論を喚起する運 動をともに進めていきます。
【郵政民営化にともなう郵便事業の公共性・ネットワーク網を維持させる取り組み】
郵政民営化は、2007年10月からのスタ−トとされていますが、民営化法案の国会審議で指摘されてきた「分社化される4会社の経営採算性」、「郵便局全国ネットワーク維持」、「社会的・公共的サービスの維持・継続」、「三事業の一体性の保持」等については、民営化という経営形態になったとしても国民のための郵政事業の目的達成には不可欠な課題です。
連合北海道は、「郵便局全国ネットワーク維持」、「事業の社会性・公共性の維持」等 が損なわれないように、郵政関係労組と連携を強め、民営化への政省令等の国会審議に対して、国民の声が反映されるように積極的な意見・提言活動を強めていきます。
【道及び国への政策要求活動について】
(1)2007年度の道予算については、知事選挙の実施年度であり、当初予算は骨格予 算となりますが、連合北海道は、勤労道民の立場にたった「要求と提言」を掲げ、連合北海道・道議会議員団との協力・連携をはかりながら、政策要求の実現をめざします。
当面のスケジュ−ルとして、2006年度の取り組みの総括や産別・地協からのヒアリング及びアンケート調査を集約して、政策委員会で検討・調整し、11月中旬までに「要求と提言」を取りまとめ、11月末に提出と交渉を開始し、12月中には重点課題について決着をめざします。「要求と提言」については、@雇用対策の継続・強化、A 北海道の優れた観光や農 林水産業の振興策の強化、B弱い人々への福祉はしっかりと維持する温かい改革の推進、という観点を重視していきます。
また、2007年度の取り組みにおいては、各地協・地区連合が該当自治体予算への「要求と提言」活動が取り組まれるように、「統一重点要求」の設定など、準備体制も含めて努力していきます。
(2)2008年度の政府予算への政策要求活動については、北海道に係わる重点課題について政策委員会での議論を経て確認し、来年7月に関係省庁交渉、予算確定期における重点交渉を配置し、政策実現に取り組みます。
(3)国と道の予算編成に対応していくために、「要求と提言」作成にあたって、課題に応じて関係産別からの人材派遣も含めて協力をいただき、「政策テーマ毎のプロジェクト体制」等を確立して政策委員会の機能の充実・強化をはかります。また、必要なテーマについては、関係産別・団体との政策協議や実態・現地調査も実施します。
さらに、各産別が抱える課題等について、全体化し、共通認識を持ち合うために「産別交流・政策討論集会」を開催します。 |