原子力防災訓練に関する住民アンケート

 
@住民アンケートは、10月25日、住民に面談し聞き取る方法で行った。
Aアンケート総数147(内訳:岩内町88、共和町29、泊村20、神恵内村10)
 
1. 防災訓練について住民に周知されているかを確認する問いに、「知っていた」(85.7%)、「知らなかった」(14.3%)であった。
 
2. 各町村が広報車により住民に「原発事故(訓練)」の広報訓練を実施したが、広報車による広報内容が、「聞こえた」(50.3%)、「あまり聞こえなかった」(22.4%)、「聞こえない」(20.4%)で、半数近くの住民には「事故(訓練)」が伝達できなかったと思われる
 一方、家庭内に設置されている防災無線による広報では、「聞こえた」(78.2%)、「聞き取りにくい」(1.4%)、「聞こえなかった」(9.5%)、「電源を切っていた」(5.4%)で、広報車と比較すると防災無線は効果的な伝達手段と云える。
 また、防災無線器の保守・点検についての問いには、「役場からの指示に従う」(25.2%)、「自主的に電池などを取り換える」(20.4%)、「不調な場合、役場に連絡する」(32.7%)、「その他」(11.6%)であった。
 
3. 原子力防災訓練は1988年に初めて実施されて以来、今回で17回を数えるが、@これまで住民避難訓練に参加したことがあるかという問いに対し、「ある」(16.3%)、「ない」(82.3%)と回答した。さらに、A役場が退避・避難命令を出した場合、どこに退避・避難するか決められていますが、知っていますか?に対し、「知ってる」(61.9%)、「知らない」(25.9%)、「忘れた」(7.5%)と答えた。住民の3割超が避難場所を知らないことになる
 
4. 万が一、重大事故が起きた場合の退避・避難については、「役場の指示に従う」(74.8%)、「自家用車等で遠くに逃げる」(17%)である。役場等の迅速で適切な退避・避難の指示が重要であること窺い知れる。その一方で、車社会と云われる今日、住民の判断で一定の規模でマイカーによる避難が起こることも想定される
 
5. 原発の安全性について、どの程度不安に感じているのかに対し、「大いに感じる」(34.0%)、「少しは感じる」(41.5%)、「あまり感じない」(15.6%)、「まったく感じない」(2.7%)と答えた。7割を超える住民が原発に不安に感じている不安に感じていないと答えた住民が2割弱あった。東電などのトラブル隠し等で住民の「不安感」が増している。
 
6. 防災訓練への意見・要望を尋ねたところ、@「東電に於けるトラブル隠しが二度と起こらないように、国は厳重な管理・指導を行うべきだ」、「事故やトラブルについては、隠さないではっきり云ってもらいたい」など、東京電力などの「トラブル隠し」に関連する意見が多数寄せられた。また、A防災訓練に対しては、「規模が小さくなった。力が入っていない」(神恵内)、「広報車は停車して放送して欲しい(屋内にいると聞こえない)」(岩内)、「避難訓練に一般参加を増やして欲しい」(岩内)、「参加したいが役場からの要請がないので参加できない」(岩内)、「訓練は必要だ、もっとてきぱきやってほしい」(共和)、「訓練が一部の人で行われている、全体でやってほしい」(泊)、など多くの要望・意見が出された。

集約の図表 (PDF 33K)
以  上