北方領土保護記念日

 

 昨日、日本とロシアは日露外交関係樹立の150周年記念日を迎えた。185527日、エフレーミイ・プチャチン将官は日本と、両国の平和と友好関係の起点になった通商国境条約を締結した。しかし、その日は日本政府にとって、ロシアからエトロプ島、クナシリ島、色丹島、そして歯舞諸島を取り上げることを目標にした「北方領土の日」になってしまった。実は、1855年の条約によって、ウルプ島はエトロプ島から切り離され、南千島は日本領土になった。その後に結ばれた条約や第二次大戦の成果を含む出来事は日本側からみると重要ではないらしい。

 そして昨日、東京で日本領土拡大論者の定期的な会議が行われた。風邪気味の小泉総理大臣は彼ら宛のメッセージの中で、今後の日露関係の発展に当たって、北方領土の問題を解決すべきであると指摘した。町村外務大臣も記念日について思い出した。「今年は日露友好関係150周年なので、今年こそ、平和条約早期締結を実現するための土台を作るよう努力していきたい」と町村外務大臣は述べている。日本政府にとって、平和条約は北方領土の問題解決次第ということである。

 その頃、ユージノ・サハリンスク市における日本総領事館の前で、150人の住民による「南千島列島返還反対」デモが行われた。デモが行われるのは4回目である。しかし、今回のデモは、自民党、共産党、ロシア統一党、青年統一党、そして故郷党といった広範囲の政治勢力を団結した初めてのものだった。

 今年の北方領土記念日は両国の立場を変えさせることは少しもできなかった。ちなみに、20046月、アメリカ・シーアイランド市で行われた八カ国協議にて、小泉総理は2005年の初めに、つまり記念日に合わせて、プーチン大統領に来日してもらうことを約束してきたが、プーチン大統領の訪問は見合わせされ、次の訪問時期は未だに未定である

8.02.2005 11:34  「ニュースの時間」 より