大 会 宣 言 (案)
 
 私たちは今、格差の拡大と社会の荒廃に直面している。すなわち、競争至上主義と市場万能主義を標榜し、小さな政府をめざす小泉政権の構造改革路線のもとで、少数の勝者と多数の敗者が生み出され、二極化が深刻化している。そして、今回の選挙で憲法改正提案を可能とする巨大与党が出現したことにより、格差拡大や社会の二極化と右傾化が一層加速することが懸念されている。
 
 職場では、正社員から安易な置き換えでパートなど非典型・有期の労働者等が急増し、中小・下請け企業等はコスト削減の嵐の中でもがき苦しんでいる。これら低賃金労働者の増大と不安定雇用の拡大は、生活や将来への不安を増すばかりである。
 
 自らに目を転じれば、道内の労働組合組織率は18%となり、労働運動は影響力の低下を懸念しなければならず、衰退か再生かの重大な岐路に立たされている。
 
 私たちは、この厳しい現実を正面から受け止め、この2日間、組織財政特別委員会第6次答申に沿う、新たな運動方針案について真摯に議論し、これを着実に実行していくことを全員の総意で確認した。
 
 私たちは宣言する。
 第一に、連合北海道は自らの改革を進め全ての働くものの力の結集軸となり、社会の不条理に立ち向かい、変革に取り組み、労働運動の再生・活性化を果たす。
 第二に、労働運動の輪を広げ、NPOやNGOとの連携を強化し、働くものすべてが正当に報われる「労働を中心とする福祉型社会」を実現する。
 第三に、憲法の平和主義を守り、07年政治決戦に総力で取り組む。
 
 とくにこの2年間で最優先すべきは、中小共闘とパートなど非典型・有期労働者等の処遇改善に最大限の焦点を当てた取り組みであり、地域に根ざした顔の見える連合運動の構築である。
 そのもとで、均等待遇をはじめとするワークルールの確立、サラリーマン大増税の阻止や不公平税制の是正をはじめとする税制改革、社会保障制度の抜本改革、憲法改悪阻止、07年道政奪還、組織の強化・拡大に全力を尽くしていく。
 
 組合が変わる、社会を変える。労働組合は自己改革を進め、助け合い分かち合う運動を、職場から、地域から再生しよう。格差のない社会、希望を託せる社会づくりをめざして、力強く前進しよう。
 
2005年12月2日
連合北海道第18回定期大会
 
「サラリーマン大増税」阻止に向けた特別決議(案)
 
 政府は、これまでの政策運営の失敗を何ら反省することなく、今まさに大増税に走ろうとしている。
政府税制調査会は、来年度税制改正に関する答申をとりまとめ、小泉首相に提出した。焦点の定率減税については、2007年に全廃することが盛り込まれた。連合は、政府税調に対し、徹底した歳出見直しや税制の抜本改革がないまま、景気に悪影響を与える定率減税を廃止することは認められないと強く訴えてきた。しかし、これに耳を傾けることなく全廃を提言した。連合は、定率減税の全廃を行わないよう、改めて強く求めていく。
 
小泉構造改革によって、日本のあらゆる局面で格差が拡大している。その結果、国民の3分の2が生活に不安を持ち、将来に希望が持てない若者が増え、自殺者も大幅に増えてしまった。小泉内閣は、現在の景気について「構造改革によって回復したのだ」と自画自賛している。しかし、それはまやかしである。多少なりとも回復の兆しが見えてきたのは、人員削減や労働条件の引き下げといった厳しい環境のなかで、勤労者が懸命に働き、経済と社会を支えてきたからに他ならない。
 
 その勤労者の可処分所得は、不況によって大幅に減少している。その一方で、医療費の窓口負担、年金保険料、雇用保険料などの負担だけが増えている。多くの勤労者は景気回復の実感できないままである。それにもかかわらず、所得捕捉など税制の不公平に何ら手をつけずに、定率減税の廃止を強行するなら、さらなる痛みを勤労者・国民に押し付け、景気に水を差すことは明らかである。景気回復局面において、国民に負担増を強いた結果、景気を低迷させた橋本内閣の失敗を再現させてはならない。
 
 自民党は9月の総選挙で「サラリーマン増税を行うとの政府税調の考え方はとらない」との政権公約を掲げた。しかし、選挙が終わった途端、財務大臣は「消費税を含む抜本的な税制改革」を示唆する発言を続けており、事実上の増税である「所得税・住民税の定率減税の全廃」の動きを強めている。国民に痛みを求める前に、まず、やるべきことは、特別会計を含めた税金のムダ遣いを徹底して見直すことである。その上で、税制改革にあたっては、所得税の最高税率や法人税率を見直し、制度の不公平をただすことが先決である。連合北海道は、とりやすいところからとるサラリーマン増税ではなく、所得再配分機能の強化と格差拡大に歯止めをかける税制改革を実現する。
今こそ一緒に怒り、一緒に闘おう、以上決議する。
 
2005年12月2日
連合北海道第18回定期大会
 
米空軍嘉手納基地のF15戦闘機訓練移転に反対する決議(案)
 
 
 政府は、東アジア最大の米空軍基地である「米空軍嘉手納基地」から発生する騒音軽減策として、F15戦闘機訓練を国内数カ所に移転・分散させるとし、航空自衛隊千歳基地が移転候補地となっている旨、札幌防衛施設局を通じ道に説明した。
 
 われわれは、この嘉手納基地訓練の移転・分散に、断固反対する。この移転・分散は、「沖縄の負担軽減」ではなく、「危険の全国分散・拡大」であり、これまでの「約束すら守らない」日本国政府・米軍の態度からも全く認められない。
 
 矢臼別移転演習では、沖縄で行われていない夜間訓練が実施されるなど、「沖縄と同質・同量」との約束は全く守られていない。嘉手納基地では、「騒音防止協定」を守らず、早朝4時から100デシベルの爆音を伴う訓練を行っている。
 移転・分散が行われれば、全国各地で早朝から夜中まで爆音を轟かしての離発着訓練が行われ、衝撃波の危険を考慮しない超低空飛行が市街地近隣でさえ行われる。
 米国本土では行わない危険で迷惑な訓練を、日本全国で自由勝手に行う事は許されない。
 
 沖縄には日本国内の米軍専用施設の75%が集中し、米兵による暴行・傷害・放火、大型ヘリコプターなど戦闘機の墜落・炎上・照明弾や部品の落下など、132万人の沖縄県民の生活は常に危険と隣り合わせにある「異常な状態」にあり、この異常事態の解決は喫緊の重大課題である。
 しかし、沖縄の「異常な事態」の当面する解決策は、日米地位協定の抜本的な改定と米軍基地の整理縮小であり、根本的な解決は、米軍基地は米国へ移転・撤収するという「当たり前」のことである。
 
 また、日本国政府は法的根拠無く、在日米軍の娯楽・保養施設を含む駐留経費「思いやり予算」を毎年2500億円近く支払い、その上、世界的に異例の措置と言われながらも沖縄海兵隊のグアム移転費用3200億円を、特別措置法を作ってまで支払おうとしている。
 季節労働者や障がい者への予算は削減し、サラリーマン大増税を狙う政府である。まったく理解しがたく許し難い。「思いやり予算」は撤廃すべきであり、移転費用の負担は論外である。
 
 われわれは、米空軍嘉手納基地訓練の移転・分散について断固反対する。沖縄をはじめ全国各地の平和勢力と連携し、在日米軍の確実な整理縮小を求める闘いをさらに強める。
 以上 決議する。 
 
2005年12月2日
連合北海道第18回定期大会
 
冬期失業解消と通年雇用促進による
季節労働者の雇用と生活の安定を求める特別決議(案)
 
 北海道における季節労働者は、昭和55年度の30万人をピークにその後着実に減少し続けているが、未だ14万人以上が冬期に失業を余儀なくされており、季節労働者の通年雇用促進は本道の最大の地域課題となっている。
 これら季節労働者の通年雇用促進や冬期の生活安定に欠かせない制度として「冬期雇用援護制度」があるが、国は、本道季節労働者の通年雇用化の進捗状況が低く制度の効果が見られないとして、冬期就労や技能向上に大きな役割を果たしているこの制度を打ち切ろうとしており、現行の冬期雇用援護制度は、平成18年度に期限切れを迎え、制度の存続に向けて我々を取り巻く環境は非常に厳しいものとなっている。
 
 しかし、積雪寒冷地ゆえに毎年1−3月期に大きく工事量が低下する本道において、工事の平準化による通年施工という根本対策がなされなければ、季節労働者の冬期失業を解消することはできず、工事の平準化が実現するまでの間、冬期雇用援護制度の存続もしくはそれに代わる新たな制度創設により、季節労働者の雇用と生活は守られねばならない。
 厚生労働省は、現行制度への改悪延長に当たり「制度は3年限り」とする一方、「季節労働者対策は今後も国が責任を持つ」と言明したことを再度認識し、根本対策である工事平準化の実現と制度の存続に努めるべきであり、現在、道は「北海道季節労働者雇用対策協議会」を設置し、工事の平準化と制度の存続を求める方針を年内に取りまとめ、知事を先頭に国に要請していくことにしている。
 
 連合北海道は、道季労・全建総連の当該組合や道、建設業協会など関連する団体のみならず、道内あらゆる団体・組織と連携・協力のもと、工事の平準化と制度の存続・改善を国に求める運動を全道民が一体となって展開できるよう、取り組みを強化していく。
 
 以上、決議する。
2005年12月2日
連合北海道第18回定期大会