ようこそおいでくださいました。
「パク・ジュンギュ」さんは病院も卒業し、元気を取り戻して、連合北海道のためにロシア情報をUPDATEでお送り下さることになりました。ぜひ「近くて遠い国ロシア」のタイムリーな情報に、ご期待下さい。
2001年3月29日 RTR ロシアテレビ 放送
世界で最も優れた劇場の一つにあげられるボリショイ劇場が創立225周年を迎えた。ロイヤルボックスに閣僚の姿が見える記念公演では、プーシキンの「ボリス・ゴドノフ」、あるいは「ルスランとリュドミラ」、「白鳥の湖」など優れたバレー作品の一部が演じられた。
プーチン大統領は、「ここボリショイ劇場でロシアの世界に誇るオペラとバレーが生まれた。芸術家にとってボリショイの舞台は名誉であり世界に認められることでもある。」と述べた。28日の舞台を準備したのは芸術監督のロジェンストルスキーである。
ここで見る限り、劇場経営が苦しいとの噂は大げさであるようだ。ソビエト人民芸術家の肩書きも持つポクロヴスキー氏は「ボリショイ劇場はいつも前に進み、その原動力は偉大な伝統である。記念日は駅ではなく途中の停留場であり、もっとも大事なことは、次の記念日を新しい建物で迎えること。新たな力を信じて、偉大なるロシアの最良の伝統を忘れないように。」とのべた。
2001年3月28日 RTR ロシアテレビ 放送
イリヤス・アフマドフ氏が27日ワシントンで米国国務長官特別顧問代表代行で、新独立国家問題担当のジョン・パール氏と会談した。
会談は約3時間に渡り、チェチェンの人権問題について話し合われたと言われており、ロシア外務省のヤコペンコ情報局長はこれを強く非難する声明を発表した。それは、チェチェン国内で武装勢力による爆弾テロが起こったあとに、これに関与を疑われている人物と会談することは、少なくともモラルを欠く行為である。
アフマドフ氏は、チェチェン独立派への支持を求め各国を訪問しており、これまでフランスやチェコが受け入れている。今回米国が受け入れたことについてロシア外務省は「テロを非難する一方でテロリストを受け入れることは二重政策である。アフマドフ氏はどこの代表でもなく、これは単なる(米国側の)政治的ジェスチャーだ。」とも非難している。
ロシア下院のセレジニェフ議長も「会談は公式のものでなく、ロシアで指名手配されているテロリストを受け入れる行為は決してほめられたものではない。今すぐ引き渡されるべきだ。」と強く非難した。しかしカシアノフ首相は報復措置をとる考えはないようだ。
アメリカの新政権がロシアに非友好的だからと言って、冷戦の時代に戻るとは、専門家は考えていない。新政権の外交チームは結成されたばかりであるが、対話が途絶えることは両国にマイナスであり、いつまでもパンチの応酬を続けるわけには行かないことはお互いにわかっている。長引けば正常な関係を取り戻すことが困難になることは明らかである。
2001年3月27日 RTR ロシアテレビ 放送
26日、モスクワで政治学と社会学の学者が、プーチン大統領の仕事ぶりを評価した。
プーチン大統領が就任したのはちょうど1年前で大統領の支持率は60%を超え、いま大統領選挙があっても、46%くらいの得票率になるとのことであった。社会学者で世論基金総裁のオスポン氏は「なぜこうなるのかはわからない。人気の謎は解けない」と語り、効果的政策基金のパヴロヴスキー氏は「人気ではなく、私達と同じ人間であることの評価」と説明する。また、オスポン氏は「言うこととやることが一致していて、素朴な人だ」とも言う。
政治学者たちは「プーチン大統領の最大の業績は自分を中心に多くの人を連帯させたこと。支持勢力は中道右派の国民連合と言ってるが、その支持母体も自ら変革を進めている。」と述べた。また「政敵は今いないが、内部から出てくるかもしれない。」と指摘している。
ロシアの国は一部の資産家や有力者から国民の手に取り戻されたといえるだろう。しかし大統領が直面するのは、国内経済、特に構造改革であり、学者も「今後苦労するのは政治面ではない」と述べている。
26日、EUからの食肉や加工品、乳製品の輸入が禁止された。期間は向こう3週間である。
ゴンデェエフ副首相兼農業相は「食肉の輸入は30%で、影響はあるが市場を守るために仕方ないこと。不足分にはウクライナやベロロシアから補う計画があり、食肉団体とも協議して価格の安定も図るつもりだ。」と国民が動揺しないように呼びかけた。
ウクライナやベロロシアからのものがヨーロッパからのものでない証明は、各国の獣医が緊密な協力体制を取っている。
2001年3月24日 RTR ロシアテレビ 放送
ロシアのルーチン大統領は、ストックホルムの「EU首脳会議」に主席した。
EU首脳会議では、ペテルブルグ300周年記念祝典に代表を送ることを決めた。
ロシアの関心はWTOの加盟問題であったが、EUもロシアとの緊密な関係を望んでおり、プーチン大統領はロシア大統領として初めてEU首脳会議に出席した。特にロシアとしては、ロシア製品に対するダンピング規制の結果、ここ数年で25億ドルの損失を被っていることから、この撤廃を訴えた。
ストックホルムに招待されたことは、ロシアでは前向きの評価を意味するとされているが、スエーデンのマスコミでは、チェチェンの責任で非難されている。しかしプーチン大統領は「いま、マケドニアで起きていることは、チェチェンで起きたことと同じである。96年にロシアは撤退したが、その空白状態を民族主義と宗教的過激派が利用している。テロイズムと戦ったロシアは正しかった。結論は明らかだ。」と反論した。マケドニア情勢は今回の中心議題の一つで、パラコフスキー マケドニア大統領が招待されている。
一方、最近もっとも厳しい米ロ問題は全く取り上げられなかった。
6月に予定される次回のEU首脳会議にはブッシュ米国大統領が招待される計画が立てられている。ロシアの代表団の多くは、ロシアと米国の関係も6月までには順調な軌道に乗るだろうに見ているし、イワノフ外相も「外交官の追放は一過性のもので、繰り返されない。」と語った。
2001年3月23日 RTR ロシアテレビ 放送
ロシア下院は、使用済み核燃料のロシア持ち込みに関する審議を予定していたが、この審議は延期された。
議会前ではこれに反対・賛成する市民が集まり、法案に反対する環境保護団体やグリーンピースが議会前で抗議行動を行った。また賛成する原子力エネルギー省の労働組合は、モスクワホテル前に陣取った。
グリーンピースは、はしごやロープを使い、議会の警備担当者が把握する暇もないほど迅速に横断幕をビルにかかげた。かかげたのは数分であったが、やっと警察も対抗策を取り、参加者は連行された。
肝心の法案は先送りされ、特別公聴会のあと審議することになった。
2001年3月22日 RTR ロシアテレビ 放送
21日午前、グルジアのホクジアジクジンスキー地区で、乗客を乗せたバスが爆破された。当地区はCIS平和維持軍の管轄下にあり、バスはアブハジアに向かう定期バスであった。運転手は即死し、乗客も2人負傷した。
ロシアの平和維持軍は、路上に数個の地雷を発見し除去したが、グルジアの治安当局によると、これはアブハジア武装勢力によるテロであるとされている。
2001年3月22日 RTR ロシアテレビ 放送
アメリカ政府国務省は、武装勢力の代表を近いうちに公式招待すると情報を流した。現実になるとアメリカとロシアの関係は暗礁に乗り上げるのは必至である。
チェチェンの外務大臣を自称するアフマドフ氏は、再びアメリカを訪れる予定であり、アメリカのグロスマン国務次官によると、アフマドフ氏と国務次官補との会見も予定されているかのような発言がある。
ロシアはきわめて厳しい態度を取っているが、下院国際問題委員会のロゴジン委員長は「もしもアフマドフ氏が公式に受け入れられるならば、委員会としては、米国がテロリズムを公に支持する国と見なければならない。」と発言している。また、ルキン議員は「アフマドフ氏はすでに3回アメリカを訪問しているが、当時のオルブライト国務長官との面会は希望がかなわなかった。われわれは、アフマドフ氏は、95年のバス乗っ取り事件に関与したテロリストと見なしている。」と語り、セレズィエフ下院議長は「アフマドフ氏はロシア本国に強制送還すべきであり、本人への迫害の訴えは、裁判で裁かれるべきである。アメリカの国務省内をかけずり回るべきではない」のも述べている。
一方、米国のホワイトハウスでは、米議会の中にチェチェンの公の代表と会見できると喜ぶ向きもあるが、全体的にはこの問題について具体的な見解は時期尚早としている。
どうやらチェチェンをめぐり、ロシアとアメリカの対立は拡大しそうだが、22日の「50人のロシア外交官のアメリカ退去」など、世界にとっては愉快でない状況が続きそうだ。
しかし、経済混迷のロシアも、株価低迷のアメリカも、こんなことでいいのだろうか。国内問題に専念してもらいたいものだが。