伝説の通訳
「パク・ジュンギュ」のロシア情報

ようこそおいでくださいました。
「パク・ジュンギュ」さんは病院も卒業し、元気を取り戻して、連合北海道のためにロシア情報をUPDATEでお送り下さることになりました。ぜひ「近くて遠い国ロシア」のタイムリーな情報に、ご期待下さい。

パクさんはしばらくサハリンに行ってましたが、元気に戻られました。また情報をお送りします。

2002年 ロシアテレビRTR 3月5日

ロシア軍人の給与改善

 プーチン大統領は4日、軍人給与の改善をはかる大統領令に署名した。今回の大統領令は軍人の給与体系を国家公務員並みにするものである。なお、軍人には割増金があるため、実際は国家公務員より高額になる。実施は4月1日から。
 引き上げは階級により格差があるが、平均して1.5倍から2倍ぐらいの引き上げ幅となる。具体的には大将が知事と同額、陸軍大佐は副知事と、注意は局長クラスと同額になる。
 専門家によると、今回の措置は軍人に対する差別を撤廃し、軍からの専門職の流出を防止することにねらいがあるとされている。これにより軍改革が初めてその実現の一歩を踏み出した。

イワノフ国防相の北方艦隊訪問

 イワノフ国防相は4日、北方艦隊を視察に訪れ、ロスリャリコボ修理ドックで原潜クールスクの解体処理を視察した。クールスクは年末までに跡形もなく解体されるが、亡くなった乗組員の思い出は残ると言わなければならない。
 北方艦隊では国防相の訪問を待ちわびていた。将校によると「軍の改革は中央では進んでいるが、下部では具体的に感じられない。一つだけよいことは給料の遅配がないことだが、住宅問題は深刻である。」とのこと。
 年々軍事演習は拡大されており、今もノルウェー沖でNATOの演習が行われている。国防相によると、ロシアとNATOの関係はダイナミックに進んでいるが、ロシアはNATOに加盟する必要はないとのことである。

原油輸出計画の協議

 OPEC石油輸出国機構の代表が計画協議のためモスクワを訪問している。
 昨年末の国際原油価格の下落を受け、ロシアとOPEC
今年の1〜3月の輸出を削減することで合意していたが、後1ヶ月でこの期間が終了するため、今後の方針決定が焦点となっている。
 減産を続けるかどうか、ロシアは後数週間で決めなければいけない。石油会社にとって減産は収入減を意味し、一部油井の凍結をも意味する。
 しかし一方でこの減産のため原油の国際市況は持ち直しているが、ロシアにとってこのまま市況安定を求めるのか、増産して収入増をはかるのか国家予算との絡みで選択が迫られている。カシヤノフ首相はアメリカ訪問で増産を明言している。
 OPECのロドリゲス事務局長は「今ロシアは国際原油市場の大変重要なプレイヤーであり、役割は重大である。ロシア政府代表との協議はマスコミに公表されていない」と語ったが、ユスフォフ エネルギー相は「4月までにはまだ時間があり、結論を急ぐ必要はない」と語った。

2002年 ロシアテレビRTR 2月28日

国境警備船と日本の密漁船

 外国人との出会いは、いつも計画にそったものばかりとは限らない。
 ロシア国境警備隊と日本の密漁船との出会いについて、ユジノ・サハリンスクからリポートする。
 サハリンの南端クリリオン岬臨検担当班が国境警備隊の船から漁船に向け出発した。密漁している魚を積んでいないかを調べるためである。結果は「しろ」であった。別の貨物船は、やはり「しろ」であったが、しかし、いっでもそうではない。
 フロノフ副司令官は、「船体に標識も無ければ、船名も書いていないような船もある。ただの船で、旗も名前もない。漁船にとって格段に有利なのは、無線やレーダーを備えていることである。それによって国境警備隊の船は早々と探知され、密漁した魚を海に投げ込む余裕があることである。ここで重要となるのは船の進路である。密漁船に余裕を与えてはいけない。スピードではこちらの方が3倍早いから、警備隊の船のスピードは、ほとんど総ての漁船を上回る35ノット、時速70キロ相当である。その追跡を逃れることのできるのは日本の早いスクーナー、それも貨物を積んでいなければの話である」と語った。
 76mm砲から撃ちだされる砲弾が、1分間に120発、これで密漁船も逃げるのを諦める。だ捕された漁船と密漁船はネベリスクの港に護送される。
 ある密漁船は、許可された量を130キロをオーバーしていた。船上で箱詰めし日本に持っていくと、2000ドル以上で売れる。ロシアにとっては、エビ1匹に付き25ルーブルの損害である。この漁船は1か月前に、タラの密猟をしてだ捕された。船長の成田さんは、「量をオーバーしたことに気づかなかった。だ捕されてここに連れてこられた」と言った。
 国境警備隊の船が海上を巡視していることが、密漁防止に役立っている。密漁したエビやカニは日本のどの港からも陸揚げできるが、一度国境警備隊の船が現れれば、密漁もそれを運ぶことも不可能なのである。


ロシアのカシアノフ首相の米国訪問

 世界経済フォーラムに参加したのは、カシヤノフ首相にとって、1週間のアメリカ滞在の締めくくりである。国際安全保障および経済協力が主なテーマで、首相は会談は友好的であったと話した。
 ロシアとアメリカがこれはどの信頼をもって協力したことは過去になかった。これからはこの新しい状況のもとで協力してゆくとし、最近ブッシュ大統領がアメリカの危惧している議題をあげた。
 「反テロリズムの行動を他の国に拡大することをどう思うか」の質問が首相にも向けられた。これに対し首相は、「脅威、または私たちが持っている価値に否定的な影響を与える脅成というのはどれも同じだと思う。ただし、肯定的、つまり私たちの社会発展のための肯定的な状況を保障する方法、この方法となると、それは色々違う場合もあると思う」と答えた。

 それからは、経済の話ばかりであった。ブッシュ大統領の様子ではアメリカ市場のロシアに対する差別的な点は、今後解消されるであろうとのことであり、米ロ関係は、新しい段階に入ったといわれる。ロシアは、サウジアラビアにつぐ、アメリカへの最大の石油輸出国になるかもしれない。これは戦略約安定に匹敵するほど重要な問題である。エネルギーの安全保障、エネルギーの安定は先進国にとって極めて重要なことだと思うとも、首相は語った。
 ロシアとしては、今後石油輸出量を大幅に増加することになり、OPECの要求により去年12月に決めた石油採堀制限を停止する可能性もある。今回の首相訪米の最大の目的は、何といっても、5月にモスクワで予定されている、プーチン、ブッシュ両大統領会談の地ならしをすることであった。過去1週間に検討された両国のプロジェクトはすべてこの会談までに具体化されるべきものである。経済的障害の撤廃、兵器削減、テロ対策等である。アメリカの新聞は、このようなレールの接近は、過去10年間見られなかったと書いている。
 アメリカのブッシュ大統領との会談では、エネルギー分野での協力が進めば、将来いまのサウジアラビアに変わってロシアがアメリカへの原油供給の中心になる可能性もあると言われているが、これについての考えをただしたのに対し、カシヤノフ首相は、「具体的にこの問題について、そこまで踏み込んでいるわけではなく、エネルギー分野での協力という点も、議論が始まったばかりの段階であり、ブッシュ大統領との会談では、大統領の方からロシアとの協力を拡大してゆくことは、アメリカの外交政策の重点項目の一つであるという発言があった。これはこの会談の大きな成果だと私は考えている。またこれは大きな意味のある発言だと思う。ロシアとアメリカはこれを考慮して、協力関係を発展させていくことになる。
 それから、去年の11月におこなわれた両国の首脳会談で取り上げられた、戦略核兵器の削減の問題についても、今日のブッシュ大統領との会談の中で、その後の進展状況を話し合った。今年の5月には、再び両国の首脳会談がおこなわれる。世界中がこの会談に期待を寄せているわけであるから、会談では具体的な成果が求められる。これについてブッシュ大統領は、5月の首脳会談で軍縮分野の協定が出来るかもしれないという考えであるようである。
 もちろんアメリカとの関係では、経済も大きな要素である。両国の経済協力は、ごく近い将来に新しい段階に入るのではないかと私はみている。それから、アメリカ側には過去の異物とも言えるような、ロシアに対する経済的な障壁がいまでも残っている訳だが、これもアメリカ政府の約束通り、近い将来に撤廃されるのではないかと私は考えている。今日のブッシュ大統領との会談の印象では、こうした障壁が5月の首脳会談までに完全に撤廃されることもありうるという感触であった。少なくとも、アメリカ政府ではそういう方向で議会への働きかけに全力を挙げているという印象をうけた」と語った

 さらにカシヤノフ首相は、「ロシアとアメリカとの2国間、世界中のパートナの中にも新しい時代、つまり信頼の時代、接近の時代が訪れたという認識が生まれている。いまから数年前であれば、ロシアに進出したい、あるいはロシア企業と協力したいという企業があったとしても、時期尚早と言う感触があったから進出を躊躇していたが、それが今ではアメリカやその他の国々の企業、あるいは投資家のロシアへの進出も十分実現できる状況にあることである。時代は変わった、そして今ロシア経済の中で起きている変化、政治的情勢を見る限りでは、経済分野での協力は大きく前進することが予想されるというのが、いまのアメリカ、そのほかの国々の経済界の見方と思われる。その意味では、アメリカのエクソンモビルが最近、サハリンでおこなわれている「サハリン1」というプロジェクトで決定的段階に移行することを決断した。これは150億ドルの投資になる。それからもう1件であるが、今回のアメリカ訪問で聞いた話だがロイヤル・ダッチ・シェルで「サハリン2」というプロジェクトで決定的段階を採用するということを近日中に、取締役会で決定する方針だということである。こちらは約100億ドルの投資となる。エネルギーの分野については、チェイニー副大統領との会談でもかなりつっこんだ話し合いをした。
 今日のブッシュ大統領との会談でも世界経済の安定のため、両国がエネルギー分野で協力を深めることが必要だとの意見が一致した。」と、アメリカ訪問の成果を語った。

2002年 ロシアテレビRTR 2月27日

ロシアの宇宙軍事的開発

 イワノフ国防相は今日プーチン大統領に、ロシアの宇宙軍事的開発について報告した。
 これに先だち、国防相は今年初めての軍事衛星の打ち上げに立ち会うため、プリセック宇宙基地を訪れている。プーチン大統領はイワノフ国防相とともにロシアの軍事的宇宙開発を討議した。ロシアの軍事宇宙技術は最近まで、世界最強を誇り、200もの軍事衛星を打ち上げ、軍事情報の収集にあたってきた。
 短期間にどれだけの軍事衛星を打ち上げたかを見れは、プリセック宇宙基地はとっくにギネス・ブックに載るはずである。とくに80年代には、年間打ち上げの数は50にもおょんだ。しかし時代は変わり90年代、軍事宇宙開発ほ諸事情によりストップがかかったが、いままた、ブリセック基地が注目され、10年前中断されたスター卜台の建設も再開され、3年後には使用されることになっている。
 しかし、ブリセック基地は有人ロケットを打ち上げまでになっていないことから、バイカヌール基地が今後とも継続使用することになる。しかし軍事衛星の打ち上げはプリセックが中心となる。
 国防省は今年初めての軍事衛星の打ち上げをおこなった。打ち上げは3回にわたって延期された後達成された。この衛星により国内外で起こっていることをよりよく聞き見ることがでさるようになり、国内のロシア軍を有効に動かすことができる。
 年内に少なくとも10基の衛星の打ち上げが予定されている。軍事的宇宙開発におけるロシアのプレゼンスが強まることが期待される。

 天然資源の新たな利用管理計画

 国家評議会に地下資源など天然資源の新たな利用管理計画が提出された。天然資源の利用に関しては現在、複数の省庁が関与しているが、これを一本化しようとするのが、提案の骨子である。
 先ず第一に現在のメンバーでは、今日の会議が最後となる。この会議後、規定によってメンバーが交替する。天然資源の利用管理に関する改善提案は、作業グループがまとめて国家評議会に提出した。
 プーチン大統領は、天然資源の利用全体の中に占める土地資源の重要性を考えて、土地利用の問題は個別的に検討すべきだと述べた。そして土地利用の項目は提案から削除された。
 プーチン大統領は、この日の会議で、「わが国は天然資源が豊富であるにもかかわらずこれを有効利用しているとはいえない。より効果的な利用が求められている。このことは作業グループが提出した報告によっても明らかである。例えば、大手の石油企業がなぜ新たな油田開発に十分な投資をしないのか、という疑問がある。何がネックになっているのかの説明が必要てある」と述ベた。
 先ず第1に、天然資源の利用管理を規定した法律が、この10年間、改正されていないことである。この点に関して、プーチン大統領は、企業活動に応じた柔軟な法整備が必要だと述べた。
 また、もう一つの問題は、資源採掘の認可に関するもので、現在のやり方ではライセンス制約があまりに長すぎるので、利用効率が悪いとの指摘がある。より指導性のあるライセンス制度が求められている。
 さらに、連邦と地方の間で資源採掘権をどう分割するのか、これも大きな問題である。この問題は現在、省庁間委員会が調整中である。
 もう一つは、法的な改善を要する問題がある。それは資源の管理に関するもので、現在天然資源の管理には複数の省庁がからんでいるため、互いの利害が摩擦を引き起こすことが多い。政府の見解は、資源の利用管理に9つの省庁が関与している以上、先ずこれらの省庁の問題に対する取り組みかたをハッキリさせてからとしては遅すぎる。もっと積極的な行動が必要であるとプーチン大統領は述べた。