伝説の通訳
「パク・ジュンギュ」のロシア情報

永らく、私たち連合北海道のために、日ロの架け橋としてご活躍いただいた「パク・ジュンギュ」さんが、1月18日午前7時8分、永眠されました。
ここに、連合北海道より心からの哀悼を捧げます。
なお、この情報は、遺志を継ぐ人々によって更新されます。


サハリンのいろいろ  (2003.4)


ドルギフ議員はユージノ・サハリンスクの政府から歳出報告を要求

ほぼ一年間半にかけて、州の議会のドルギフ議員はユージノ・サハリンスクの政府から州の歳出報告を要求している。州の検事局も議員の味方になっている。その要求に対して、ある人物により、ドルギフ議員反対運動が設けられた。
 ドルギフはユージノ・サハリンスク選挙区からの選出議員である。議員が代表する町やその町民の生活水準が向上するために、予算のお金がどうやって使われているかを知らなければならない。その問題を巡る投書がいくつかあった。しかし、ドルギフ議員の適法な要求が気に入っていない人達がいるらしい。その人達の下にドルギフ議員反対運動が広がってきている。
 その反対運動について、選挙民の懸命な声が寄せられてくる。恐らく、サハリンの政府は隠滅することがあるだろう。あるいは、政府は予算使用に関する違反が浮かび上がって欲しくないという説もありえる。
 「ラヅガ」文化館のジンケービッチ館長は「なぜユージノ・サハリンスク選挙区から立てられた議員の9人のうち、ドルギフ議員だけが責められているのか?」と質問している。ドルギフ議員は「予算はどこに漏れていくか?」という質問をはっきりしている。我々は答えをもらえるだろうか。

国営テレビ・ラジオ放送局「サハリン」25.04.2003

ハバロフスク地方とサハリン州、協力協定が設立

本日、州役所の交渉会議室で、ハバロフスク地方とサハリン州間、貿易・経済、科学技術、文化における協力協定書の調印式が行われた。2年にわたる同じような協定書が2001年4月に調印されたが、状況の変化に伴って新たな課題が次々と現れてくるので、その新しい課題が協力協定に記されている。調印されたのは、サハリン州のマラホフ第一副知事とハバロフスク地方の政府ゾラジェフスキー副会長である。歓迎挨拶では双方がお互いの経済発展について満足感を述べ、これからの協力的な姿勢の必要性を強調した。例えば、ハバロフスクの政府は、サハリンの石油開発プロジェクトについて参加する希望を示した。マラホフ第一副知事は、「今現在、海外企業と協力しあいながら、ホールディング・カンパニーやコルポレーションを設立して石油開発に積極的な参加を試みる必要がある。ロシアの企業だけだと、経済力がまだ足りない」とコメントしている。

「サハリン政府のプレスセンター」23.04.2003

人権委員会による「電話相談」が開始

 2003年4月22日、サハリン州知事と人権委員会による「電話相談」が開始された。3時間にわたってサハリンの州民は電話を通じて人権委員会のカモルニク委員長に、人権障害に関連する事件を語っていた。ユージノ、ホルムスク、コルサコフ、ドリンスクから合わせて28件の電話を受け取った。人権障害事件の範囲が広かった。州民は、役人らの仕事に関する不満や公営事業に関する疑問を語っていた。住民は各疑問について相談を受けた。3時間にわたる活動で集まった情報は全て記録されていて一般化される予定である。情報の分析に基づいて、人権委員会が各問題について具体的な解決方策を練って各地域に送る。次回の「相談電話」の開始時間について改めてマスメディアを通じて通知される見通しである。


ユジノサハリンスク空港がコンクール1位に

2003年4月10日「サフ・コム」(SAKH.COM)情報通信

 ユジノサハリンスク空港は、年度10万人から50万人までの旅客輸送総量のCIS*の空港のなかで行われた「2002年度の空港コンクール」の最上位となった。ユジノサハリンスク空港のプレスセンターによると、同コンクールは、毎年CISの民間航空の「空港」協会によって行なわれている。同コンクールの決勝には、ユジノサハリンスク空港を含めて7つの空港が参加した。コンクールで判断された実績としては、生産・会計指数、技術的基盤、安全保障、サービス水準などであった。360の最大量の得点のなかから、ユジノサハリンスク空港は、355の最高得点を取った。
 表彰式は、2003年5月27日にモスクワで行われる予定である。ユジノサハリンスク空港のアンドレイ・ロブキン空港長は、民間航空の「空港」協会によって「2002年度の最上の空港」という優勝盃と表彰状を授与される予定である。
CIS* (Community Independent States)

サハリン西港の補修始まる 

2003年4月9日「デイタ・ル」(DEITA.RU)情報通信

ホルムスク市に位置しているサハリン西港に、バースを再建するために、「ウラドモルストロイ」会社(ウラジオストク市)の水利施設の建築技師・潜水夫が到着した。「サハリン・シェルフ・セルヴィス」会社のセルゲイ・ヤコヴレヴ副社長によると、サハリン州の建設会社は、水利施設の作業を行うために必要である設備、専門家、経験が十分でないとのこと。再建作業は、2003年4月15日から開始し、2003年9月の末までに完成する予定である。今の状態では、ウラジオストクの専門家は5人で、将来には18〜20人となる予定である。
 2002年12月には、「サハリン・シェルフ・セルヴィス」社はすでにプリモーリエ(沿海地方)のいくつかの会社と協働したことがある。そのなかに、「ヴォストクモンタジ」社(ガントリークレーンの修理の請け負い)、「ギドロテクス」社(ホルムスク海魚港の再建プロジェクト作成)などがあった。

ユジノサハリンスクに新しい広場

2003年4月12日「デイタ・ル」(DEITA.RU)情報通信

 サハリン州のファルフトジノフ知事の発意で、ユジノサハリンスク市政府はユジノサハリンスクの中央部で新しい広場を建設する予定である。新広場は、「チェホフ・センター」、「サヒンセンター」、ドゼルジンスキー通りとコムソモリスカヤ通りに囲まれたコムニスチチェスキー大通りの元に配置されるようになる。新広場の真ん中で直径の30メートルの噴水を造り、広場を歩行者天国とする予定である。

ユージノ・サハリンスク空港でSARS感染者の検出訓練

「Ostrova」情報通信によると、4月17日、ユージノ・サハリンスク空港で空港の業務員、「Sahalinskie AvairTrassi」サハリン航空、中央衛生局、アンクディノフ病院の感染科の医師達によって、SARS(新型肺炎)伝染者の検出や入院訓練が行われた。
 ウラジボストク発、AN−24便で韓国経由の搭乗者がいたとする、というのは訓練のシナリオである。その搭乗者は頭痛やひどい咳といった症状を訴えている。スチュワーデスは感染者に薬物と感染防止マスクを差し上げてから、空港の衛生所に連絡を取る。そうしてから、スチュワーデスは他の搭乗者に各自の健康自己診断アンケートを配布する。
 空港では既に衛生・検疫部隊が待ち構えている。感染者は初期的診断を下すために素早く空港の検疫センターに運ばれる。続いて、病院の感染科に入院させられる。
 衛生部隊は飛行機や搭乗者の荷物の消毒作業を行う。搭乗者は飛行機を降りて直ぐいわゆる「消毒バリア」を通らなければならない。全ての搭乗者は初期的健康受診を受けてから、各自の家までバスで見送られる。伝染病が流行っているうちに、自分の家を出てはいけない。
 搭乗者の役はSATサハリン航空の社員がしていた。ユージノ・サハリンスク市のサンガデェエフ衛生主任医師とモロゾワ主任伝染病学者が訓練を観察していた。彼らは、訓練は順調に進んだが、所々若干の改善が必要だと、ほぼ高い評価を下した。
 空港の情報通信センターによると、サハリン着の各便の搭乗者には、特別なアンケートに協力してもらっているそうだ。そのアンケートの記入事項は、現在の体調、感染者との接触の可能性、個人的な情報などである。空港の業務員やスチュワーデスの全員が、感染者を割り出すための指導を受けたのである。
REGIONS.RU 18.04.2003

違法のウニ2555キロ、船が抑留

ロシア連邦大洋地方捜索部門に所属する「アムル」沿岸警備艇はタンフィリエフ島の周辺で、「ソナタ」漁船を抑留し、検査した結果、違法に捕獲したウニ(総量2555キロ)が発見された。さらに明らかになったのは、船長は当海産物の捕獲許可を得ていなかったことである。
 ロシア連邦捜索部門情報通信センターによると、漁船は押収され、捜査を行うためにユージノ・クリリスク港に送られたそうだ。ウニの違法捕獲はその棘皮動物の激減につながっているのは当然である。極東漁業研究所は、ある海域のウニの数量が二分の一に減少している、という。
 ウニは貴重な生物資源となっているため、その捕獲は利益のあるビジネスの一つである。一トンのウニの価格は日本市場で1万ドルに達している。アジア太平洋地方や日本において美味なものとされるウニは特に商売対象になっている。またウニは食べ物だけでなく、治療効果を持つ物質として知られている。日本人は一年間にウニをほぼ5百トンを食べている。ロシアはウニの加工技術を持っていないため、ロシア海域で捕獲されたウニは全て冷凍したまま日本へ輸出されているのが現状である。近年、密猟対象になった生物資源のうち、ウニはカニの次の2位となっている。
REGIONS.RU 18.04.2003

サハリンの冬季の雪崩は総計600回以上

雪崩観察所に勤めている専門家は「サハリンの南方にある住宅地や交通道路にとって、雪崩の危険時期が終わった」と一安心。しかし、3月に行った3週間探検の結果で、山の奥には雪崩の危険性がまだ存在している、ということが分かった。探検中、山の斜面に積もっている雪の状態は雪崩専門家によって分析された。この冬中に記録された雪崩の回数は610回であるが、この数字は大体の回数を表すものだと雪崩専門家は補足している。
 以前、サハリンにおいて雪崩観察所は7箇所あり、一年間の平均で1000回まで記録されていたそうだ。おそらく、観察所が減らなければ、今年ネベリスク市に起きた雪崩を防止できただろう。1月、男の子(11歳)の命が雪崩に奪われたのである。
 一方、雪崩にはプラス面もあると専門家がいう。雪崩に運ばれる多量の雪はチャムギンスクイ峠に積もり、夏でもスキーを楽しめるスキー場を作ってくれるのである。
 雪崩が落ちる危険性のあるところは北方の道路とされている。サハリンの中央山脈において積雪は平均より2倍高い。雪崩注意報が出ているのは、ペルボマイスコエがポグラニチノエにつなぐ道路と、スミルニフがボシュニャコボにつなぐ道路である。木材伐採師、観光客、スキーヤーなどには注意するように呼び掛けられている。サハリンの中央部において、雪崩の危険時期は5月の上旬まで続くだろうと予想されている。
ASTV-INFORM 2003.04.02

サハリン州文化局と「サハリン・エナジー」は、遺跡発見の場合、共同方策を練る

 2003年、サハリン州文化局と「サハリン・エナジー」は、産業施設の建設時、文化・歴史上価値のある遺跡が発見された場合の共同方策計画を承認するつもりである、とサハリン国立大学考古学研究所のワシレフスキイ博士(所長)が述べている。
 ワシレフスキイ博士はこう述べている。「今現在、十数の会社がサハリンを訪れたわけですが、それぞれの企業は地元の動植物を保護するために自然保護法を守って活躍するべきだと思います。しかし、動植物の他、もう一つの守るべき未知な世界があります。それは洞窟、人間の古い住まい、儀式を行った場所などという遺物や遺跡である。それらの全ては我々が獲得できる過去についての貴重な情報の泉となっています。」
 共同方策計画書には、仮に発見される遺跡や遺物の保存方法や輸送などについて明記されている。
REGIONS.RU 2003.04.02

千島の住民も反米行動に参加

 クナシリ島の住民は「ナ・ルベジェ」という新聞に反米の手紙を投書した。反米の手紙の作成者はアメリカ製の製品や食品、特に「ブッシュの足」という品名で知られているアメリカ製の鶏肉などの商品を買わないように呼び掛けている。クナシリの住民は、英米軍によるイラク戦争がもたらす問題が深刻だと指摘している。署名活動が行われた結果、30人の署名を集めることができたと報道されている。
ASTV-INFORM 2003.04.02

ナマコの密猟は繁栄

 極東ナマコは絶滅の危機に晒されている。ナマコの捕獲は30年位前に禁止されるようになったが、現在も密猟が栄えているようだ。クナシリ島だけでは、ナマコの捕獲は4つの犯罪集団によって管理されている。クナシリ島警内政部門はこう語っている。地元の漁師に氷面に血痕が見つけられた、という報道に応じて特殊部隊が犯行現場に到着する。警察は「潜水夫の血痕だろう」との仮説。移動中、水中呼吸器を発見。それはさらに潜水夫の殺害の裏づけになる。
 千島列島においてナマコは潜水夫によって獲られている。大金を招くような仕事の一つである。ナマコは無脊椎生物である。ナマコは不感症や癌に利く薬物の原料となっている。日本において干したナマコの1キロは100$で売られている。一方、ロシアでは、ナマコの捕獲は法律上禁止されているものの、現在行われている密輸や捕獲は犯罪集団によって管理されるようになった。クナシリ島の場合、4つの犯罪集団が活躍していて、最強なのは、チェチェンの犯罪集団だと言われている。ロシアの警察にそれらの人々を「ビジネスマン達」と呼ぶのが好まれている。
 ナマコの密猟界では厳しい風習(おきて)が存在している。例えば、ある犯罪集団の縄張りを踏み越えた人間が殺されるのが一般的なやり方である。無残なやり方であるが、効き目がある、という。新しい潜水夫を探すのに時間やお金が必要だが、漁獲期中に犯罪に当たると、巨大な赤字や損失を招く恐れがある。警察は主に犯罪が起こった事実を扱うしかない一方、密猟者は既に警察を恐れることなく、新しい捕獲技術を身につけているばかりである。日本の企業と組んで事前の加工なしでナマコを提供していく。面白いことに、日本の企業はロシアの密猟者に前払いするのである。2004年度の捕獲分も支払われているという情報もある。
NTV.RUより 2003年3月17日

「森」前総領事の親善訪問

今週末、ユージノ・サハリンスクのシドレンコ市長は以前のハバロフスク在日本領事館の「森」前総領事を迎いて、懇談会を行った。懇談会には国際・地方相互関係課のブラソフ課長と議会のドロニナ議長も出席した。「森」前総領事は退職したが、今年の4月からみちのく銀行の顧問として勤務することになる。親善訪問の目的はみちのく銀行ユージノ・サハリンスク支店と市の行政との業務提携を成立させることである。森は以前ユージノ・サハリンスクを訪れたことがあるが、今回、石油関係のプロジェクト、特にサハリンTを徹底的に学んで訪問したと述べ、サハリンTがとうとう実現し始めたことについて喜びを示した。シドレンコ市長は、みちのく銀行が極東における全ての地方との協力的な関係を作ることができればよいと、冗談まじりに述べた。
「島々」情報エージェンシーより 2003年3月20日

「新日本石油」:石油購入協定が可能

 2月21日、「新日本石油」によって、サハリンTの石油の購入協定の可能性が検討されたことが明らかになった。チャイボ油田で採鉱された石油はパイプを通して極東のデ・カストリ港まで流され、そこから「新日本石油」に油槽船(タンカー)で室蘭港まで北海道内で加工や販売のために運搬される形が予測されている。サハリンTの石油採鉱は2005年下旬に開始する予定である。また、「新日本石油」は良質のサハリン石油は一年中安定した調達が実現できるだろうという希望を示した。デ・カストリ港から室蘭港までの運搬期間は二日間になると考えられている。
「島々」情報エージェンシーより 2003年3月21日