政策調査部情報 14号 04.8.19
■内容 @美浜原発事故に伴う泊原発の安全管理強化を求める要請行動
北海道電力鰍ノ
美浜原発事故に伴う泊原発の安全管理強化を申し入れ
本日(8月19日)連合北海道(要請団:峯後樹雄事務局長他)は、北海道電力鰍ノ泊原子力発電所の安全管理の強化と働く労働者の労働災害・安全対策に万全を期すよう申し入れた。尚、北電鰍ヘ、森岡輝男副社長、西村芳昭原子力推進本部長らが対応した。
明日は、北海道(吉澤副知事)に対し要請する。
(要請事項及び北電のコメント要旨)
1.関西電力・美浜原子力発電所3号機事故について、現時点においてどのよ うな見解をおもちなのか明らかにすること。
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○コメント(森岡副社長)
事故に対する当社の見解ですが、今回の事故は11人の死傷者が発生した重大事故であり、大変残念なことと認識している。現在、国、関西電力において原因究明がなされており、当社として直接コメントする立場にない。
2.美浜原子力発電所3号機と同じ加圧水型軽水炉である泊原子力発電所1・ 2号機における2次冷却水の配管の検査やこれまでの検査結果含めて安全管 理システムについて明らかにすること。
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○コメント
関西電力の事故が発生した直後、国から泊発電所の2次系配管を調査するよう指示があった。昨日、その調査結果を国に報告した。また、プレス等を通じて調査内容を公表した。当社は、平成2年5月に定めた「原子力設備2次系配管肉厚の管理指針(PWR)」(以下「管理指針」)に基づき、2次系の減肉の状況を定期検査時を利用して徹底管理をしてきた。その点検で配管の減肉が確認された箇所について、監視を強化したり、余寿命評価を行い、技術基準上の肉厚を管理し、必要に応じて、耐蝕性の高い材料に交換するなど計画的に実施してきた。また、「管理指針」に盛り込まれたの検査範囲に登録漏れが無いのかも確認した。このことは、昨日、国に報告した。なお、美浜発電所の破損箇所と同一の部位については、すでに泊発電所1.2号機とも減肉のしにくいステンレス鋼に取り替え済みである。
3.美浜原子力発電所3号機での2次冷却水の配管破裂による蒸気噴出という 想定外の事故の発生を受けて、泊原子力発電所1・2号機のタービン建屋内 における作業員の安全確保について、現状と検討すべき課題についてについ て明らかにすること。
4.今後における泊原子力発電所1・2号機の安全管理システムの強化・確立 徹底に向けた姿勢、方針を明らかにすること。
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○コメント
泊発電所については、これまでも安全・安定運転を最優先に万全を期してきた。すでに申し上げた通り、2次系の配管の安全性についても管理指針に基づき、必要な対策をとってきており、安全であることに確信をもっている。なお、現在、美浜3号機の事故原因の究明中であり、その結果を踏まえ、泊発電所に反映すべき点があれば改善する。適切に対処したい。
これまでも、労働災害防止については、協力会社と一体となって災害の発生防止に努めてきた。作業に従事する方の安全確保を最優先に取り組んでいく。火力発電も含めてさらに安全対策に取り組んでいく。
●意見交換で連合北海道は、次の点を指摘し改善を求めた。
1.労働災害・安全衛生管理
労働基準監督署が今回の事故について、安全衛生法違反容疑で書類送検の方向にある。貴社には労働災害・安全対策については、一層の対策を強化する姿勢を求めたい。
2.情報公開の改善
2次系配管についての管理指針に基づく検査結果は、情報公開の対象になっていない。情報公開対象とするようその改善を検討すべきだ。
3.火力発電所の配管についての調査
道内の13ユニット中9ユニットの火力発電所の配管の肉厚調査を既に終えているが、残りの4ユニットについても検査すべき。
以上
■添付資料
「配管減肉事象に係る点検に関する調査報告書」(8.18 ほくでんPres Release)