その3
 顔の見える地域労働運動の確立のために、
       地協・地区組織の強化と財政の充実をはかります
 
【現状と課題】
@ 地協・地区組織は、結成から今日まで地域労働運動のセンターとして、連合北海道の方針に基づく活動を進めるとともに、その地域の実情に即した運動課題に取り組み、地域における連合の顔として着実な地歩を築いてきました。
 しかし、組織の統・廃合や産業構造の転換に伴う組織人員の減少と財政問題、地域運動を担う人材の育成・確保の問題などを抱えています。
A 一方では、地協や地区連合には、地域の地場中小やパート労働者の多岐にわたる相談に対応する機能や地域住民としての組合員や市民の生活上の様々な悩みを解決していくこと、さらには住みやすい地域社会を創造する政策提言を不断に行うなど、地域社会で頼りにされる「地域に顔の見える」存在であることが求められています。
B また、地域労働運動が生活者・消費者・地域住民としての視点を重視し、NPOや市民団体とのネットワークを拡充しながら、地域労働運動の継続と発展していくために、活動領域や運動のあり方を抜本的に見直していく必要があります。
 このため連合北海道は、組織財政特別委員会の第6次答申の提言をふまえ、顔の見える地域労働運動の確立にむけ、地協・地区組織の強化と財政の充実が至近の課題として地域労働運動の改革に取り組みます。
 
一、重点課題と進め方
 
[地協・地区連合の組織強化と財政基盤の確立]
 
@地協・地区連合の基盤整備
 連合本部は、地協機能の強化と基盤確立をはかるため、全国300地協体制を目標に既存地協の再編・統合に取り組みます。ガイドラインでは、地協設置単位=単組数20組織以上、組織人員=5,000人以上で、連合北海道の場合は、12地協を目安においています。 地協の再編・統合にあたっては、市町村合併の動向、構成組織の単組数・組織人員の規模、財政基盤の規模、官民バランス、各級選挙区との整合性などを総合的に見極めていきます。当面は、行政区の支庁をまたがる市町村合併(渡島支庁の八雲町と檜山支庁の熊石町)が伴う渡島地協と檜山地協との間で、そのあり方について協議していくこととします。
 市町村合併に伴う地区組織の統合・再編については、地協の下に「地区連合あり方委員会(仮称)」を発足させ基盤整備を図っていくこととします。統合・再編にあたっては、一自治体一地区連合を基本に組織・財政・運営を一元化していきますが、統合された町村には支部の設置を可能とし、日常活動の連携体制を確立していくこととします。 
 
A地協財政の確立と交付金の再整備
 地協財政については、これまで同様に連合北海道からの交付金と地区連合拠出金を基本に確立していきます。組織財政特別委員会の答申にある「地域に根ざした顔の見える連合運動」を実践していくために、地協財政基準を見直し地協交付金の再整備・増額をしていきます。
 また、地協・地区連合財政の強化を図っていくには、地域活動資金(地区連合会費)の納入率向上が大きな課題となっており、地区連合結成当初の全体的な目標である組織人員の70%納入に向けて、構成産別・単組の一層の協力・努力を求めていきます。
 一方で、限りある財政を如何に有効に使うか、選択と集中を念頭に財政の効率的な運営も求められており、連合本部のモデル地協に選定した5地協(渡島、胆振、空知、上川、十勝)を中心に地協財政運営の改革に取り組んでいきます。
              
[組合員・道民の共感を呼ぶ運動への脱皮]
 
@ 連合運動には、如何に広範な道民の共感を呼ぶ活動を起こしていくか重要な課題となっています。連合評価委員会の報告では、「職場から、地域から、空洞化する足下からの再出発を、労働者にとって身近な場所での地道な活動にしっかり取り組むことがスタートラインとなる」と、連合運動の再生に向けた一つの指標を示しています。
 職場・地域に軸足をおいた活動を具体的に実践していくために、連合に結集する各級役員を中心に地域ブロック単位の総対話活動を開催し、連合運動・労働組合を取り巻く問題・課題について認識の共有化を図っていきます。
A また、地域住民たる組合員はじめ未組織労働者、市民へのアプローチ拡大を如何に図っていくかも重要な課題となっています。
 連合・労福協・事業団体は、NPOや市民団体との広範なネットワークで地域の支え合い基盤の確立に取り組んでいくことを確認しました。具体的には、労福協・労働金庫・全労済などと連携して、地協・ブロック労福協を拠点とした勤労者の総合生活支援ワンストップサービス体制の確立に向けて共同作業で取り組んでいくこととします。
 
二、継続課題と進め方
 
[地域労働運動の活性化に向けた改革]
 
@ 地域労働運動の活性化に向けて、個々の課題の取り組みについて「何を重点に、誰が、いつまでやるか」具体的な対策を詰め切る組織のシステムづくりも課題となっています。
 取り巻く問題・課題について認識の共有化と地域労働運動の活性化をはかっていくために、地協・地区連合における機関会議・運営会議の構成員、開催頻度のあり方など、運営の見直し・改革に向けた指針づくりに取り組みます。
 
[地域労働運動を担う人材の確保]
 
@ 地域労働運動を大きく前進させていくには、次代を担う活動家の育成・確保に向けて、青年や女性の活動への参画、人材の育成(登用)を推進するなど、地協・地区連合を構成する産別が積極的に協力・支援していくことが不可欠の要件となっています。
 それぞれの地域における人材育成の中期ビジョンを持ちながら構成産別・単組の責任分担・協力体制の確立に取り組んでいきます。
 一方で、豊富な経験と知恵を持つ退職者・OBなどと連携し、地域運動の一翼を担ってもらうボランテイア活動のシステムづくりに取り組んでいきます。