社会・政治新聞「ユジノ・サハリンスク」

　

2000.09.29（金）No80（229）

　

サハリン州知事　ファルフトジノフ・イゴリ・パヴロヴチ

　（FARKHUTDUNOV　IgorI　Pavlovlchi）の略歴

　

　1950年4月16日ノヴォシビルスクに生れた。クラスノヤルスク州ザオゼルヌイ市の高校卒業後、クラスノヤルスク工科大学の熱エネルギー学部に入学。

　1972年に、卒業後の配属制度に基づき、サハリンに移住。トウィモヴスク発電所に配属され、様々な職責での稼働に次いで、共産青年同盟（コムサモル）トウィモヴスク地区委員会委員長および共産青年同盟サハリン州委員会労働者・農村青年課長を歴任。

　1981年にソ連共産党サハリン州委員会組織・党事業課に転任。

　1985年にネべリスク地区執行委員会議長（行政区長）に任命される。

　1991年にユジノ・サハリンスグ市執行委員会議長（市長）に任命される。

　1995年にサハリン州行政府首長に任命され、

　1996年に州史上最初の公選によって州（サハリン、クリル）行政府首長に選出される。

社会学修士、経済学博士、社会学ロシア科学アカデミー正会員、「祖国に対する功績」四等勲章、栄誉勲章、5つのメダルと勲功章を授賞。

家族：妻、成人の息子。

　

　

　45年前ソビエト、連邦の最初の観測隊が南極に向かって出発しました。現在南極では地理学上の座標だけではなく、グローバルな地勢学上の利益が交差しています。雪に覆うわれた夏にロシアの越冬隊グループはヴォストーク基地に向けて南極の奥深くに入って行きました。この場所には12か国かいくつかの基地を置いています。そして南極条約の条件に基づいて暮らしています。言わば平和共存しているのです。しかし常に平和共存していたわけではありません。いつかフランスやアメリカが南極を自らのものにしようとした過去があります。ロシア南極観測隊の隊長のルーキン隊長は、70年の末期におこったフォークランド紛争の形は、ある一定の条件下では南極での活動の必要性をしめしました。

　ロシア隊員が南極に行くのはお金のためではありません。越冬隊員として行くのは、主に学者で、ロシアは最も詳しい南極の地図をもっていると言われています。理由はロシアの越冬隊員のみがおよそ1500kmの距離を雪上車を使って極地に到達するからです。

他の国の越冬隊は空から行きます。今回の越冬隊のためにヴオストーク基地に120トンの燃料を運びます。120トンの内20トンでも無くなると越冬できなくなります。機器不足のため、これまでに2回も基地が閉鎖されました。ヴオストーク基地のほかには、南極の内陸にはアメリカの基地しかありません。古いトラクターを使っての氷の平原をゆっくりと移動します。現在も磁気調査が進められています。南極は出張ド−ムが移動することで、常に形状が変化する珍しい大陸です。

　科学者のH・カメネヴスキ−さんは、地球物理学上からいうと、南極は全くミクロの土地ですが、地球から遠く離れた所で起こっているプロセスを地上から観測できるのです。常識ではとても理解できない謎の大陸です。南極は無限の特質をもっています。南極は科学上明らかになっている、地上の全ての有用鉱物資源がある、地球上の唯一の場所であります。だからこそ様々な国の観測隊が訪れるのです。越冬隊のなかにロシアの観測隊も止まらなければならないと言っています。

　

　

　27都・州では教師のストライキが続いております。子供たちがお腹を空かせて倒れるのを、見るにしのびないと先生らは語っています。生徒たちも次の学校に入学する機会を失うのではないかと心配しています。これは27都・州の主要都市の一つの例ですが、ここでは7つの学校がもう 2週間も休んでいます。約250人の先生が無期限ストにはいり、約2,500の生徒たちの学習が出来ない状態です。ストライキで勉強しなくてもよいと喜んでいる生徒もいますが、卒業を間近にしている生徒はちかいます。教師に6か月も給料が出ていないとのことで、生活がとても苦しいのです。

　イリーナさんは小学校の先生ですが、夫が鉄道に勤めているから、ラッキーだと言えます。

　しかし二人の育ち盛りの娘がいるために、夫の給料が借金の返済に消えてしまいます。大きな買い物は15年前にしたっきりです。イリ‐ナさんは「見て下ださい、冷蔵庫の中を。鍋にはジャガイモが入っていたのですが、もう空っぽです。何もありません。たまご1個がありますが、家族全員の分です。これが先生たちの今の生活です。両親に頼るしかありませんが、両親に補助金を出す余力は有りません。学校は国から見放されました。私たちは国の教育指導要綱に沿ってやってきたのですが．．」。教職員のストライキはロシアの他の多くの地域でも発生しています。

　

　

　29日、ロシア正教の代表の集まりで、麻薬害問題が取り上げられた。麻薬害の現状は国の安全保障を脅かすところまできており、国は麻薬害の蔓延は安全保障にとって直接的驚異にまでになっているという。29日、ロシア正教会もこの見解に賛同し、モスクワのダニロワ教会で開かれた正教会トップレベルの会合には、全国から40人の大宗教家が集まった。聖職者の多くは、麻薬患者の指導にあたった人もいた。会議の冒頭安全保障委員会のイワノフ書記が国の立場から安全保障に関する国の立場を説明した。

　イワノフ書記は、大統領と安全保障委員会は、この麻薬の蔓延とその使用が国家とその安全保障の直接的驚異となっていると認識している。麻薬の製造とその直接的使用を処罰するこども必要ですが、使用者の処罰だけでは追いつけないところまできている。先頃、ヤクーツク共和国のニコラエフ大統領と話したが、大統領は、麻薬の使用が北極圏の小さな村にまで広がっているとのこと、麻薬を吸いはじめる年齢は平均的14才からで、映画監督のミハイルコフ氏は、先ず始めにしなければならないことは、どんなに難しくても子供たちのために予防医学的処置をとらなければならなく、これが是非とも必要であると言う。大統領は誰を優先すべきかよく知っているはずである。正教会総司教のアレクセイ２世は、今や精神的な危機が訪れ、社会全体を治癒しなければならないと訴えており、正教会と保健省の発案で相談センタ−をつくり、そこで麻薬患者にあらゆる助けを提供することが決まったと語った。

　

　

　29日、ロシア連邦議会下院は州知事が3期まで勤められるという法案を可決した。現行法では2期までになっているのを改正した。今回の改正案が通ればストロフ氏、シャイエーフ氏等の最も有力な地方知事に、3期まで勤められるチャンスがあたえられることになる。これに対し、右派勢力と共産党から、州政府からの要請によるものであるとの批判の声もあがっていた。共産党の議員は、こんなことをすればまた個人の利害が優先され、地方にいるトップの人たちは、自分のいきのかかった人だけを使って権力を維持することになるとの反対意見を表明したが、プーチン大統領はこの法案を支持し、承認することを望んでいる。この法案の採決は3回おこなわれ、3回目に賛成多数で採択され、これで州知事の三選が認めもれることになった。

　

　

　ウラジオストツク近郊の住宅に暖房用温水の供給がなく、住民は寒さに堪えられないことから、12月1日からその要求として、ウラジオストックとハバロフスクをむすぶ国道を封鎖して抗議している。

　プーチンロシア大統領は、この問題の取り調べのためにクリコフ氏を代表とする小委員会を派遣した。この委員会の調べによると、管理体制が悪く、その責任は行政府に有るとして、早期解決を示唆した。

　

　

　プ−チンロシア大統領は、クレムリンの会議で赤旗を国旗に、国歌は旧ソ連の曲に別の歌詞をつけて取り入れること、国章を「双頭の鷲」にすることを提案した。

　これには下院議長のセレジニヨフ氏も賛成で、近いうちに下院で賛成多数で採択されるみこみである。

　

　　C I S国会議。

　ロシアのミンスク市でおこなわれたCIS加入国会議で、ウクライナに天然ガス供給問題で合意がみられたほか、グルジアからのロシアへの入国ビザ（テロ防止のため）の必要問題、労働法と政党法の問題が取り上げられた。

　

　

　沿海地方では、いまだに住宅に暖房が入っていない、悲惨な状態で、住民は中央政府に訴えている。

　

　

　グルジアーロシア間にビザ制度の導入

　

　グルジアとチェチェンの国境を経由してテロが侵入するのを防ぐ目的で、プーチンとシワルナジェの両大統領の間で、ビザ制度を導入することが合意された。

　グルジア人の多くはロシアに親戚があり、この合意に対して、腹が立つと言うより悲しいことであると、ロシア政府とシワルナジェ大統領に反対の抗議をしている。

　これによって、領事館の前こは長行列ができた。グルジアには700人のロシア人が住んでおり、ロシアにも多くのグルジア人が常住している。

　アヴジェエフ次官は、ビザ制度の導入は12月5日からになるが、一時的なもので、短期間の予定であるという。

　

00年12月8日ロシアテレビ（RTR）放送

　

　　ロシアの検察はグルシェフ氏を逮捕した。これはアエロフロト（Aeroflot）事件での容疑者であるベルゾヴスキ−が国外に潜伏していることへの圧力とみられる。

　

　国旗、国章、国歌の問題で、旧ソ連国歌の曲は、ソ連時代の連想であるとエリツィン前大統領が反対しているが、それには関係なく、プーチンはプーチンとして賛成であると強調した。

　

00年12月9日ロシアテレビ（RTR）放送

　

　ロシア下院は、三色旗（国旗）、旧ソ連国歌の曲の復活、国章、軍旗としての赤旗を賛成371票と反対51票と賛成多数で採択した。

　国歌に関しては、作詩の提案が1,000以上もあることから、その選考が問題となるといわれている。

　

　

　グルジアに派遣された国連の監視団の代表2人が拉致された。いまのところ手かかりがなく、行方はわからない。身代金の要求があると思われる。過去にも2回の拉致があったが、無事解放された。捜索が続けられている。

　

　ロシアでは5州・地方の知事選挙があり、4地区で現職の知事が再選された。そのうちハバロフスク地方のイシャエフ現職知事も8 8％の票を獲得して再選された。