伝説の通訳
「パク・ジュンギュ」のロシア情報

ようこそおいでくださいました。
「パク・ジュンギュ」さんは病院も卒業し、元気を取り戻して、連合北海道のためにロシア情報をUPDATEでお送り下さることになりました。ぜひ「近くて遠い国ロシア」のタイムリーな情報に、ご期待下さい。

パクさんはしばらくサハリンに行ってましたが、元気に戻られました。また情報をお送りします。

2001年12月21日 ロシアテレビRTR

 ロシア南部を襲った寒波
 ロシア南部を襲った寒波が、20日、モスクワとサンクト・ベテルブルグを襲った。サンクト・ペテルブルグでは、100個所以上の居住区で停電となっている。モスクワのウメコフ空港、シェレメチェフ空港も大雪の被害にみまわれた。異常気象が100年に1度しか起こらないとしても、その異常気象が普通のこととなってしまった。気象台は12月の天候を異常気象とみている。
 ロシアのヨーロッパ地域ではマイナス6.7度という温度が、約1カ月続いている。21世紀ではこのような異常気象は4回だけしかなかった。ロシア気象台では、今年の12月は、100年間で始めて、いわゆる東方プロセスと呼ばれる現象がおこっている。つまりロシアのヨーロッパ部にシベリヤから寒気団が入ってきた。現時点では寒気団は移動している。複雑な低気圧のプロセスによって、湿度が一定していない。温度はマイナス3度から4度、マイチス15度までに毎日変化することであろう。12月にこのような低い温度が続いている。モスクワでは一度も温かい日かなく、雪は溶けることがない。
 20日の豪雪による降雪量は20〜28センチになっている。除雪作業車がこなければ、どこにもいけないような状態である。最近の50年間で、今年の12月が最も雪の多い月といわれている。大雪によりモスクワの空港は混乱している。飛行機は、ウヌコフ、シェルメチエフ空港に着陸できず、飛行機の一部は別の空港に廻されている。
 モスクワの道路では交通が麻痺している。モスクワの交通警察は交通整理に必死に当たっている。しかし、大きな交通事故はすでに起きている。幹線道路でモスクワからロシア南部に向かうトラックを主とする20台の玉突き事故が起こり、5人が負傷した。事故現場では大渋滞が発生したが、交通の流れはかなり早く回復した。

  新労働法案の審議

 下院では19日、2月23日を祝日にするだけでなく、休日にすることに決めた。
 また、新労働法案の審議がおこなわれており、この法案に対する修正案の一つとして、最低賃金の額を、最低限の生活に必要な金額を下回ってはならないことをあげている。
 下院での新労働法案をめぐる第2回目の審議は、第1回目に比べれば、国内の抗議行動もなく、共産党による強行な反対発言もなかった。議員等はようやく法案の中身に首をいれたようである。しかしながら、過去5か月間で、労働組合や雇用側および政府側から2,900もの修正案が会議に届いている。
 1971年の労働法は事実上作りなおされている。中道と右派は、新労働法案を支持、共産党は強く反対している。新労働法案は、市場経済への移行過程で現れた問題を縮め出しているわけである。賃金未払い問題があるが、給料の遅払いには制裁処置がされることになっている。賃金が未払いとなってから15日目には労働者は作業を中止することができる。労働者に対する社会保障としては、最低賃金額の基準が取り入れられている。
 労働組合側には、これまでと同様、労働者の利益を守り、ストライキ権を擁護している。労働組合側は、ロシア全国労組のシュマコフ議長をはじめ、新労働法案に賛成しているが、共産党は強く反対している。
 新労働法案の審議は続けられているが、法案の承認は時間の問題と見られている。左派は投票に加わらなくても法案の可決に必要な226票は楽に獲得できるものと思われる。
 現在議会下院では新しい労働法をめぐって投票が続いている。すでに採択された修正事項やこれから修正するかを検討するものなど、合わせて10の項目のうち3つが今一つ一つ投票に付されている。非常に重要な修正内容であるので時間をかけて吟味されてきた。この法案が採択されることは疑いない。間もなく最終結果を報告できると思われる。

2001年12月18日 ロシアテレビRTR
 
ロシアのダイヤモンド企業世界市場に進出
 
 ロシアのタイヤモンド企業が初めて国家の手をかりず、独力で世界市場に進出することになった。政府は監督責任のみ果たすことになる。ロシアのアルロス社と多国籍企業デビヤス社は今日ヤクート共和国の首都ヤクーツクで、向こう5年間の契約に調印、この契約によりロシアのダイヤモンド輸出額は40億ドルと見込まれる。これによって、国の財政も潤うことになった。
 
ロシアにおける地方選挙
 
 16日の日曜日、全国12の地域で地方選挙が実施された。投票率は高く、目立った違反もなかった。
 地方選挙は全国12地域で一斉におこなわれ、2千200万人の有権者が投票をおこなう、かってない規模のものとなった。3つの地域では市長選挙が実施され2人の市長がきまっている。チュバシ共和国では現職のヒョドロフ大統領が、共産党のシュルチャノフ候補を3%の差で抑え三期日の当選を果たした。投票率はかなり高く、56%であった。
 マリ・エル共和国の選挙も12年にわたって政権をとった、現職のスピリドノフ大統領とトリノホフ地方議会議員との争いとなったが、開票直後に形勢はあきらかになった。6%の差をつけて、トリノホフ候補が現職候補を制した。
 アルタイ共和国は、第1回投票では決着せず、1月6日の決戦投票で、農業党のラクシン党首と現職のズヴヤギン侯補が大統領ポストを争うことになった。
 首都モスクワでは、「統一」、「祖国」、「右派同盟」、「ヤブロコ」の4つの政党の統一名簿に名前がのれば、ほぼ100%の確率で当選できるという結果になった。
 また、すべての侯補に反対という抗議票が有権者の10−15%を占めたのも今回の特徴である。地域による差があるものの、投票は各地で無事終了し、目立った違反もない。また、投票場が閑散とするという沿海地方でみられた風景もまったくなかった。
 
2001年12月13日 ロシアテレビRTR
 
ロシア連邦憲法8周年
 
 12日、ロシアは憲法制定8周年を迎えた。プーチン大統領は、クレムリンでおこなわれた記念式典の演説で、大統領の任期を含め、現段階で憲法改正はありえないと述ベた。
 憲法制定8周年を迎え式典には、政治家、学者、アーテスト等様々な分野で活躍する人々が集い、エリツィン初代大統領も姿を現した。このところ憲法改正を提案する声がより頻繁に聞こえるようになった。しかしプーチン大統領は、憲法改正は問題外であり、大統領の任期を含め、改正はありえないと述ベた。
 プ−チン大統領は、「新しい憲法につながる憲法改正の問題が議題にのぼる。現行悪法を土台として獲得した民主主義を捨て去ることはできない。前に言ったことを繰り返すが、大統領の任期が現職大統領のもとで変更されることはありえない」と述べた。
 プーチン大統領は、8年前、ロシアは国の崩壊と効率の悪い経済に立ち向かい、民主的で、自由な統治国家を建設する選択をしたと語った。そしてその価値観は、8年たった今も変わりはない。憲法の見直しは権力の危機と国内の分裂につながることを、社会は理解していると述べた。最もつらく、危機的な時期でも、権力が憲法の改正の誘惑に負けなかった。そしてそのことが権力にとっても、国家にとっても有益であった。
 ロシア憲法は、アメでもムチでもない。憲法がわけのわからないイデオロギーの道具に利用されたり、政治家の玩具に使われることは決してありえない。憲法は国の基本法である。この憲法が有効であるうちは、国家や国民を実験台にすることは許されない。プーチン大統領はさらに、ロシア社会は今後も憲法に従って発展していくことを学ばなければならない。憲法は,民主主義の学校であるとも述ペた。
 プーチン大統領は、「中央と地方の連邦構成主体との権限分割という重要な仕事がまだ終わっていない。地方と中央の共同作業に関しても決定がなされていない。がまんならないのは、法律がないことを良いことに、司法が勝手に決めてしまうケースが見られる点である。それも官僚の都合だけで決めてしまうことである。連邦の法律や地方自治体の条例が、国民の政治的社会的権利、あるいは財産権を奪ってしまうのである」と述べた。こうしたことから大統領は、地方当局や治安機関に効率的に仕事をするよう呼びかけた。そのため、国と国民が尊敬しあい、権力機関の仕事を国民が信頼する必要があるとも述べた。
 
2001年12月6日 ロシアテレビRTR
 
 ロシアの石油輸出削減と国際市場の動向
 
 ロシア政府は、原油の輸出を来年1月から1日15万バレルを削減することを決めた。
 国内石油大手9社と協議して決めたものである。国際市場は即座に反応を見せ、石油価格は上昇した。OPECはこの決定を歓迎し、ロシアの協力に感謝すると表明した。
 1日15万バレルの輸出削減というロシアの決定に、国際市場は即座に反応、ロンドンの取引所では北海ブレンドが急遽夕方には1バレル20ドルを超えた。この効果がどれぐらい続くのかはわからないが、石油市場に心理的変化が生じるのは確かである。OPECは近い将来の価格幅、1バレル20から25ドルで調整するものとみられ、これはロシアにとっても都合のいい価格である。
 カシアノフ首相は、「望ましい石油価格幅は国家の税収、石油価格の投資計画、して受容者の利害などを考慮して算出している」と述べた。カシヤノフ首相は、OPEC非加盟が約束をまもって、輸出を減らせば、輸出国際市場の安定が可能になるとしている。価格安定のためには、少なくても1日200万バレルの削減が必要であり、OPECは1月から1日150万バレルを削減、非加盟国では、ロシアが15万バレル、メキシコが10万バレル、ノルウェーが最高20万バレル、オマーンが4万バレルの削減を表明している。
 石油国際会議会長のペテン氏は、今減産をしないと、石油価格はさらに下落し、石油会社の新規投資も苦しくなると訴えた。ロシアの表明した輸出削減は、来年1月−3月の対応で、その後は世界経済の動向を見て決めてゆくとしている。
 会議を終えたカシヤノフ首相は、クレムリンで大統領に説明し、今年1年間の経済状勢についても報告した。GDPは年間で5.5%を超える伸びの見込み、農業分野の伸びは約5%、連邦予算は大幅黒字というものである。
 
2001年12月5日 ロシアテレビRTR
 
最新鋭原子力潜水艦「ゲバルト」が北方艦隊に配備
 
 最新鋭原子力潜水艦「ゲバルト」が今日海軍に正式配備された。海軍の旗アンドレイフ旗が船上に掲げられると「ゲバルト」は本格的に任務についたことになる。今日は最高総司令官であるプーチン大統領が「ゲバルト」を訪れた。北方艦隊の基地セベロドビンスクからの報告。
 80年代の半ばまで、ソビエトの原子力潜水艦は、アメリカ人から「なきわめく雌牛」と呼ばれるほど、騒音をたてる原潜として有名であった。マルス型潜水艦の登場とともに汚名は返上されたが、今回配置された「ゲバルト」は、世界で最も静かな潜水艦といわれている
 プーチン大統領は、「ゲバルト」を目にするのは、99年10月に進水式に出席していらい、これが2度目である。「ゲバルト」はその後、2年間にわたり、海上でのミサイルの発射テストを含め、試運転を繰り返してきた。
 プーチン大統領が、コソラポフ艦長にアンドレイフ海軍旗を手渡し、国歌斉唱とともに船上に掲げられた。
 「ゲバルト」の建造は91年に開始されたものの、95年には資金難から廃船の危機にも直面した。「ゲバルト」の北方艦隊配備は、「クルスク」を失った海軍の威信回復となるばかりでなく、国全体にとっても大さな意味をもっている。「クルスク」の事故を教訓に、新しい潜水艦では、様々なレベルの救命システムが整備された。「ゲバルト」は、核弾頭を装備した、24発の巡航ミサイルを搭載し、遠距離にある敵の目標物を水中、水上を問わず発見し、選別することができ、しかも相手には気付かれない。「ゲバルト」は3ヶ月以上の単独航行が可能である。乗組員は63名で、プーチン大統領は船内を視察し、乗組員を祝福した。       ●
 プーチン大統領は、海軍の威信を取り戻すため、政府は全力を尽くすと述べた。潜水艦を含め海軍の将来をいかに一新するかを、国は真剣に考えている。海軍の今後の戦略は、科学技術面の向上にかかっている。今、われわれは新型の多目的型原子力潜水艦の建造に着手しようとしている。主要艦船はすでに造船が始まっている。12月には、サンクトペテルブルグでロシア軍艦の新しいシリーズとした最初のコルべット艦の建造に着手する。
 また1年後には、フリゲート艦クラスの建造も計画している。
 
2001年11月29日 ロシアテレビRTR
 
ロシア独立労働組合連合の大会
 
 28日、モスクワで独立労働組合連合の大会が開幕した。最も重大な議題は新しい議長の選出である。大会の前に4人の侯補の名前があがった。激戦となるか、現職のM.シマコフ議長が選出されるかは、29日に明らかになる。
 ロシア最大の労働組合組織であるロシア独立労働組合連合は、4,800万人の組合員を組織している。会場に近いクレムリンからはプーチン大統領も到着し、労組連合だけの大会でなく、ロシア全体にとって大事なイベントだと述べた。
 プーチン大統領は、「ロシアの労働組合運動は100年の歴史をもっている。この間、運動は働く人たちの権利を主張することにおいて、経験を積みその力を蓄えてきた。この経験をどう生かしてゆくか、この点にこそ社会と政治体制の安定がかかっているのである。近年、労働組合が社会の安寧をそこねるようなことはない。政府も公約を守っている」と語った。
 28日の大会は政府と調整した、新しい労働法の草案を支持した。プーチン大統領は、「国が大衆の後見人であった時代を私たちは経験した。しかし、もう過去のものとなり、今日、私たちの前には別の目標がある。それは、生活の改善のために、国民一人一人に同じチャンスを与え、きちんと働ける条件を提供し、それにみあった賃金を保障することである」と述ベた。
 このスピーチの後、大会は休憩に入り、プーチン大統領はシマコフ議長と歓談をした。
 この後、プーチン大統領は、大統領と話をしたがる大勢の人々に囲まれた。
 この大会で、様々な思惑を工作するイベントは、29日に開かれることになっている。
 独立労働組合連合の議長の選出であるが、おおかたの予想は現職のシマコフの再選であって、左派は、政府よりのありかたを批判しているが、労組幹部は、政府との同調ではなく対話だと答えている。