その5
男女平等参画社会の実現をめざし、職場、地域からの
均等待遇と男女平等を推進します
[現状と課題・展望]
(1) 連合北海道は、第12回大会(2000年)で「男女平等参画推進計画」(2001年〜0 6年10月、5カ年計画、以下推進計画)を策定し、職場での昇進・昇格等処遇におけ る男女差別の解消や仕事と家庭の両立を担える労働・社会環境の整備に取り組むた め、執行機関への女性の参画と女性委員会の設置に取り組んできました。そして、今 年度は、「推進計画」の最終年度となります。
(2) 連合北海道の組合員数275,747名のうち女性は76,727人(約27.8%)でその 比重は年々増大しています。しかし、産別の執行機関に占める女性参画人数は8.3 9%、地協では2.3%、また、大会など決議機関への参画では、産別の大会代議員 に占める女性の割合は10.9%、地協では5.62%に止まっています。アンケートの 結果から見れば、女性の参画は進んでいません。
(05年度実施「連合北海道男女平等参画アンケート」の調査)※資料参照
(3) こうした実態の改善に取り組むため連合北海道は、組織機構に男女平等局を新設 し、男女平等参画アンケートの実施、初の試みとして男性のための「男女平等講座」 (5月15日)の開催、次世代育成支援法に関わり、「北海道子ども未来づくりのための 少子化対策推進条例」に対する「要求と提言」(2月10日)を知事に提出するなど男女 平等を推進する活動に努めてきました。
(4) わが国では女性労働者が雇用労働者に占める割合は、40.5%に高まっています。 しかし、増加しているのは、パートタイム労働者等の非正社員労働者です。男性の8 1.7%が正社員労働者であるのに女性は45.2%と半分にすぎません。私たちの職 場では、依然として、制度や慣行、意識として男女間格差・差別が続いているというの が現状です。男女平等社会の実現は企業にとっても、社会にとっても必ず実現しなけ ればならない最重点課題であり、本来、労働組合がその規範となるよう率先しなけら ばならないにも関わらず、大きく立ち後れているのが現状です。産別間に格差はある ものの、こうした認識に基づき、男女の雇用平等、仕事と家庭の両立、パートタイム労 働者等の均等待遇の確立に向けて取り組み強化が求められます。
(5) 女性委員会は、女性の社会的地位の向上、男女平等参画の実現に向けた女性活 動の充実・拡大に向け政策制度(男女共同参画社会基本法の定着改善など)の取り 組み、産別・地協・地区連合における女性組織の確立に取り組んできました。
女性委員会など女性組織確立の現状では、産別で女性委員会・女性部が設置さ れているのは、10産別、青年女性委員会・青年女性部が11産別です。
地協では、女性委員会が2地協(檜山・上川)、青年女性委員会が2地協(網走・釧 根)で、いずれも前回調査と同様でした。
「推進計画」では、「女性組織発足の第一段階として、地協所在地の地区連合にお いて、女性委員会の設置に努力する」とされており、推進計画の目標は、当面、地協 か地協所在地の地区連合のいずれかに女性委員会を設置することとしています。し かし、13地協中、当該の地区連合も含めて、女性委員会・青年女性委員会のいずれ も未設置となっているのは、5地域組織(胆振・日高・空知・留萌・宗谷)であり、これら の地域では、「推進計画」の達成に一層の努力が求められます。 |
※資料@大会・総会・執行委員会等への女性参画(05年度第4回「男女平等参画」アンケート)
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大会・総会 |
執行委員会 |
出席代議員数 |
うち女性 |
率 |
執行委員数 |
うち女性 |
率 |
産別
地協 |
2,089
908 |
228
51 |
10.9
5.6 |
344
128 |
25
3 |
8.39
2.3 |
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(補足)アンケートには53産別のうち33産別、そして、13地協全てから回答を得た。
●産別:女性三役が選任されている産別は、4産別(自治労・道国税・全財務・釧路市役所ユニオン)。定期大会等決議機関への女性組合員の参画措置を制度的に確立しているのは、自治労、北教組、UIゼンセン同盟、全農林の4産別。
●地協:13地協のうち総会代議員に女性がゼロという地協は3地協(日高・空知・石狩)。地協の執行委員会に女性が参画しているのは、渡島、後志、檜山の3地協。残りの10地協では女性役員はゼロ。
一、重点課題と進め方
[実質的な男女雇用平等の実現]
2006年度に改正される男女雇用機会均等法を抜本改正し、実質的な平等実現のため、間接差別の禁止(注)、妊娠・出産を理由とする不利益取扱の禁止などを盛り込んだ「男女雇用平等法」を実現します。そのため、@06春季生活闘争では、男女間の賃金格差を重点に取り組みます。A6月に男女平等月間を設け、啓発・キャンペーンを展開します。Bパート・派遣・契約労働者のうち女性が80%であることを踏まえ、均等待遇実現に取り組み、「均等法集会」(5月)を開催します。
(注)間接差別:現行法では直接差別は禁止されているが、間接差別の規定はない。そのため、形を変えた巧妙な差別(間接差別)が広がっている。例えば、ア.職務関連性がないのに、募集・採用にあたって一定の身長・体重・体力を要件とする。イ.昇進にあたって転居を伴う転勤経験を要件とする。ウ.福利厚生の適用や家族手当等の支給にあたって住民票上の世帯主を要件とすることなど。
[男女平等参画推進委員会の活性化と新しい推進計画の策定]
方針策定過程、政策立案、組織運営にジェンダー平等(注)の視点が反映できるよう、改革をはかります。
05年度に実施した、「連合北海道男女平等参画アンケート」を参考に、連合北海道「男女平等参画推進委員会」を強化するとともに、産別、地域労働運動に於ける男女平等、組織運営の改善、組合員の意識啓発などについてジェンダー平等の視点で改革を進めます。また、新しい連合北海道男女平等参画推進計画(2006年〜)を策定します。
(注)ジェンダー(gender)平等
生物学的性別や性差を意味するセックスsexに対して,社会的文化的に作られた性別や性差を意味する言葉。この言葉は,固定的性別観と性別による固定的な役割分業 (性別役割分業) 自体が男女の不平等を生み出すゆえにそれをなくしていかなければならないという女子差別撤廃条約 (1979 年国連総会採択) に基づく世界各国の女性政策にも取り入れられている。
二、継続課題と進め方
[男女がともに担う労働組合をめざし、女性参画の積極的推進]
(1) 連合北海道構成産別、地協・地区連合における女性の参画(執行機関、大会、総会など)を積極的に進めます。
現状と課題・展望でも明らかにした通り、2005年度実施の男女平等参画アンケートの結果(注、参照)、産別における女性執行委員比率は8%、大会代議員の女性比率は約1割に止まっています。こうした労働運動の実態について、参画アンケート報告書は「社会変化に対応できず、旧態依然とした組織運営に終始していないか検証が必要である」と指摘し、また、地協については、「地協に於ける女性参画はスローガンに終わっている」と指摘しました。したがって、連合北海道はこの実態を厳しく受け止め、男女平等参画の推進を強化しなければなりません。
連合北海道「推進計画」では、執行委員会、大会(総会)等代議員への女性参加促進、大会等の議長、大会役員に女性の登用などにつて、地協・地区連合、産別・単組の各段階毎に具体的に提起しており、今年度は5カ年計画の最終年度となります。女性の声が反映され、男女が伴に担う当たり前の労働組合づくりを進めるため、次の点を重点に、連合北海道、産別、地協・地区連合が一体となって取り組むこととします。
@ 大会、総会への女性代議員の参画の拡大(産別、地協)については、代議員数に女性代議員数目標を設定して大会等を告示します。
A 地協は少なくても最低1名の女性執行委員を配置し、女性役員ゼロ地協を無くします。すでに女性役員が配置されている場合は、複数配置を目指すなど女性役員を拡大します。
B 地協に於ける女性委員会の設置については、地域実情に十分配慮することを前提に、未設置の地協(5地協)は、地協所在地の地区連合に設置することも含めて女性活動組織の設置を目指し、女性活動組織ゼロを解消します。
C 第5回男女平等参画アンケート調査(2月〜3月)を実施します。
D 6月の男女平等月間に男性リーダー養成講座として、「男性のための男女平等講座」を開催します。
[男女平等参画社会推進のための政策・制度要求並びにその推進]
男女平等参画基本法に基づいて内閣府が年内決定する「新男女共同参画基本計画」を積極的に推進します。また、男女共同参画社会基本法で努力義務となっている市町村での条例・計画策定を進めるとともに改正育児・介護休業法(2005年4月施行)を普及促進します。
@ 審議会等政策決定過程への女性参画を推進します。
A 道政、市町村に対する、男女平等参画推進に関わる「要求と提言」活動を進めます。
[女性活動の充実・拡大]
男女平等参画の重要度が高まるなか、仕事中心の生活を見直し、バランスのとれた生活づくりが従来に増して重要な課題です。また、男女間格差をなくすための積極的な取り組み(ポジティブ・アクション)についても女性労働者を中心に増加するパート、派遣、契約労働者の均等待遇確保も大きな課題と認識し、女性の人権が尊重され、安心して働き続けられるよう運動の拡大、強化が必要なことから各産別、地区地域組織との連携を深める活動を進めます。
@ 地協、地区連合における女性組織が抱える課題解決を目的にした「女性セミナー」、各組織との交流を目的に「はたらく女性の集会」等を通じ、ネットワークの拡大、活動の相互交流、情報提供につながる活動を進めます。
A 活動の交流、情報の交換、コミュニケーションのツールとして情報紙の発行を行います。
B 「連合北海道男女平等参画推進委員会」とともに、「男女平等参画推進計画」を積極的に推進します。
C 女性リーダー養成講座等、育成を目的とした研修会への参加要請を進めます。
D 国際会議、国際交流の機会に積極的に参加をすすめ、国際連帯活動を進めます。
E 「3.8国際女性デー」の取り組みに積極的に参画します。