週刊紙「Argument & Fact」サハリン版 No.14、2002年4月

森林はだんだん遠くに去ってゆく

 林産業コンプレックスにとっての良き時代−それは、停滞(旧体制)の時代にしては不思議と思われるかも知れないが、サハリンで約2 5 0万〜3 0 0万立米の木工用材と製材が調達された。現在の林産業コンプレックスはその3分の1にも達していない。
 最近、林業と製材産業の復活対策が試みられたが、しかし、いまのところ望まれた効果には達していない。海外へは主に原木が流出して、その取引は原価の値却さえできない。主な木材保有量を有するサハリン中央の多くの集落では、造材企業は集落形成の大きな役割をなしている。そして社会福祉が林産業コンプレックスの全収益を「食いつぶす」。古びれた集積所は事業の拡張を妨げ、その復興には資金がない。これら総てに付け加えてエコロジーと搬送問題がある。これに関しては、現在「サハリン・エコロジ−」という社会団体が検討を進めている。これらの考究は問題の完全な究明にはならないが、しかし、林産業コンプレックスの最も無防備な点を正確にしめしている。

保有量と需要

 林業分野の基盤である木材の保有量は、非常識な伐採と森林火災によって枯渇した。現在加工製材用木材は遠距離の手の届かない区域、例えば、スミルヌィホフスキイ−地域の急斜面地帯である。このような斜面での原木の伐採は、その木材を輸出してもコスト償却さえできない。
 生産にかかわる問題のほかにエコロジー条件が大きくかかわってくる。いま残されている加工用木材のある区域は魚の産卵河川上流でエコロジー的に重要な場所である。樹木は貯水、土壌保護、護岸機能を果しているのである。木材搬出道路やトラクターによって河川が荒らされている現伏を目の当たりにすることがあるが、許されないことである。
 冬季の伐採は夏と違って木材の搬出がはるかに楽であるが、しかし雪が溶けると、河川の荒れた状態が現れる。このような自然と人間の関係で、河川が魚の産卵を満たす機能を発揮できるだろうか。(株)「林産業」、(株)「スミルヌィホフスキイーレス」が稼働しているスミルヌィホフスキイー地域には実際に上記のすべての違反行為が日常のパタ−ンとしておこなわれている。

生命からの映像

 最近まで、ロシノ町は、「サハリンレスプロム」(サハリン林産業公団)時代から保持されている木材加工コンビナートのおかげで製材業だけを頼りに存在してきた。実に木材加工コンビナ−トはこの町で唯一の安定した現金の出処源であり、山菜の調達と販売で、保証された給料にプラスされる収入となっている。現在電力不足で、木材加工コンビナートの町はしばしば停電している。自家用ディーゼル発電所からの電力はあまりにも高価なものである。この冬は仕事がなく、各家庭は食料の補給に山菜のでる時期を待ち焦がれていた。勿論、ロシノ町の人々の問題点ははるかに多い。それは特に不安にかられる。州の多くの林間集落がこのような状態にある。何時かは必要な資金の調達が可能になり、集落と木材加工コンビナートへの安定した電力供給問題は解決されると考えられる。しかし、それはすでに重要な問題の解決にはならない。現在、コンビナートへの木材は、アレキサンドル地域から供給されている。近くには木材がない。町に安定した電力供給はあるが、しかし生産企業のための原料がないという事実は何を意味するか推察できる。
 これは、ちょうど経済問題が次第に社会問題に転化する場合である。ここに示した問題を当局が無関心でいるとはいえない。しかし、問題解決への現実的動きはない。経済的と社会的観点の考慮を伴った林産業コンプレックスが機能を果すことと発展のすべての問題が包括されたシステム化事業が必要とされている。

林業プロジェクト・コーディネ−夕−、社会団体「サハリン・エコロジー」

                             E.メジエンナヤ


ロシア週刊紙「ARGUMENT & FACT」N0.44 2002/2

預貯金はどこに

 USドルは停滞し物価はウナギ登り。それに給料は「スズメの涙」。汗水流して貯めたお金はどこに預けたらいいのだろうか。

 USドルを保管するもっとも一般的方法は「枕の下」である。しかし昨年はそれが損害をもたらした。というのは、ドル高が7%にすぎないのに、物価は19%上がったからである。中央銀行の予想では、1ドルは34ルーブルで10%のドル高だが、物価は14%上がり、インフレ率は30%に達するという。
 国家統計委員会によると、昨年度の市民預金はほぼ1倍半増えた。しかも古くからの「貯蓄銀行」から「商業銀行」にシフトされた。主に35歳未満の若い人が1.5万ドルから2万ドルの預金を持っているようだが、彼らが商業銀行を選ぶ理由は、より多様なサービスを受けられるからで、例えば、自動支払いや、有価証券の購入、外貨と外貨の兌換などである。それに商業銀行は利子が17%と貯蓄銀行より高い。
 ただ、それにしても一般市民には貯蓄銀行の評判はいまだ高い。例えば3ヶ月間300ドルを預けると、利息は年利換算で15%である。
 それに対し商業銀行は、ドル貯金が有利で、同様な貯金に9%の利子が付くが、ドルが10%高くなると年末には20%のルーブルキャピタルがもたらされる。
 国はいま債権というもう一つの「貯蓄商品」を準備している。それがもたらす利益がどの程度かはっきりしないが、ルーブル危機までは年間20〜25%の利益になった。

2001年ベースでどれだけ利益が上がるか 試算

貯蓄銀行 10〜14%
商業銀行 10〜20%
ドルの現金  6〜7%
ドルをロシアの銀行に 16〜18%
ドルを外国の銀行に 10〜12%
ロシア企業の株 40〜200%
インフレ率 18.6%

ロシア週刊紙「ARGUMENT & FACT」N0.45 2002/3

収賄の事実はあるが、犯罪者はどこ?

 収賄の拡大・伝播は、民族に大いなる不幸をもたらし、国家は林業・漁業。鉱業、その他の経済分野でコントロールを失うことになる。
 3月12日、ハバロフスク市で開催された、極東連邦管区の監督・司法機関指導者会議で、ロシア連邦大統領全権代表のK.プリコヴォスキーが強調した。

 2001年度には管区内で、地方・州などの様々な省庁で1,338県の違反事実が認められている。しかし全権代表は「高級官僚の収賄事実について確実な情報があるにもかかわらず、摘発の試みもない」と、司法の怠慢を指摘した。
 会議でK.プリコヴォスキー全権代表は外貨の収入源となる資源の違法な国外持ち出しの阻止と、外貨売上金の全額納入を促進するよう、全ての組織指導部に要請した。

馬鈴薯は私たちの力!

 サハリン州はロシア全国の中で農産物分野では良好な地域の一つとされている。なかんずく馬鈴薯と野菜の生産は採算がとれており、諸地域の格付けでは上位を占める。ロシア農業省幹部会の「農工集団事業業績報告」で発表された。
 養鶏事業でも我が州は優位を占めている。gちゅうにゅ宇・食肉の生産ではいまのとこ赤字だが、ロシア全体で採算がとれているのはわずか4事業体でしかない。
 農業省幹部会の中で、北極圏にある農工集団事業の指導者による円卓会議が組織され、サハリンも積極的に参加した。

3月13日のドル・円相場

1ドル 31.0545ルーブル
100円 24.1481ルーブル

ロシア週刊紙「ARGUMENT & FACT」N0.44 2002/1

「独立検事」ができた

 ロシアの法体系に「独立検事」なるものが現れたようだ。その理由は、すでにご承知の税関・検事総局と特務機関とのゴタゴタである。
 90年代のはじめからロシアの特務機関は、巨大ビジネスに大きな関心を持った。特務機関はそのギャングとの闘いで彼らのビジネスを助け、屋根の役をこなし、時には自分の職員を通じ、または組織自体が会社を組織した。噂によるとこのような実務により必要な収入の助けになったというし、このようなシステムは多くの国家保安組織が使っている。 非公式な評価によると、このような会社が少なくとも200以上はあるといわれている。年間の収入は数百万ドルに及び、これらの組織の後見人は常にKGB、いまはFSK(連邦諜報機関)の複数のメンバーで担当されている。
 このような諜報機関の活動は有り余るほどある。武器、暗躍に必要な諜報員、設備、秘密職員(モグラ)などのために膨大な経費が費やされる。
 ぜいかんのちょうであるM.ヴァニンはこれらの商業機構が大口商品の輸入(密輸)を行ったため、国家は数千万ドルの収入を失ったことに注目した。
 そしてこれに厳しい裁定を下した後で、反応が起こった。あぶなくM.ヴァニンは地位を失うところであったが、プーチンとの強い関係で助かった。カシヤノフ首相もM.ヴァニンを支持している。
 しかし、すべての省庁の利益の調整と合意は残されたままである。これにはメスを入れるべきで、それは「独立検事」の任務である。

ロシア週刊紙「ARGUMENT & FACT」N0.44 2001/11

地域公務員の給与は中央の公務員より高い

 アンドレイ・ドクトリン副首相の話
 われわれは全ロシアの国家公務員の給与を1月1日より引き上げることを確約する。そのための予算を128億ルーブル増額した。また連邦の人件費の増額に130億ルーブルが見込まれている。モスクワはこの使途を厳重に監視する。
 多くの地域で教職員や医師、などの給与を引き上げるための資金が足りないとの苦情が出ている。政府としては理解しがたい。なぜなら地方政府の公務員の給与は連邦国家公務員給与の数倍高いことになっているからである。

地域名 平均給与(ルーブル) 国家公務員に対する比率
ロシア連邦 7,564.9 1.9 倍
カレリア共和国 10,573.6 2.1
モスクワ州 13,177.1
スモレンスク州 8,857.7
ムルマンスク州 19,063
カリーニングラー ド州 9,655
クラスニダル地方 9,758
レニングラード州 8,644.1
リベック州 8,846.8 2.7
ボルゴグラード州 8,155.6 2.5
ベルミ州 7,201.5
コミ共和国 11,524.9
トゥラ州 5,304.9 1.6
ウドムルト共和国 9,744 1.6
カラチャイ・チゥルケッスク共和国 3,643.3 1.2
オレンブルグ州 7,642 2.1

ロシア週刊紙「ARGUMENT & FACT」2001年10月 No.40

サハリンの土地とその豊かさ  色鮮やかな農産物市

 州農業局の近くでは3週間にわたって秋の農産物市が賑やかに開催された。数百人のユジノ・サハリンスク市民が、馬鈴薯、その他の野菜、肥料、果樹の苗木、様々な農具、花木の苗等を買い求めていた。自営農家、個人、ダーチャ、ならぴに国営のソフホーズ「コルサコフスキー」「クラスノポリスキー」「トマリンスキー」が十数種類の農産物を出品した。はじめて、オハの市営ソフホーズが、農業の成果を発表するこのようなイベントに参加した。
 小さい動物・家檎:アヒルとガチョウ、雄七面鳥およびウサギのニーズが非常に多かった。雌鳥は1羽75ル−ブルで−瞬に売り切れた。「IMS−チェクノ・チュド」社は農業機械の見本(USA、日本、イタリア製)草刈り機、小型除雪機、ロータリー・カルナベーターつきトラクター等を出品した。
                        ナクリヤ グロジナ

冬を迎えるにあたって 島の燃料・エネルギー・コンプレックスの諸問題

 消費者は電力機関に4億ル−ブル以上の未払いをしているので、完全な越冬の準備をするためには、それ相応の資金が足りない。石炭は十分ある
 担当者の話では、各発電所の貯炭量については、心配ないという。今年の炭鉱の出炭量は、計画で335万8千で、現時点で約250万トンに達しており、昨年の同時期にくらべて50万トン多い。しかもクリル諸島にまで十分に間に合うだけ輸送して貯炭を終えている。これは、最近の10年間になかったことである。
 適時の融資が功を奏した。しかし最も重要な出来事としては、石炭企業の構造改革がなされたことである。採算の採れない炭鉱を閉鎖し、最近の5年間に20か所に露天掘鉱を開発した。シャクチョルスクに極東で最も大きい石炭海運ターミナルを建設し、主な懸案の問題は解決された。石炭企業関係者は、サハリンとクリルの燃料問題を解決したばかりでなく、近隣の地域や日本と韓国に輸出することを企画しており、すでに船積みが始まっている。

修理に手違い

 エネルギー機器の修理に約200万ルーブルを費やした。しかし、まだまだ総ての機器の越年準備が完了したとはいえない。国営地域発電所のボイラー、タービン発電機、第1熱・電力発電所のタービン発電機およびオハの熱・電力発電所のタービンとボイラーが修理中で、大陸からのパイプの入荷が遅れているので、発電所の新しい試みのガスタービン運転を含めて、冬期にむけての準備が計画通り進まず問題となっている。これは、消費者が規定通り一定期間に電力使用料を納めず、滞納していることと関連している。それは修理に必要なパーツや資材の一定期間内の購入ができない。
 総体的に、資金不足で、燃料・エネルギー・コンプレックス(TEK)の越年準備の進行が困難こ直面しているということである。エネルギー企業は、石炭購買料2億5千万ルーブルを支払っておらず、石炭企業は、使用済みの熱・電力料約5億ルーブルを支払っていない。ここから、TEK全体の、必要と否定的結果をともなう実際のアンバランスが出てくる。
 地域エネルギー委員会は、TEKへの緊急支援として、電力使用料金率を引き上げることを決定した。しかし、それは問題解決にはならなかった。今のところ消費者は従前通りの料金しか払わない。越年準備期間はまだ多少残っているが、しかし、論理的終未までにすべての修理作業が完了されるという保証はない。従って、消費者は電力使用料金の滞納分を早期に納入することである。そうでなければ、今の状態では、冬に停電や暖房供給の停止に悩まされることになりかねない。

 ミハイル イワノフ

北西に密輸の穴 税関の秘密

 ロシアに輸入されている商品の約20%が密輸の道をたどっているというデータがでている。そのためには、替え玉の「ー日会社」を通じて書類を偽造しなければならなく、税関の職員に賄賂を使うことになる。これに関するインタビューを、最も秘密的組織であるロシア税関庁長官アレキセイ・コンスタンチノフとおこなった。

 Q 輸出入のプロセスで、どんな商品が最も多く法律違反をするのであろうか?

 A 輸入に際して、最も多い犯罪は、自動車、食料品および家具である。輸出では木材、総ての金属と石油となっている。このビジネスの規模は印象的である。

 Q 今年の8か月間だけでも、本紙によって2229件の密輸事実の刑事犯罪が提訴された。どうして、貴方がた税関が運ぶ商品の実勢価格を判定できないのか?それとも貴方がたの士官のなかに買収されている者がいるということなのだろうか?

 A 家具の現実的価格を目見当で判定することは非常に難しい。家具は自動車と違って、その価格が統一されたカタログがない。 私としては言いにくいことではあるけれども、正直いうと、私たちにも稀には不誠実な職員がいる。最近、私たちによって、前例のない裁定がなされた。それというのは、オジンツォスカヤ税関を閉鎖し、士官全員を解雇して、その書類を法制機関に提出した。バルチック税関長と北西方面税関長が罷免された。
 調書によると、今年の6か月間に上記の地域において、密輸者が、またもや現地の税関の「手助け」でロシア国家に入るべき数千万USドルを横取りした。例えば,エヴロソユズがロシアに棕櫚油23トン輸入の割当を発給したが、しかし書類によると、北西方面税関局を、595倍多いその量が通過している。

 Q 最近、放射性物質の密輸が横行しているというが。

 A 若干の人々が自己と他人の健康を損なうことを恐れず、この「致命的」な新しいタイプのビジネスに手をだしている。このようなビジネスは、最近の3年半の間に601件もあり、うち222件は今年の前半期に摘発された。
 近頃、ムルマンスクで、あるノルウェー市民が、ロシアから放射性物質を含有する鉱石カリウムー40、トリウムー232、ラジウムー226、セシウム−137の標本を違法に持ち出そうとして拘束された。カリーニングラードの税関は、ドイツからモスクワ宛ての、210リットル入りの密封された樽136個、書類上の中身が「有機溶剤」と記されているものを差し押さえた。税関で調べたところ、それには危険な廃棄物Y−6が入っていた。この荷の、モスクワの荷受け会社とベラルーシの運送会社を探したが見つからなかった。この20トンの放射性物質は、現在私たちの倉庫にストックされている。
                        セルゲイ・ポリソフ

ロシア週刊紙「ARGUMENT & FACT」2001年9月 No.39

 ロシア金銭が海外にでまわる

 パンク・ロシアは、ロシア人が外国銀行で自由に口座を開くことを、ついに許可した。9月29日から、わが国の市民各々が初めて、資本洗浄問題委員会委員の34ヶ国(国名下記)の銀行に自分の口座を設けることができることになった。

 インストラクション(指令)No.100では、ロシア市民は、外貨を法律で許容される振り替えあるい、はロシア連邦から持ち出してか、または国外で入手した外貨を海外で自分の口座に振り込む権利を有する。但しこの場合企業活動からの収入は除外される、といわれている。
 国内からの現金の持ち出しは、周知のように1万ドル迄とされている。外国銀行への、手形勘定は外貨ライセンスでロシア銀行経由で振り込むことが可能である。金額の限定はない。
 口座からの金銭は、前記同様、企業活動以外は何に使われてもよいとされる。つまり医療費、学費、法律上のサービス費等に使われるほか、有価証券の購入も可能である。不動産の購入、投資は禁止となっている。
 わが国は、預金者を正確にコントロールするつもりである。第1に、預金者は徴税監督局に、ロ座の開設を報告する責務があり、必要に応じては口座の抜粋を提出し、第2に、法律は、振替を実行するロシアの銀行に、10日間以内に納税者の口座についての総ての・作業に関する報告をすることを義務づけている。
                     
    口座をを開設できる国名:
 オーストラリア、オーストリヤ、アルゼンチン、ベルギー、ブラジル、イギリス、ハンガリー、ドイツ、ギリシャ、香港、デンマーク、アイスランド、スペイン、イタリア、カナダ、韓国、ルクセンブルグ、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、シンガポール、スロバキャ、USA、トルコ、フィンランド、フランス、チェコ、スイス、スウェーデン、日本    

ロシア週刊紙「ARGUMENT & FACT」2001年9月 No.38

海産物以外のクリル諸島の資源


 質問:極東の漁業者はクリル海域で年間150万トンの魚を捕っていることはよく知られている。しかしマスコミの話では、日本が執拗に所有権を主張している島々にはそのほかに、計り知れない豊かな資源があるというが、それは何であろうか? I..セルゲエフ オハ市

 答え:もっとも多いのは地下資源である。日本が所有権を主張している、イトゥルプ(択捉:訳者注)、クナシル(国後=訳者注)および小クリル(歯舞、色丹:訳者注)の総面積は5,147平方キロメートルである。そのうちの65平方キロメートルは保護区域となっている。実に、ここにだけ、島のユニークなエコロジー・システムが保存されていて、高さ30メートル、幹の周囲が1メートルにおよぶ南国の美樹モクレンが、雄大なエゾ松やトド松とともに生えている。クナシル島には、ここでしか見られない緑色の鳩が生息している。
 学者と専門家の予測によると、島の大陸棚には15億トンの石油と天然ガスが埋蔵されているといわれている。金が約2千トン、銀が約1万トン、チタンが4万トン近く、鉄が27万トン以上の埋蔵量があると評価されている。イトゥルプ島は、稀有金属レニウムを毎年36トン、噴出される火山ガスから採取できるロシアで唯一の場所である。レニウムはロケット、航空機製作、石油化学等に使用され、その量は世界で1年に消費されるこの金属の総量に匹敵する。
 ロシアにとって、クリル海峡は重要な戦略的役割をなしている。それは地理ということだけでなく、地政学ともいわれる。
                               エヴゲニーー セルゲエフ オハ市
ルーブル、ドルおよび金

 質問:テロ事件は、アメリカにおける財政市場に影響をおよぽした。サハリンにおけるドルの相場に何らかの変動があったろうか? いま、それをめぐって、私たち庶民は万一のための貯蓄を、どこに保管したらよいのだろうか?
                              T.B.ユジノ・サハリンスク市

 答え:ユジノ・サハリンスク市では、ドルの相場をめぐって「ロシアの他のいくたの地域で起きたような騒ぎは見られなかった。」と銀行では、私たちの質問に答えた。住民からの1ドルは28ルーブル50コペイカで買われ、29ルーブル60コペイカで売られ、公定の相場範囲ないで取引された。
 貯蓄金の保管の方法に関しては、愛国者ならルーブル口座を開いたらよい。貴方の「謙虚なルーブル」が祖国ロシアの経済のために役立っことになる。そしてまた、サハリンに新しい効果的な貯蓄方法が表れた。「モスクワ銀行」支店は、ユジノ・サハリンスク市に純度900の金貨を試験的にー口をもってきた。その金貨1ケの値段は2千ルーブルである。勿論、この値段は時間の経過とともに高騰する。しかしこの金貨を買った場合、何処に、どのような方法でこの貯蓄金を保管するかは、各自、個人の問題とされている。
                                     ミハイル グロフ
 
ロシアの石油がアラブの肩代わりができるか?

 USAは、アラブ諸国の石油に資金を注ぎ込むことを止めて、ロシアに向きを変えることである。私たち両国はそう遠く離れているわけではない。ロシアは、べーリング海峡を挟んで、アラスカとは86kmしかない距離にある。

 今日、全世界の経済は、アメリカがテロリズム対してどのように反応するかを待つことで、その動きが静かになっている。明らかなことは、USAはテロリストを厳しく処罰するとしていることである。しかし、反撃を誰に向けるかは、今のところ決定していない。サウジアラビア、クウェート、イラク等アラブ諸国のうちのいずれかの国が被害を被る可能性がある。重要なことは、敵の経済を毀損することにある。それには、オイルパイプラインも爆破することになる。最終的には、世界の石油の流れが新しいコースをとる可能性が出てくることになる。
 今日、最大の石油輸出国はサウジアラビアで、テロリストNo1のウサマ・ビンラデインの祖国である。しかもその最大消費国はUSAで、この国は1年に8億3千300万トン(世界市場の1/4)の原油を「呑み込む」。USAは世界中ガソリンの42%、試剤とディーゼル燃料の1/3を利用している。超大国USAは、これらの総ての資源の1/6を中近東から調達する。このようにして、アメリカ人たちは毎年300億ドル以上をアラブに注ぎ込んでいる。
 正に石油こそビンラデインの並外れた富と彼の狂気じみた破壊に向ける激情の源をなしている。今日、私たちには、石油以外にはこのような大金をもたらすものはないような気がする。
 ロシアは、世界における石油産出量では第2位を占めている。私たちの広大な国内には全世界の石油の13%と天然ガス45%の埋蔵量がある。これらの資源産出の半分以上は原料の形で海外に出される。
 英国石油エージェンシー「ペトローリアム・アルゴス」のモスクワ事務局長セルゲイ.
ルキヤノフ氏は、「今のところ、合衆国は、私たちのための伝統的な石油市場には参如していなく、パイプライン“ドウルジバ”は、旧社会主義国圏とドイツに送油している。タンカーではAPA諸国(アムステルダム・ロッテルダム・アントワープ)およびイタリア、ギリンア、スペイン、トルコの他、多少フランスに運ばれる。原則的には、ロシアの石油製品は大西洋を経由して出てゆく。その主なものは重油である。すべての問題点は、ロシアは十分な大口量の輸送ができないことにある」と語った。「トランスネフナ」社は、石油の蒸留を、太平洋沿岸までのロシアの領内でおこなうことの設計に取りかかっている。実際のところ、今私たちはパイプラインをアメリカへではなく、中国に向けて建設している。その建設費はほぼ4億ドルにのぼると言われている。
 「トランスネフチ」副社長セルゲイ・グリゴリェフ氏は、「勿論、このようなパイプラインの建設は安くはあがらない、しかもロシアの長期的利益を考慮すべきである。ロシアの石油が中国一国が購買者ではなく、私たちは、石油の輸出をタンカーで、日本、中国、朝鮮を含むアジア諸国に運ばれれば、問題は別である。その意味では「トランスネフチ」社の、“石油の蒸留を、太平洋沿岸まで”の構想は、ロシアの石油市場における立場を強化する」と語った。 ヴエロニカ スヴコワ

 我々には第2の 「アフガニスタン体験」は必要ない

「A&F」の質問にたいする、アフガニスタン民主主義共和国における戦闘のソ連軍最高指揮官の一人ヴァレンチン・ヴァレンニコフ将軍の回答。

 −アフガニスタンにおいてアメリカは、どのように戦わなければならないか?

 −空軍と巡行ミサイルによって兵器庫とモドジャヘドフの陣営を撃破する必要がある。それには、その基地を正確に知ることである。−般住人が被害を被ることのないように、広場の攻撃は絶対にしてはならない。しかもそこへ部隊をもって入り込むことはばかげたことである。これについては、英国にも、われわれにも多くの体験がある。

 −しかし、ウサマ・ビンラデインに対するスポット攻撃はアメリカによって、すでにおこなわれたが、なんらの効果も見られなかった。特殊落下傘部隊の投入を試みたらどうだろうか?

 −もしアメリカがビンラデインを捜索するなら、アフガニスタン全土を掃討・探索することになり、一その作戦には数10万の人員を動員しなければならない。彼らが今実施しているような、小規模動員の配置では、その目的を達成することはできない。

 −国際テロリズムとの闘争で、ロシアはどのようにUSAを援助できるか?アメリカに、われわれの同盟国タジキスタンとウズベキスタンの飛行場を提供してもよいのか?

 −われわれは、ずっと以前から長い間、国際テロリズムとの闘争をしてきた。アフガニスタンでも、チェチェンでも、誰もわれわれを支持してくれなかった。アメリカは人権侵害とばかり言った。それで、USAは、これからはわれわれと行動を共にすべきである。対テロリズム連合国を設立することである。われわれの同盟国であるCIS(独立国共同体)の加盟国がアメリカに、その基地の提供を勧めることは、合目的性がないと私は考える。USAは、スポット攻撃をパキスタンの領内からと、タリバンをインド洋上の航空母艦からの空爆で攻撃すればいいだろう。ロシアはアフガニスタンにおける新たな戦争に参加する必要は全くない。

ロシアにおける死亡原因と数

 第1位 循環器疾患 1,222,711
 第2位 癌腫瘍      296,858
 第3位 自殺         56,568
 第4位 殺人         40,532
 第5位 自動車事故    39,341
 第6位 アルコール中毒  33,979
 第7位 結核        29,585
 第8位 溺死        15,866

ロシア週刊紙「ARGUMENT & FACT」2001年9月 No.36

 政治,政権 @ ヴオロシンとカシヤノフは試練に耐えている
         @ ベレゾヴスキーのチェチェン細道


 クレムリンの隠れた政治動向は、外部からはそうよく目につかなくなったが、しかし十分な力で進められている。
 外見上良い状態にあるような、A.ヴォロシンとM.カシヤノフも継続して重大な試練に耐えている。何といっても、V.プーチンに対する力構造とペテルブルグ・チームメンバーと言われる側からの圧力が弱まらない。この圧力というのは、前から言われていた、エリツイン時代の彼や腹心であった、2人の中心人物の交代である。この志向の重要性に疑問はなく、もうすでにその試みがなされている。 噂では、可能な首相候補として、最近大きな話題になっている、ノヴォゴーロド州知事M.プルサクは、ただ、注目を他にそらす目的につかわれたと言われる。事実上、彼の背後では、国防相S.イワノフ、会計会議所長S・ステパシンのような政治家が動いている。S.キリイェンコがヴオロシンまたはカシヤノフの地位に昇ることも除外できない。彼はいま、自分に注目を向けさせるためにあらゆる手段を講じている。
 B.ベレゾヴスキーも政権の座復帰を主張している。最近彼は、公開活動とともに、部外者の目から閉ざされた図式で活動している。軍管区からの情報によるとB.ベレゾヴスキーは今、チェチェンにいる可能牲があって、マスハドフ、外のチェチェン活動家たちと接触していると言われている。この情報が事実であるとすれば、チェチェンとの和平に近づいた人間として、交渉の土壌を持ってロシアに帰るのが、ベレゾヴスキーの唯一の目的であると言われている。

 政治、参謀総本部 @ 「軍のシンク・タンク」は新しいうねりを受けた

 国防省において実質的人事移動があった。参謀本部は、軍人的表現による「軍のシンク・タンク」は新しいうねりを受けたと言う。沿海地方から上院議員になった、参謀総本部第1副部長X.マニロフのあとに、Y.バルスヴスキー陸軍大将が就任した。最近彼は、軍の鑑定員として、ワシントンで対ミサイル防衛問題に関する交渉にあたった。まさにバルスヴスキーが、参謀総本部長A.クヴアシニンとともに、プーチンがアメリカを訪問するとき随行することになっている。
 最近、参誌総本部の要である、作戦総局の局長に陸軍中将A.ルクシンが就任した。国防省の最も秘密官庁である諜報総局に著しい変転があった。その6つの主な支局の長は対外諜報組織勤務出身者から指名された。

                         アレクサンドル コンダラショフ

政治 サハ共和国(ヤクーチャ)に変わりの大統領がみつかる

  サハ共和国の大統領M.ニコラエフは、最終的にクレムリンの信頼を失ったようだ。最近の半年間、彼を監視して、ついに決定を下した。 「サハ指導部の政治に対する不始末の発覚について」は、すでに9月に宣伝キャンペーンがはじまった。実を言えば、検討を必要としない。いつもの無力で頼りないこの国の大統領と政府は、洪水の時にその無能さをより鮮明にした。
 この決定には別の内情がある。クレムリンに近い財政構造は、ヤクーチヤのダイヤモンドに目をつけた。しかも、中央政府の意見によると、全国の20%以上の領域を有する共和国自身がより忠実な指導者を要望していると言う。これは、サハにはロシア人の人口が半数以上を占めているにもかかわらず、指導的地位は、主にタイトル民族に占められていることから、人事面での改変を意味するものである。しかし、政治的拡張の他に経済約拡張も準備している。
 いずれにしても、近いうちにサハに向けて鉄道の敷設が始まる。そうなると、この広大な領域の意義は、ロシアのためには、若干大きくなることになる。勿論M.ニコラエフの岐路はすでに確定したが、しかしこの人物のよりを戻すのは9月の終わり頃になる見込みである。噂によると、後継者はヤクーチヤ出身者でなく、ロシア・ベラルーシ連邦の国務長官のP.ポロジンであるとのことである。

     アンドレイ ウダラノフ・

ロシア週刊誌「ARGUMENT & FACT」No.34、2001年8月

  モスクワのホワイトハウス
 大統領の休暇は今のところ続いているが、カシヤノフ首相は日焼けしたフレッシュな姿で、すでに仕事に取りかかった。そして、ロビーでは、またもや彼の内閣の今後についての噂が流れだした。ある情報によると、5月の人事移動予定が、近いうちに実施されるとのことである。あたかも、T.クレバノフ副首相と国家建設委員会のトップのA.シャムザファロフが潜在的犠牲者と言われている。原子力潜水艦「クルスク」の引き揚げ作業失敗の場合、例えば、ドックへの輸送中の事故または原子炉に不測の事態が生じた場合の「いっも他人の罪の責任を負わされる人」の役が与えられる。第2の官僚の運命は、河の氾濫で被害を被ったレンスク市の復旧が9月15日迄に完了するか、またロシアの住宅・公共施設の越冬準備が規定の日程までに完了するかにかかっている。 カシヤノフ首相自身も、その地位を保っことが難しいという噂がたえない。彼の後継者として可能性があると、ノプゴロド州知事M.ブルサクの名をすでにプレスが揚げている。本紙が得た情報では、最近X.プーチンが彼と非公開の会議をおこなったと言われている。そこであたかも知事に、近い将来の昇格が約束された第1副首相の地位が提案されたと言われている。しかし、彼はことわったという。専門家の意見によると、「重苦しい多忙の秋をカシヤノフに任せて、ブルサクはモスクワへの移転を急ぐことは得にならないと考える。人事の転置換えのために便利なのは、X.プーチンの指導のもとにおこなわれる、伝統的な配置と組織約結論をともなう拡大政府会議である。
 上記の専門家らの意見では、プルサクは立派な首相となる可能性があるという。第1に彼は巧妙な経営手段を発揮して、自分の州を国内における外国資本のため最もよい導入条件をつくっている。第2に彼は連邦協議会の国際委員会長として西側に多大なコンタクトをつくった。第3に、巨大独占資本家との関係が見られない。終わりに、彼には、カシヤノフとは異なって、「政治的に正しい」伸びがあるが、プーチンよりは多少低い。その代わり彼の名と父称は、現首相と同じなので記憶に便利である。知事の目の前で、すでに「ミハイル・ミハイロヴチ-2」と呼んでいる。

        ヴクリーー・チェプリヤエフ

航空産業を略奪する官僚たち

 実に問題である。第1、最近新しいコントラクト(売買契約)は一つも締結されていない。最も将来性のある「MiG−29」が第3諸国だけが購入している。私たちの軍当事者は、新しい航空産業を持っことに熱意がなく、空軍総司令官アナトリー・コルヌコフが、「MiG−AT」のエンジンが「一昨日」のもので補充されていることで、空軍の装備にあてることをことわった。
 旅客機に関しては、もっと複雑である。専門家によると、「Tu−204」、「Tu−334」、「Il−96」のような、ロシアの最新式スパー機を生産する試みは、ロビーから圧力行使されて他人の利益を擁護するような、政府の不可解な態度に出会った。最近、プーチン大統領は、署名を受けるために提出された多くのペーパーに紛れて、「ロシア航空会社は、西ヨーロッパのシンジケートAIRBUSから旅客機32−37機を購入することになった」とういう文書に、その内容に気付かずに署名した。この取引の総額は10億ドルである。ヨーロッパ人は、これに答えて、わが国の航空会社に、この飛行機の胴体の一部分製作を発注するという。これによってわが国の航空産業が益々衰退することは明らかである。私たち官僚のうちの誰が、こんなに祖国の航空産業を嫌っているかについて、私たちの新聞はその特別調査をすることにしている。

ロシア週刊誌「ARGUMENT& FACT」No.33、2001年8月

 魅了する海外旅行

 サハリン州には観光会社が少なくない。それらは、主に民間会社である。州統計委員会の報告によると、2000年度の観光ビジネスに関与したのは20組繊で、内18社が個人的、1社が国営、1社が混成タイプの会社である。 興味深いことには、主に島民は海外に旅行していることである。海外への旅行者は延ベ3,455人にのぼった。中国への旅行者がその大部分(2,525人)を占めた。しかもその反面、自国内の旅行には島民の関心が非常に少なかった。2000年度のその数は延ベ444人にすぎなかった。この現象は、以前ロシアが「比較的自由に海外に旅行できなかったことに関連していると思われる。
 島内の旅行社を経由して、果てしなく広大なわが国を観光旅行した外国人は延べ804となっている。
 このように、州の観光ビジネスのニーズは大きい。しかも、多くのサハリンとクリル住民は、旅行社の世話にならずに、独自に海外に休息に出かけている。

        リュポヴJ・クリノンチェワ

反対派 @危険な線上のTV−6
     @ベレゾフスキーは9月に帰ってくる?


 ー部の報道によると、すでにTV-6チャンネルは、近いうちにNTV(独立テレビ)が参加をするかもしれないと言う。いずれにしても、クレムリンは「E.キセリョフ・S.ドレンコの突撃情報派閥」設立の兆しと心配している。大統領の行政に近い私たちの情報源の話によると、TV−6で、もしそれが政権批判の「赤線」を越えたら、TV−6における、言わば、財政上の違反が早急に摘発されて、そのチャンネルの閉鎖が用意されている。
 個人的問題の検討も除外されない。例えば、S.ドレンコがバイクで海軍将校を跳ね、4年から7年までの拘禁は、処分保留の状態になっている。今のところ裁判での審議は進んでいない。しかしS.ドレンコが「再び鎖から脱出」したら、刑務所行きから逃れることはできないであろう。
 テレビチャンネルが非常に危うい状態にあることは、ベレゾフスキーにもよく伝えられている。最近、彼は、TV−6の株75%から自分の持ち株を、「メディア・モスト」の支社に渡した。具体的にはE.キセレフに渡した。もしチャンネルに何か起こった場合、西側の世論は、BABは、X.グシンスキーと並んで政治的弾圧の罪無き犠牲となると見ている。
 しかし、後者とは異なって、ベレソフスキーは、今のところ、自分のロシアへ帰国の可能性を除外していない。噂によると、9月後半にこれが可能となると言われている。フランスで、彼の手は、「政治のハンドル」を握っていて、積極的な政治活動に意欲をもやしている。事実上彼は、ロシア議会の期限前総選挙の可能性を踏まえて、その準備を進めており、この元巨大独占資本家は、「反プーチン・プロック連合」を勝利に導く計算をしている。
    ヴィクリ ツェブリエフ

ロシアのUSドルは海外に持ち出されている

 経済専門家の計算によると、平均的に1人のロシア人が1000ドルを海外に持ち出すと言われている。その反面、外国人がロシアに来ては1500ドルを落として帰る。しかも、私たちは買い物に多く使うが、彼等はサービス関係に使うほうが多い。
 それにしても、私たちは、自分たちの休息で少なからずの寄与を、海外の経済にもたらしている。昨年の夏、中国(最近、約百万のロシア人がこの国を訪問している)に100億1,000万ドルを持ち出して使った。ロシア人はトルコに7億9,380万ドルを落としてきた。フランス(昨年、観光でロシア人50万人がここで休息した)では6億3,750万ドルを落としている。スペインでは、有名な見学観光で3億784万ドル、エジプトでは1億7,085万ドルが使われた。キプロスでは、一回のタクシー代がほぼ7ドルで、それに1億6,365万ドルが使われる。イタリアでは1億7,986万ドルが落とされる。今年だけでも、休暇中のロシア人が、トルコに15億ドルを落としてきた。

かっての反乱指導分子は今なにをしているか?

     X.ネクラソフ、ソーチから

 悲惨で有名になった90年代初期の「革命家たち」の多くは、現在、職についている。
元ソ連副大統領であったゲンナジー・ヤナエフは、戦争参加者と負傷者支援委員会にコンサルタントとして勤務、元ソ連閣僚会議議長ヴァレンチン・パヴロフは銀行家として出世の道をつくった。元国防相ドミトリー・ヤゾフは積極的に社会活動をしているかたわら、国防省の嘱託コンサルタントも兼ねている。元KGB議長ヴラジミル・クリュチコフは、モスクワ政府機構の一つと緊密に協力している。ヴァシリー・スタロトゥブツェフはトゥラ州知事に再選され、その二期を勤めることになった。アレクサンドル・チジャコフは、カリニン記念工場長として、最も有名なエカテリンブルグ人の格付け内にはいっている。元ソ連国防協議会副会長のオレグ・バクラノフは、地域社会団体「ロシア・ウクライナ国民友好・協力会」の会長となった。

ロシア週刊誌「ARGUMENT and FACT」2001年8月 No.26

 独裁者との外交ダンス
       キム チョン イル のモスクワ訪問とロシア人への侮辱

 「北朝鮮人民の親愛なる首領」のロシア旅行からは、すでに小話が生まれた。一それは、「北朝鮮側の儀典係は、キム チョン イル がレーニン廟を訪れた時、世界プロレタリアのリーダーはクリスタルの棺から起き上がり、キム同志に対して朝鮮語で挨拶することを要求したが、クレムリンの儀典係は、「レーニンは朝鮮語を知らない」と言うと、朝鮮の同志は激怒して、「ウラジオストクからモスクワまでの私の旅行中の10日間に習っておけるはずではないか」といった。
 たしかに、北朝鮮の偉大なるリ−ダーは、私たちの「偉大なる指導者Jを嫌うことはできなかった。しかし、理解できないことは、今日、なぜ私たち国民は北朝鮮の独裁者に親近感を寄せなければならないかということである。彼は、どんな文明の水平線を私たちに開放するのだろうか? なぜ、他の全道中、私たちは電鉄と長距離列車のダイヤを変更しなければならず、なぜ、赤の広場を人々から遮断し、レーニン像を洗浄し、この不可解な首領の歩く通りの清掃をしなければならないのだろうか?

 なぜ彼をクレムリンに泊めたのか? 私たちの大統領が英国を訪問したらバッキンガム宮殿に泊めるだろうか?
 彼が国家ミサイル防衛構想(NMD)を嫌い、しかも彼のインテリジェンスを侮る米国の大統領ブッシュを好まなくてもよい。しかし、彼は、少なくともアメリカ人との共生、私たちを含めて、世界中の人々がアメリカのパスポート(市民権)を希望することに挑発的である。しかし、なぜ私たちは、2千万の自国民に野蛮な「主体」理論を強制して、全世界から絶縁した者の腹の上で這い回らなければならないのだろうか?

             「生まれながらの悪党」

政治的皮肉屋は反対するかも知れない。アメリカ人としては、ラテンアメリカの独裁者を「固有の悪党」と言うのは好ましいことである。フランスが、自らの利害のためにアフリカの人食い人種ボカスをへつらったことを思い出させる。しかし、アメリカ人もフランス人も「自分たちの悪党」を静かに、でさるだけ隠して「可愛がった」ことである。金銭と武器も与えたが、自分たちのテーブルに一緒に着かせることは急がなかった。
 ところが、私たちは、同志キムの訪ロを、まったく生きた仏様を迎えるような、有り難さあふれるものにした。情けないことには、わが国の要人が「キム チョン イルによって発揮された宇宙開発」について、これが世界で最も貧困な国のリーダーであることを忘れて、またそれを示唆する人もなく、感動的に発言したことである。
 国家訪問においては、戦略的目的が検討されるべきである。もしX.プーチンが国民の幸福を自分の目的として発表するならば、なぜ私たちをこのように卑下するのだろうか?

                   恥ずかしい!

 キム チョン イルは、1991年にわが国民が拒否した、嫌悪すべき政治体制の代表として私たちの国に来た。それはちょうど10年前の8月であった。独裁者はこの日を忌み嫌った。自らの全体主義的体制の数百万の犠牲者については、私たちの記憶に、いまだに残っている。若い民主的世代の代表としてのX.プーチンに投票するにあたって、私たちは、自分たちの者の前にも、来訪する「親愛なる首領」の前にも平身低頭することがないことを確信したいものである。私たちは、個人指導者崇拝主義がいかなる結果をもたら、すかは、最近のユーゴスラヴィアの例で知っている。
 私たちの政治家が、キム チョン イルの回りで踊ったダンスは、7年前にB.N.エリツィン前大統領が、ベルリンの市会議事堂前の広場で踊り、歌った時と同じくらい、私は恥ずかしさにたえられなかった。エリツィンは酩酊していた。しかし彼は自分の意思で踊ったことで多少許される。この度のダンスは、北朝鮮の独裁者の前で彼の「儀典笛」の伴奏で、正気でおこなわれた。それは、より不愉快な光景を呈した。
 政治家の皆さん!わが国の安全と繁栄のために、そんなに必要ならば、「親愛なる首領」にタンクや「カラシニク」を彼の装甲列車に積めるだけ積んでやり、多少資金も提供したらよいであろう。私たちの年金受領者と兵士が多少我慢することもできる。しかし、私たちの尊厳との引換えであってはいけない。

                    ヴヤチスラヴ コスチコフ

ロシア週刊紙「ARGUMENT & FACT」2001年7月 29(155)サハリン版

ロシアの新しい労働法における団体協約に関して読者の質問

1)団体交渉のプロセスで、もしも総ての条件が合意に達しなくても、団体協約は成立するのか?
2)団体協約の有効期間?

 この質問に、サハリン州行政府労働局の労働関係および社会的協力課長L−デムチェンコが下記のように答えた。

(1) 雇用側は、合意した側との条件(連邦法“労働組合、その権利と活動の保障”13条2項)により、団体協約を締結する責務がある。
 これは基本的条件であるべきで、これなくして、企業における労働時間とその制度、労働者の貸金率(月給額)およびカテゴリー(グループ)別賃金システム、休暇期間、その他の労働環境を調整する団体協約の完全な文書とならない。団体協約の締結後、合意されずに残った問題の不一致議事録が作成され、継続して、双方の試みによって合意が達成される。もし、できうるならば、該当条件を追加として団体協約に記入するか、あるいはその別添付とする。
 その際、この事態は従業員会議(代表者会議)で確認されるべきである。
(2) 団体協約は、1年から3年間までの期間(ロシア連邦法第4条「団体協約と協定」)で締結される。団体協約の効力は、双方の署名と同時か、あるいは協約に改定された日からその全期間発揮される。設定された期限満了後、団体協約は、双方の新たな締結または現行のものに変更、追知が無い間は継続有効となる。

サハリン大陸棚油田開発プロジェクト サハリンー2事業の第2段階

@ 天燃ガス液化工場と原油輸出夕一ミナルの建設。民間建設容量(作り上げで)−92,000立米、構造用鋼鉄材8,000トン、送電用ケーブル70,000米、塗装 340,000立米、絶縁 79,000立米、その他。
@ 陸地パイプラインの敷設に際しては、水平方向掘削のような特殊土木作業を必要とする、環境的に敏感な河川の横断が108箇所、特殊構造的設定を必要とする断層通過が21箇所、希釈された土壌通過が12箇所を経由して施工しなければならない。
@港の改修の必要:海底の掘り下げ作業、新ドックの整備と貯蔵場、自動車と鉄道の引き込み線の改善または整備等々。
@ ユジノ・サハリンスクとノグリクの飛行場滑走路の補強、乗客と手荷物手続きサービスのための構造拡大等々。
@ パイプラインの進路沿線に、建設従業員800人を収容でさる5つの一時的集落が形成される。これらの地点は2003年の第2四半期から2005年の第4四半期まで使用される。
@ これらの事業は、大半がサハリン住民からなる16,000人の雇用をもたらす。
@ 2005年に工業用廃油と2006年に液化ガスの生産が計画されている。

ロシア週刊誌「ARGUMENT and FACT」2001年7月

チェチェンの危機

 最近チェチェンの現地から、チェチェン危機解決に関する新しいプランが寄せられた。
 それは、反ソ活動で一度ならず収容所入りし、94年からは連邦捜査対象となった「ホジ・アフメド・ヌハエフ」氏からで、彼はチェチェン山岳部の野戦司令官から支持を得ている人物。
 ヌハエフ氏の計画によると、チェチェンは山岳と平野の2部に分けられるべきであるとされる。山岳部は抵抗を停止し、「民族自治」を確保した上で独立は断念すること。それにより、ロシアと文化・文明を同じくする平野部のチェチェンはロシア市民の手に残る。そして「血の原則」を基盤とし、比較的に古いままの社会は南の山岳に残されることになるという。このようにして山岳地帯は、コーランとスンナ(コーランの補足)と山岳の掟に従う社会を持つ。ロシアとしては山岳チェチェンに自治権を与え、同時に平野部のチェチェンはロシアに属することとなる。
 彼のモスクワ訪問とセンセイショナルな声明は、最も高い段階で非公式に是認された。

ロシア週刊誌「ARGUMENT and FACT」2001年6月

いつの間にか副首相は四人、クレバノフ氏は格下げ

 カシヤノフ首相はかつて「政府が2週間以内に改革される」と言ったが、あれから3ヶ月がたった。私達が知る限りでは多くのプロセスが書かれたが実現しなかった。
 例えば、大臣が10から12くらいに減らされるはずであったが、以前のままであるし、むしろ副首相は1人から5人に増えている。増えたのはG.グレフ、V.フリステンコ、V.マトヴェンコ、A.クドリンの4人。A.クドリンはしばらく承認されなかったが。彼は財務大臣だけで終わる予定が、A.チュバイスの介入により新政府の副首相になった。いまの副首相のI.クレバノフはドンドゥコフ氏に代わって産業大臣のみになるが、軍備に関する五つの代行機関の維持と管理が残される。
印刷省は廃止されない公算が大きく、来年国会議員の期限前選挙が行われるが、ロシアのプレスを管理するS.ヤストロジェムブスキーの代わりは誰もできない。G.グレンが調整する財務省閉鎖もなくなった。おかげでF.ガジズリンのポストも保持される。

なぜ、金 正日(キム ジョンイル)はモスクワ訪問を取りやめたか

 日本の当局は東京の飛行場で、共産主義北朝鮮のリーダーの息子キム・チョンナムを拘束した。
父親の金 正日はその少し前の4月にはモスクワに現れるはずであったが、実現しなかった。モスクワでは、北朝鮮の要望により、プーチン大統領が北朝鮮を訪問したとき受けた豪華な歓迎を準備していたのにである。計画では、プーチン大統領が空港で出迎え、二人っきりの会談を6時間以上行うことになっていた。クレムリンではこのようなゆとりある会談時間はいままでにないものである。
訪問延期の原因には、北朝鮮に最新式兵器を売却することに関する北朝鮮側の法外な要求がある。それには高射砲のS−300やロケットと対戦車システムも含まれている。
これは非常に重要な訪問であった。金正日の側近はV.プーチンにEU・中国・アメリカとの利害関係保持に関する複雑な政治ゲームを提起している。

「ミスター・プーチン」の側近たち! ペテルブルグのリベラリストたち

 彼ら全員はかつてサンクト・ペテルブルグ市役所でA.ソブチャコフと一緒に仕事してきた間柄である。

I.セチン(41歳)
 当時からもじどおりV.プーチンといつも一緒である。モスクワにも一緒にやってきて、ホワイト・ハウスで事務局を担当し、ついで総理府時間になった。いまはクレムリンの全部の官房を「切り回して」いる。 大統領は人事問題を含めてたびたび彼と相談するといわれており、たとえば大統領府に情報局を設置するアイディアも彼のものである。ちなみにセチン氏はレニングラード大学の言語・ロマンス語学部の出身で、ポルトガル語・フランス語・スペイン語が話せる。

D.メドヴェジェフ(35歳)
 レニングラード大学の法学部出身で、35歳。もっとも若い大統領府次官である。法学博士候補で、選挙運動期間に選対本部の責任者となるくらい大統領の信頼が厚い。現在は大統領のスケジュールを担当している。最近は彼に行政改革の検討案を作成することを任せた。 

D.コザク(42歳)
 法律の専門家。ペレストロイカ時代には若い検察職員のリーダーであった。S・ペテルブルグの市検事局時代に、検事局の高官が住宅を分け合う様に抗議のため辞職願いを出し、「妥協なき職員」の評判を得た。いまは裁判改革の準備を担当している。 

B.イワノフ(51歳)
 94年までレニングラード(いまのサンクト・ペテルブルグ市)のKGBーFSBで勤務した。彼は政権に刑事上の構成(マフィアなど)の進入を防ぐこと。

V.コジン(42歳)
 大統領の総務部長であるが、以前は外貨と輸出の統制職責任者であった。大統領と同じく「ゲレンデスキー」の趣味。 

 大統領を取り巻く様々な企画と持ち前の内部矛盾にもかかわらず、全体的に重要なことは、これらの人々が大統領の改革方針と指向性に自分でも完全に一致することが出来たことである。V.プーチン大統領自身は「その人物が役職にふさわしいかどうか、私自身の認識が見当をつける。それが基本だ。」とある時語った。

私たちは盗難にあっている。

 昨年サハリンでは14,682件の犯罪があった。173件が計画的殺人・未遂、881件が麻薬の流通、6,011件が盗難で最も多く、1,083件が経済犯罪であった。
 裁判でも、10,702件が刑事訴訟で、6,428人が有罪宣告を受けたがそのうち1,046人が未成年者であった。
 99年に比べると確かに8.8%減少したが、6件に1件が18歳未満であることは、この若者の犯罪の根を絶たなければ、近いうちに自由に息をすることが出来なくなるのではないだろうか。
 警察は彼らの職務職責として犯罪と闘っているが、殺人・盗難・陵辱などの恐怖のない生活をのぞむからには、市民も闘う義務を負う必要がある。

競売で権利が売られ・・・密漁する!

 サハリン州議会議員、サハリン漁業者協会・極東漁業者協会 会長
    ヴラジミル・ゴルシェチニコフの意見

 モスクワで初めて行われたカニのクォーター売却の入札結果は、この売買を組織したもの自身さえも驚かされた。そこでは漁業者間で激しい争いが起こり、その結果、187ロト(旧ロシアの重量単位、1ロト=12.8s)の各種のカニを売りさばいただけでなく、予定の2倍もの金額がクォーター代金として受領された。経済発展賞の官僚は、「入札のおかげで1,500万ドルが予算に追加歳入され、今まで強情を張っていた漁業者は、健全な市場経済に対する抗議をやめることとなった。」と満足げに話した。
 政府に近いマスコミは「カニ漁は入り組んでいる」「盗みを考慮しての値段」などの見出しでにぎわっている。要するにカニの競売のあと、海上の重労働に関係のないものが「入札」で大いに喜んでいる。
 経済効果の計算に基づいた指標を根拠にすると、取り引きされるクォーターは、カニのような単価の高い操業、実質的に密漁を含めての取引のほかには、ヨーロッパとアジアの取引所においての損失を埋め合わせる方法が残されていない。
 ヴラジミル・ゴルシェチニコフは、国会議員にクォーター制度の撤廃などの提案と、現在の漁業の危機状況を打開するため、原因究明が国会で行われるよう求めてきた。サハリンの漁業者と州議会は同様な呼びかけを今期強く続けてきた。しかし連邦議会の反応はない。
 ヴラジミル・ゴルシェチニコフは今回の州議員選挙に関して「うれしく思われることは、漁民の権利について、司法の側も私たちの主張を支持してくれていることである。これはすなわち、我々の目指したものに協力してくれる人々の力が無駄にならず、これからの事業の継続に新しい協力者を得ることができたことに他ならないから。」と述べた。

サハリンビールの前進

 統計を信用するならば、そう急速ではないが人々の生活と福祉は向上しているといえる。
 たとえば「アルコール摂取量」では、路上の泥酔者は減少していないが、州のアルコール消費量は減少していることでもわかる。なぜなら、国民が明日への確信を持てない苦情を言わなくなることを示すからである。
 統計データーでは、サハリン州の住民一人あたりアルコール(28度以上の葡萄酒類を含めて)摂取量は、昨年18gであり、ロシア全体の平均値である15gより多いが、以前は平均21gであったことから、3gは減少している。
 ところで、ビールはサハリンだけでなく全ロシアで好まれているが、州においては年間21gの発泡酒が消費されている。この数値は極東でも全ロシアでも平均より少ない。昨年は一人あたり2,025ルーブルを消費している。
 「飲むか、飲まないか」は個人が決めることだ。

イルクーツクの日ロ会談は表敬?

 3月25日、V.プーチン大統領は、イルクーツクで日本の森首相と会談することになっていた。モスクワではこれに乗り気ではなかった。というのは、あらゆる観点からして、森首相が近いうちに辞任するおそれがあるからであるが、日本側はこの会談に著しい関心を示した。
 自国における自分の格式を知るために、森首相は例のごとく「島論争」を企てた。しかしロシアの政界は従来すでにプーチン大統領から「この問題に触れることは無意味であり、従ってこの交渉は放棄することが合理的である」ことに日本の理解を求めてきた。しかし日本側は強情に継続に固執している。
 このようなことから、ロシア政界はイルクーツク会談を表敬的性格のものとみている。

B.エリツィン再び「賢人会議」の夢を見る

 B.エリツィン前大統領は、自分の死亡の噂にもかかわらず、先週病院を退院した。そしてゴロクーの庭を散歩するだけでなく、以前のように「書類に向かって仕事」をしている。
 書類といってもこのたびは非常に具体的で、ボリス・ニコラェヴィチ(エリツィン前大統領のフルネーム)は、「世界政治元老協議会」の創設という自分の古きアイディアに戻り、自分の国際スケジュールも作ったとのことである。もうすでに近いうちにジョージ・ブッシュ(父)とR.橋本と会うことになっているという噂もある。
 もともとこのことは、99年に持病の再発で寄宿院「ルシ」で治療を受けた際に、見舞客を送った際、突然「私は何もしないでいられない。何か社会に役立つ仕事を見つけなければならない」といったことに対し、外務大臣イワノフ氏が「北コーカサスにあるような元老協議会に匹敵する「ロシア賢人協議会」を組織し、その指導に当たったら」と助言したことに始まる。
 その後、ボリス・ニコラェヴィチは、自著の「大統領マラソン」でもこのアイディアに再び言及するが、実は名称が彼の補佐官の優雅な校正により、「政界政治の元老協議会」に変えられた。
 そして今前大統領はその具体化に取り組むことを決意した。

サハリン州の貿易と商品  サハリン州国際・対外経済交流部長V.V.ルカヴェツ
   サハリン州の玄関の一つ「コルサコフ港」

 サハリンの産物で評判をいただいているのは、潟Rーロスの缶ビール、潟gゥナイチャのさかな缶詰である。缶詰は、イギリスで100万缶も売れたし、スペイン・キプロス・イスラエルにも売れている。
 相対的には石油・木材・製材・魚類・石炭などの原材料の輸出にとどまっており、輸出は、日本・韓国・中国・シンガポールなどに約9億7,500万ドル、輸入は1億6,500万ドル世界の68カ国と貿易している。もっとも積極的なのはシンガポールで、39.5%を占めているが、日本・韓国・中国は17から5%で年々減少している。
 近い将来、天然ガスの輸出がはじまれば2005年には輸出入額は倍増する予測となっている。
 ロシア極東地域の6%の人口であるサハリンが、地域の貿易額の21%以上を担っていることは、私達の誇りである。
 今後の課題は、まず商品の競争力と生産高を高めることだ。また、国際貿易の情報収集や出先事務所の配置、外国投資や取引保険の創設など、真剣に考えなければならない。