伝説の通訳
「パク・ジュンギュ」のロシア情報

ようこそおいでくださいました。
「パク・ジュンギュ」さんは病院も卒業し、元気を取り戻して、連合北海道のためにロシア情報をUPDATEでお送り下さることになりました。ぜひ「近くて遠い国ロシア」のタイムリーな情報に、ご期待下さい。

パクさんはしばらくサハリンに行ってましたが、元気に戻られました。また情報をお送りします。

2001年11月25日 ロシアテレビRTR放送

原油相場

 喜ばしいニュース。21日にヨーロッパ市場での原油相場は、世界第3位の産油国であるノルウェーが大幅な減産をうちだしたことから、前年に比ペて、1バレル当たり1ドルの値上がりとなった。ロシア政府は原油の価格維持策について、23日に石油産業の業界代表との協議を予定している。こうしたなか、フリステンコ副首相は、22日、ロシアとしては産油量を1日当たり3万バレル削減することが可能だが、その前に、生産者、需要者双方との話し合いが必要だと述ベている。フリステンコ副首相は、原油価格について次のような見方をしている。いまの状況での適正な価格としては、北海ブレンドで1バレル20ドルから25ドルと考えている。この間、モスクワで開かれた石油業界の会議では、産油量の削減幅について意見が分れた。こめうちユコ支社は、秋から冬のシーズンに産油量を削減することは、国内経済全体に悪影響をおよぼしかねないとして、原油価格の下落を容認してでも、産油量を維持すべさだと主張したいユコ社のホドルコフスキー社長は、「OPEC諸国は、ロシアが今日にでも減産にふみきることを望んでいるが、ロシアは産油量を中期的、つまり1年から3年というスパンで調整することで価格を維持していくのが得策である。OPECが自分たちのことだけではなく、ロシアの利益についても考えるならば、私たちの考えで合意は可能だと思う」と述べた。
 これに対してルクェール社のアルクテルロフ社長は、より一層の減産が可能だとの見方を示した上で、業界としての対応についてOPECは一部の石油会社だけがやっているわけではなく、ロシアも政府が一旦決定をくだしたならば、総ての石油会社が決定に従うべきである。ルクェール社のアヤレクテルロフ社長は、この日クレムリンを訪れ、プーチン大統領と会談した。会談では原油の減産問題についても話し合われたものと思われる。
 こうしたなか、この日の原油相場はOPECの提案を受けて、ロシアが減産を検討中と伝えられることと、ノルウェーが減産にふみきるとの噂から、利率にして7%の値上がりとなった。

ロシアテレビRTR放送 11月21日

ロシアの天然ガスの生産

 ロシア経済の安定はガス産業の興亡に左右される。ロシアの天然ガスの生産はこの数年減る一方であったが、ヤマロ・ネネツコイ自治管区でサボリャルヌィのガス田で生産が開始され、プーチン大統傾が訪問した。プーチン大統領は、今日、ノゲイ・ウレンデイ到着、直ぐにザボリ・ヤルメイガス田へ出発した。悪天候で中止を進める声もあったが大統領は予定通り訪問を主張し、国内でも数少ない、新しく開始された生産施設を訪問した。ザポリャルブイのガス田はロシア国内でも、世界でも、最も規模の大きいもので、ガス産業従業員の住む村や、生産施設の視察の後、ウレンデイに戻った。
 そして、ガス産業を取り巻く問題の討議がおこなわれた。先ずガス価格であるが、ガスプロム社の販売価格を大幅に下回る価格で、ガスの流通を謀るっているダンピング業者の存在が最大の問題である。さらに、国際価格の動向については、エネルギー担当の閣僚や各産業代表がら意見が出された。特にダンピング問題には大きな懸念が示されており、先のガスプロム社の大幅な人事改革は、これに対処するためにおこなわれたとされる。プーチン大統領もこの問題に厳しい対応を示した。
 一部のヨーロッパの国では、ロシアのガスが、ガスプロム社の輸出価格の2.5から3倍の価格で販売されている。そしてそのうちの生産価格とロシア国内の輸送費は、国外の輸送費の半分だとされている。勿論、今のところこの値段で買ってくれているのだから、それはいいとしても、どうしてこんな低価格の価値の元値が実現するのだろうか。どうしてこんな差があるのだろうか。この差はわが国の歳入に相当するような額である。
 ガスプロム社はロシアのガスの94%を生産しており、プーチン大統領が今日訪問したザポリャルヌィのガス田もガスプロム社のものである。ガスプロム社は約1万のガス生産田を保有しており、98年以降井戸の数は増如している。しかしその一方で生産は下がっており、特に90年代始めは、これが顕著であったが、これはロシア経済にとって良い現象であるのだろうか?生産施設が多いからといって、生産量が自動的に増えることではなく、生産の埋蔵量の規模が重要である。ソビエト時代に生産が開始された大規模ガス田はすでに生産量がピークを過ぎ、これにより輸出量も売上げも下降の線をたどっている。生産量の低下については、今日の討議でも話し合われ、この問題は政府の介入なしでは解決できないと認識されている。100〜300億ドルにおよぶ投資が必要とされている。
 これまでとりざたされてきた、ロシア電力公社とガスプロム社、その指導者であるアレキセイ・ミラ氏とアナトリー・チュパイスとの関係正常化が正式に発表された。この2大公社の間の問題は、すでに解決され関係が正常化されたとのことである。また、これは、プーチン大統領も述べたことであるが、ロシアのガス産業は、いまやロシアやヨーロッパだけではなく、世界の情勢に影響をおよぼす地政学的、戦略的手段となりつつある。天然ガスはこれからも、数10年にわたってもロシアの主要な資源であり続けることである。 現代の世界が抱える問題を考えると、ロシアの石油・ガス産業は、世界的な経済安定に大きな役割を担っていくことができると言える。