伝説の通訳  「パク・ジュンギュ」のサハリンと極東ロシア情報
   
 (2005.11)

クリール列島に関する姿勢

 ロシヤ人の圧倒的多数73%は、クリール列島の島々はロシヤの領土であり続けるべきである、と、また10%は、それらの島々のロ日共同統治を組織することは可能である、とみなしている。全ロシヤ世論調査センターによって行なわれた調査の資料はそうしたものである。
 調査の対象となった市民の2%の考えでは、日本に島々を譲渡した方がよい。さらにロシヤ人の5%は、2島を日本に譲渡し、ほかの2島をロシヤに残す、という意見である。6%は、この問題の解決は後世にゆだねるべきとしている。シベリヤおよび極東管区の住民たちは国のヨーロッパ部の同国人たちと比べてクリールの帰属に関する問題においてより決然としており、シベリヤっ子たちの82%および極東っ子たちの87%は、島々はロシヤに残されるべきとみなしている。まさにこうした資料が、日本での会談におけるロシヤ連邦大統領の姿勢を規定している。
 調査の対象者たちはおおむね私たちの国における日本の役割を肯定的に評価しており、50%は日本を通商的および経済的なパートナーと、10%はたんに友好国と、6%は戦略的パートナーとさえみなしている。否定的評価をくだす向きははるかに少なく、12%のみが日本に経済的および政治的なライバルを、6%が敵国を見てとっている。
 島々の日本への譲渡がロシヤ連邦大統領に対する評価にあたえる影響を予想しつつ、ロシヤ人の3分の2は、評価は悪くなるとみなしている。そうしたシナリオは国家元首にたいする評価をよくするとみなしているのは4%のみ。18%は、それが大統領にたいする評価に影響をおよぼさない点を指摘している。しかし、シベリヤ連邦管区の住民の78%および極東連邦管区の住民の72%は、島々の譲渡に関する決定がとられるならば国家元首に対する評価は悪くなるとみなしている。
 ロシヤにとってのクリール列島の価値がどんな点にあるかとの問いにたいし、ロシヤ人の半数は“豊富な魚および海産物”を挙げている。41%は、クリールが私たちの国の安全を保障している点に島々の価値を見てとっている。36%にとっては、そこにロシヤ市民が住んでいるという事実だけで十分である。6%のみは、島々に私たちの国にとってのいかなる実際的効用をも見てとっておらず、それらの保持を原則の問題とみなしている。さらに5%は、クリールは日本に賃貸ししうるとみなしている。V.イシャーエフ・ハバーロフスク地方知事:日本との協力の枠内で、ビジネスの枢要な部門における合弁企業の創設、当地方の一連の経済部門への日本の投資は可能である。
 問題となっているのは、石油パイプラインといった大陸横断的プロジェクトへの日本の資本の参加ばかりではない。輸送インフラ、太平洋の港湾の建設、木材の調達および加工、機械製作、鉱業といった地方のプロジェクトへの参加もまた然りである。そのための土壌はある。日本の資本は、特殊なものである。それは、問題の解決を政治的問題で縁取り、テーマを長いこと検討する可能性があるが、必要にところにはそれはやってきて取る。それをすばやく本格的に行う。
 ハバーロフスク地方は、この観点から、日本にとって興味深い。I.マラーホフ・サハリーン州知事:ロシヤ連邦大統領は、訪問の過程で、日本の会社も参加しているプロジェクト“サハリーン-2”における支出の増大に関して述べた。ロシヤ連邦大統領の日本訪問の成果をまとめつつ、私は、B.プーチンは国際舞台におけるロシヤの経済的および政治的影響の強化をめざす外交を根気強く一貫して行っているとみなしている。
 ロシヤ連邦大統領の声明によれば、ロシヤは、日本との完全なとはいえ相互主義の原則にもとづいたヴィザ制度の自由化を主張している。日本が供与するのとおなじ可能性をロシヤも供与する。これは、この問題に関するすべてのパートナーとのロシヤの関係の共通の原則である。ロシヤにはそうした善意があるが、善意に基づいて、私たちは、つねに、双方を満足させ、これらの地域に住む人々ならびにロシヤおよび日本の両国民のためになるような案を見いだす。そうした案は、たがいに歩み寄ろうという思いがあれば見いだされる。
情報源:通信社の情報にもとづいて23.11.2005

提案あり:沿海地方に製油所を建設すること

 公開株式会社《トランスネフチ》は、ロシヤの省庁に、ペレヴォーズナヤ湾の幹線パイプライン《東シベリヤ-太平洋》の最終地点における製油所の建設の可能性を検討することを提案した。これについては、同国営会社のセルゲーイ・グリゴーリエフ副社長が声明した。同氏は、石油製品の販売のほうが原油の輸出より採算性が高い点を指摘した。《もしみなさんが石油および石油製品の価格を見るならば、それらにかなりの差異があり、タンカーによる同じ量の輸出でも得られる収益が異なりうることが判るであろう》。
 一方、同氏は、今のところそれは年間8000万トンの輸送能力のある石油パイプラインの採算性を高めうる《トランスネフチ》の構想である、と述べた。これまで、セルゲーイ・ダーリキン知事は、ナホートカ地区における生産力1000万トンの製油所の建設に関する問題を取り上げていた。
情報源:ヴォストーク-メディア21.11.2005

サハリーンに海域の石油汚染にたいする《エコロジー感度》地図がお目見えする

 サハリーンで、サハリーン州領内における石油および石油製品の流出の予防および処理のプランの作成に関する要求基準が承認された。石油および石油製品の産地探査、採取、精製、輸送、保管、販売を行うすべての組織は、所有形態にかかわらず、石油および石油製品の流出の予防および処理のプランを要求基準に合致させなくてはならない。
 これは、サハリーン州における石油および石油製品の流出の予防および処理ならびに石油および石油製品の流出にたいする対応の単一のシステムの創出のプランの作成への単一のアプローチの作成のために必要である。
 知事によって承認された要求基準には、地域、水上施設、海域における流出のクラス分けがなされている。会場における石油および石油製品の流出の量によって、次のカテゴリーの非常事態が指定されている。石油および石油製品500トンまでは局地的意義のもの、石油および石油製品500トンから5000トンまでが地域的意義のもの、石油および石油製品5000トン以上が連邦的意義のものとなる。
 要求基準のひとつの部は、《エコロジー感度の地図》と称されている。これは、石油汚染にたいする領内の資源の感度を反映する地図が作成されるということを意味している。そうした地図の作成に際しては、まず第一に、高い漁業的価値の水上施設と同等の特別重要ゾーンおよび特別保全森林地区が指定される。
情報源:ヴォストーク-メディア17.11.2005

イスハーコフ新大統領全権代表が着任した

 カミーリ・イスハーコフ極東連邦管区ロシヤ連邦大統領全権代表(前カザーニ市長)が、日曜日、ハバーロフスクに到着した。飛行機のタラップで、5年以上全権代表をつとめてきたコンスタンチーン・プリコーフスキイ氏が同氏を迎えた。飛行場で、コンスタンチーン・プリコーフスキイ氏は、カミーリ・イスハーコフ氏を、極東連邦管区大統領全権副代表、ハバーロフスク市長、連邦権力機関および軍内務関連機関の幹部に紹介した。
 ジャーナリストたちへのインタヴューで、カミーリ・イスハーコフ氏は、地域の問題を知るべく近く極東地域視察に出発する、と述べた。カミーリ・イスハーコフ氏は、“私の主な目的は、極東の人々の生活を向上させることである”と語った。ハバーロフスクの空港から新全権代表とコンスタンチーン・プリコーフスキイ氏は、全権代表府の下部構造の活動ならびに極東におけるロシヤの国家的安全保障の問題を協議すべく、ロシヤ連邦大統領全権代表官邸へ向かった。
情報源:ヴォストーク-メディア20.11. 2005

日本の企業家たちはサハリーン・ビジネスを発展させるよう促されている

 ヴァヂーム・ロコトフ・サハリーン州国際対外経済地域間関係委員会議長は、サハリーン州における国際協力の発展について述べた。
 今年1月1日の時点で、サハリーン州の国家登記簿には、外国投資を持つ企業が106記載されていた。私たちのサハリーン州への外国投資の誘致は、かなりの程度、石油ガスプロジェクトの発展に負っている。経済のこの分野への資本の流入は、現在、外国投資全体において最も大きな比重を占めている。
 主な流入は、オランダ、イギリス、日本、アメリカ、インドといったそれらのプロジェクトの参加国からのものである。また、私たちは、外食、商業、建設といった随伴的な経済構造へもかなりの外国投資を注いでいる。これらの分野には、石油ガスプロジェクトの推進主体ではないものの請け負いおよび下請のステータスを有している国が参加している。それは、トルコ、韓国、インド、日本といった国である。
 三井、住友、三菱といった大手の日本の会社は、サハリーン州の経済へかなり大型の投資を行い、様々なプロジェクトの推進に積極的に参加している。このことは、中小ビジネスの会社については言えない。それらの幹部とサハリーン州行政府の代表たちは、多年にわたって面談している。たくさんの様々なレヴェルの日本の代表団がサハリーンの地を訪れているが、私たちは今もって会談における大きな成功で自慢することはできない。遠くのインドは、州の中心に、2つのレストラン・コンプレックスを開設し、すぐお隣の日本も2つ持っている。けれども、州内には、少なからぬ日本人が暮らしており、サハリーン島民自身も伝統的な日本料理が好きになった。
 だれが、日本の企業家が外食といったサハリーンの経済の分野への参加のパーセンテージをアップさせることを妨げているのか?日本の投資家たちのプレゼンスの条件は、ロシヤの投資家たちと比べて対等である。私は、再三、時機を逸して得なプロジェクトや請負を失ってしまいますよ、と北海道のビジネスマンたちに言って聞かせてきた。中小ビジネスは、その地理にかかわらず、住民の福祉を保障しなくてはならない。
 私は、しばしば、日本の会社にたいして例を引いている。2000年、私たちは、錆びない金属でできた環境衛生設備を生産する北海道のある企業を訪問しました。そうしたパイプの中の水は凍らなかった。すでにそのときに、州行政府の代表たちはこの会社を協力へといざなった。石油ガス部門の発展と関連して建設部門も発展していたからである。水道のための設備を含めたインフラを必要としていた石油産業従事者たちの町が建設された。北海道の企業は、入札に参加して、オファーを行うことができた。けれども、日本のメンタリティーが私たちのオファーに迅速に反応することを可能とさせず、別の会社がこのプロジェクトに投資した。それゆえ、私たちは、再度、日本のビジネスマンたちに、めざましい発展を遂げつつあるサハリーンの経済にもっと積極的に参加するよう促している。
情報源:IA SAKH.COM 08.11.2005

秋の思いがけないプレゼント:燃料価格急騰

 石油産業従事者たちは、政府の圧力のもと、年末までガソリン価格を抑えることを約束した。
 政府は、全力で、2005年のインフレ率を10-11%以下に抑えるよう努力している。価格をなんらかのかたちで調整しなくてはならないという構想は、昨日生まれたわけではない。この1年間で、住民にとって、住宅公益事業サーヴィス料金は33%値上がりし、給水および排水料金は去年より35%上昇、ゴミ収集料金は32%上昇した。これは、国内平均値である。地域によっては、住宅公益事業サーヴィス料金の何倍も値上げされるショック療法も行われてきた。残念ながら、住宅公益事業サーヴィス料金を国家は設定していない。自然独占の料金のみが国家による調整の分野にあり、いかに逆説的に思えようとも、その面ではエネルギー経済分野がもっとも上昇のテンポが低い。
情報源:IA SAKH.COM 06.11.2005

サハリーンはサケマス類の総許容漁獲量の廃止を主張している

ヴィークトル・ナゴールヌイ副知事は、サハリーン漁業協議会の会議で、サハリーン州行政府と漁民たちのおもな課題は、共同の努力でサケマス類の総許容漁獲量の設定の放棄を連邦当局に対して根拠付け、科学的予想にもとづいた操業の実施を勝ちとることである、と語りました。総許容漁獲量の設定は、カラフトマス8万トン、シロザケ8千トンという当初の漁獲枠が漁期の過程で二度修正され、その結果、カラフトマスが5万4千トン増やされる、という事態を招いた。これは、漁民たちが自分たちの可能性を十分に実現することを妨げた。しかも、漁業協議会の参加者たちが今年をたいへん豊漁の年と評価したのであるからなおさらである。13万3千トンのカラフトマスが獲れた。9万9千トンは沿岸の加工場へ、1万1千トンは加工船へ納められた。シロザケの採取枠は100パーセント用いられ、南クリール・ゾーンでシロザケ漁が続いている。科学の資料によれば、今年に比べて来年はサケマス類の豊漁の年とはいえない。クリールの水域での漁獲量は5万1千トンほどとみられている。協議会の参加者たちは、漁業局に、太平洋のサケマス類に関し連邦レヴェルでの法文書の作成に参加し、漁区のリストの作成を終えるよう勧告した。
情報源:ヴォストーク・メディア01.11.2005

ユージノ・サハリーンスク市役所は卸売市場に秩序をもたらしている

 ユージノ・サハリーンスク市行政府で、卸商業に従事する企業および市場の幹部たちとの会議が行われた。タチヤーナ・コンチェヴァ・サハリーン州産業商業委員会議長とナヂェージダ・ドクシナ・ユージノ・サハリーンスク市行政府消費市場企業活動農耕複合体管理局長が会議を行った。話し合いのテーマは、“卸商業に際しての、ならびに、市の小売市場における、食品の質と安全の保障に関して”という、さし迫って重要なものがえらばれた。卸商業および市場における商業に関する法律の違反を指摘して、タチヤーナ・コンチェヴァ氏は、商品の品質保証および食品の保存のルールおよび期間の遵守にたいする商業従事者たちの無責任な態度の結果、消費者たちの健康および安全が損なわれている点を強調しました。州の卸商業のすべての企業の90パーセントはユージノ・サハリーンスクに集中しており、違反はおもにまさにこの都市でみられている。サハリーンでは、卸しおよび小売で販売される食品の質の指標がロシヤ全体のそれの半分にとどまっている。とくに国産の食品は微生物でおおわれており、野菜は汚れの程度で1位をしめている。市場および労働委員会によってとくべつに創設された拠点の検査の際、食品の保存および販売期限の違反が見つかった割合は、全体の15パーセントであった。ミルクおよび乳製品のそうした割合は、全体の10,6パーセントであった。商業用のスペースや敷地の衛生管理にたいする叱責も多い。発言者たちのかんがえでは、スペースの賃貸期間が短く、契約期間が11ヶ月に過ぎないことは、それを正当化する理由にはならない。
情報源:ユージノ・サハリーンスク市行政府報道係02.11.2005

沿海地方の漁民たちは首相に漁獲枠を求めた

 沿海地方の漁民たちは、政府に、2005年のサンマの追加の漁獲枠の割り当てを求めている。この5年間、南クリールではサンマが増えつづけている。去年、学者たちは、サンマの総許容漁獲量を、承認された10万トンではなく、21万トンにまで増やすよう勧告した。しかし、天然資源省は、かれらの意見に耳を貸さなかった。沿海地方漁業企業協会は、サンマ漁の状況に介入するよう求める電文をミハイール・フラトコーフ首相に打電した。
情報源:ラヂオ・レムマ03.11.2005