男女平等参画社会の実現をめざし、職場、地域からの均等待遇と男女平等を推進します。
【取り組みの総括と課題】 |
【2006年の取り組みの方針】
(1)連合北海道は、第6次答申の「労働運動が男女平等参画に取り組む意義と緊急性は、その社会的役割から言ってもこれまで以上に高まっている」との提起を受け、第18回定期大会において、間接差別の禁止などを盛り込んだ「男女雇用平等法」の実現と新たな連合北海道男女平等参画推進計画(2006年11月〜)の策定を重点課題として提起し、継続課題としては、「男女がともに担う労働組合をめざす、執行機関などへの女性参画」「男女平等参画社会推進のための政策・制度要求の実現」「女性活動の充実と拡大」を主な柱に、それぞれ取り組んできました。
【男女雇用平等法の実現めざして】
(2)10年ぶりの法案審議となった男女雇用機会均等法改正に向けて、連合は、男女雇用平等法の実現をめざし、@男女双方に対する性差別禁止、A「仕事と生活の調和」の明記、B例示列挙による「間接差別」禁止、C妊娠・出産を理由とする不利益取扱いの禁止、などの法案修正を求め、行動を展開してきました。
連合北海道としては、3・8男女雇用機会均等法改正全国統一行動北海道集会を開催(3月4日、街宣行動)するとともに、参議院審議山場における4月25日には、連合北海道の推薦国会議員13名に対する要請行動と国会前集会、傍聴行動に参加してきました。
6月14日、法案は、修正には至らず衆議院本会議で可決・成立しましたが、附帯決議において、@間接差別が省令の規定するもの以外にも存在すること、省令の規定以外のものでも司法判断で違法と判断される可能性があることを周知する、A省令について、法施行5年後の見直しを待たずに機動的に追加・見直しを図る、などの点が明記されました。
今後は、各職場において、間接差別の掘り起こしと問題解決に努めるほか、措置義務となるセクシュアル・ハラスメント対策や、妊娠・出産に係る不利益取扱い禁止などの課題について、法の実効性を担保する具体的な取り組みを進めていくことが重要です。
【男女平等参画アンケ−トから】
(3)産別、地協における男女平等参画推進(執行委員会、大会など)の状況について、2005、2006年と実施した「男女平等参画アンケ−ト調査結果」(回答を得た産別等は、必ずしも同一ではないため、厳格な比較とは言えない面もある)を比較すると、女性組合員がはじめて3割を超えて増え続けているなか(2005年労働組合基礎調査)、次表のとおり、産別ではむしろ後退しているのではないか、という傾向であり、地協についても、数値的にはごくわずかだけ進んだという状況です。
(4)女性の社会への参画が進んでいるにもかかわらず、こうした社会変化に対応できていないことを再確認する必要があります。
連合北海道は、連合北海道男女平等参画推進計画(2001年〜2006年 の最終年を迎え、男女平等参画推進委員会の開催、昨年に引き続く男性のための「男女平等講座」の実施、地域活動強化ブロック総対話集会(7月全道4ブロックで実施)での提起などを行いましたが、さらなる取り組みの徹底が不可欠です。今後、連合北海道は、「第3次男女平等参画推進計画」の策定や運動方針の補強を行い、男女平等参画の推進について具体的な提言をしていきます。
|
|
|
区 分 |
女性執行委員比率 |
大会・総会女代議員比率 |
摘 要 |
|
産 別
|
第4回 |
8.39% |
10.91% |
|
第5回 |
5.59% |
8.03% |
全国6.6%(2005年) |
地域協議会
|
第4回 |
2.30% |
5.66% |
|
第5回 |
2.50% |
6.49% |
|
連合北海道
|
第4回 |
10.53% |
6.56% |
|
第5回 |
14.29% |
6.25% |
|
連合本部 |
2005年 |
22.20% |
7.20% |
|
(注)回答を得た産別などについては、必ずしも同一でないため、厳格な比較は出来ませんが、傾向は示しているものと判断できます。
【女性委員会活動】
(5)連合北海道女性委員会は、「女性の参加と組織の連帯を促進する」「国連の『女性差別撤廃条約』の理念に基づき、女性に関する政策・制度の改善と男女平等社会の実現に向け、女性の参加・参画型社会づくりを進めること」を目的に女性の意見をまとめて執行機関に反映し、その実践活動に取り組んできました。
さらに、はたらく女性の集会、男女雇用機会均等法集会、地方ブロック女性会議などを通じ、学習や交流を深めてきました。
しかし、各組織の中には、女性の問題を担当する窓口が明確でなかったり、執行機関への女性の参画率が低く、なかなか女性の声が反映されていかない現状があります。
また、年々増加するパート労働者には女性が多いことから、均等待遇を求める取り組みを進めることが重要です。
【まとめとして】
(6)改めて、女性の参画を拡大することは、労働運動の改革そのものであり、社会的に価値のある労働運動を実現することを意味しています。
連合北海道は、女性組合員数の比率と同率の役員体制になれば、自然に労働組合は変わる、との確信をもとに、意識改革は、何回も問うことではなく、女性参画を少しづつ着実に進めることによってもたらされるものという認識をもって取り組みを進めていきます。
|
一、重点課題と進め方
【実質的な男女雇用平等の実現】
(1)2006年度に改正された男女雇用機会均等法については、今後の省令や指針策 定に向けて、連合本部とともに労働政策審議会雇用均等分科会で引き続き要求実現をめざします。
(2)また、間接差別の掘り起こしと問題解決に努め、妊娠・出産に係る不利益取り扱い禁止の課題など、法の実効性を担保する具体的な取り組みを進めます。
そのために、
@ 07春季生活闘争では、男女間の賃金格差を重点的に取り組みます。
A 6月に「男女平等月間」を設け、啓発・キャンペーンを展開します。
B パート・派遣・契約労働者のうち女性が80%であることを踏まえ、均等待遇 実現に取り組み、「男女雇用機会均等法集会」を6月(「男女平等月間」)に開催します。
【新しい推進計画の実施と男女平等参画推進委員会の活性化】
(1)方針策定過程、政策立案、組織運営にジェンダー平等(MEMO欄)の視点が反映できるよう、引き続き改革をはかります。
(2)連合北海道「第3次男女平等参画推進計画」(2006年11月から2012年10月まで6年間、前期3年・後期3年)を策定し、着実に実践します。
(3)連合北海道「男女平等参画推進委員会」については、定期開催をはじめ、機能化・活性化を図ります。
二、継続課題と進め方
【男女がともに担う労働組合をめざし、女性参画の積極的推進】
(1)連合北海道構成産別、地協・地区連合における女性の参画(執行機関、大会、総会など)については、それぞれ推進計画の策定(2007年中)を行い、その中で、女性役員や女性代議員の参画拡大などについて、具体的に目標化し積極的に推進します。連合北海道は、そのための指標を明示します。
(2) 昨年に引き続き、「第6回男女平等参画アンケート調査」を実施し、男女平等参画推進の進捗状況を把握します。
(3)6月の男女平等月間には、男性リーダー養成講座として、「男性のための男女平等講座」を開催します。
【男女平等参画社会推進のための政策・制度要求並びにその推進】
(1)男女共同参画社会基本法(1999年成立)に基づいて内閣府が昨年12月に決定した「第2次男女共同参画基本計画」(第1次は2000年策定)について、主旨の理解を深め、積極的に取り組むとともに、地域の男女共同参画計画の見直しに対しても、審議会等に参加し意見反映に努めます。
(2)次世代育成支援対策推進法によると、全ての市町村、都道府県、301人以上の従業員のいる企業は子育て支援や仕事と家庭の両立などについて目標・目標達成のために講ずる措置を記載した行動計画を策定・届出し、実施することとなっています。
北海道では、301人以上の従業員がいる企業は少ないことから、計画策定が努力義務とされている中小企業においても、働き方の見直し等を盛り込んだ計画作成推進を連合北海道として働きかけていきます。
(3)審議会等政策決定過程への女性参画を推進するとともに、道政、市町村に対する、男女平等参画推進に関わる「要求と提言」活動を積極的に進めます。
【女性委員会活動の充実・拡大について】
男女平等参画の重要度が高まるなか、仕事中心の生活を見直し、バランスのとれた生活づくりが従来に増して重要な課題です。また、男女間の格差をなくすための積極的な取り組み(ポジティブ・アクション)についても、女性労働者を中心に増加するパート、派遣、契約労働者の均等待遇確保も大きな課題と認識し、女性の人権が尊重され、安心して働き続けられるよう運動の拡大、強化が必要なことから各産別、地域・地区組織との連携を深める活動を進めます。
(1)地協、地区連合における女性組織が抱える課題解決を目的にした「連合北海道女性委員会と地協との意見交換会」、各組織との交流を目的に「はたらく女性の集会」等を通じ、ネットワークの拡大、活動の相互交流、情報提供につながる活動を進めます。
(2)活動の交流、情報の交換、コミュニケーションのツールとして情報紙の発行を行います。
(3)連合北海道男女平等参画推進委員会とともに、連合北海道「第3次男女平等参画推進計画」を積極的に推進します。
(4)女性リーダー養成講座をはじめ、育成を目的とした研修会等への参加要請を進めます。
(5)国際会議、国際交流の機会に積極的に参加をすすめ、国際連帯活動を進めます。
(6)「3.8国際女性デー」の企画等積極的に取り組みます。 |
|
□ジェンダー平等
生物学的性別や性差を意味するセックス(sex)
に対して、社会的文化的に作られた性別や性差を意味する言葉。この言葉は、固定的観念と性別による固定的な役割分業(性別役割分業)事態が男女の不平等を生み出すゆえにそれを無くしていかなければならないという女子差別撤廃条約(1979年国連総会採択)に基づく世界各国の女性政策にも取り入れられている。
|
|